そうして、ヴァルハラに至る 16
耳朶に触れたのは、優しい旋律。頬に触れたのは、温かい感触。鼻を掠めたのは、甘い香り。陽だまりで転寝をしているかのような心地の良い微睡みの中で、このまま1日を過ごせたらどんなに幸せだろう、と思う。だが、乾いた大地を潤す雨粒のように心に沁み渡る声が聞こえ、ハインリヒは重たい瞼を押し上げた。そこに、光を見る。太陽のように強烈なものではないが、月明かりよりは皓々と眩い光。反射的に手を翳し、ハインリヒは瞳を...
2022/10/23 22:09
2022年10月 (1件〜100件)
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