祭壇
神に捧げるための祭壇は、動物の血が幾重にもこびり付いて、血の匂いが充満していただろう。祭司であるアロンの子らの亜麻布は、動物を屠った血の色と、肉の匂いが染みついていただろう。それは生きようとする肉の力との戦いの場であり、肉を死に定める力仕事であったろう。 肉の力は生きようともがいて悲鳴をあげる。それゆえイエスは鞭で打たれ、人に打たれ、唾され、ののしられ、血まみれの背に十字架を担がされなければならなかった。それらは生きよとする人の肉の叫びである。 神の祭壇は、厳かでステンドグラスの光が差し込む静寂な佇まいにはなく、きよい乙女の祈りの場でもなく、肉と霊の命が激しくぶつかり合い、血と肉と汚物の匂いが充満している場所である。祭司は生き様と呻く肉を殺し、血を流し出してきよめとし、それらを焼いて煙として神に届なけれ...祭壇
2025/05/04 19:37