蔦の芽(つたのめ)は世界征服を企む み
蔦の芽(つたのめ)は世界征服を企む み
お似合いと言われて微妙な春服 み
春愁(しゅんしゅう)はレシートに膨らむ財布 み
合格した花が店先に並ぶ み
重力の漣(さざなみ)に浮く春の星 み
ブラウン管テレビは雛を飾れた み
残雪に声でも文字でもない歌 み
侘(わび)しさよ椀にみつばを浮かべても み
そっちへ行けば嵐山。二月果つ み
紅梅は遅咲きか、今朝の雨雲 み
衿(えり)もとの釦(ぼたん)を留める春の風 み
春の夜やそれを粗大ゴミで出すか み
梅が咲き山全体が低くなる み
餡入りの草餅は焼き網の痕 み
風の丘を登れば焼野(やけの)の匂い み
大根の半分なら『しっぽ』を買う み
子犬よ子犬 グルグルと 遅き春 み
寝返れば寒の戻りを握りしめ み
芍薬(しゃくやく)の浴衣も湯ざめして嚏(くしゃみ) み
新刊がざらついている春の塵(はるのちり) み
継母の不機嫌にして布団干す み
好きなネタは鳥貝と言うは難し み
非難をものともせず毛皮で歩く み
いづれの蕾(つぼみ)もいずれは開(ひら)く、春 み
完璧な舗装道路だが薄氷(うすらい) み
堅雪の二の丸通りを自転車 み
春寒き東京は敗者らの宿 み
春浅し年(ねん)に数回父を見る み
むささびは飛ぶか落ちるか暗き森 み
造花と判る造花の埃に咳く み
ノンアルコールでも飲めば寒明ける み
ゴジラの吐息にダイヤモンドダスト み
イタイ!何それ? 静電気の実験 が
「諏訪は寒い」と昔の恋人から み
「止(や)めろ!」 「そっちこそ止(や)めろよ!」 鬼は外 み
宇治に来て雪時雨(ゆきしぐれ)なら喫茶店 み
跡地で春を待つ 校歌をハミング み
大陸の北東の三寒四温 み
見えない赤外線が見える炬燵(こたつ) み
冬の月と歩く林道の浄夜(じょうや) み
大雪(おおゆき)にまだ立っているレニン像 み
特急は風雪に耐え夜が明ける み
暖炉の薪はどこから持ってくるの み
慎ましく雪の結晶は六角 み
悴(かじか)んでヌと立ち上がるシトロエン み
ベランダに雀がいると障子開け み
風花が融けるレンズに岩木山 み
分断を推す者たちが凍え死ぬ み
吹雪いてる マクドナルドは開いてる み
寒雷に詰将棋の本を伏せる み
いまはコーヒーに凝っている。冬の夜(ふゆのよ) み
おねえさん、コートのベルト垂れてます み
靴痕が靴痕のまま霜の朝 み
受験期や何も起きるな籤(くじ)を引く が
時は止められない セーターは伸びる み
番付を諳(そら)んじて待った初場所 み
囲炉裏(いろり)の灰を火箸(ひばし)でなぞる迷路 み
「悉皆屋(しっかいや)」の名刺をもらう初釜 み
新手(あらて)のマルウェアか トロイの竹馬(ちくば) み
道場に響く奇声は歌留多とり み
獅子頭、出番はなくて文化財 み
緊張と弛緩の辻に初笑い み
たるんでる たるんでいます 五日です み
いつの正月か 日付のない写真 み
三日です もう走っている人々 み
女手の如きフォントの賀状来(き)ぬ み
思い付き言葉にすれば去年今年(こぞことし) み
暴落も笑い話の大晦日 み
もうそれでいいんじゃないか年の暮 み
買い物リストの5番目に「葉牡丹」 み
小屋の古暦(ふるごよみ)に「アタック」の記(しるし) み
自動ドアに挟まれた仕事納め み
取り出すは財布か銃か懐手(ふところで) み
凩(こがらし)はどっち向いても向かい風 み
時雨るるか鷗(かもめ)の啼(な)きもピアニシモ み
立ち止まりポケット探る冬木立(ふゆこだち) み
牛鍋や『A5ランク』の意味知らず み
荒星(あらぼし)を背にして帰るプログラマ み
着陸の列に加わる冬の宵 み
落葉カサッカササ 振り返り誰何(すいか) み
娘も泊まることありと畳替え ま
先にいくなら未来で待て、冬虹 み
今日も暇 オアフ半周 冬の風 み
冴える理科室 姿勢のよい骸骨 み
山茶花(さざんか)を挿して不遇の蹲(うずくまる) み
教育と洗脳の隙間に目貼り み
「場所を空けろ。クリスマスツリー様だ」 み
換気扇が細切れにする冬の陽 み
ストーブの分解掃除(ぶんかいそうじ)で見つけた み
図書館に五冊予約の冬支度 み
「フロイデ」で目が覚めた ごめんね第九 み
タクシーに並ぶ梅田の十二月 み
枯葉よ、電子(でんし)も量子(りょうし)や計算機 み
目薬の冷たき頬を垂れ急ぎ み
忘年会の特等席は下座 み
紅葉(もみじ)は闇に。ライトアップの顰(ひそ)み み
薪を割る。綿虫が飛び、日が暮れる み
師走。黄ばんだ写真、黄ばんだ記憶 み
枯蘆(かれあし)が騒いだので窓を閉めた み
ペコペコ社長の景気は大熊手 み
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蔦の芽(つたのめ)は世界征服を企む み
お似合いと言われて微妙な春服 み
春愁(しゅんしゅう)はレシートに膨らむ財布 み
合格した花が店先に並ぶ み
重力の漣(さざなみ)に浮く春の星 み
ブラウン管テレビは雛を飾れた み
残雪に声でも文字でもない歌 み
侘(わび)しさよ椀にみつばを浮かべても み
そっちへ行けば嵐山。二月果つ み
紅梅は遅咲きか、今朝の雨雲 み
衿(えり)もとの釦(ぼたん)を留める春の風 み
春の夜やそれを粗大ゴミで出すか み
梅が咲き山全体が低くなる み
餡入りの草餅は焼き網の痕 み
風の丘を登れば焼野(やけの)の匂い み
大根の半分なら『しっぽ』を買う み
子犬よ子犬 グルグルと 遅き春 み
寝返れば寒の戻りを握りしめ み
芍薬(しゃくやく)の浴衣も湯ざめして嚏(くしゃみ) み
新刊がざらついている春の塵(はるのちり) み
撫肩(なでがた)の空き瓶に雪(ゆき)の雫(しずく)を み
スポッて筒の中は卒業証書 が
枝垂桜(しだれざくら)を天蓋(てんがい)に寝転(ねころ)がれ み
三椏(みつまた)の花(はな)のブローチを吾妹(わぎも)に み
韮(にら)を洗うと緑が溶け出てきた み
喉元にイガイガがあり雛あられ み
博士(はかせ):「これが『地獄の釜の蓋』じゃっ!」 み
不便だが不幸ではない春の泥 み
平等や公平が好き蕗(ふき)の花(はな) み
請求書が来てすぐに終わる二月 み
春苺(はるいちご)を弁当に入れてやろう み
「トンボの刺身だよ」 「羊羹(ようかん)みたいね」 み
カトレアの証言、覆(くつがえ)すアザミ み
稜線(りょうせん)が朦朧(もうろう)と立つ雪月夜 み
白魚が 透明から 醤油色に み
息白し、いまごろ好きと言われても み
あの坂を登っていくと幣辛夷(しでこぶし) み
ぎこちないプロトコルだね春浅し か
春闘次第なの金融政策 か
必ず5分後に咳が出る社長 か