その男は眼鏡をかけている。でも、それが伊達だという事は、とうにわかっていた。そんなある日。「メガネは、目が疲れますねえ」「えっ、好きでつけているのではなかったのですか」「ええ、私は元々、目が良すぎたんです。 そうですね、二十かそこらくらいあったかな」「それで、なぜ眼鏡を?」「ああ、そうでした。 目が良すぎると色々と困ったことがあってですねえ。 地球がぐるっと見えてしまうのですよ。 いつも自分の後ろ...
子犬ばりに元気な不登校中学生!WISC-IV 知覚推理(PRI) IQ:141/処理速度(PSI)104の凸凹のんびり屋。フォルケホイスコーレで人生を謳歌中!自作のショートショートや絵、写真でへんちくりんな心象風景を刻みます。
ある、太ゴシックのフォントの文字がいた。その太ゴシックは、ダイエットをしたがっていた。「うう〜ん、私も細い明朝みたいになりたいなあ・・」それで、太ゴシックはジムに通い、ものすごく頑張って少しずつ痩せていった。ーーやがて、全ての図書館の本から、太ゴシックが明朝へ変わってしまったとか。...
僕はセールスマンをやっている。それも、洋服の。「うちの会社で作るジーンズは伸びが良く履き心地が・・・」・・・・疲れた。多く売れ残った洋服の重みが肩にくる。僕が駅のホームで電車を待っていると、ピンポンパンポンとアナウンスが聞こえてきた。「ただいま、ハダカネズミ特急が通ります。お急ぎの方は申し訳ありませんが、少々電車の到着が遅れると・・」そう言い終わらないうちに、がたんごとんと音がして、車両が近づいて...
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この虫なんだろう。びっくりするくらい大きくてとっても優しい目をしてる。かりんとうをあげたら喜ぶかな。・・でもバレたら、飼育員さんに怒られちゃう。ーーこれは虫ではない。...
ある、チョコレート工場で、カカオが入った容器がひっくり返ってしまった。ある、おかか弁当がバッグの中でひっくり返ってしまった。それが、同時に・・これでは「まさかさ現象」が起こってしまう。ひっくり返すとお互いになる言葉、たとえば「カカオ」と「おかか」が同時に逆さまになると、お互いにに入れ変わってしまうのだ。そのチョコレート工場で作ったチョコはカツオブシ臭かったとか。そのおかか弁当は、妙に苦かったとか。...
日曜日。久しぶりに、ブロッコリー山に登ろうかな。今は冬。道は雪だらけだから、色々対策をして行こう。いつもの登山用グッズを身につけ、さあ出発だ。・・でも、昼までには戻らないとだな。道は滑るが、そのスリルがまたいい。息を切らし、山頂へやっと着いたときには、もう12時になりかけていた。急いで戻らないと!何度も道を滑り落ちながら、猛スピードで降りて・・そのとき、足元がぐらっと揺れた。・・ああ、間に合わなかっ...
スーパーでネギを買おうとして、私は手を止めた。そうか。もうすぐアレがやってくる。今のうちにできるだけ他の野菜を買っておかなくては。いや、買ったところでだめなんだ。事の起こりは5年前・・私はいつものようにスーパーで買い物をしていた。トマトを買おうとして手を伸ばすと、それがネギに変わった。私はびっくりして顔を上げた。・・すると、あたりはネギだらけになっていたのだ。もやしがあったところもネギ。醤油があっ...
世の中のものの全ては、拡大するとこれになるらしい。なぜかはわからないのだけれど、これが全ての原点になっているものなのかもしれない。空気さえも、拡大するとこれが見える。顕微鏡のレンズに、これがくっついているだけかもしれないけどね。...
草花は花粉を受粉することで、実を作ります。でも、ある時、植物が好きな女性が自分は植物と結婚して、植物との子供を作りたいと思いました。そこで、まず自分のタイプのカボチャに、プロポーズをして、指輪をはめました。そして、女性は自分の耳垢を、耳かきの先についているポンポンでくっつけそれをかぼちゃの大きい花に擦り付けたのです。何週間か後。そこには、これまた大きなカボチャができていました。見るからに美味しそう...
木にマスクがたわわに実っているのを見つけた人は、最初どう思っただろうか。このご時世、マスクがたくさん必要。だから、見つけた人はきっと喜んで収穫しただろう。でも、よく見ると、マスクが実としてついているのではなく木の葉がマスクに変化したもののようだ。しかも、どの木にも、どの植物にも、マスクが実っているのだ。人々はたくさん収穫し、木に残ったマスクは枯れて、土に還った。すると、木にメガネが今度はどっさりつ...
猫という生き物は、全身の毛を引っ込めたり伸ばしたり、赤くしたり青くしたりできるのです。だから、夏には人が見ていないところでこっそり丸裸になり、冬には姿が見えなくなるくらい毛を伸ばすのです。毛がないへアレスキャットは、普通の猫が夏に毛を引っ込めた時に、もどし方を忘れてそうなったそうだとか。毛の色も変えられるので、ひまわり畑で敵に見つかった時は、全身を黄色に染め、擬態します。草むらの時は、緑色です。ま...
今日も、気持ちの良い朝だ。朝ごはんを食べようとしていると、チャイムが鳴り、隣に住む藤原さんが入ってきた。「これ、いっぱい手に入ったからよかったら食べて。」お礼を言い、それを受け取る。さあ朝ごはんだ。うちで採れたものも美味しいが、お裾分けの品も美味い。お腹が膨れたら、さあ活動開始。家を溶かして・・黒くして・・ーー「ぎゃいい!痛い!」僕はほっぺたを押さえる。「甘いものばかり食べてるからよ。」お母さんに...
「ワンコインランチ」そう書かれた看板を見て、男のお腹がキュルルとなった。そう、男は今とてつもなくお腹が空いているのだ。「ワンコインなら、いいだろう。」男はそういい、導かれるようにレストランに入っていった。ほとんど無意識でランチを頼み、運ばれてきたものを無我夢中でがっつく。それは、ワンコインにもかかわらず、極上の味だった。ほとんど飲むようにそれを平らげ、口のまわりを舐め回しながら、男は会計をした。「...
テレビなどで、出演者に出演料を払うことがあるだろう。でも、そこに写っていたハエや、野菜や、木。そのようなものにも出演料を払わなくてはおかしいではないか。誰かの発言はどんどん広がっていき、ついにそれが当たり前の時代になってしまった。まず、撮影中に写り込んできたハエ。そのハエに、千円札をやる。でも、ハエは見向きもせずどこかへいってしまった。次に、畑を写したときに植わっていた白菜。そこに千円札を置く。で...
ある所に、とても横縞の模様が好きな王様がいた。国民には全員、横縞の服を着るように命じ、少しでも違う柄の服を着てしまうと、島流しの刑にする。影では、縦縞や無柄、水玉模様などの服を密売している者もいるらしく、王様は、国民の中から横縞以外の服を着ている者を見つけ出すための係を作った。その係を「横縞取締係」と名づけ、王様はニンマリと笑う。横縞取締係は優秀で、毎日一人は必ず連れてくる。連れてこられた無様な国...
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これは蓮華の花の中に住むレンジャーと言うお姫様の話だ。レンジャーは、とってもお淑やかで優しくて、美しい女の子だった。でも、レンジャーは、気に入らないことが一つあった。それは、名前だ。レンジャーと聞くと、大抵はアカレンジャーやスーパーレンジャー・・・戦隊モノにつける名前だ。レンジャーは、戦うことが大嫌いなのに、なぜこんな名前が・・・レンジャーはしくしくしくしく、なん億年も泣き続けた。すると、長いこと...
こ、こ、これは幸せきゅうり・・!これが育った畑の土の下には、とんでもないお宝が埋まっているんだとか。そして、これを食べた人は一生いいことばかりが起こる。そしてそれに関係なくとにかく美味しいらしい・・・でも、気をつけなくてはいけない。これによく似たきゅうりで、この模様が逆の色のきゅうりがある。それは・・・不幸きゅうりだ。それを食べてしまうと、一生その人は貧乏で病気がちで不幸になってしまうらしい。でも...
「ふわあ〜終わった・・」俺は大きく伸びをした。仕事が夜遅くまで終わらなかったのだ。とその時、俺の腹がキュルルと音をたてた。時計を見ると、もうすぐ12時になるところだった。こんな時間に食べるのもどうかと思うが、腹が減って仕方がない。散らかった部屋の中から俺は食パンを見つけ出し、口に入れようとしたその時。「うわああああ!なんだこれは!」急にカビがブワッと生えたではないか。あまりびっくりして俺は食パンを落...
今から3年後・・地球の半分が原始時代、半分が未来・・になってしまった。未来では機械が溢れすぎていた。人間に出会う方が難しいほど、世の中はAIまみれだった。原始時代では、まだ当然機械など無かった。ある時、未来では、全自動椅子に座った政治家が、空中ディスプレイを通じて全市民に訴えていた。「このままでは、私たちはロボットに世界を乗っ取られてしまいます。 さあ、思い切って機械を全部捨てましょう!」世間は賛成...
輪ゴム王国へようこそ!ここは、輪ゴムだけでできた街でございます。また、私たちも皆、輪ゴムでございます。あ、申し遅れました。私、ワンゴと申します。さあ、では、街をご案内しまs・・なんだって。お前はゴムーンだな。あ?お前んとこの街の方が、ゴムの伸びが良くて美しいと。・・やんのかコラ。ヤァっ!とやっ!!ボカスカッ、きえーい、バンバン!ババン・・・・ブチッああっやられた。・・ふん。醜い姿だ。輪を断ち切って...
俺は映画監督で、俳優の演技を毎日見ている。でも、俺は湯崎という俳優の演技が気に入らなかった。・・いや、全部がと言うわけではない。むしろ、ほとんどはいい方なのだ。だが・・涙を流すシーンがどうもいかんな。いつも自力で涙を流すことが出来ないので、目薬をさすのだが、それもなんだか不自然になってしまう。それに比べて、浅倉は泣き方がうまいな。本当にうまい。自分で悲しいことでも思い浮かべているのだろう。湯崎も目...
1年 1月5日 ふよんすは、クチキンテミンス族の一人だった。ふよんすには、足が6本しかなかった。クチキンテミンス族の特徴といえば、足が38本あること。逆に言うとそれしか特徴がないような一族だったのだ。でもその代わり、ふよんすには大きな特徴があった。羽があるのだ。クチキンテミンス族には、羽がない。ふよんすは、飛べる。地球にユセリン星が追突した時、仲間は全員38本ある足をちょこまかと動かして逃げようとしたが、...
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「やっと完成したぞ・・」新田博士は、薬品を前に喜びの声をあげていた。そう、これは不老不死の薬。今までに誰もが挑戦して失敗に終わった薬だ。「これをあたりへ撒けば、世界中の人間が不老不死となるだろう。」ニュースでも取り上げられ、たちまち博士は有名人となった。そして、さあ巻こうとした瞬間。勢いよくドアを開ける音がして、赤ん坊を抱えた母親が飛び込んできた。「はあ、はあ、あの!その薬、本当に不老不死になるの...
あるところに、とても頭のいい農家がいた。どんなふうにいいかというと・・・農家はまず畑に、家にうろちょろしていたネズミをたくさん放した。するとタカがやってきて、ネズミを捕まえようとするが、そこでタカが罠にかかる。空へ無数に貼っておいた透明の糸に引っかかったのだ。タカは身動きが取れなくなり、気絶する。それを、ネズミやスズメ避けにするのだ。そして、畑へ食料を取りに来たネズミやスズメは、タカを見つけ逃げよ...
家に帰り一息ついたところで、男はカバンを忘れたことに気がついた。焦った男は、藁にもすがる思いで忘れ物センターに電話をすることにした。プルルル・・プルルル・・「はい。こちらは忘れ物センターでございます。」自動音声だった。〇〇の場合は1を、などということをさせられるのだろう。そう思った男だったが、意外な答えが返ってきた。「何をお忘れでしょうか。」それを機械に言っても、わかってくれるというのだろうか。男...
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その男は眼鏡をかけている。でも、それが伊達だという事は、とうにわかっていた。そんなある日。「メガネは、目が疲れますねえ」「えっ、好きでつけているのではなかったのですか」「ええ、私は元々、目が良すぎたんです。 そうですね、二十かそこらくらいあったかな」「それで、なぜ眼鏡を?」「ああ、そうでした。 目が良すぎると色々と困ったことがあってですねえ。 地球がぐるっと見えてしまうのですよ。 いつも自分の後ろ...
ひしお城へようこそ!さあさ、どうぞ中へ・・ぬお、入りたくないですと?ご冗談を。だって、ひしおの中で死にたいと言ったのはあなたの方ですよ。では、今からでもわさびとからしにまみれる方を選びますか。はい。ええ、ええ、それが賢明です。では、改めて。ようこそ、ひしお城へ!ちゃぽんっ...
「ううん、半紙が・・ちくしょうっ」全く。文鎮を剣にして遊ぶのはやめておいた方が良かった。文鎮が折れて、反省しろと言われたもんだから新しいのなんかすぐに買ってもらえるはずもなく。でもこれでは、半紙が動いてしまう。「ああ、もう!」と、開け放していた窓から「ぢゅーい、ぢゅぢゅぢゅ」と声がして、小さな鳥が半紙の上に乗った。「ぎゅい、ぢゅい、きゅきゅー」「うわあ、かわいい」文鎮の代わりになってくれているのだ...
「どうも、私、なんの類でもない、『たぐいた・ぐい』でございます」「へえ。本当になんの類でもないの?」僕は何か、ぐいの類を見つけようとした。だが、見つからなかった。ぐいは、本当になんの類でもなかったのだ。「どうも、私、なんの類でもない、『たぐいた・ぶい』でございます」「ううん、君は、『たぐいた・ぐい』の類だ」...
ある日スーパーに行き、バナナを買うと、種が入っていた。バナナの種など初めて見たものだから、小瓶に入れて、飾ることにした。翌日___目を開けると、何か異変を感じた。「んんん・・・?」起き上がって面食らった。部屋中がバナナの木で埋め尽くされていたのだ。まるで熱帯雨林だ。まあでも、バナナの実がたくさんついていることだしちょっと剪定をしてやれば立派な観葉植物になるだろう。そう思ったのだが、うちのとれたてバ...
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あなななしいにににしうぬぬぬしの三兄弟は、とっても仲良しだった。何をするのにも一緒だった。あの日までは。あなななしが、いにににしに変わりいにににしが、うぬぬぬしに変わりうぬぬぬしが、あなななしに変わってしまった日までは。でも、もともと仲の良かった三人だ、結局は入れ替わった三人でも仲良くやっていけた。めでたしめでた・・おっと、かはははしが加わった。まあ結局、四人でも仲良くやっていけたのである。めでた...
六角形がある。五角形がある。四角形もある。三角形もある。二角形はない。一角形もない。だから、作ろうと思う。...
3000年。過去の人と電話ができるようになった時代だ。「私今日は、2024年の人と喋ってくるね」ピンポコピンは、昔の人と話をするのが大好きだった。「・・・もしもし?」「あ、もしもし」「私、ピンポコピン。あなたは?」「あ、僕は、宗太郎」「へえ、変な名前」「そっちこそ」少し打ち解けたところでピンポコピンは聞いた。「ねえ、今何してるの」「ん、アイスクリームを食べているんだけど 最近だんだん暑くなってきて、すぐ溶...
どうも、デジャ部です。デジャ部では、デジャブがなぜ起こるのかを研究しています。初めてのことのはずなのに、なんだか一度体験したかのような感覚に襲われる。それはなぜか。理由は簡単です。遠い遠い宇宙のどこかで、私たちの日常を見ている人たちがいるのです。そして、気に入った場面があると、繰り返し巻き戻すのです。そのため、デジャブが起こるというわけなのです。あ、あ、デジャブだ。宇宙のどこかの誰かさんは、きっと...
くきみんぱは、地球を丸呑みにしてしまおうと考えていた。でも、くきみんぱは冥王星をも飲み込めないような小さな体なのだ。「お前は一日にくじら一億万匹しか食べられないのかよ」「俺なんか、一日に火星一つは食べられるぞ」いじめっ子からはそういびられ、くきみんぱはしゅんとなる。だから、すこうしずつ、訓練を積み重ねてきたのだ。そして今日、くきみんぱは地球をいよいよ飲み込もうとしている。...
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人間の種。そう書かれた商品が出回るようになってから、もう3年ほど経つだろうか。その種を植えると、目が生えてくる。次に歯ができて、そして鼻が咲く!鼻が枯れると、実ができる。その実はグングン大きくなり、ついには人間になるのだ。この人間には、肥料と水を与えるらしい。これは面白いと、人間の種ブームが世間に巻き起こった。今や、自己紹介などの時に、わざわざ「私は種からできた方の人間です」「僕も種からの人間です...
卵を割ると、小さな家が出てきた。小さい家の扉を開け、冷蔵庫の扉を開け、中にある卵を割ると・・・また、さっきとは違う小さな家が。家の扉を開ける。やれやれ、また冷蔵庫を探さなくちゃ。...
「カメムシさんって、とってもかっこいいね!」「しかも、飛ぶのも早いんでしょ?すごいや」...
空には氷が浮いていた。でも、道ゆく人はそれにちっとも気付かずに、氷をすり抜けていく。氷が見えるのは僕だけだろうか。道ゆく人が氷をすり抜けるたびに、氷のまくが人を包んでいく。あ、あの人など、もう氷になりかけている。でも、僕にはわかる。人間は、本当はあたたかい。ほら、あの人の氷が溶けた。あの人のも。...
サンタクロースが、皆が寝静まった夜の街にシャンシャンシャンと降りてきた。「この子には、これ」サンタクロースは早速ぶら下がった靴下にプレゼントを放り込んでいく。「この子には、これ」「この子には、これ」「この子には・・・・ううむ」今にも倒れそうな、ぼろぼろの家の靴下には、穴が空いていた。「これでは、プレゼントがこぼれ出てしまうのう・・」サンタクロースは靴下を新しいものに取り替えてあげた。その真新しい靴...
眠っていると、枕元にきりんが来た。でも、うちはとても天井が低い。首がつっかえないだろうか。そんな心配はいらなかった。そのきりんは、首が短かったのだ。体もなんだかまるっとしていてまるで上から押しつぶされたような形をしていた。それでもきりんだと分かったのだから、自分を褒めるしかない。それはさておき、このままここにいられたら、安眠妨害もいいところだ。「あの、何か御用でしょうか?」僕は恐る恐る聞いてみた。...
皆で登山に行ったら、道中にとても大きいキノコがあった。あまりにも大きいので、びっくりしていると、その横に小さな立て札があった。『山田きのこ』このきのこは、山田きのこというのだろうか。よく見ると、その立て札の『山田きのこ』の後に、何やら小さい文字で文章が書かれている。『むかしむかし、このきのこは世界で一番小さいきのこだったのです。 でも、小さいと踏みつけられたり食べられたり、色々と大変だったので...
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どうも。大山ごんざぶろうです。えっ?coaquaじゃないのかって?そうなんです。実はcoaqua、本名は「大山ごんざぶろう」と言います。(笑)これからは、この「大山ごんざぶろう」の応援よろしく!...
coaqua今週のおすすめ三選です!よかったら読んでほしいでげす。ショートショート1位夜空の白紙〜前・後編2位無重力世界3位俺を産んだもの絵が二言1位冥王星2位しぇあはうす3位ゲツヨウビ写真が一言1位ベッドの上の時限爆弾⁉︎2位鳥長会議3位僕、カシヨム。...
皆さんはこの生き物をご存知だろうか。これはフオモダという生き物。からだは湖よりも澄み切っていて掴むとすぐに溶けて無くなってしまうそうだ。それだけの生物。それだけの生き物だが、こいつは戦争をせず、陰で悪口なんかも言わない。フオモダは人間の何倍上にいるのだろう・・...
「私の足先がパンになっていくよ!うああああん!助けて!」「それはできぬ。」「なんでだよぉ!」「実はお前は、もともとパンだったのだ。 そんなお前に悪い魔法をかけた呪術師がおってなあ。 お前を猫の姿にしたのだ。 元の姿に戻りかけているのだから喜ぶべきじゃろう。」「いやだ!私はこの姿が好・・・・」とびこの口元までパン化が進んでしまい、もうしゃべれない。やがて完全にパンになってしまった。そんなとびこパンに...
どうも。coaquaです。今coaquaが好きな「水曜日のカンパネラ」のボーカル、「詩羽さん」を描きました!上は記憶を辿って書いた詩羽さん。下は模写した詩羽さんです!...
自分は幸い医師免許を持っているのだし、まあ、ボロが出たらその時考えたらいい。俺はK氏が所属している病院へ向かった。何食わぬ顔で中に乗り込むと、トイレに行き鏡を見た。自分の顔をまじまじと覗き込む。これまた幸い、K氏の顔に似ているではないか。これなら話は早い。俺は一度病院を抜け出し変装道具を買い、K氏になって戻ってきた。ズカズカと入っていくと、やはりすぐに声が飛んできた。「・・・・先生!?」その声につら...
逞しい体をした猫が、花の蜜を集めている蜂を凶暴な目つきでじーっと見つめていた。それに対し、やはり蜂も怯えながら蜜をとっているようだ。まさに一触即発の事態。・・そして、これが二人の会話の通訳。蜂「ういうい。おめさんよ、これ以上俺様にちかずーたら大変なことになるぜ。 俺の毒はゴッツ強えからなぁ」猫「は、はい、わかりました、すみません。近づきません。 ですから、どうか毒だけはご勘弁ください・・」...
大変!Aが浮いちゃってるわ!昨日縛り付けておいたはずなのに・・・・・しぶといわね。やっぱりAI(愛)には勝てないわ・・...
「あいつはお前のせいで・・お前のせいで死んだんだよ!!! 許せねえ!お前にも、同じ苦しみを味合わせてやる!」「悪かった。わかったから助けてく・・」言い終わらないうちに男は自分に飛びかかってこようとした。・・だがその先は崖だった。「あっ」二人は絡まり合って底知れぬ崖へ落ちていった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー街にはいつものように清々しい朝が訪れた。小鳥が歌い、人...
「おい、大丈夫か!しっかりしろ!」「に、兄ちゃん・・・へ、蛇・・」「何!?蛇に食われそうだと!? 今、兄ちゃんが助けてやるからな!」 グググ、グゥーグ、グググググ・・「はあ、はあ、全く抜けない。ええい!これでもか!」「あの・・兄ちゃん・・」「なんだ、苦しいか。大丈夫だ。すぐ兄ちゃんが助けて・・」「いや・・違うんだよ兄ちゃん」「あ?何が違うんだよ」「僕は、蛇にのまれかけてるんじゃなくて、 蛇が通りか...
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ーー「あれ」が見えるようになったのはちょうど5日前ーー俺は目が悪いからいつもコンタクトをしている。そのせいで四六時中目がショボショボしてたまらない。だから、寝付く時間。つまりコンタクトを外す瞬間が、俺の至福のひとときなのだ。・・なのに最近、レンズを外すと、目の前に何かがボヤっと映り込んで来るのだ。最初は気にしないでいたが、段々と「それ」ははっきり見え始めた。・・そう、「蜘蛛」だ。俺は気を失いそうに...
あ・・!あ、あ・・!僕の秘密を知ってしまいましたね・・・実は僕、白虎なんです。バレないように頑張っていたのに・・・絶対誰にも言わないでくださいよお〜...
「おばあちゃん、この植物はなあに。」 小学三年生の私は言った。「ん?これはねぇ、神様がお造りになった草だよ。」「カミサマ?何で神様が作ったってわかるの?」「そりゃぁ、この植物の役割を知ったら誰でもそう思うさ。 なぜならこの草はね、宇宙に浮かんでいる小さな星が 終わりを告げた時、自分の体の中に取り込むんだ そして星たちは神様の一部となるんだよ。」 おばあちゃんの言っていることはよくわからなかったけど...
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2050年、この世界は無重力になっている。最初に気づいたのは37歳のフランス人。日に日に体が軽くなって来ているような気がしたのだと言う。最初、世界は大混乱に陥った。食事は難しいし、睡眠だって取れたもんじゃない。ただ、ある程度慣れてくると、人類は無重力=楽だと思い始める。気づけば全人類が無重力世界を謳歌していた。++++++++++++++++++++++2064年、この世界には重力が戻って来ていた。ただ、い...
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「ねえねえ、聞いてよぉ、最近さぁ、 俳優の鳥好雀丸(ちょうこうじゃくがん) 様が、け、結婚しちゃったのよぉぉぉ〜 大好きだったのに・・」「あっら、それは可哀想ですこと。 ・・ま、あなたのような人が鳥好様と結婚するなんて 無理な妄想してるなら、うちの巣作りの手伝いをして欲しいですわ。」**********************************「・・・自分はいま幸福かと自分の胸に問うてみれば...
僕は決意したのである。何かを決意したのである。何を決めたかなんて別にいいや。ただ、僕は決意した。それだけのことである。...
夜空の白紙〜前編〜 ←こちらをクリックーー高婆に聞いてみようかな。「・・あの、あれって、見えますか?」「ん?なんだい、あれって。」「ほら、あそこに見える白い・・」「何を言っているんだい、大丈夫かい? やっぱり、勉強のしすぎで頭がまいっているんだよ。 帰ったら休むことだね。」そう言うと、高婆は僕に肉じゃがを押し付けて姿を消してしまった。ああ・・やっぱり僕以外の人にはこれが見えないんだ・・・これは大変...