真向いの翁。

真向いの翁。

薮内竹心紹智、通称竹心という人、茶人ながら邪道に落ちた茶道を嘆き門を閉ざして俗との交わりを絶つ。その際「わしゃ真向勝負を挑むのに背面(そむく)と見る人これ笑止なり」と自賛した。評伝によると、その性、滑脱にして洒落、また剛毅にして権門に屈せず、時流に卓越し、常に茶道の正風を求めた人であったという。真正面からその面構えを見てみたい歴史上の人物の一人である。真向いの翁。

2025/05/11 20:42