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2015/02/06

  • 海のない街で

    薄明をゆく 砂の城を壊してきた 公園の帰り道 あっさりと 繋いだ手をほどくと 空を指差して あの海に いつか行きたいね と言うあなた そのみずみずしい言葉に導かれ 視線をあげてみれば 伸びやかに

  • 俳句2023 4/22更新しました

    入学の空青すぎて硬すぎて(聞ける俳句・4月佳作句) 入学の日の雨に祖母生きてゐる 雷鳥の冬毛に春の風溜めて(2023.4.5上野動物園) 有刺鉄線くぐり灰空へ蝶 春の雪眺めて弦を張る力(聞ける俳句・2月佳作句) 恋

  • 冬未明

    夜明け前の月を 見つめながら歩く 足元に沈澱した紫の夜 うつむけば その深みに 落ちてしまいそうな心細さのなか しずけさを 優しく揺らすエンジン音で どこかへ走り去っていくトラック 誰もいなく

  • 季節工場【春】

    ぽとんぽとんぽとぽとん 季節工場の屋根の下 ずらりと並べられたバケツのなかへ 雪解雫の落ちる音が響きだします ぽとんぽとんぽとぽとん 朝日を孕んだ雫の 楽しげな音色は 何かを呼んで

  • 季節工場【秋】

    あらしの夜の 季節工場には いつもポケットに飴を忍ばせた 人々が集まっていて ベルトコンベアから流れてくる 空色の薄荷飴を せっせと割りつづけています カリンッ カリンッ と 割れた

  • 凧揚げ

    お正月の真新しい空に 凧をあげる子供たち 遠い空を泳ぐ凧を眺めながら たとえば心のようだとおもう 遠い未来や過去を思うほど 遠くの人を思うほど ピンと張る糸 消えそうな雲を求め 凧はずっと張り詰

  • きよらかに

    かすかな光を 睫毛が絡めとる カーテンの隙間から 朝のさざめきの予感 いつもより 足裏が火照っているのは 甘酒のとろりとした湯に浸かる 夢を見たから バスタオルで体を拭く 夢の続きのように 布団

  • 俳句2022

    光ごと掬う目高の子ら透けて(第33回伊藤園新俳句大賞佳作特別賞) 風信子ことしも吾子の心電図(第33回伊藤園新俳句大賞予選通過) 落椿どこかに罠のあるような(第33回伊藤園新俳句大賞予選通過) いわし雲満ちる水笛

  • 航空障害灯というのを初めて知りました

    高速道路より、牛久大仏の頭が点灯しているのが見えて、 クリスマスだから?年末だから?と夫とアホな会話をしておりました。。

  • 夕立 ー夕立にあらゆる首は濡れにけりー

    あらゆるひとびとの あらゆる首を濡らしてゆく 変声期の すこし喉仏の張り出た首も 消えかけた地図のような 静脈の浮かぶ手首も 崩れそうな肉体を いっしんに支える足首も 嬰児に与えるための ミル

  • 季節工場【冬】

    会わないことと 会えないことの隔たりの深さで 星の瞬く夜 季節工場の大きな暖炉の前に 人々が列を成します 亡き人へ宛てた手紙を 燃やすために 訪れた人々の列は 星空の下まで続いていま

  • 母の鋏 ー 養老町 家族の絆 愛の詩 佳作入選作品 ー

    鏡越しに いつでも迷いなく動いている と思っていた母の鋏 永遠の夏空へ 吸い込まれるように 回り続けるサインポール 床屋の母が わたしの髪に触れるとき わたしの考えていることまで 髪から伝わってし

  • おはじきの波

    夕暮れの 翳りから ひぐらしが鳴き出して やさしく やさしく じゆうな時間の おしまいを告げていた ほんとうはまだ 遊んでいたかったけれど 縁側にばら撒いた おはじきをたぐり寄せる 指先にふれる

  • 雲うさぎのゆくえ

    一途に伸びる ひこうき雲の端っこを きまぐれな鳥が突き抜けて ちぎれたとこから生まれた 雲うさぎ 「ここ、どこ?」 とつぜん放り出された 真っ青のただなかに 戸惑ってたら 「ひこうきはあっちにい

  • 銀の糸

    それは遠い昔 わたくしがお人形だった頃のお話 ご主人様の指先と わたくしの肢体が 銀の糸で結ばれていた頃の ご主人様がピアノを弾くと 糸を伝わり わたくしは踊り出します 踊っている姿を ご主人様

  • 俳句2022〜随時更新〜

    「まんげつがほしをうんだ」と言ふ子かな(娘語録) テトリスめく街を炎天の観覧車(俳句生活 人選) 緑陰をはみ出す牙として画板 鉱石を割つてつめたき夏夜かな(青嵐俳談 入選) 月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳

  • 俳句2022〜随時更新〜

    テトリスめく街を炎天の観覧車(俳句生活 人選) 緑陰をはみ出す牙として画板 鉱石を割つてつめたき夏夜かな(青嵐俳談 入選) 月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳談 入選) 明星をとらへ水番渇ききる(青嵐俳談 入選)

  • 俳句2022〜随時更新〜

    緑陰をはみ出す牙として画板 鉱石を割つてつめたき夏夜かな(青嵐俳談 入選) 月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳談 入選) 明星をとらへ水番渇ききる(青嵐俳談 入選)  タツノオトシゴ触る星座をなぞるよに(青嵐俳

  • 俳句2022〜随時更新〜

    鉱石を割つてつめたき夏夜かな(青嵐俳談 入選)月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳談 入選)明星をとらへ水番渇ききる(青嵐俳談 入選) タツノオトシゴ触る星座をなぞるよに(青嵐俳談 地) 夕風へ放る米粒ほどの歯よ

  • いばらの道

    いばらの奥に宝は眠る 男は傷つきながら 道を進む 宝のために いばらを傷つけることもせずに 人々は いばらの奥に棲む龍に 彼を差し出した 人々の平和のために 彼の休息に 梟が鳴いていた 彼

  • 蝶 ー吾の中のみづ波立ちて初蝶来ー

    秋蝶が さざ波を連れてくる 空の青さに溺れながら わたしのなかの水が震え 冷えてゆく指先に 蝶が止まる 閉じていく翅 祈るように 沈むように くちづけのように ほんとうの呼吸を 思い出して ゆっ

  • 望遠鏡 ー囀りに闇やはらかくなり夜明けー

    美しいものは無いのです ほんとうに美しいものなど無いのです 光を泳がせる 紺碧の海が 美しいわけではないのです 余熱を沈めていく 紺青の空が 美しいわけではないのです 闇を柔らかくしていく かは

  • 巡る ーコスモスを見上げて野垂れ死ぬ夕日ー

    コスモスが揺れていた さみしくて揺れていた 触れ合いたくて揺れていた 泣きたくて揺れていた 風から伝え聞いた 山々の向こうの 波をおもって揺れていた 薄明るい満月の夜 暗闇を纏って近づいてきた雄鹿に

  • 春 -2021年金澤詩人賞候補作品-

    春は張りぼて クレーンに壊されていく 土埃の向こう ぼやけた春の空気のなか 嗄れた声を放ちながら崩れる 薄っぺらくなった屋根 憂鬱な朝の片隅で 規則正しく鳴いていた鳩は 躊躇いもなく羽ばたく マ

  • 俳句2022 〜随時更新〜

    月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳談 入選)明星をとらへ水番渇ききる(青嵐俳談 入選) タツノオトシゴ触る星座をなぞるよに(青嵐俳談 地) 夕風へ放る米粒ほどの歯よ 花びらに夜明けのありて花菖蒲 日時計の影う

  • 雨の日には ー五月雨の水族館に籠りけりー

    いつからか 雨が降り続いている 雨音が 私のからだの中へ 積もって 冷えた爪先を見つめれば 青色のペディキュアの奥は 静かなさざ波 揺らめく光が消えかけている あゝ 水族館へ行こう とふと思い立

  • いちじく ー無花果捥ぐ友のしこりに触れし手でー

    いちじくを囓るとき 私はいつも 彼女の乳房を思い出す ほら と 左の口元だけ笑いながら 私の手を掴むと 躊躇いもなく 自身の胸へと引き寄せて そのしこりに当てた ちいさかったころ 一緒に遊んだビー

  • 幼少 ー夏草に出口探して夕汽笛ー

    夏草の匂いが 立ち込めて 体じゅうに充満していた 痛そうなほど あかあかと滲む 夕暮れの空 皮膚に纏わりつく 生温い風が 自分と世界の境目を 絡めとってしまいそうで 逃げるように走り出せば 生

  • クリームソーダ ー退屈を極める午後のソーダ水ー

    恋って パチパチするっけ? ふわふわするっけ? うーん どっちもかな なんて 年長の娘と会話する クリームソーダを 分け合いながら いつかあなたが そんな恋をしたら クリームソーダの さく

  • 夜の灯り ー寝ころびてスマホの文字は月へ向くー

    餅つくうさぎが不在の 三日月の夜には マッチで火を灯したいのです 大切なものを照らすために 大切なことを思い出すために マッチ箱のなかで 転がる音の軽やかさ マッチを擦るときの ざらつく感触

  • 檸檬 ー黄昏の影絵ほどけて椋鳥となるー

    黄昏 影絵のような世界に 椋鳥の影は 散骨されていく セピア色の商店街に 人々は吸い込まれ 無表情のまま 籠を満たしていくけれど それは本物だろうか 椋鳥の影ほどに 本物だろうか 生温い 二の腕

  • 川辺にて ー白鷺の降り立つ空が寂しくてー

      きらめく川の流れのなか一羽の白鷺が立っている  真昼淋しさからも別れからも遠いから 油断した影を連れて歩んでいたのに ふいにわたしの視界に現れて淋しさや別れをよみがえらせる 祈りを失った青すぎる空に水音

  • 消して命を吹き込む ── 篠田教夫「海辺の断崖」に寄せて

    しんしんと降る 月光に背を向けて 画家はひたすら 塗りつぶしていく 細く尖った鉛筆の先が 闇に溶けながら 闇を深くする 紙と鉛筆の擦れ合う音は 延々と繋がり 外側と 内側の境を曖昧にして ひた

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