街灯が点(つ)くをためらう夏夕べ み
九月尽(くがつじん) あれ?定休日 長寿庵(ちょうじゅあん) み
屑(くず)でも塵(ちり)でも星は清く流れ み
EV(いいぶい)の墓場に小鳥来て遊ぶ み
本籍地を訪ねて秋郊(しゅうこう)に立つ み
「ボールどこ?」フェンス越えれば竹の春 み
重力という幻想に稲は垂れ の
質問を、「とんぶりです。」と遮(さえぎ)られ み
翌朝の不健康さの酔芙蓉(すいふよう) み
摂待(せったい)所に猫が居て悪戯者(いたずらもの) み
竹籤(たけひご)の虫籠(むしかご)の作成キット み
「かためが好きよ」と古米を混ぜて炊く み
梨を齧(かじ)る、シャコ 林檎を齧(かじ)る、シャコ み
『愛』に訓読みはなく月夜の匂い み
初汐(はつしお)は引力より遠心力 み
敬老の日です。『前期』から『後期』へ み
知ってるよ、玉蜀黍(とうもろこし)の髭の数 み
電話ボックスの撤去跡に桔梗(ききょう) み
鯊(はぜ)なんか釣ってどうする変な貌(かお) み
葡萄酒の違いが判る。赤と白 み
螽蟖(きりぎりす)にも音痴はいる。笑うな み
電子レンジで秋刀魚が焼ける器(うつわ) み
磯釣りの帰り、ベトベトな台風 み
靴を磨いていると鈴虫がいた み
果物は何でも冷す桃冷す み
蟷螂(かまきり)が未知から来ては首傾(かし)ぐ み
おろし金に昨夜の生姜の繊維 み
一歩二歩、駅まで測る霧の道 み
鰯雲や とりあえず 「行けたら行く」 み
孑孑(ぼうふら)に止(とど)めを刺して豪雨去る み
印傳(いんでん)の摩れた蜻蛉(とんぼ)の長財布 み
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街灯が点(つ)くをためらう夏夕べ み
夏富士に その軽装? そうなんです み
居酒屋でウミガメのタマゴを食べた み
「扉を閉めて」と鳴くのか冷蔵庫 み
夏布団を蹴り上げ、くるっと回す み
ただ、氷河時代の終わりが来ている み
グローブのクリームパンの雲の峰 み
船乗りの歌は夏風、重い明日 み
ハイビスカスの庭にジープを停める み
水牛の背が臭う、ブーゲンビリア み
夏の雨にテールランプの点描 み
ハンゲショウの花が「ここよ」と誘惑 み
解剖医もカーボーイも玉の汗 み
蝸牛(かたつむり)は平和になっては困る み
蛙が鳴いている夢。ここはどこだ み
新橋のこの位置は弱冷房車 み
籐枕(とうまくら)に鋏まれて抜けた白髪 み
仏法僧(ぶっぽうそう)と鳴くは木葉木菟(このはづく)なり み
クリーム色の電車で菖蒲園へ み
透け感、抜け感、山荷葉(さんかよう)が濡れて み
三角のスイカにおまじないの塩 み
隣席の扇子、汗の臭いを撒く み
百日紅(さるすべり)は庭箒(にわぼうき)もピンク色 み
夏負けに鏡は「どちらさま?」と問う み
湯畑の煙が竦(すく)む炎天下 み
フェラーリもオーバーヒート気味に灼く み
野外授業に固執し熱中症 み
強引に雨の季節に七夕よ み
日本銀行券(にっぽんぎんこうけん)が欲しい小暑 み
電車待つ脹脛(ふくらはぎ)、蚊の刺され痕 み
鮎釣りの前泊の夜半(よわ)、雨催い み
雨傘よりも日傘が相合傘 み
「もう帰るわ」という目で団扇(うちわ)を置く み
黒百合よ市民らとリスクを語れ み
毒々しき色の蛙もケロケロ み
幕電(まくでん)か、暗雲が金塊と化す み
しゃぶしゃぶという食べ物があったよね み
バニラ、ラムレーズン、ミントチョコチップ み
氷雨ボソボソ、コンバーチブルの屋根 み
ラムネの栓がプラスチックの無粋 み