酒と落語と日本人 柳の陰にひんやり冷えた江戸の酒 青菜の一席
<噺に出てくる旨い酒 柳陰 ちゃんと今でも在るようです> 青菜という噺。有名な古典落語ですね。 夏目漱石がご執心だったという三代目柳家小さんが上方から移植した噺なんだそうです。 三代目は江戸末期、小石川生まれの人で、生家は一橋家の家臣だそうですから、庭に植木職人を入れるなんていうことは、ごく自然に見てきたことだったのかもしれません。 この青菜の話が語り続けられるのは、なんといっても植木職人の見栄っ張りさ加減が、正直で憎めないからですよね。 落語の登場人物がいつまでも色褪せず、我々の好い隣人であるのは、どんなにバカげたことをやっちゃうにしても、たくらみのない、正直さがあるからだろうと思います。噺…
2022/03/11 09:38