『主権回復の日』がカレンダにない み
『主権回復の日』がカレンダにない み
独活(うど)はその結果を受け入れられない み
『ガール』はいた。エレベーターに茶摘みに み
初任給が上がる 序列は逆転 み
囀りに文法ありと人の言ふ み
ニュースを読んでたのに、子猫の動画 み
春暑し上(あが)レ下(さが)レと京の人 み
初虹や蒼き書面に署名する み
こんなことしていると春は暮れゆく み
遠足の前夜に発熱の奇蹟 み
足裏に若芝が笑っているよ み
春雨に傘を窄(すぼ)め擦れあう路地 み
フェンスの裂け目をくぐって春の泥 み
ハローワークの待合室は朧(おぼろ) み
芋植えてSNS(えすえぬえす)で毒を吐く み
春霖(しゅんりん)やカレラも滑る行潦(にわたずみ) み
春障子の桟に埃が溜まって み
「ちょうちょが怖い」と長男が硬直 み
切り札の一人静(ひとりしずか)に戦意なし み
子の手から運賃箱へ。春夕焼(はるゆやけ) み
パリパリと海苔を破って茶漬けなど み
その老木が山桜だと判る み
ひとつづつ片付いてゆき菜種梅雨 み
春の野や不法投棄の洗濯機 み
落花や物語になってしまった み
入園児の名札は個人情報 み
「愚かでいろ」を実践し万愚節(ばんぐせつ) み
逆立ちのできる服にて初出社 み
ありがとう 閉店告げて年度末 み
裏木戸に閂(かんぬき)を掛け桜まじ み
居眠りのできぬ騒ぎや花の影 み
またも夜桜に出会っちゃった迂闊 み
正社員が復帰、『出替(でがわり)』で無職 み
浮子(うき)を投げ欠伸も出るよ春薄暮(はるはくぼ) み
地下道を出れば桜の国にいる み
生徒手帳は卒業式で捨てた が
種袋を振ると眠たげな返事 の
春昼や僅かながらも還付金 み
孤食の皿に目刺はどーんと臥す み
固茹(かたゆ)での黄身を裏漉(うらご)し咲くミモザ み
切通しに鶯(うぐいす)のエコー、エコー み
春休み、通用門で身分証 み
タンポポは踏めるものなら踏んでみよ み
外務省の人らと流氷を見る み
喩(たと)えれば片栗の花に与(くみ)する み
尋(と)めゆきて涅槃(ねはん)を覗(のぞ)く雪の果 み
スミレはこの色だったか薄曇り み
挿し木で殖(ふ)える能力。いつ獲得 み
水温む。粉じゃないのに「歯磨き粉」 み
お土産の埴輪を値切る三月や み
沖の小雨の影は雁の別れ(かりのわかれ)か み
蔦の芽(つたのめ)は世界征服を企む み
お似合いと言われて微妙な春服 み
春愁(しゅんしゅう)はレシートに膨らむ財布 み
合格した花が店先に並ぶ み
重力の漣(さざなみ)に浮く春の星 み
ブラウン管テレビは雛を飾れた み
残雪に声でも文字でもない歌 み
侘(わび)しさよ椀にみつばを浮かべても み
そっちへ行けば嵐山。二月果つ み
紅梅は遅咲きか、今朝の雨雲 み
衿(えり)もとの釦(ぼたん)を留める春の風 み
春の夜やそれを粗大ゴミで出すか み
梅が咲き山全体が低くなる み
餡入りの草餅は焼き網の痕 み
風の丘を登れば焼野(やけの)の匂い み
大根の半分なら『しっぽ』を買う み
子犬よ子犬 グルグルと 遅き春 み
寝返れば寒の戻りを握りしめ み
芍薬(しゃくやく)の浴衣も湯ざめして嚏(くしゃみ) み
新刊がざらついている春の塵(はるのちり) み
継母の不機嫌にして布団干す み
好きなネタは鳥貝と言うは難し み
非難をものともせず毛皮で歩く み
いづれの蕾(つぼみ)もいずれは開(ひら)く、春 み
完璧な舗装道路だが薄氷(うすらい) み
堅雪の二の丸通りを自転車 み
春寒き東京は敗者らの宿 み
春浅し年(ねん)に数回父を見る み
むささびは飛ぶか落ちるか暗き森 み
造花と判る造花の埃に咳く み
ノンアルコールでも飲めば寒明ける み
ゴジラの吐息にダイヤモンドダスト み
イタイ!何それ? 静電気の実験 が
「諏訪は寒い」と昔の恋人から み
「止(や)めろ!」 「そっちこそ止(や)めろよ!」 鬼は外 み
宇治に来て雪時雨(ゆきしぐれ)なら喫茶店 み
跡地で春を待つ 校歌をハミング み
大陸の北東の三寒四温 み
見えない赤外線が見える炬燵(こたつ) み
冬の月と歩く林道の浄夜(じょうや) み
大雪(おおゆき)にまだ立っているレニン像 み
特急は風雪に耐え夜が明ける み
暖炉の薪はどこから持ってくるの み
慎ましく雪の結晶は六角 み
悴(かじか)んでヌと立ち上がるシトロエン み
ベランダに雀がいると障子開け み
風花が融けるレンズに岩木山 み
分断を推す者たちが凍え死ぬ み
吹雪いてる マクドナルドは開いてる み
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『主権回復の日』がカレンダにない み
独活(うど)はその結果を受け入れられない み
『ガール』はいた。エレベーターに茶摘みに み
初任給が上がる 序列は逆転 み
囀りに文法ありと人の言ふ み
ニュースを読んでたのに、子猫の動画 み
春暑し上(あが)レ下(さが)レと京の人 み
初虹や蒼き書面に署名する み
こんなことしていると春は暮れゆく み
遠足の前夜に発熱の奇蹟 み
足裏に若芝が笑っているよ み
春雨に傘を窄(すぼ)め擦れあう路地 み
フェンスの裂け目をくぐって春の泥 み
ハローワークの待合室は朧(おぼろ) み
芋植えてSNS(えすえぬえす)で毒を吐く み
春霖(しゅんりん)やカレラも滑る行潦(にわたずみ) み
春障子の桟に埃が溜まって み
「ちょうちょが怖い」と長男が硬直 み
切り札の一人静(ひとりしずか)に戦意なし み
子の手から運賃箱へ。春夕焼(はるゆやけ) み
出港時刻に戻れずオキザリス み
東風(こち)時化(しけ)て豪華客船も船酔い み
ロマーシカは嗤(わら)う 「勝てば正義だあ」 み
コーンスープの底に澱(とご)る春愁(しゅんしゅう) み
まず投資 それから消費 初給与 か
淡月(たんげつ)や『飲む』と言えば『お酒』ですよ み
自信作、突き返されて春の宵 み
その歌を聴いた記憶に泣く。残花 み
山葵(わさび)擂(す)る。ひとりひとりがマイノリティ み
露天風呂 ボーッとしてたら わっ蜂! み
桜蘂(さくらしべ)が赤くなる。もう散りどき み
プリムラが咲く フーガを練習する み
チューリップ一本だけでは何だか み
八重桜 「おのぼりやす」 「おくだりやす」 み
蒲公英(たんぽぽ)に曖昧さ足す朝日影 み
山笑う、そろそろ歯医者に行くべき み
屋根屋根のブルーシートに春霞 み
薄暗い六畳 掛け花に椿 み
サポートセンタの親切な佐保姫(さほひめ) み
草摘んで尻餅ついてキャアキャアと み