『恐怖の時間』
『恐怖の時間』(64)(2011.7.1.神保町シアター)原作はエド・マクベインの87分署シリーズの『殺意の楔』。87分署シリーズは、学生時代に読みふけっていたので、この映画の存在を知って以来、ずっと見たかったのだが、なかなかかなわなかった。今回、やっと見られたわけだが、同じくマクベインの『キングの身代金』を原作に、同時期に映画化した黒澤明の『天国と地獄』(63)同様、原作の設定だけを借りて日本(東宝)流にアレンジしていた。例えば、原作では犯人は女で、恋人は獄死したのだが、この映画では設定を変えている。麻薬取引の現場で、恋人(田村奈巳)を山本刑事(加山雄三)に射殺された男(山崎努)が、恨みを晴らすために、拳銃とニトログリセリンと称する液体の入ったビンを持って渋谷・宮益坂署の刑事部屋に立てこもる。ところが肝...『恐怖の時間』
2022/09/08 21:10