当時のお仲間がご夫妻と集まると、福岡パッシブハウス完成までの様々な物語が鮮明に思い出されて話題には事足りません。何よりもこんなに大切に、新築当時とほぼ変わらない状態で暮らし楽しまれているご夫妻の笑顔に出逢うたびに、手がけて本当に良かったフ
長年やっていると、全てが繊細なバランスで成り立っていることが身をもってわかってくる気がします。ピックアップされる幾つかの数字で、性能を決めつけてしまうのは非常に危険ですし、それにより選択が、一般の皆さんの裁量によって行われることにはいささ
結露の観点からも気密性能は重要で、私たちは何十年も現場単位での全棟気密測定検査を実施していますが、高性能化が高まる中でもこれは未だ義務化が叶わず置き去りにされている部分です。全棟検査を実施していない高性能はまずあり得ません。ただ、高性能と
歴史は繰り返します。住まいの高性能化のプロセスは、この国でも40年余り変遷を経てきています。ひとっ飛びに新基軸ができてきたわけでもなく、突然の大発明があったわけでもなく、名もなき人々のさまざまな試行錯誤が蓄積されていき、あらゆる実証データ
緊急事態宣言後も巣篭もり需要が続いているのか、高性能住宅への皆さんの関心は強く、どうせ建てるならとスマホ検索で出てくる情報という情報をかき集めて、少しでもコスパが良く、ランニングコストが低い家を持ちたいという人々の思いは急速に拡大していま
その昔は、断熱はいいけど「気密」は嫌だなどという方たちも少なからずいました。なんとなく閉塞的なイメージがあるのかも知れませんし、「壁の内外で適度に空気が呼吸する」などという曖昧な耳触りの良い表現がまかり通っていた時代は(その時点で躯体内の
結露は急激な温度差でできるというお話をしました。断熱とともに、気密性能をしっかり取る理由の一つに、この結露を防止するということがあります。もしも壁の中で局所的に空気が行き交う穴でもあれば、暖かい空気と外気がふれあう結露リスクの大きな場所が
ホームセンターなどに行くと、窓ガラスの結露を下で受け止めるフェルト状のシールの様なものが売っていて、露垂れをしないから便利などという宣伝文句を見かけます。私は口が悪いから、窓のオムツなどと口走りますが(笑)、何よりも結露を止めなきゃいけな
いわゆる露を結ぶと書く結露現象。どうして起こるかご存知の方は多いと思います。この「露」どこから降って湧いたかといえば、空気の中からというわけなのです。私たちの周りにあるごく当たり前の空気には少なからす目には見えませんが水蒸気が含まれていて
なんだかまだまだ色々とバタバタしているというのに、街に出ると気忙しくイルミネーションだなんだと年末ムードを煽って、もうクリスマスソングなど聴こえてくるから、実務で駆けずり回っているものからすれば甚だ迷惑な季節になってきました。笑。まぁ、ほ
さて、冷暖房のお話をしてきましたが、ここからは番外編。「体感温度」のお話を前の項でお話ししてきましたが、私たちは空気の温度、湿度、風(気流)、室内の面温度などを総合して暑い寒いを判断しているわけで、ではどんな冷暖房が良いのかというお話にな
高性能でバランスの良い住まいであれば、結局のところ冬は低い温度帯でも寒くない満足度がある空間となり、夏は逆に高い温度帯でも暑くない満足度の空間となります。これでどういうことかというと、冷暖房に投じるエネルギーそのものも少なくて済むというこ
外皮性能が整った場合、室内は私たち居住者の発熱はもとより、家電や照明などの生活排熱も暖房に加勢してくれる形になり、冬はその足りないところを暖房で補っていくということになります。本来の外皮性能が担保できているならば、ほう射の影響は極めて少な
暖房のお話をしていてなかなかそこに行きつきません(笑)。ただ、それくらい外皮の性能は大切なのです。まず器をつくることから始めなければ根本的に良くなりません。断熱を少しでもすると、熱が漏れにくくなり少なからず暖房が効きやすくなります。そして
この季節に合わせて、少しばかり冬目線でお話をしますが、先日までの項で「体感温度」に関してお話をしていました。空気自体の温度、そして風速、そして湿度が大きく関わっていますし、室内について言えば、放射の影響を大きく受けますから、床・壁・天井・
昨日まで、寒さについて書いてきましたので、それを凌ぐための暖房のことを今回は少し書こうかなと思います。先の項でも、一般的には、コタツ・ホットカーペット・石油ファンヒーターの類を含めて暖房と呼称しますが、私たちはこれを「採暖」と言い、暖房設
体感温度のお話をしてきました。わかりやすくお話しするために、空気の温度、湿気、風の三要素で体感が変わるというお話をしてきましたが、私たちはこれ以外に温度を感じている大きなセンサーを持っています。ほう射(輻射と同意)という要素で、このセンサ
私たちの体感温度は、気温に湿度と風速が関係するということがわかります。室温をある温度帯まで引き上げて方的をキープしなければならないことは当然ですが、体感的には他の条件を整えていかなければならないことがよくわかりますよね。温度キープのために
付け加えれば、北海道の皆さんは少なからず我々より寒さに関しての造詣が深くて、私は師としてお付き合いが長いのですが、当初よく言われていたのは「福岡は湿度があるから暖かいだろう。制御は簡単だろう」と言われることでした。私はこのことの理解がなか
一口に寒さと言っても、人間は自分の生命維持のために、体温温存をしようとさまざまなセンサーを持って寒さというものを感じています。現実に自分を取り巻く気温(寒暖計が指し示す空気の温度)だけではなく、湿気、風速などのさまざまな要因を細かく感じて
暦も立冬を過ぎて、いよいよ冬の気配が見え隠れする季節になってきました。今年は夏をいつまでも引きずった福岡ですから、体の方がついていかず、体調が優れないという方も多発しているようにも思えます。ご自愛くださいね。私たちは、これから自身の寒さと
弊社が長年実作例の中から見出して改善を重ねてきたいろいろなアイデアは、昨今騒がれているUa値だけでは表せない、気候風土に折り合いをつけたバランスのお話の部分です。平均値で比べてもその辺りが全く出てこないから、そこだけをクローズアップする近
例えば日本列島は南北東西に長いわけで、北海道と九州では気候風土が随分違うわけです。九州一括りにするのもどうかと思う。冒頭でお話ししたアロハ短パンは宮崎、沖縄のイメージで、日本海側に面する福岡などは、逆に鳥取、島根、新潟に連なるエリアのイメ
福岡を中心にして、長年住まいづくりをしてきた経験から、なんとなく他地域よりお客様のニーズとして「明るい」「日当たりが良い」という要望の優先順位が比較的高めというイメージがあります。固定化したイメージとして、住まいは、「暗い」という不満があ
私の両親はともに九州の産ではなく母などは昔は雪深かった山梨の出身であったために、周りの親御さん達よりも子供に対しての冬支度に対してはすごく敏感だったように思います。周りの子が暖房もない小学校に通う通学路を太腿を真っ赤にしながら半ズボンで通
北風と太陽というイソップの童話がありますが、ちょっとそのタイトルをもじった感じでこんなタイトルをつけてみました。このところ福岡は清々しい秋晴れが続いていますが、どうやら来週後半くらいからグッと冷え込む日が増えるように予報されています。私は
これから寒くなる冬に向かって、実は住宅の断熱性能は実感しやすい季節に入ります。そこまで重装備にしなくても、今までの無断熱でスカスカの家よりは、「暖房が効くね」となるのです。ただ、これが落とし穴です。日本の断熱の基準も、まだおおよその割合の
冬は、熱の収支がわかりやすい。足し算です。室内のことを考えてみましょう。私たちの暮らしの快適な温度よりも大気の温度がグッと下がるので、私たちは暖房を使います。この熱がプラス。家族が室内にいると私たち自らも体から発熱していますから、この熱も
断熱材を入れるのは、「寒さを和らげるもの」という感覚がやはり先行するので、この季節はすごくわかりやすく、想像にも淀みがないことは確かです。どんどん断熱材を増していけば、どんなに寒くなっても室内は守られる。そうなのですが、問題は、例えば九州
これからの季節、住まいの熱のことを考える場合、暖房という室温を高めるためのエネルギーのことを考えるのがベースとなります。室温も外気温も、私たちが暮らすにはいささか温度が低くて寒いので、温める必要があるからです。この時期は割とわかりやすい。
いよいよ暖房が必要な季節になってきますね。住まいの性能によって、スタートの時期が大きく違うことは方々のお話で感じていますが、近年の高性能ブームによって、少しずつボトムアップにはつながっていますから、昔よりはだんだん遅れてきているのかもしれ
「ブログリーダー」を活用して、建築YA髭さんをフォローしませんか?
当時のお仲間がご夫妻と集まると、福岡パッシブハウス完成までの様々な物語が鮮明に思い出されて話題には事足りません。何よりもこんなに大切に、新築当時とほぼ変わらない状態で暮らし楽しまれているご夫妻の笑顔に出逢うたびに、手がけて本当に良かったフ
築13年の中古物件と聞けば、連想される世界があると思いますが、福岡パッシブハウスの場合はそのイメージにはほぼ該当しないということができると思います。私も何度かお客様をお連れしていますが、「え、新築ですか?」と言われるほど、建築当初の状態を
13年前に、パッシブハウスジャパン(以下PHJと記載)の森代表理事と共同設計で取り組んだのが、福岡市内に立つ国内3棟目の認定パッシブハウス「福岡パッシブハウス」です。実は、この福岡パッシブハウスが現在売却に出ていて、この木曜日まで
人が、自分の住処に求めるものはなんだろうと考える時、やはりどこに居るよりも心身ともに安らぐ場所であるということが第一に思い浮かぶものではないかなと思います。「心身ともに」と書きましたが、まさに心と身体の両面からの安心というものが要でないか
これまでの私の仕事の主たるところは、まさにお客様の住宅の新築の分野でした。ただ、ここまで社会全体がコスト高になってくると、万人に向けてその方法のみで対応が可能とは言いにくくなってきました。そもそも、いわば、「高性能のための高性能(スペック
どれが正しく、どれが間違っているということではないにしても、バラバラに発信されている各々の得意分野の方達が、独自に多種多様に放っている情報は、無秩序に拾っていくと、いわば食べ合わせが悪いことが起きてしまうことがあります。お客様の中でもネッ
現在のスタイルが始まった頃は、おそらく30年くらい前ですがここ福岡で弊社は稀有な存在だと言えたかもしれません。九州で「断熱・気密」という言葉を多用しただけで、不思議がられる時代でした。むしろ知らないもの怖さであらぬ攻撃すら受けたほどでした
思案していく中で、現状の社会でも建てるべき住まいはあると私も認識しています。ただ、そのために質を落とすことや、法外な資金繰りで築後の暮らしを蔑ろに企画を進めていくわけにはいきません。日々詰将棋のように一手一手を打っていきますが、社会全体の
「建築YA髭のCOLUMN」はまさに、建築YAである私が、35年余り一貫して取り組んでた建築屋としての自らの表現方法のひとつです。一貫して言えることは、愛すべき住まい手たちであるクライアントの皆さんが、長き人生の大半を過ごす「住まい」の創
正直に吐露すれば、「書けなかった」という方が正確かもしれません、十数年の間、毎日来る日も来る日もコラムを続けてきたこの場で、語ることがなんとなくできなくなってきたのです。決定的なことが何かあったということではありませんが、この数年、さまざ
台風10号が過ぎて、少し厳しさが緩みましたが、近年の夏は、宅内の温度の過酷さが宅内熱中症を産み出しているこの国の住まい事情があります。奇しくも昨晩のNHKのクローズアップ現代では、この国の住宅性能によって起こってしまう夏の問題が取り上げら
何だか例年言っていますが、「今年は特に暑い」という言葉が日に日にまして飛び交っている感覚があります。私たちが教育で教え込まれた日本の気候は、「表情豊かで四季があり、湿潤で人間が暮らすには最適な温暖な気候...」というような人に優しい環境を
羨ましくも、沖縄はもう梅雨明け宣言だそうですが、ここ福岡はまだまだ湿り気とムッとする熱気の坩堝の中にあります。今年の夏予報でも、例年通り「酷暑」という言葉が踊りました。いよいよ、暑さが増して来ている感じは年々増して感じる感覚であって、こん
世の中のうねりに、立ち止まりじっとばかりもしていられないけれど、風の時代と言われるようになってきてから既存の価値観がガラガラと崩れ去って、あらゆる事柄がゆらゆらと蠢いている感覚が拭えません。真新しい新築の住宅を住まい手のために生み出すこと
いつの世も、庶民は強かに生きていくものですから、世の流れに従いそれなりのライフスタイルで生きていけば良いということなのかと思いますが、このところの社会状況を見ていると、明らかにもうこれからは、おいそれと新築住宅を建て続けて、いわゆるスクラ
随分、コラムをお休みしてしまいました。書きたいことがないわけではないのですが、激動の社会変化の中にあって、私たちの仕事も大きく様変わりし始めている潮流をなんとか掴みきれないかとも外しているうちに、時が経ってしまったというのが正直なところで
暗い話しばかりしてきましたが、現状把握としては、冷静に俯瞰すれば語ってきたような状況が大きく横たわっています。ただ、「自分の住まいを建てたい」という、人間としての当然の欲求に対して、私たちはこの状況下で冷静に判断し、なんとかニーズに見合う
まず、なんとなくローンが組める年齢のリミットだからとか、周りも建て始めたからという、これまでの社会体制が曲がりなりにも安定していた時代に住まいづくりを模索するケースは減ってくるのではないかと想います。「なんとなく」ではあまりにも大きな投資
高嶺の花と書きましたが、なるべくそうならないように、広く皆さんの衝動として住まいづくりは実現できるものとして今後もあれば良いなと思ったりします。ただ、これまでのおひとりひとりが、住まいを建てることができるという時代も、長い歴史
その上、最近は在宅勤務やオンライン授業などで、自宅滞在時間も大幅に伸びたからなのか、住まいの室内環境に関しての意識が高まるとともに、さらにはエネルギーコストの爆上がりも後押しして、住まいそのものの性能も大きく取り上げられるようになりました
世の中のうねりに、立ち止まりじっとばかりもしていられないけれど、風の時代と言われるようになってきてから既存の価値観がガラガラと崩れ去って、あらゆる事柄がゆらゆらと蠢いている感覚が拭えません。真新しい新築の住宅を住まい手のために生み出すこと
いつの世も、庶民は強かに生きていくものですから、世の流れに従いそれなりのライフスタイルで生きていけば良いということなのかと思いますが、このところの社会状況を見ていると、明らかにもうこれからは、おいそれと新築住宅を建て続けて、いわゆるスクラ
随分、コラムをお休みしてしまいました。書きたいことがないわけではないのですが、激動の社会変化の中にあって、私たちの仕事も大きく様変わりし始めている潮流をなんとか掴みきれないかとも外しているうちに、時が経ってしまったというのが正直なところで
暗い話しばかりしてきましたが、現状把握としては、冷静に俯瞰すれば語ってきたような状況が大きく横たわっています。ただ、「自分の住まいを建てたい」という、人間としての当然の欲求に対して、私たちはこの状況下で冷静に判断し、なんとかニーズに見合う
まず、なんとなくローンが組める年齢のリミットだからとか、周りも建て始めたからという、これまでの社会体制が曲がりなりにも安定していた時代に住まいづくりを模索するケースは減ってくるのではないかと想います。「なんとなく」ではあまりにも大きな投資
高嶺の花と書きましたが、なるべくそうならないように、広く皆さんの衝動として住まいづくりは実現できるものとして今後もあれば良いなと思ったりします。ただ、これまでのおひとりひとりが、住まいを建てることができるという時代も、長い歴史