社会契約説と日本国憲法第9条
自らの安全が保障されないにも拘わらず、自己の正当防衛権までをも放棄することは明らかに理性に反しており、非合理的な自滅的な行為です。この自発的な権利放棄がもたらすリスクは、今日のNPT体制において顕在化しています。‘遵法精神は持っても核を持たない諸国’は、‘核は持っても順法精神を持たない国’に対して絶対的な劣位に置かれ、侵略を未然に防止する最大の抑止手段まで失われた状態にあるからです。この非合理性は、NPT体制のみに見出されるものではありません。現行の日本国憲法が制定される際にも、同様の問題が垣間見えるのです。今日の日本国憲法の成立過程は、現代史の一ページでありながら、実のところ、全経緯が把握されているわけではありません。常々議論されてきた第9条についても、マッカーサー草案に始まることまでは分かってはいるも...社会契約説と日本国憲法第9条
2025/05/01 12:02