プロフィールPROFILE

ブログタイトル
Show Your Hand!!
ブログURL
https://www.hayamonogurai.net/
ブログ紹介文
本と映画と音楽の感想など。
更新頻度(1年)

60回 / 365日(平均1.2回/週)

ブログ村参加:2012/10/29

本日のランキング(IN)
読者になる

新機能の「ブログリーダー」を活用して、hayamonoguraiさんの読者になりませんか?

ハンドル名
hayamonoguraiさん
ブログタイトル
Show Your Hand!!
更新頻度
60回 / 365日(平均1.2回/週)
読者になる
Show Your Hand!!

hayamonoguraiさんの新着記事

1件〜30件

  • 『はだしのゲン 私の遺書』/中沢啓治

    2012年に73歳で他界した、『はだしのゲン』の著者、中沢啓治が自身の半生を振り返ったエッセイ。6歳で被爆を経験した際の生々しい体験から、戦後の広島で必死で生き延び、怒りに燃えて原爆漫画を描くようになり、やがて世間にそれが受け入れられていくまでが書かれている。体調を崩し、筆を折った中沢は、あたかも「遺言」のように、「原爆によって、人間がどういうふうになるか」ということを自らの被爆体験を通して語っている。 中沢は、自分の作品のベースにあるのは、端的に「怒り」であると言う。それはつまり、「戦争や原爆について、日本人は自らの手で責任を追求し、解決しようとしているか?否、何一つされていないではないか!」という怒りだ。だからこそ、原爆被害の実態をリアルに伝えるべく、『はだしのゲン』のような、漫画でありながらも相当に生々しいスタイルの作品を生み出したのだ、というわけだ。(もっとも、回を追うごとに読者から「気持ち悪い」という声が出てきてしまったため、中沢としては、「かなり表現をゆるめ、極力残酷さを薄めるようにして」描いたらしい。)

  • 『孤島』/ジャン・グルニエ

    アルベール・カミュの才能を発掘した人物として知られる、ジャン・グルニエによる哲学的エッセイ。哲学的、とは言っても、空白や、一匹の猫の死、ある肉屋の病気、旅、花の香り、地中海の島々、すぎ去る時について、思索的で淡々とした散文がまとめられたもの、という感じだ。 全編通して通奏低音となっているのは、「至福の瞬間」とでも言うべきもののことで、それは人の生に不意に訪れる、ある幸福な瞬間のことを指すものであるらしい。グルニエ曰く、それは作家に天啓をもたらすような瞬間であり、あるいは、人が自己を再認識するような瞬間である。

  • 『サードドア 精神的資産のふやし方』/アレックス・バナヤン

    勉強に嫌気がさしてしまった医学生のバナヤンは、現代の「成功者」たち――ビル・ゲイツ、スティーブン・スピルバーグ、レディー・ガガ――の伝記や評伝を読みあさる。そうして、彼らが自分と同じくらい若いころに、どんな風に成功の第一歩を踏み出し、これだというような人生の始まりをスタートさせたのか、という「聖杯」を見つけるべく、彼らにインタビューをして回ろう、それを本にしよう、とおもい立つ。 バナヤンは、「本当のところ、僕は何に興味があるんだ?どう生きたいんだ?」という自分の気持ちに愚直に従いながら、また、多くの人に助けられながら、すさまじい行動力でもって「成功者」たちにインタビューするための旅を続けていく。もちろん、その旅路のなかで、「聖杯」などというものは存在しない、ということが明らかになっていくわけだけれど、それを20歳そこそこの若者が、これでもかというくらい多くの失敗を繰り返し、当たっては粉々に砕けまくりながら少しずつ体得していく…というプロセスがみっちりと書き込まれているところが、本書のおもしろさだと言っていいだろう。

  • 『消え失せた密画』/エーリヒ・ケストナー

    児童文学の巨匠というイメージのケストナーだけれど、大人向けの作品もいくつか書いている。『消え失せた密画』はそのうちのひとつで、ユーモア溢れる犯罪小説…といっても、残酷なところや邪悪なところが1ミリもない、ほっこりキュートな物語である。 物語の主人公は、繰り返される単調な毎日に嫌気が差してしまった肉屋の親方、キュルツ氏。家族をベルリンに残し、ひとりコペンハーゲンに観光にやって来た彼だが、ふとしたことから超高価な密画の盗難事件に巻き込まれてしまう。そうして状況に流されるがままに、密画蒐集家の美人秘書やおバカな窃盗団たち、ミステリアスな美青年などといった面々と、騙し騙されの密画争奪戦を繰り広げることになるのだが…!

  • 『飛ぶ教室』/エーリヒ・ケストナー

    物語の舞台はドイツ、キルヒベルクのギムナジウム。正義感の強いマルティン、作家志望のジョニー、喧嘩の強いマティアス、弱虫のウリ―、読書家のゼバスチャンの5人組が主人公だ。クリスマスを目前に控えた彼らの頭のなかは、クリスマス会で上演する劇「飛ぶ教室」の稽古と、クリスマスの帰省のことでいっぱい。だが、そんなある日、同級生のひとりが実業学校の生徒に拉致されたとの情報が入ってくる。5人は捕虜を奪還するべく、急いで動き出すのだったが…! いわゆる「ギムナジウムもの」らしく、本作でも、扱われているのは無垢な少年たちの傷つきやすさだと言っていいだろう。

  • 『若きウェルテルの悩み』/ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

    「日も月も星も依然としてその運行をつづけながら、私にとっては昼もなく夜もなくなり、全世界は身のまわりから姿を没した」というほど、ひとりの美しい少女に夢中になってしまった青年、ウェルテルの「悩み」を描いた物語。少女の名前はロッテ。ふたりは出会ってまもなく互いに惹かれ合うけれど、ロッテにはすでにアルベルトという許婚者がいた。ウェルテルは、叶わぬ恋とは知りながら、我が身をそこから引き剥がすことができず、ついには自死を選ぶまでに自らを追い詰めていってしまう…! 誰もが多少は身に覚えのあるような三角関係を扱った物語ではあるけれど、本作の特徴は、主題が「悩み」そのものである点だろう。ここには、恋の鞘当て的な駆け引きや、具体的な恋愛をめぐるアクションというのはほとんどない。作品全体の3分の2ほどが「ウェルテルが友人に宛てた手紙」によって占められていることもあって、文章の大半が彼の内面の吐露になっているのだ。

  • 『リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義』/渡辺靖

    リバタリアニズムについて全面的に同調できるかどうかはともかく、政治的・社会的課題は「お上がなんとかするもの」だとかんがえている日本人からは到底生まれそうにない思想だな、と感じさせられた一冊だった。個人の自由とは、自らの手で守り、勝ち取っていかなければならないものだ、というリバタリアン的な発想や行動ほど、明治維新以来ひたすら中央集権型で進んできた日本人からかけ離れているものもないだろう。「自由」ということの意味や価値をかんがえ直す意味でも、リバタリアニズムについて知ろうとすることは有用だろうとおもう。

  • 『世界の涯ての鼓動』

    去年、TOHOシネマズシャンテにて。生物数学者の女(アリシア・ヴィキャンデル)とMI-6の諜報員の男(ジェームズ・マカヴォイ)が、ノルマンディーの海辺にある小さなリゾートホテルで出会う。ふたりはそれぞれ、自らの信念を賭けた大きなミッションを数日後に控えていた。女の仕事は、潜水艇でグリーンランドの深海に潜り、地球の生命誕生の起源調査を行うこと。男の任務は、ソマリアのテロ組織に潜入し、爆弾テロを阻止すること。 男は職業柄、常に自らの死をどこかで予感しながら生きている。女は、深海という死の世界のなかから生の光を探そうとしている。それぞれが死と生のイメージを濃密にまとったふたりは、必然のように惹かれ合…

  • 『リンドグレーン』

    昨年末に、岩波ホールにて。ピッピやカッレくんを生み出した、スウェーデンの国民的な児童文学作家、アストリッド・リンドグレーンの伝記映画。原題は"Unga Astrid"(英題:"Becoming Astrid")なのだけれど、そのタイトルの通り、本作では、彼女が「リンドグレーン」になる以前の若かりし頃(10代〜20代前半)、「アストリッド」として自立するまでを描いている。

  • 『勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」』/梅原大吾

    格ゲーの世界チャンピオンであり、日本初のプロゲーマーでもある梅原大吾の自伝的エッセイ。ウメハラにとってゲームとは何か、そこで勝ち続けるためのかんがえ方、生き方とはいったいどんなものであるか、が書かれている。 ウメハラの思考法は、ゲーマーならではの超個性的なものかとおもいきや、決してそんなことはない。どちらかといえば、自己啓発本とかにもよく書かれているような内容だと言っていいだろう。ただ、ウメハラがゲームの世界においてひたすらにかんがえ、悩み続けることで、自らの内から答えをひねり出ししてきた、ということがはっきりと感じられる文章なので、もう言葉の説得力が本当に半端ないことになっている。

  • 『フリー <無料>からお金を生みだす新戦略』/クリス・アンダーソン

    『WIRED』誌の編集長だったクリス・アンダーソンによる2009年の著作。10年も前の本だけれど、書かれている内容はいまなお進行中のものばかり。アンダーソンの洞察力はすごいな、と感じ入った。 アンダーソンは、20世紀のマーケティング手法にも「フリー」(=費用からの自由)を利用するものはあったけれど――安全剃刀をタダで配って、替刃を販売して利益を得る、無料でレシピ本を配布して食品の売り上げを伸ばす、など――デジタル技術を利用した21世紀の「フリー」は、「将来のためのエサではなく、本当にタダ」である点が重要なのだと語る。アナログで試供品を作ったり配布したりするのにはいちいちコストがかかっていたけれど、デジタルの世界においては、情報処理や通信にかかるコストが、ひいてはオンラインサービスに必要となるコストが、激しい競争を通じて限りになくゼロに近づいていくことになる。おまけに、デジタルであれば全世界のユーザに対して一度に「フリー」のサービスを提供することだってできる。

  • 『in our time』/アーネスト・ヘミングウェイ

    『われらの時代』(原題:”In Our Time”)の出版される前年、1924年にわずか170部だけ刷られたという書物、”in our time”の柴田元幸による全訳。『われらの時代』の各短編の扉部分にある超短編(1ページくらいの小品)のみを18章集めたものが一冊になっている。 『われらの時代』が優れた作品集であることはもちろんだけれど、そこから簡素な素描と言ってもいいような部分のみを抜き出した本作も、これはこれでなかなか趣がある。各章で扱われているのは、いずれも戦場や闘牛場における闘いや死にまつわるちょっとしたエピソードだ。トピックとしては血なまぐさい暴力が描かれていることが多いのだけれど、全体的に「暴力性」というものが明らかに欠けていて、むしろ倦怠感、疲労感といったものが強く喚起されるようになっているところが特徴的だ。

  • 『戦略読書日記 本質を抉りだす思考のセンス』/楠木建

    楠木は、昨今のビジネス書は「スキル」を追求することに傾斜しているが、戦略そのものを作成し、商売を組み立てていく経営者の仕事に必要なのは、「スキル」ではなく、「センス」だと言う。楠木によれば、「センス」とは、「文脈に埋め込まれた、その人に固有の因果論理の総体」であって、「スキル」のように教科書的に体系立てて教えたり学習することのできないものである。要は、その時々の文脈における発想力や対応力のベースにあるもののことを「センス」と呼んでいる、ということなのだろうけれど、だからこそ、「センス」は、それまでの経験の量、質、幅、深さといったものによって形成されるものでしかあり得ず、「センス」の良さとはすなわち「引き出しの多さ」ということになる。

  • 『サブスクリプション ―― 「顧客の成功」 が収益を生む新時代のビジネスモデル』/ティエン・ツォ

    サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル作者:ティエン・ツォ,ゲイブ・ワイザート出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2018/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー) サブスクリプション・モデルがどのように産業を変化させているか、そして、サブスクリプション・モデルをどのようにして企業に適用していくべきか、について具体的な方策が語られている一冊。かなりよくまとまっていて、サブスクリプション・ビジネスの現状が把握できるようになっている。 本書でもっとも重要なのは、企業がサブスクリプション・モデルを導入するということは、単に課金形態を月額に変更するということ…

  • 『サピエンス全史』/ユヴァル・ノア・ハラリ

    さんざん話題になった本書だけれど、たしかに非常に明快で、「人間とは全体としてこういうものだ」ということが腹落ちするようになっているところがよかった。大きな枠組みで体系的に語っていながらも、しっかりとしたストーリー性を持ち合わせているから理解しやすくなっているのだ。もっとも、当然ながら、本書を読めば人間の進化のあらゆる側面がわかる、というわけではない。たとえば、ホモ・サピエンスの「虚構」を信じる力、協働する力が他の生物種を圧倒する原因になった、ということはわかったけれど、ではなぜそういった能力が発現したのか、といった点には、本書ではあまりページが割かれていない。そういった細々した疑問をいろいろとおもいつかせてくれるという意味でも、たのしい読書だった。

  • 『スタンフォードの自分を変える教室』/ケリー・マクゴニガル

    心理学、神経科学、医学などの分野から、自己コントロールにまつわる知見を解説し、自分の「意志力」を強化するためのさまざまな方法を紹介している一冊。紹介されているアイデアとしては、 * 定期的な瞑想を行う(5〜15分) * 定期的な運動を行う(5分〜) * 呼吸を1分間4,5回に抑える * 屋外の自然に触れる(5分〜) * 睡眠時間を確保する(6時間未満はNG) * 誘惑に負けそうになったとき(例:ダイエット中のケーキ)は、「誘惑してくる対象そのものを思考すること」を禁止せず、欲求が存在することを受け入れてしまう。その上で、自分の目標をおもい出しつつ、行動を意識的に選択するようにする。

  • 『洗礼ダイアリー』/文月悠光

    詩人の文月悠光によるエッセイ集。タイトルにある「洗礼」というのは、「社会に入るために経験しなければならないこと」とされているような物事、通過儀礼のようなものだと言ってもいいだろう。幼いころからちょっと「人とズレて」いたという文月は、学校で、職場で、SNSで、家庭で、友人関係で、さまざまな「洗礼」を浴びては、そのたびに動揺したり混乱したりする。各エピソードの中心になっているのは、彼女の感じる違和感、所在なさ、悔しさ、寂しさ、もどかしさ、やりきれなさ、不安、戸惑い、といった感情の揺れ動きで、なんとも不器用で不安定な、自意識が強くて潔癖な、傷つきやすい魂が感じられる。

  • 『「残業ゼロ」の人生力』/吉越浩一郎

    トリンプ・インターナショナル・ジャパン元社長の吉越による、人生後半をたのしむためのかんがえ方をまとめた一冊。 吉越は人間の人生を、 * 勉学中心の「学生期」 * お金を稼ぐ「仕事期」 * 何にも縛られず自由に生きる「本生(ほんなま)期」 の3つに分けるとするならば、人生の価値は「本生期」にこそある、と言う。「本生期」というのは吉越の造語で、「本当の自生、本番の人生、本来歩むべき人生」という意味であるらしい。「余生」とは真逆のかんがえ方、とのこと。

  • 『インプットした情報を「お金」に変える黄金のアウトプット術』/成毛眞

    タイトルはど派手だが、内容的には結構まっとうなことが書いてある一冊。たしかにいまの世の中でふつうに生活していると、インプットばかりになってしまいがちだ。音楽も映画も聴き放題、見たい放題のサービスがあるし、電子書籍、オーディオブックだって同様、おまけにSNSには絶えず大量の情報がアップされ続けている。これらを日々摂取しているだけで、消化不良になってしまう…というのはおそらく誰しもがわかっていることなのだけれど、でもインプットは簡単でたのしいし、アウトプットは面倒でなかなか続かない、というのが本当のところだろう。なにしろアウトプットというやつのためには頭を使わなければならないし、自分のおもうような品質のものを出力し続けるというのはなかなかに難しい。自然、多くの人がアウトプットから遠ざかってしまっているわけだ。成毛は、こんな文言で読者を執拗にアジテートしてくる。

  • 『私の財産告白』/本多静六

    明治から昭和にかけて日比谷公園の設計や明治神宮の造林など行い、「公園の父」とも呼ばれた男、東京大学教授にして大資産家でもあった本多静六による資産/人生論。60年以上前の本だけれど、そのエッセンスはいまでも古びていない。というのも、彼の主張はきわめてシンプルかつまっとうなもので、煎じ詰めれば、 1. 収入の四分の一を貯金する 2. 種銭が作れたら投資する という、ただこれだけに過ぎないからだ。一代で巨大な資産を築き上げたとはいえ、いわゆる成金、一攫千金的なところはまったくなく、とにかく健全、堅実、実直というコツコツ型の権化みたいな人なんである。「金儲けとは、理屈や計画ではなく、実際であり、努力である。予算ではなく、結果である」と語る本多の言葉には、まったく曇りや迷い、浮ついたところがない。地に足ががっちりとついているのだ。

  • 『新・メシの食える経済学』/邱永漢

    邱永漢によるお金に関するエッセイ集。「お金の神様」として有名な著者だけれど、お金儲けに関するノウハウ集というよりは、お金という側面から人生について語った、人生論のような趣の一冊だ。本当に人生のありとあらゆることをお金に結びつけて語っているところがすごい。

  • 『リベラルアーツの学び方』/瀬木比呂志

    東京地裁、最高裁の元裁判官であり法学者である著者による、リベラルアーツ指南本。世のなかに大量に流布しているリベラルアーツ本、教養本の書き手たちと同様、瀬木も、実践的な意味における生きた教養としてのリベラルアーツを学ぶことの意味は、いまなお、というか、いまでこそ大きい、と言う。さまざまな書物や作品と真摯に向き合い、そこから得られる知恵から帰納的に思考していくことで、自分の頭でかんがえ、自分なりの思想を形作っていくための基盤を手に入れることができるだろうから、というのがその理由だ。

  • 『ゼロ・トゥ・ワン』/ピーター・ティール

    ピーター・ティールがスタンフォード大学の学生向けに行った「起業論」の講義をベースに書かれた一冊。ティールは、自身が採用面接を行う際、「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」と質問するという。なかなか難しい質問だが、これに対する正しい回答は、「世の中のほとんどの人はXを信じているが、真実はXの逆である」という形になるはずだ、とティールは語る。彼が求めているのは、この世界でいまだ明らかになっていない真理や知識を発見し、社会を大きく変えていく、そういったラディカルな思考なのだ。

  • 『ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想 』/木澤佐登志

    新反動主義(暗黒啓蒙)と呼ばれる、なんともキナ臭い思想的ムーブメントの概要と、それが形成されるに至った流れについてまとめられた一冊。ペイパル共同創業者のピーター・ティール、Tlon経営者のカーティス・ヤーヴィン、哲学者のニック・ランドという三人に焦点を絞って、この思想がどのようにして生まれ、どのような影響を与えてきたのかが描かれている。以下簡単にノートを取っておく。

  • 『思考力』/外山滋比古

    本書の主張はシンプルだ。「知識・教養などといった他人の考えに依存することなく、自分の頭で考えろ!」ということだ。外山はいままでの自身の人生経験から、知識偏重の日本の教育はダメだし、日本の文系の学問も同様だ(海外の論文をパクって組み合わせているだけじゃないか!)、自身の経験から導かれたかんがえをベースにしなければオリジナルなものなど生み出せない、と語る。情報を集めれば集めるほど思考力は低下し、知的メタボの教養バカ、コピペ人間に成り下がってしまう、と言うのだ。

  • 『浴室』/ジャン=フィリップ・トゥーサン

    『浴室』の物語は、ある日突然、主人公の青年が浴室に引きこもってしまう、というところからはじまる。なるほど、胎内回帰願望のメタファーとしての浴室、とかそういう感じなのかな、などとおもって読み進めていくと、数ページ後には彼はあっさりと浴室を出て、引きこもり生活をやめてしまう。同居している恋人とか、家にやってくるポーランド人たちともふつうに――それなりにふつうに――コミュニケーションをとっていたりする。やがて、主人公はこれまた突然イタリアに旅発ち、現地で医師の夫婦と仲良くなったりもするが、結局また家に帰る。…こんな風に書いてもぜんぜん意味がわからないのだけれど、でもじっさいそういう展開の小説なのだ。

  • 『誰がために鐘は鳴る』/アーネスト・ヘミングウェイ

    ヘミングウェイの長編。1930年代のスペイン内戦を舞台に、共和国側の義勇兵としてゲリラ部隊を率いるアメリカ人、ロバート・ジョーダンの4日間を描く。ジョーダンの任務はグアダラマ山脈にある橋の爆破だけれど、頼りにできるのは10名にも満たない地元のスペイン人ゲリラのみ。作戦の成功確率は相当に低そうだと言わざるを得ない。そんななか、ジョーダンはかつて反乱軍に囚われていたという若い娘、マリアと出会い、たちまち恋に落ちるのだが…!

  • 『砂の女』/安部公房

    主人公の男は、昆虫採集のために休暇をとって人里離れた砂丘に向かう。そこには砂に埋もれかけた小さな村があり、男は一夜の宿を求めてある家を訪れる。家には女がひとり暮らしているのだが、なにしろそこは砂穴の底に位置する家、放っておけばたちまち砂に埋れてしまうので、その女がすることはといえば、降り積もる砂をひたすら掻き出し、家が潰れないようにするというただそれだけである。翌朝、男が旅経とうとすると、家を出るための縄梯子がなくなっている。村人に騙され、砂穴の底に軟禁されてしまったのだ。男は砂穴から脱出しようとあらゆる手段を試みるが、ことごとく失敗し、女とともに砂を掻き出す生活を続けることになる…!

  • 『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』/佐宗邦威

    カイゼン思考、戦略思考、デザイン思考に次ぐ、「ビジョン思考」なるものを提唱する一冊。佐宗によれば、「ビジョン思考」とは、個人の関心、妄想といった内発的動機からスタートして創造性をドライブし、直感と論理とを結びつけるような思考法、であるらしい。 前提とされているのは、クリスチャン・マスビアウ の『センスメイキング』で語られていたのと似たような話で、いわゆる「正解」のないVUCAの時代には、データやロジックに基づいて戦略を策定していく、というやり方は十分に機能しない、ということだ。だから、周囲の環境や自分自身について、自分なりに感知し、解釈して、自分なりの意味づけを行っていかなければならない。その感知・解釈・意味づけ(本書の表現によれば、妄想→知覚→組換→表現)の方法論として、『センスメイキング』ではリベラルアーツに再注目すべし、という主張がなされていたわけだけれど、本書では、「他人モード」(他人に合わせて、他人の思考を想定してかんがえる)ではなく、「自分モード」になってかんがえていこう、そこから思考をスタートさせよう、ということが述べられている。

  • 『コズモポリス』/ドン・デリーロ

    2000年のニューヨーク。若くして投資会社を経営する主人公は、自分の周りにあるすべてにリアリティを感じられないでいる。莫大な資産、鍛え上げた肉体、株式の動きを見抜く才能、特殊改造されたハイテクの豪華リムジン、優秀な部下、ボディーガード、専属の医師による毎日の健康診断、愛人たち…彼は資本主義社会の上澄みのありとあらゆるものを手にしている男だけれど、ある日、自ら進んでそのすべてを投げ捨て、破滅に向かって突き進んでいくことを決めてしまう。それはまるで、自己破壊によってシステムの外部に脱出しようとする試みのように見える。

カテゴリー一覧
商用