夏蜜柑は酸っぱい。南無阿弥陀仏 み
夏蜜柑は酸っぱい。南無阿弥陀仏 み
枇杷の木に枇杷の実がなる『枇杷の家』 み
急坂を上る夏服らの校歌 み
石鯛を捌いたら鯝(こ)は野良猫に み
筍(たけのこ)の皮を脱がせて赫映姫(かぐやひめ) み
空き箱に空き箱しまう。夏兆す み
陽炎(かげろう)の巨船にクルマを積め積め み
ひたすらに突進しても生きる鯖 み
母の日の忘れ物かな試着室 み
麻酔から覚めて置き去り夕若葉 み
腹いせに真っ黒こげに鯵2匹 み
ヘルメットのライトに騒いで羽蟻 み
有り触れて名前を尋ね「霞草」 み
目覚めれば柳の下か銀座かな み
踏切の警報や立夏のホーム み
モビールの鳥たちが飛ぶみどりの日 み
もう鯉幟(こいのぼり)など揚(あ)げる家はない み
黄色なら山吹の黄色がいいな み
メーデーに知らぬ言語の口喧嘩 み
桜湯は飲むも浸かるも「ああ」の呼気 み
風光る京浜急行は飛ばす み
『主権回復の日』がカレンダにない み
独活(うど)はその結果を受け入れられない み
『ガール』はいた。エレベーターに茶摘みに み
初任給が上がる 序列は逆転 み
囀りに文法ありと人の言ふ み
ニュースを読んでたのに、子猫の動画 み
春暑し上(あが)レ下(さが)レと京の人 み
初虹や蒼き書面に署名する み
こんなことしていると春は暮れゆく み
遠足の前夜に発熱の奇蹟 み
足裏に若芝が笑っているよ み
春雨に傘を窄(すぼ)め擦れあう路地 み
フェンスの裂け目をくぐって春の泥 み
ハローワークの待合室は朧(おぼろ) み
芋植えてSNS(えすえぬえす)で毒を吐く み
春霖(しゅんりん)やカレラも滑る行潦(にわたずみ) み
春障子の桟に埃が溜まって み
「ちょうちょが怖い」と長男が硬直 み
切り札の一人静(ひとりしずか)に戦意なし み
子の手から運賃箱へ。春夕焼(はるゆやけ) み
パリパリと海苔を破って茶漬けなど み
その老木が山桜だと判る み
ひとつづつ片付いてゆき菜種梅雨 み
春の野や不法投棄の洗濯機 み
落花や物語になってしまった み
入園児の名札は個人情報 み
「愚かでいろ」を実践し万愚節(ばんぐせつ) み
逆立ちのできる服にて初出社 み
ありがとう 閉店告げて年度末 み
裏木戸に閂(かんぬき)を掛け桜まじ み
居眠りのできぬ騒ぎや花の影 み
またも夜桜に出会っちゃった迂闊 み
正社員が復帰、『出替(でがわり)』で無職 み
浮子(うき)を投げ欠伸も出るよ春薄暮(はるはくぼ) み
地下道を出れば桜の国にいる み
生徒手帳は卒業式で捨てた が
種袋を振ると眠たげな返事 の
春昼や僅かながらも還付金 み
孤食の皿に目刺はどーんと臥す み
固茹(かたゆ)での黄身を裏漉(うらご)し咲くミモザ み
切通しに鶯(うぐいす)のエコー、エコー み
春休み、通用門で身分証 み
タンポポは踏めるものなら踏んでみよ み
外務省の人らと流氷を見る み
喩(たと)えれば片栗の花に与(くみ)する み
尋(と)めゆきて涅槃(ねはん)を覗(のぞ)く雪の果 み
スミレはこの色だったか薄曇り み
挿し木で殖(ふ)える能力。いつ獲得 み
水温む。粉じゃないのに「歯磨き粉」 み
お土産の埴輪を値切る三月や み
沖の小雨の影は雁の別れ(かりのわかれ)か み
蔦の芽(つたのめ)は世界征服を企む み
お似合いと言われて微妙な春服 み
春愁(しゅんしゅう)はレシートに膨らむ財布 み
合格した花が店先に並ぶ み
重力の漣(さざなみ)に浮く春の星 み
ブラウン管テレビは雛を飾れた み
残雪に声でも文字でもない歌 み
侘(わび)しさよ椀にみつばを浮かべても み
そっちへ行けば嵐山。二月果つ み
紅梅は遅咲きか、今朝の雨雲 み
衿(えり)もとの釦(ぼたん)を留める春の風 み
春の夜やそれを粗大ゴミで出すか み
梅が咲き山全体が低くなる み
餡入りの草餅は焼き網の痕 み
風の丘を登れば焼野(やけの)の匂い み
大根の半分なら『しっぽ』を買う み
子犬よ子犬 グルグルと 遅き春 み
寝返れば寒の戻りを握りしめ み
芍薬(しゃくやく)の浴衣も湯ざめして嚏(くしゃみ) み
新刊がざらついている春の塵(はるのちり) み
継母の不機嫌にして布団干す み
好きなネタは鳥貝と言うは難し み
非難をものともせず毛皮で歩く み
いづれの蕾(つぼみ)もいずれは開(ひら)く、春 み
完璧な舗装道路だが薄氷(うすらい) み
堅雪の二の丸通りを自転車 み
春寒き東京は敗者らの宿 み
春浅し年(ねん)に数回父を見る み
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夏蜜柑は酸っぱい。南無阿弥陀仏 み
枇杷の木に枇杷の実がなる『枇杷の家』 み
急坂を上る夏服らの校歌 み
石鯛を捌いたら鯝(こ)は野良猫に み
筍(たけのこ)の皮を脱がせて赫映姫(かぐやひめ) み
空き箱に空き箱しまう。夏兆す み
陽炎(かげろう)の巨船にクルマを積め積め み
ひたすらに突進しても生きる鯖 み
母の日の忘れ物かな試着室 み
麻酔から覚めて置き去り夕若葉 み
腹いせに真っ黒こげに鯵2匹 み
ヘルメットのライトに騒いで羽蟻 み
有り触れて名前を尋ね「霞草」 み
目覚めれば柳の下か銀座かな み
踏切の警報や立夏のホーム み
モビールの鳥たちが飛ぶみどりの日 み
もう鯉幟(こいのぼり)など揚(あ)げる家はない み
黄色なら山吹の黄色がいいな み
メーデーに知らぬ言語の口喧嘩 み
桜湯は飲むも浸かるも「ああ」の呼気 み
夕立を撥(は)ねてプレイントウ光る み
ゴクッといきたいがアイスティーにする み
我が友の謀(はか)りし迷路、麦の波 み
エレベータは夏服たちで満員 み
短夜(みじかよ)や初電の運転手の髯(ひげ) み
紫蘭(しらん)(知ってる?知らん)、紅蘭(こうらん)、朱蘭(しゅらん) み
夏めいて大股で歩ける身形(みなり) ま
小鯵(こあじ)の骨まで食べよ南蛮漬(なんばんづ)け み
桐箱の高級カステラ、母の日 み
辺邑(へんゆう)の朱欒の花(ざぼんのはな)は意気盛ん み
千早振る宇治の新茶のラテの渋 み
鰹船(かつおぶね)の換気口にカレーの香 み
お向かいのちょっと鬱陶(うっとう)しくて余花(よか) み
馬蛤貝(まてがい)の穴、と掘ったら大沙蚕(ごかい) み
深い襟ぐりに立夏のペンダント ま
ピーラーはアスパラガスをスリムにす み
アネモネや弱者を装(よそお)う者たち み
ゴールデンウイークまでは首位でいて み
係柱(けいちゅう)に片足、あれか蜃気楼(しんきろう) み
その葉で巻けば なんでも『桜餅(さくらもち)』や み