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糖度高めなオリジナルBL小説(短篇~長篇)を扱っています。 ドイツ人広告代理店社長×イタリア人家具デザイナーが美味しいもの食べたり困難を乗り越えたりいちゃついたりする日々の物語。 #溺愛攻め #トラウマ持ち受け

受け溺愛主義かつ強火担の攻めが何が何でもハピエンにします。

あざさ
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2011/01/01

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  • そうして、ヴァルハラに至る 16

    耳朶に触れたのは、優しい旋律。頬に触れたのは、温かい感触。鼻を掠めたのは、甘い香り。陽だまりで転寝をしているかのような心地の良い微睡みの中で、このまま1日を過ごせたらどんなに幸せだろう、と思う。だが、乾いた大地を潤す雨粒のように心に沁み渡る声が聞こえ、ハインリヒは重たい瞼を押し上げた。そこに、光を見る。太陽のように強烈なものではないが、月明かりよりは皓々と眩い光。反射的に手を翳し、ハインリヒは瞳を...

  • 愛にリボンを

    時刻は街もすっかり眠りに落ちた深夜2時。耳鳴りがするほどの静寂の中に、玄関のロックが解除される小さな音が響いた。その音は自室で小説を読んでいたアルフレードの耳にも届き、ストーリーの核心を語り始めた主人公の台詞の間に栞を挟む。椅子の背もたれに掛けてあったカーディガンを羽織り、逸る気持ちを抑えながら廊下に出ればひんやりとした空気が頬に触れた。ドイツの夏は短く、秋はもっと足早で。今年も訪れた冬は、春が長...

  • そして、ヴァルハラに至る 15

    産まれておいでと望んでくれた人がいた。ありったけの愛情で育ててくれた人がいた。捨ててしまおうとしたこの命を決して諦めない人がいた。そして、今。共に生きたいと願ってくれる人がいる。意味も目的も価値も見失い、汚れてしまったそれに嫌悪すらしたけれど。たくさんの想いや祈りの中で、愛情や優しさや慈しみに守られ、支えられて。生かされたこの命を、生きたいと心から願えるようになった。あぁ、そう思えるようになったの...

  • そうして、ヴァルハラに至る 14

    シュテルン広場や辺境伯オペラハウスからほど近く、バイロイトの中心地にそのホテルはある。窓の向こうにはバイロイト宮殿の明かりも見え、アルフレードは感嘆を零した。「すごいね、まるで物語の中にいるみたい!」金糸の長い睫に縁取られた鳶色の瞳を煌めかせ、白く滑らかな頬に笑みを浮かべている横顔を見つめていたハインリヒもまたほぅっと溜め息を零す。普段は自由に遊ばせている金糸の髪を丁寧に撫でつけ、上等な夜会服を纏...

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