落葉カサッカササ 振り返り誰何(すいか) み
落葉カサッカササ 振り返り誰何(すいか) み
娘も泊まることありと畳替え ま
先にいくなら未来で待て、冬虹 み
今日も暇 オアフ半周 冬の風 み
冴える理科室 姿勢のよい骸骨 み
山茶花(さざんか)を挿して不遇の蹲(うずくまる) み
教育と洗脳の隙間に目貼り み
「場所を空けろ。クリスマスツリー様だ」 み
換気扇が細切れにする冬の陽 み
ストーブの分解掃除(ぶんかいそうじ)で見つけた み
図書館に五冊予約の冬支度 み
「フロイデ」で目が覚めた ごめんね第九 み
タクシーに並ぶ梅田の十二月 み
枯葉よ、電子(でんし)も量子(りょうし)や計算機 み
目薬の冷たき頬を垂れ急ぎ み
忘年会の特等席は下座 み
紅葉(もみじ)は闇に。ライトアップの顰(ひそ)み み
薪を割る。綿虫が飛び、日が暮れる み
師走。黄ばんだ写真、黄ばんだ記憶 み
枯蘆(かれあし)が騒いだので窓を閉めた み
ペコペコ社長の景気は大熊手 み
黄色の蛍光ペンで塗る金糸魚(いとより) み
セロリを齧(かじ)る 何かが浄(きよ)められる み
鯛焼の包み紙のひかる匂い み
末枯(うらがれ)は最上階の窓際に み
白菜は芯から喰えと豆知識 み
鴨たちよ、みんなでそっちへ行くんか み
長葱(ながねぎ)はレジ袋から街を見る み
カーブミラーに鶲(ひたき)は影を見るか み
屠場(とじょう)の上に高層ビルの小春 み
麦飯(むぎめし)と季節違いの薯蕷汁(とろろじる) み
表面は沸騰するも芯は冷ゆ み
夕日照るビルのガラスに帰り花 み
畑から脱走したか茶の花よ の
この頃は客人はなし敷松葉 み
雨の舗道は銀杏落葉(いちょうおちば)に滑る み
露寒(つゆざむ)やさっき見たのは何だろう み
群時雨(むらしぐれ)、我が町の名はひらがなに み
柘榴(ざくろ)をブロック塀へフォーシームや み
サンルームに冬浅く眠り老いる み
頭から食べて柳葉魚(ししゃも)の尾が残る み
伴走のロープが緩む秋惜しむ み
引いた牛蒡(ごぼう)を銃口に詰めてやれ み
夜霧にハイビームの影はマドロス み
やや寒し、今日は頭が回らぬ日 み
秋深き5時にコミュニティバスを待つ み
AI(えいあい)に真理を託す文化の日 み
脚注に言い訳のある『星月夜』 み
キーを挿しシングルルームに秋の灯 み
うわさの猪(い)の目のイヤリングの魔除け み
いちゃもんをつけながら喰う通草(あけび)の実 み
萩こぼれて時給は百円上がる み
冬瓜(とうがん)を煮て透き通る飛騨の夜 み
シュプレヒコールの軋(きし)みに銀杏散(いちょうち)る み
漱石は金蔓(かねづる)の『柿』、法隆寺 み
落穂(おちぼ)や 昔『グロソブ』 今『オルカン』 み
威銃(おどしづつ)を聞き流せる平和かな み
富士の影、釣瓶落しの五六(ごろく)秒 み
身に入(し)む雨天コールドの後始末 み
網棚はもう網でなく朱欒(ざぼん)置く み
チェロケースはヴィオラケースよりも秋 み
「馬肥ゆ」と見出しは終止形にして み
剃刀(かみそり)の刃の如き秋雨を行く み
秋風にナットが錆びた観覧車 み
ねこじゃらしの穂なら𝄆握って緩めて𝄇 み
何もない気が遠くなる花野道 み
近づけば暗澹(あんたん)たるや野の錦 み
秋日和にも紫外線は降る降る み
また転(こ)けた運動会の土の塊(くれ) み
なぜか檸檬(れもん)に好意的な人々 み
皿を洗う音を聞いてる蟋蟀(こおろぎ) み
マリー・アントワネットの菊人形 み
立喰いの券売機に「新蕎麦」、押す み
通学路の邪魔な茱萸(ぐみ)の枝を折る み
コンドルは羽ばたきもせず秋高し み
寝たままスマホは楽じゃない。夜長や み
コーラの瓶に囚(とら)われた秋の海 み
引出しに栓抜きがあり芋煮会 み
走れ、走れ。芒(すすき)の穂が黄金色(こがねいろ) み
長椅子に掛けて絵を見る赤い羽根 み
九月尽(くがつじん) あれ?定休日 長寿庵(ちょうじゅあん) み
屑(くず)でも塵(ちり)でも星は清く流れ み
EV(いいぶい)の墓場に小鳥来て遊ぶ み
本籍地を訪ねて秋郊(しゅうこう)に立つ み
「ボールどこ?」フェンス越えれば竹の春 み
重力という幻想に稲は垂れ の
質問を、「とんぶりです。」と遮(さえぎ)られ み
翌朝の不健康さの酔芙蓉(すいふよう) み
摂待(せったい)所に猫が居て悪戯者(いたずらもの) み
竹籤(たけひご)の虫籠(むしかご)の作成キット み
「かためが好きよ」と古米を混ぜて炊く み
梨を齧(かじ)る、シャコ 林檎を齧(かじ)る、シャコ み
『愛』に訓読みはなく月夜の匂い み
初汐(はつしお)は引力より遠心力 み
敬老の日です。『前期』から『後期』へ み
知ってるよ、玉蜀黍(とうもろこし)の髭の数 み
電話ボックスの撤去跡に桔梗(ききょう) み
鯊(はぜ)なんか釣ってどうする変な貌(かお) み
葡萄酒の違いが判る。赤と白 み
螽蟖(きりぎりす)にも音痴はいる。笑うな み
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落葉カサッカササ 振り返り誰何(すいか) み
娘も泊まることありと畳替え ま
先にいくなら未来で待て、冬虹 み
今日も暇 オアフ半周 冬の風 み
冴える理科室 姿勢のよい骸骨 み
山茶花(さざんか)を挿して不遇の蹲(うずくまる) み
教育と洗脳の隙間に目貼り み
「場所を空けろ。クリスマスツリー様だ」 み
換気扇が細切れにする冬の陽 み
ストーブの分解掃除(ぶんかいそうじ)で見つけた み
図書館に五冊予約の冬支度 み
「フロイデ」で目が覚めた ごめんね第九 み
タクシーに並ぶ梅田の十二月 み
枯葉よ、電子(でんし)も量子(りょうし)や計算機 み
目薬の冷たき頬を垂れ急ぎ み
忘年会の特等席は下座 み
紅葉(もみじ)は闇に。ライトアップの顰(ひそ)み み
薪を割る。綿虫が飛び、日が暮れる み
師走。黄ばんだ写真、黄ばんだ記憶 み
枯蘆(かれあし)が騒いだので窓を閉めた み
開かずの蔵を開ける。湿気寒(しけさむ)の風 み
痛風(つうふう)に、塩雲丹(しおうに)、海鼠腸(このわた)、唐墨(からすみ) み
宿坊で私にとっての初雪 み
畳を替えれば縁(へり)に二度躓(つまづ)く み
レントゲン写真の如く冬木(ふゆき)折れ み
駅舎出てゴチャゴチャ消えて冬の空 み
手袋と手袋の握手。冬山 み
ティンパニー、練習室にひとり。冴(さ)ゆ み
平穏の日々を乱すな冬薔薇(ふゆそうび) み
戸を開け放て。隙間風(すきまかぜ)はなくなる み
首都高下りる。ビル街へ冬日没(ふゆひい)る み
タオルを畳む。冬陽(ふゆひ)の香(か)を折り込む み
マップではこのあたり。北山時雨(きたやましぐれ) み
買った葱(ねぎ)を持ったまま妻を見舞う み
12月、星を継ぐものに幸あれ み
コートを着たまま入(はい)るのが礼儀だ み
そうやないんや生きていけ枯れ葎(むぐら) み
スタジアム出てすぐに鍋焼きうどん み
もう師走。『スピード感』の『感』はダメ み
5路線の踏切(ふみきり)渡る世は寒し み