当時のお仲間がご夫妻と集まると、福岡パッシブハウス完成までの様々な物語が鮮明に思い出されて話題には事足りません。何よりもこんなに大切に、新築当時とほぼ変わらない状態で暮らし楽しまれているご夫妻の笑顔に出逢うたびに、手がけて本当に良かったフ
住まいづくりもこの、ヴァーチャル領域が深く入ってきていて、肌身離さないスマホも込みで住まい手を考えていかなければならないと最近良く思います。そこに一緒に暮らす家族と同じような距離感で、あらゆる情報が指先にあるわけですから、ある意味華やかで
ダイレクトに加速度的に、私たち個人を飲み込み魅了することなどいとも簡単そうなヴァーチャル世界も、結局は人が作ったもの。その真否は簡単には判断がつきません。それがダイレクトで、指先のスクロールだけでその情報を個人的に選択して、好みのものだけ
欲の塊と書きましたが、私は悪い意味ばかりでその表現を使おうとは思いません。人類の歴史の中で、繰り返し行われてきた創造的行為の中で、もっとも大規模で時代を反映する「建築」という行為の中で、住まいづくりは最も私的で、また最大規模の積極的なアク
さて、いよいよ2021年もあと数日で幕を下ろし、新しい年を迎える年越しの区切りの時期に入りました。私は例年の如く、まだまだ宿題を残して焦る子供のように、やらなければならないことでもがき駆け抜けなければならないのですが(笑)、クリスマスも終
ちょっと誤解を招きかねないタイトルにしてしまいましたが、住まい創り全体が「高性能」などと言う表現を必要としない世界になることをきっと夢見て、そんなタイトルにしてみました。全てが本当に満たされた性能であれば、本来はあえてそこに触れなくても良
本来当たり前のクオリティーをハイレベルだと連呼するのはもうやめたいなと思いはじめて久しいのですが、声高な宣伝文句がすっかりこの数十年の我々の継続した性能語りをなぞってしまっているが故に、全てがその部分以外で等価であると誤解されてしまうこと
世の中で、建てられる住まいが皆「高性能」を謳えば、そればすでに高性能でもなんでもありません。それが事実で本当にレベルが上がったのであれば、それが普通になったのです。ただ、混沌とした今の現状を見れば、まさに混沌、上から下までなんでも高性能と
もう20年以上前だと思いますが、高性能とかエコハウスなどという響きの良い言葉はまだなく、私たちが創っていた住まいは当時「高気密高断熱住宅」と呼ばれていました。今、高性能住宅とされている住まいはこの経脈の先の今にあるのです。ただ、当時は、や
このところの世の高性能住宅ブームに、タイトルのようなひねくれた物言いをしたくなる時があります。何十年も散々それを連呼してきておいて、今更何を言っているんだと叱られてしまいそうですが、やっぱり世の中の大きな流行というものには私はどうも距離を
高性能住宅がいつの頃からか、一大ブームとなって、実は今、その最高潮を迎えているような雰囲気には、私はちょっと距離を置きたい。問題は、時に乗じてこれを商機と睨んで、沢山の人が同じようなことを言って、また微妙にバラバラなことを言って業界はまさ
少し暗い話ばかりをしました。ただ、現実的に近年この国が取り憑かれている価値観は、どうにも少し変えていかなければ一人一人の幸福度はなかなか上がらないと思ったりするのです。 例えば私は、一番即物的な建設関係の端っこを生業の場としながらも、ずっ
拝金主義が蔓延り、格差社会は広がるばかりでいよいよ庶民は息苦しい。もしかするとその息苦しさにも気づかされていないかもしれないという状態を少しでも改善する方法はないか、とよく日課としている夕暮れ時のウォーキングの最中に考えることがあります。
昭和から平成に、切り替わった30年は、いわゆる「バブル」と言われる好景気に翻弄され、それが風船のように一気に萎んだあとも、やがて再来を信じて空元気ばかりの時間だったような気がするのは私だけでしょうか。もっと言えば、平成の世は、昭和の復興と
毎年恒例の清水寺の貫主様による揮毫が話題の今年の一文字は、「金」だそうです。当然のことながら、2021年は東京オリンピックもありましたから、金メダルの「キン」なのだと思いますが、やはりコロナ禍の中、まだまだ生きづらい社会が続いていて、私た
常に、「住まい手」を中心に考えると、我々「創り手」と工事をしてくださる「作り手」の三者の対等な信頼関係でもの作りができることが理想のような気がしてきます。冒頭でお話ししたように、この国にはそもそも「創り手」と「作り手」を兼ねるようなシステ
そういう番組で、中にはお知り合いのインフルエンサーの方が弊社の名前まで揚げて薦めて下さるものもあるので、そう言うお問合せは無碍にはできませんが、そうでないものを見られても方向性が近いようだからとお問合せ頂くのが結果的に一番厳しい感じがして
正直、省エネだ高性能だという事柄は、今まさにリアルに大変重要で、これからの住まいづくりでは欠かせない事柄であることは現実ですが、私のような立場の人間が言うと誤解を招きかねませんが、あえて言うならばそれも一つの要素で、住まいづくりとは膨大な
かつてこの国の住まいづくりは、もっと地域に根ざした、至って素朴なものだったと言えると思います。例えば江戸の町などでは材木屋の主人や地方では大工の棟梁(今の一人親方の棟梁とは少し違いますが)という立場の方がその多くの役割を担っていました。弟
いよいよ年の瀬も押し迫ってきて、福岡も今日から温度がグッと下がっていくようで、日々仕事に追い立てられている私としてはまだまだ実感がないですが(笑)、コロナコロナの一年もまた過ぎようとしているのだなあと様変わりした世の中を感じています。 住
私たちがここで常に語っている高性能住宅というものが、書いてきたような悪烈な環境を取り除き、快適でかつ省エネだといいうことはもう随分認知され始めています。本来は1日も早く、そういう暮らしへの転換を図られることが一番望ましいのですが、まずは現
また、マンションなどにお住まいの方からよく北部屋の寒さや結露のご相談があります。根本解決はなかなか難しいのですが、これはマンション特有の間取りの特性もあります。一般的には南側に面して大きめなLDK空間が取られていて、中央にバストイレなどの
体感温度が、気温、湿度、放射温度、気流(風)などの要素によって決まってくることを利用して、今の環境を少しでも和らぐお話をしました。案外効きますからこのことをやってから服を脱ぐだけでもイメージがゴロっと変わります。トイレはやはり窓を閉めて窓
ヒートショックの大きな元凶はお風呂とトイレだと言われます。特にお風呂は、冷え冷えと外気と変わらないような浴室空間になっているお宅がまだまだあります。その上私たちはそこで素っ裸になるわけから、ヒートショックを起こすのは当然です。荒行みたいな
いよいよ年の瀬で、ここ福岡でも徐々に気温が下がり本格的な冬の到来を感じる季節になってきました。いつもこのコラムでは高性能住宅のお話をして、これから建てられる住まいは少なくともこれくらいの性能で…というお話ばかりをしていますが
私は常から、住まいの企画は立地、規模、時間、がコストのバランスを決め、その質が決まってくるとご説明します。立地にこだわりすぎてもコスト高は否めませんし、時間を限定し急げばコストが上がってくるのは必定ですし、規模も大きすぎればコストに響きま
さて、少しばかりネガティブなお話ばかりしてきました。ただ現状として、コロナに端を発した建材コストの高騰をきっかけに、これまで燻ってきた問題も抱き合わせで住まいづくりがなかなかしづらい時代に入ってきたことは確かだと思います。ただ、だからと言
土地が高騰し、建材が高騰し、賃金は横ばいでいよいよライフプランが成立しなくなりつつある、そんなイメージが少しばかり頭をもたげてきている中、ふと考えれば30年前は消費税すらなかったのです。現在は1割の国による天引き、後々の税制優遇はあるとし
先日お仲間と、建設コストのお話をしていて、便乗値上げも含めて1.5〜2割の値上げも積り積もれば、全体の総額も末端の施工店の原価調整では負えなくなってしまってきて、一気に価格が上がるというお話が出てくる可能性も高くなってきました。急激な高騰
この所の世の中の関心事は、コロナの変異種「オミクロン株」が、今後国内の恐怖となり再びコロナが猛威を振るわないかということではないかと思います。まだまだ予断を許さないコロナですが、この数年、全世界の人々はこのコロナによってそのライフスタイル
昨日は小城市で展開中のOGYCALシリーズ2棟目の K邸の気密測定を行いました。住まいのがいひの隙間がどれくらいあるかという性能を建物個体ごとに測定する重要な測定で、弊社では30年前から全棟実施をしています。開口部を閉じた状態で空気をファ
現実に住まいを構築して、そこに住まい暮らしが始まるということは、ネット情報の様に何もかも良い事づくめピックアップしたものばかりだとは限りません。様々なパターンで固有に様々な諸条件が違いますから、そこに導かれる処方は千差万別、やはりプロの的
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当時のお仲間がご夫妻と集まると、福岡パッシブハウス完成までの様々な物語が鮮明に思い出されて話題には事足りません。何よりもこんなに大切に、新築当時とほぼ変わらない状態で暮らし楽しまれているご夫妻の笑顔に出逢うたびに、手がけて本当に良かったフ
築13年の中古物件と聞けば、連想される世界があると思いますが、福岡パッシブハウスの場合はそのイメージにはほぼ該当しないということができると思います。私も何度かお客様をお連れしていますが、「え、新築ですか?」と言われるほど、建築当初の状態を
13年前に、パッシブハウスジャパン(以下PHJと記載)の森代表理事と共同設計で取り組んだのが、福岡市内に立つ国内3棟目の認定パッシブハウス「福岡パッシブハウス」です。実は、この福岡パッシブハウスが現在売却に出ていて、この木曜日まで
人が、自分の住処に求めるものはなんだろうと考える時、やはりどこに居るよりも心身ともに安らぐ場所であるということが第一に思い浮かぶものではないかなと思います。「心身ともに」と書きましたが、まさに心と身体の両面からの安心というものが要でないか
これまでの私の仕事の主たるところは、まさにお客様の住宅の新築の分野でした。ただ、ここまで社会全体がコスト高になってくると、万人に向けてその方法のみで対応が可能とは言いにくくなってきました。そもそも、いわば、「高性能のための高性能(スペック
どれが正しく、どれが間違っているということではないにしても、バラバラに発信されている各々の得意分野の方達が、独自に多種多様に放っている情報は、無秩序に拾っていくと、いわば食べ合わせが悪いことが起きてしまうことがあります。お客様の中でもネッ
現在のスタイルが始まった頃は、おそらく30年くらい前ですがここ福岡で弊社は稀有な存在だと言えたかもしれません。九州で「断熱・気密」という言葉を多用しただけで、不思議がられる時代でした。むしろ知らないもの怖さであらぬ攻撃すら受けたほどでした
思案していく中で、現状の社会でも建てるべき住まいはあると私も認識しています。ただ、そのために質を落とすことや、法外な資金繰りで築後の暮らしを蔑ろに企画を進めていくわけにはいきません。日々詰将棋のように一手一手を打っていきますが、社会全体の
「建築YA髭のCOLUMN」はまさに、建築YAである私が、35年余り一貫して取り組んでた建築屋としての自らの表現方法のひとつです。一貫して言えることは、愛すべき住まい手たちであるクライアントの皆さんが、長き人生の大半を過ごす「住まい」の創
正直に吐露すれば、「書けなかった」という方が正確かもしれません、十数年の間、毎日来る日も来る日もコラムを続けてきたこの場で、語ることがなんとなくできなくなってきたのです。決定的なことが何かあったということではありませんが、この数年、さまざ
台風10号が過ぎて、少し厳しさが緩みましたが、近年の夏は、宅内の温度の過酷さが宅内熱中症を産み出しているこの国の住まい事情があります。奇しくも昨晩のNHKのクローズアップ現代では、この国の住宅性能によって起こってしまう夏の問題が取り上げら
何だか例年言っていますが、「今年は特に暑い」という言葉が日に日にまして飛び交っている感覚があります。私たちが教育で教え込まれた日本の気候は、「表情豊かで四季があり、湿潤で人間が暮らすには最適な温暖な気候...」というような人に優しい環境を
羨ましくも、沖縄はもう梅雨明け宣言だそうですが、ここ福岡はまだまだ湿り気とムッとする熱気の坩堝の中にあります。今年の夏予報でも、例年通り「酷暑」という言葉が踊りました。いよいよ、暑さが増して来ている感じは年々増して感じる感覚であって、こん
世の中のうねりに、立ち止まりじっとばかりもしていられないけれど、風の時代と言われるようになってきてから既存の価値観がガラガラと崩れ去って、あらゆる事柄がゆらゆらと蠢いている感覚が拭えません。真新しい新築の住宅を住まい手のために生み出すこと
いつの世も、庶民は強かに生きていくものですから、世の流れに従いそれなりのライフスタイルで生きていけば良いということなのかと思いますが、このところの社会状況を見ていると、明らかにもうこれからは、おいそれと新築住宅を建て続けて、いわゆるスクラ
随分、コラムをお休みしてしまいました。書きたいことがないわけではないのですが、激動の社会変化の中にあって、私たちの仕事も大きく様変わりし始めている潮流をなんとか掴みきれないかとも外しているうちに、時が経ってしまったというのが正直なところで
暗い話しばかりしてきましたが、現状把握としては、冷静に俯瞰すれば語ってきたような状況が大きく横たわっています。ただ、「自分の住まいを建てたい」という、人間としての当然の欲求に対して、私たちはこの状況下で冷静に判断し、なんとかニーズに見合う
まず、なんとなくローンが組める年齢のリミットだからとか、周りも建て始めたからという、これまでの社会体制が曲がりなりにも安定していた時代に住まいづくりを模索するケースは減ってくるのではないかと想います。「なんとなく」ではあまりにも大きな投資
高嶺の花と書きましたが、なるべくそうならないように、広く皆さんの衝動として住まいづくりは実現できるものとして今後もあれば良いなと思ったりします。ただ、これまでのおひとりひとりが、住まいを建てることができるという時代も、長い歴史
その上、最近は在宅勤務やオンライン授業などで、自宅滞在時間も大幅に伸びたからなのか、住まいの室内環境に関しての意識が高まるとともに、さらにはエネルギーコストの爆上がりも後押しして、住まいそのものの性能も大きく取り上げられるようになりました
世の中のうねりに、立ち止まりじっとばかりもしていられないけれど、風の時代と言われるようになってきてから既存の価値観がガラガラと崩れ去って、あらゆる事柄がゆらゆらと蠢いている感覚が拭えません。真新しい新築の住宅を住まい手のために生み出すこと
いつの世も、庶民は強かに生きていくものですから、世の流れに従いそれなりのライフスタイルで生きていけば良いということなのかと思いますが、このところの社会状況を見ていると、明らかにもうこれからは、おいそれと新築住宅を建て続けて、いわゆるスクラ
随分、コラムをお休みしてしまいました。書きたいことがないわけではないのですが、激動の社会変化の中にあって、私たちの仕事も大きく様変わりし始めている潮流をなんとか掴みきれないかとも外しているうちに、時が経ってしまったというのが正直なところで
暗い話しばかりしてきましたが、現状把握としては、冷静に俯瞰すれば語ってきたような状況が大きく横たわっています。ただ、「自分の住まいを建てたい」という、人間としての当然の欲求に対して、私たちはこの状況下で冷静に判断し、なんとかニーズに見合う
まず、なんとなくローンが組める年齢のリミットだからとか、周りも建て始めたからという、これまでの社会体制が曲がりなりにも安定していた時代に住まいづくりを模索するケースは減ってくるのではないかと想います。「なんとなく」ではあまりにも大きな投資
高嶺の花と書きましたが、なるべくそうならないように、広く皆さんの衝動として住まいづくりは実現できるものとして今後もあれば良いなと思ったりします。ただ、これまでのおひとりひとりが、住まいを建てることができるという時代も、長い歴史