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市居嗣治の「今日のお気に入り」 https://blog.goo.ne.jp/tsuguji19

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再

市居嗣治の「今日のお気に入り」
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2015/08/06

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  • すかんタコ Long Good-bye 2025・04・21

    今日の「お気に入り」は、最近読んだ本の中から書き留めた文章。引用はじめ。「すべての人間が幸せになれることなど、この世には、きっとありはしないのだ。誰かの幸せの陰には、必ず誰かの不幸せがある。幸せというものの多くは、たいていどこか歪んでいる。」(朱川湊人著「妖精生物」文春文庫)「・・・人生には、五十年一緒にいるよりも、ずっと心に残る短い出会いもある。むしろ短いからこそ、その印象が深く鮮烈に心に刻まれるのかもしれない。」(朱川湊人著「凍蝶(いてちょう)」文春文庫)引用おわり。「ノスタルジックホラー」と呼ばれるジャンルに入るらしい小説五篇(「トカビの夜」「妖精生物」「摩訶不思議」「花まんま」「送りん婆」「凍蝶」)を読んだ。それぞれに面白いと言えば面白いが、元々、ホラー小説は余り得意ではない。強いて一篇えらぶとす...すかんタコLongGood-bye2025・04・21

  • 偶然による大発見 Long Good-bye 2025・04・20

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「セレンディピティ」。引用はじめ。「セレンディピティ(英語:serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。語の起源と意味『serendipity』という言葉は、イギリスの政治家にして小説家であるホレス・ウォルポールが1754年に生み出した造語であり、彼が子供のときに読んだ『セレンディップの3人の王子(TheThreePrincesofSerendip)』という童話にちなんだものである。セレンディップとはセイロン島、現在のスリランカのことであるから、すなわち、題名は『スリランカの3人の王子』という意味である...偶然による大発見LongGood-bye2025・04・20

  • メンターシップ Long Good-bye 2025・04・19

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「メンタリング」。引用はじめ。「メンタリング(英語:mentoring)とは、新入社員や後輩に対して、上司による指示とは別に、先輩社員が助言・指導する行為や人材育成手法のこと。指示や命令によらず、メンター(mentor)と呼ばれる指導者が、対話による気づきと助言により、被育成者たるプロテジェ(protégé)ないしメンティー(mentee)本人と、関係を結び自発的・自律的な発達を促す方法である。プロテジェがメンターから指導・支援されるこの関係をメンター制度またはメンターシップ(mentorship)と呼ぶ。1980年代にアメリカ合衆国の企業で導入されるようになり、時に人生設計まで相談に乗るため、チューターやコーチングより役割...メンターシップLongGood-bye2025・04・19

  • entrée gratuite Long Good-bye 2025・04・18

    今日の「お気に入り」は、最近読んだ本の中からなんとなく心に残って書き留めた文章。引用はじめ。・「この社会にはなんのバッジもついていない人が一定数いるんです。私みたいに。そんな人たちは、それを指摘されることにいつも怯えてる。私は幽霊みたいな人間なんです。誰にも認知されないし、誰に影響を及ぼすこともない」・「誰の目でもない、自分の目で見たことを信じなさい」(出典:松下龍之介著「一次元の挿し木」宝島社刊)引用おわり。筋立てに興味をひかれ、最後までどうにか読みおおせたが、やや大味なミステリー小説という感は免れなかった。苛性ソーダを使って、肉体をとかし、骨だけにする、というおどろおどろしさが非現実にすぎ、ついていけない。生命倫理にかかわるテーマを取り上げるのは難しい。。。<(⌒∇⌒)!。。ミステリーに疲れて、たまた...entréegratuiteLongGood-bye2025・04・18

  • 晴れた日は晴れを愛し雨の日は雨を愛す Long Good-bye 2025・04・17

    「gooblogサービス終了のお知らせ」が運営から届いた。半年先にはなくなるとのこと。20年余も利用しつづけてきただけに突然の通知に驚く。変化の激しい時代だから、当然かとも思う。いつまでもあると思うな、親とカネ。同じビジネスモデルを使って営業しつづけてきたファーストフードのチェーン店がいとも簡単に営業休止に追い込まれる時代である。。。(⌒∇⌒)!。。今日の「お気に入り」。「散る桜残る桜も散る桜」「うらを見せおもてを見せて散るもみじ」「焚くほどは風がもてくる落葉かな」(良寛さん)(ついでながらの筆者註:「良寛(りょうかん、宝暦8年10月2日(1758年11月2日)-天保2年1月6日(1831年2月18日))は、江戸時代後期の曹洞宗の僧侶、歌人、漢詩人、書家。号は大愚。名は栄蔵。」以上ウィキ情報。)晴れた日は晴れを愛し雨の日は雨を愛す LongGood-bye2025・04・17

  • ちゃぶ台返し Long Good-bye 2025・04・08

    今日の「お気に入り」は、昭和生まれの二つの言葉「ガラガラポン」&「ちゃぶ台返し」。昭和46年生まれの後期高齢者が世界中を右往左往させている。マッドマン・セオリーを地で行く、即物的なトランプ大統領に世界中のエスタブリッシュメントがなす術もなく振り回されている。戦後生まれの78歳、まだまだ元気、死してのち已む。昭和100年、試験運用中の生成AIに聞いてみた。「『ガラガラポン』は『白紙に戻して一からやり直す』という意味のビジネス用語で、変革や再編の必要性がある場面でよく使われます。【意味】・現在の状況を白紙に戻す・一度全てをリセットし、結果をランダムに生み出す・組織の人員配置などを最初からやり直す既存の状況や常識を一旦リセットし、新たな展開を試みること・複雑になってしまった問題を、一旦仕切り直すこと・組織の人員...ちゃぶ台返しLongGood-bye2025・04・08

  • Long Good-bye 2025・04・02

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている翻訳本の中から、備忘のため、抜き書き。このように面白いと思ったところは、ところどころ、書き写し、読み返し読み返し、読み進めているのでなかなかはかがゆかない。引用はじめ。「僕らはアフリカで不帰順のムーア人たちと接触を持っていた。彼らは立入禁止地区、つまり、僕らにとっては飛行機で飛び越えるほかない地区の奥から忽然と姿を現し、キャップ・ジュビーやシズネロスの砦で大胆にも砂糖の塊や茶葉を買うと、また神秘の中に戻っていった。僕らは彼らが通りかかるときを見計らい、その何人かを手なずけようと試みた。相手が影響力のある首長格の男だった場合は、ときに航空会社の上層部の承認の下で飛行機に乗せ、世界の実態を見せてやった。その狙いは彼らに傲慢さを捨てさせることにあった。」「そんなわけで、僕...LongGood-bye2025・04・02

  • 斧琴菊 Long Good-bye 2025・03・26

    今日の「お気に入り」は、最近拾い読みしている新約聖書の文語訳「マタイ傳福音書」の第19章。付け加える言葉なし。引用はじめ。「第十九章16視(み)よ、或人(あるひと)みもとに來(きた)りて言(い)ふ『師(し)よ、われ永遠(とこしへ)の生命(いのち)をうる爲(ため)には、如何(いか)なる善(よ)き事(こと)を爲(な)すべきか』17イエス言(い)ひたまふ『善(よ)き事(こと)につきて何(なに)ぞ我(われ)に問(と)ふか、善(よ)き者(もの)は唯(ただ)ひとりのみ。汝(なんぢ)もし生命(いのち)に入(い)らんと思(おも)はば誡命(いましめ)を守れ』18彼(かれ)いふ『孰(いづれ)を』イエス言(い)ひたまふ『「殺(ころ)すなかれ」「姦淫(かんいん)するなかれ」「盗(ぬす)むなかれ」「僞證(ぎしょう)を立(た)つる勿...斧琴菊LongGood-bye2025・03・26

  • 標語に意味はない Long Good-bye 2025・03・23

    今日の「お気に入り」は、最近拾い読みしている新約聖書の文語訳「マタイ傳福音書」の第15章。イエスの言葉を直接的にせよ、間接的にせよ、伝え聞けば、「偽善者」と決めつけられた相手方(パリサイ人や宗教学者)が怒るのは当り前。怒りを買うこと先刻承知で、挑発していらっしゃる。質問に質問で返し、頭の悪い相手を煙に巻いて、最後にとどめを刺す。頭のいいひとがよく使う、相手をおちょくるためにする会話技法。「食事の前に手を洗う」という形而下的な教えは、ちょうど現代の幼稚園、小学校の教室や洗い場の壁に貼りだしてある「標語」のようなもの。引用はじめ。「第十五章1ここにパリサイ人(びと)・學者(がくしゃ)ら、エルサレムより來(きた)りてイエスに言(い)ふ、2『なにゆゑ汝(なんぢ)の弟子(でし)は、古(いにし)への人(ひと)の言傳(...標語に意味はないLongGood-bye2025・03・23

  • 昭和100年ものみなあがる (続) Long Good-bye 2025・03・16

    昨日の「JR貨物」の話の続きで、ChatGPTと交わした対話の中から、いくつか紹介したい。今日の「お気に入り」は、これらの新(!)知識。知らなかったのは、筆者だけ?。。(⌒∇⌒)!。。「User(すなわち筆者):JR貨物の一両当たりの貨物運賃はいくらですか?。ChatGPT:JR貨物の運賃は、輸送する貨物の種類、コンテナの大きさ、輸送距離、そして必要なサービス(集荷や配達など)によって異なります。(JRFREIGHT.CO.JP)例えば、5トンコンテナ1個を東京貨物ターミナル駅から大阪貨物ターミナル駅まで輸送する場合、鉄道運賃は38,500円となります。(TRAFFICNEWS.JP)この金額には、コンテナの使用料金も含まれております。さらに、集荷や配達を依頼する場合は、発送料や到着料が追加されます。(J...昭和100年ものみなあがる(続)LongGood-bye2025・03・16

  • 昭和100年ものみなあがる Long Good-bye 2025・03・15

    鉄道オタクではないが、鉄道沿線で電車や列車を眺めるのが好きである。小学校にあがる前の子供の頃に、昭和天皇のお召列車が近くの国鉄山陽本線を通る、と聞いた家人に連れられ、列車の通過を見に行った記憶もある。コロナが猖獗を極めた2020~2022年の頃でもJR東海道本線の貨物線をゆく貨物列車の連結両数は、結構多かったような気がする。コンテナや石油タンクを載せた10数両の貨物列車が目の前を通り過ぎるのはなかなか壮観で、不景気、不景気と言われながらも、物流は盛んで、経済が回っていることを実感させられたものである。今日の「お気に入り」は、鉄道貨物輸送の担い手である「日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)」の話。。。(⌒∇⌒)!。。「JR貨物」のホームページにはこんなことが書かれている。「社名:日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)...昭和100年ものみなあがるLongGood-bye2025・03・15

  • つづけてAIと対話 Long Good-bye 2025・03・12

    おこめの話のつづき。日本の民間流通米市場が、絵に描いたような寡占状態であることがわかったので、生成AIにもう一つ聞いてみた。今日の「お気に入り」は、以下のChatGPTとの質疑応答。「User(すなわち筆者):JA全農のコメ市場における市場占有率は70%に及ぶと言われていますが、価格操作などの面で、公正取引法・独禁法に抵触することはないのですか?ChatGPT:JA全農のコメ市場における市場占有率が約70%とされる点について、公正取引委員会(公取委)は、独占禁止法(独禁法)との関係を常に監視しています。以下のような観点から、価格操作や競争制限が問題となる可能性はあります。1.市場支配力と独占禁止法・独禁法では、『私的独占の禁止』や『不当な取引制限(カルテル)』を禁止しています。・JA全農が市場で圧倒的なシ...つづけてAIと対話LongGood-bye2025・03・12

  • 今日もAIと対話 Long Good-bye 2025・03・11

    今日も、おこめの話。自由化後の日本の民間流通米市場において、JA全農系の占める市場占有率は、とてつもなく大きそうだ、ということで、もう少し詳しく生成AIに聞いてみた。今日の「お気に入り」は、以下のChatGPTとの質疑応答。「User(即ち筆者):JAの民間流通米市場における取り扱い総量と市場占有状況を教えてください。ChatGPT:日本の民間流通米市場におけるJA(農業協同組合)の取扱総量と市場占有率に関する最新の詳細なデータは見つかりませんでした。しかし、関連する情報として、以下の点が挙げられます。・全農の取扱量:2000年産米において、全農系の取引量は462万トンであったとの報告があります。(WORLDFOOD.APIONET.OR.JP)・米(こめ)卸売業者の市場占有状況:全国で260以上の米卸売...今日もAIと対話LongGood-bye2025・03・11

  • 久々にAIと対話 Long Good-bye 2025・03・09

    久々にChatGPTと真面目な対話をしました。話題は、米価の高騰。今日の「お気に入り」、以下の質疑応答。「User(即ち筆者):お米の値段は、なぜ急にたかくなったのですか?ChatGPT:お米の価格が急上昇した主な要因は以下の通りです。1.天候不順による生産量と品質の低下:2023年の猛暑により、新潟や秋田などの主要産地で収穫量が減少し、高温の影響で米粒が白く濁るなど品質にも影響が出ました。(NHK)2.コロナ禍からの需要回復:コロナ禍で一時的に落ち込んでいた外食需要が、2023年5月の感染症分類変更後に急速に回復し、訪日外国人観光客の増加も相まって、米の需要が大きく伸びました。(NHK)3.生産コストの上昇:燃料費や肥料代、農機具の維持費などの生産コストが急激に上昇し、農家は販売価格を引き上げざるを得な...久々にAIと対話LongGood-bye2025・03・09

  • 一日の苦勞は一日にて足れり Long Good-bye 2025・03・06

    昨今、お米の値段が高止まりしていると聞くけれど、米(こめ)生産農家の実入りが倍増したとは、とんと聞かない。原因のわかっている鶏卵の値上がりとは違う事情が潜んでいそうだが、口に出しては誰も言わない。一体、どこのどなたがぽっぽに入れているのやら。誰か教えてくれないか、そのからくりを。まさか、国庫ではなかろうに。。。n(⌒∇⌒)n。。唐突ながら、今日の「お気に入り」は、最近拾い読みしている新約聖書の文語訳「マタイ傳福音書」の第6章の後半と第7章。とくに第7章は若いころより聞き馴染んだフレーズのオンパレード。山上の垂訓の聞かせどこ。引用はじめ。「第六章22身(み)の燈火(ともしび)は目(め)なり。この故(ゆゑ)に汝(なんぢ)の目(め)ただしくば、全身(ぜんしん)あかるからん。23されど汝(なんぢ)の目(め)あしく...一日の苦勞は一日にて足れりLongGood-bye2025・03・06

  • 十戒 Long Good-bye 2025・03・03

    「明日のことを思い煩うな、明日は明日自ら思い煩わん、一日の苦労は一日にて足れり」。毎日、その日やるべきことを極力少なくしている筆者は、そうして作った余暇に、新約聖書の文語訳で、「マタイ傳福音書」など読んでおる。今日の「お気に入り」は、第5章の後半。ここにも、聞き覚えのあるフレーズが多々登場する。いわゆる「モーセの十戒」その他の戒律を例に引いて、「されど我は汝らに告ぐ」と言って、自論を展開なさっているのであるが、ところどころ、論理的な整合性がとれていないように感じる箇所もある。例えば、第5章第21~24節。「21古への人に『殺すなかれ、殺す者は審判にあふべし』と云へることあるを汝等きけり。22されど我は汝らに告ぐ、すべて兄弟を怒る者は、審判にあふべし。また兄弟に對ひて、愚者よといふ者は、衆議にあふべし。また...十戒LongGood-bye2025・03・03

  • 己が前にラッパを鳴らすな Long Good-bye 2025・02・28

    いつの頃からか、我に有利と見るや、耳にした情報を、右から左へネットに流す人士が増えてきた。まるで愉快犯のように、不特定多数が参加するSNSを使って他人を炎上させて、ひとり悦に入ってる感じ。俗に、マッチポンプと言う。大人の「見て見て」言動にはうんざりさせられる。世の中、自己顕示欲全開のひとが多いこと、多いこと。ジェンダーにかかわりなく、承認欲求の強いこと、強いこと。年齢にかかわりなく見られる現代人の痼疾。いくつになっても、己が前にラッパを鳴らす人が多いこと、多いこと。大人しく、ハムブルでいられないものか、と思ってしまう。「ラッパを鳴らす」って表現、どこで見たんだっけと考えていて、思いだした。最近読んだ新約聖書の文語訳、「マタイ傳福音書」の第六章第1節から第18節の中にあったのだ。ご参考までにそのくだりを以下...己が前にラッパを鳴らすなLongGood-bye2025・02・28

  • ころすなかれ Long Good-bye 2025・02・25

    世界の宗教人口について、ググったところ、試験運用中の生成AIによるこんなお答えが返ってきた。「世界の宗教人口割合は、キリスト教が最も多く、次いでイスラム教、ヒンズー教、仏教、民族信仰の順となっています。また、無宗教の人口も増加しています。【世界の宗教人口割合】キリスト教:約23億人(32%)イスラム教:約18億人(25%)ヒンズー教:約11億人(15%)仏教:約5億人(7%)民族信仰:約4億人(5%)無宗教:約12億人(16%)【世界の宗教に関するその他の情報】キリスト教は世界各地に広く分布しており、世界最大の宗教です。アジア太平洋、欧州、北米では最も世俗化が進み、約5人に1人が無宗教です。日本では、神道の信者数が最も多く、仏教も信者数が多い宗教です。東アジアでは儒教も信者数が多い宗教です。」久しぶりにC...ころすなかれLongGood-bye2025・02・25

  • さいはひなるかな Long Good-bye 2025・02・22

    六十年ほど前に習って、六十年後の今も憶えているドイツ語に"SalzderErde"(発音はザルツデアエルデ)がある。ドイツ語の講義で使われた教材の中に出てきた言葉で、邦訳は「地の塩」。ドイツ語の先生から、運悪く指されて、言葉の意味を問われたので、よく覚えている。宗教と縁の薄い日本家庭で育ったので、初見の言葉であった。しどろもどろになりながらも「世の中になくてはならないもの、世をぴりっとひきしめるもの」ではないかと答えたような記憶がある。第二外国語として選択したドイツ語クラスの授業で、そのドイツ語の先生が植田敏郎さんであった。当時クラス担任の先生は、やはりドイツ語専門の小塩節さん。植田さん、小塩さん、ともに高名なドイツ文学者であることは後に知った。おバカで能天気な学生だった頃の話。七十七になって、「地の塩」...さいはひなるかなLongGood-bye2025・02・22

  • 春まだき Long Good-bye 2025・02・19

    今日の「お気に入り」は、ほころび始めた河津桜のつぼみ。静岡県賀茂郡河津町で買い求めた苗木から育てた庭の桜。樹齢20ん年。今年は、開花が遅い。河津桜然り、水仙然り。富士山頂上の朝の気温が、氷点下29.5℃。このごろ夢の中で聞こえるつぶやき声、空耳か。財務大臣・中央銀行総裁会議に出席するどこかの国のだれかのつぶやき?「いつまでもゼロ金利だと、肩身がせまい。2、3パーセントはなくっちゃ金利政策も打てやしない。ステルスでちょびちょび上げろ。」それとも、どこかの国の財務真理教教祖さま(?)のつぶやき?「何年かけてでも、消費税率を20パーセントまで引き上げろ。教義は守れ。」惡夢じゃ・・・・。春まだきLongGood-bye2025・02・19

  • 七番目の星 Long Good-bye 2025・02・12

    今日の「お気に入り」は、脚本家で小説家の山田太一さん(1934-2023)の随筆「夕暮れの時間に」から。引用はじめ。「誰から聞いたか思い出せないのだが、『物語と小説の違いは、小説には人生があり物語にはない』という定義がいつのころからか頭に残っている。異論のある人も多いだろう。『シンデレラ』や『浦島太郎』や『白雪姫』が人生を語っていない、とはとてもいえない。しかし、物語はたしかに人生の細かな現実を語ってはいない。その代り、ありそうもない話の楽しさがあるし、だからこそこめられる寓意も、端的な人生の要約もある。一方、小説は『ありそうもない話』も、人生の細かな本当を積み上げて『ありそうな話』にしてしまう装置である。」「サン=テグジュペリが『星の王子さま』で、友だちをつくるのには時間をかけなければいけない、と頭のい...七番目の星LongGood-bye2025・02・12

  • 校歌 Long Good-bye 2025・02・08

    五十年、六十年経っても憶えているものに、学校で歌ったというか、歌わされた校歌がある。筆者が通った小学校と高校の校歌は、それぞれ直接師事した国語科の先生が作詞されたものだけに思い出深い。今日の「お気に入り」は、そうした校歌二曲。◇滝野川小学校校歌作詞栗山博作曲井上武士一富士の嶺(ね)遠く仰ぎつつみどりの丘に築きたる古き歴史の幾十年輝く光みなぎりてわが滝野川小学校ニ正義と真理めざしつつ幼きいのち満ちみちて雄々しき日々の歩みこそ遥かの空にとどろかんああ滝野川小学校三香りも高き武蔵野の野に広がりて育ちゆく心の園に愛と知の永久(とわ)に流れてゆたかなれああ滝野川小学校(^^♪(筆者註:「北区立滝野川小学校は、東京都北区西ケ原にある公立小学校。沿革・1941年(昭和16年)-国民学校令により滝野川国民学校と校名変更・...校歌LongGood-bye2025・02・08

  • 早い者勝ち Long Good-bye 2025・02・06

    今日の「お気に入り」は、アメリカのテレビ・ドラマの登場人物の一人がたまたま口にした英語の諺(ことわざ)。”Earlybirdscatchtheworm.”(早起きの鳥は虫を捕まえる)。日本語なら「早起きは三文の得」に相当する諺だと昔教わったような気がします。ネット検索すると、英語には”Theearlybirdgetstheworm,butthesecondmousegetsthecheese.”なんて表現もあるよう。前半は”Earlybirdscatchtheworm”と同じ意味の諺だけど、後半の”thesecondmousegetsthecheese.”(2番目のネズミはチーズを手に入れることができる)の意味するところは「最初にチーズを発見したネズミは(ネズミ捕りの)罠にかかってバネにはさまれてしまうが...早い者勝ちLongGood-bye2025・02・06

  • コールユーブンゲン Long Good-bye 2025・02・03

    今日の「お気に入り」は、60年ほど前の高校時代に音楽の授業で習った歌曲"ZärtlicheLiebe"「優しき愛(WoO.123)」。歌い始めの"Ichliebedich"(イッヒリーベディッヒ)「君を愛す」の題名で呼ばれることも多い、楽聖ベートーヴェンの歌曲。憶えているドイツ語の歌詞は一番のみ。詩はヘロゼ(KarlFriedrichWilhelmHerrosee:1754-1821)という人のもの。"Ichliebedich,sowiedumich,AmAbendundamMorgen,NochwarkeinTag,woduundichNichtteiltenunsreSorgen."(^^♪ドイツ語でのみ習い、憶え、教科書に翻訳はなかったように記憶する。Iloveyouと言っても、男女の恋愛感情の歌で...コールユーブンゲンLongGood-bye2025・02・03

  • あくをもてあくにむくいず Long Good-bye 2025・01・31

    今日の「お気に入り」。引用はじめ。「第十二章『1されば兄弟(きょうだい)よ、われ神(かみ)のもろもろの慈悲(じひ)によりて汝(なんじ)らに勸(すす)む、己(おの)が身(み)を神(かみ)の悦(よろこ)びたまふ潔(きよ)き活(い)ける供物(そなへもの)として献(ささ)げよ、これ靈(れい)の祭(まつり)なり。2又(また)この世(よ)に效(なら)ふな、神(かみ)の御意(みこころ)の善(ぜん)にして悦(よろこ)ぶべく、かつ全(まった)きことを辨(わきま)へ知(し)らんために、心(こころ)を更(か)へて新(あらた)にせよ。3われ與(あた)へられし恩惠(めぐみ)によりて汝等(なんぢら)おのおのに告(つ)ぐ、思(おも)ふべき所(ところ)を超(こ)えて自己(みづから)を高(たか)しとすな。神(かみ)のおのおのに分(わか)ち...あくをもてあくにむくいずLongGood-bye2025・01・31

  • 真白き富士の嶺 Long Good-bye 2025・01・27

    今日の「お気に入り」は、「ましろきふじのね、みどりのえのしま」という歌いだしで始まる歌曲。6番まである歌詞のうち、筆者がそらで歌えるのは1番のみ。因みに、歌詞全文は以下のとおり。「一真白き富士の嶺、緑の江の島仰ぎ見るも、今は涙歸らぬ十二の雄々しきみたまに捧げまつる、胸と心ニボートは沈みぬ、千尋(ちひろ)の海原(うなばら)風も浪も小(ち)さき腕(かいな)に力も尽き果て、呼ぶ名は父母恨みは深し、七里ヶ浜辺三み雪は咽(むせ)びぬ、風さえ騒ぎて月も星も、影を潜めみたまよ何処に迷いておわすか歸れ早く、母の胸に四みそらにかがやく、朝日のみ光暗(やみ)に沈む、親の心黄金(こがね)も宝も、何にし集めん神よ早く、我も召せよ。五雲間に昇りし、昨日の月影今は見えぬ、人の姿悲しさあまりて、寝られぬ枕に響く波の、音も高し六帰らぬ浪...真白き富士の嶺LongGood-bye2025・01・27

  • ラブユー Long Good-bye 2025・01・19

    昨日の朝も、いつもの朝のように、四時半に目覚め、これまたいつものように、すぐには起床せず、深夜放送の名残りの、お笑いコンビの与太話を、右耳に差し込んだイアホンを通して、聞くともなしに聞いていた。五時の時報とともに始まるのが、土曜の朝は、ニッポン放送「徳光和夫とくもり歌謡サタデー」。これが聞こえてくるころには、すでに寝床を離れて、朝の行事の真っ最中。そうこうしている内に、聞き覚えのある黒沢明とロス・プリモスの「ラブユー東京」のイントロのメロディーに続いて、これまで筆者が聞いたことのない歌詞の歌が、ロス・プリモスの美しい声音で流れてきた。。。(⌒∇⌒)。。今日の「お気に入り」は、ムード歌謡のロス・プリモスが歌う「ラブユー東京」ならぬ「ラブユー貧乏」。ラジオから聞こえてくる限りで、歌詞を拾うと、こんな感じ・・・...ラブユーLongGood-bye2025・01・19

  • アルバトロス Long Good-bye 2025・01・14

    アルバトロスと聞いて、ゴルフのすご技を想起しない筆者は、スポーツとしてのゴルフとの相性が、子供の頃から、よろしくない。ゴルフ・プレイヤーのお供をして、18ホールのコースをただ散歩するのは、気持ちがいいから、好きである。小学5年生の頃、大人に連れられて歩いた、川奈ホテルの富士コースだか大島コースだかが、とても気持ちの良い場所だったことを、66年経った今も覚えている。要するに、ゴルフが下手糞なだけである。。。(⌒∇⌒)。。今日の「お気に入り」は、作家の村上春樹さんが、1994年か1995年頃に書かれたエッセー「うずまき猫のみつけかた」(新潮文庫)の中の数節。ハワイに生息するアホウドリ(英名albatross)のお話。引用はじめ。「アメリカ大陸の横断も終わり、そのあとハワイのカウアイ島で一カ月半を過ごした。そこ...アルバトロスLongGood-bye2025・01・14

  • はなもあらしものりこえて Long Good-bye 2025・01・10

    (2025年、新年の富士山、宝永火口に雪はない)(10年経てば、スマートタウンもくすみが進む・・・・・・お肌の手入れが・・・・)今日の「お気に入り」は、作家の村上春樹さんが、1994年か1995年頃に書かれたエッセー「うずまき猫のみつけかた」(新潮文庫)の中の数節。引用はじめ。「四月十七日。さてボストンの通りに猫が顔を出し始めると『いよいよ』のボストン・マラソンである。僕はこの冬のあいだずっと真剣に長編小説の執筆に集中していたので、ほとんどレースに向けての走り込みができなかった。まあ僕は小説家であって、職業的ランナーじゃないんだから、これはしょうがない。本来ならば準備不足で今年は出場を見あわせようかというところなのだが、ボストンにいるのも今年が最後だし、まあ少しくらいタイムが悪くてもいいや、レースそのもの...はなもあらしものりこえてLongGood-bye2025・01・10

  • 小さいけれども確かな幸福 Long Good-bye 2025・01・08

    今日の「お気に入り」は、作家の村上春樹さんが、1994年か1995年頃に書かれたエッセー「うずまき猫のみつけかた」(新潮文庫)の中の数節。引用はじめ。「一九九一年にアメリカに来たときに、家の近所の中古レコード屋でマット・デニスの『プレイズ・アンド・シングズ』のオリジナルのトレンド盤を三十四ドルで売っているのを見つけた。僕はこのレコードが昔から大好きで、KAPP盤と日本発売のデッカMCA盤とCDと三種類持っているのだが(かなり物好きだ)、トレンド盤はもともとの根っこのオリジナルであってモノとしてはちょっと珍しい。でも『三十四ドルというのはちょっと高いよな。だいたいもう同じものを三枚も持っているわけだし』と、三カ月近くも悩んでいた。もちろん三十四ドルのお金がないわけではないし、そして日本でこのレコードを買おう...小さいけれども確かな幸福LongGood-bye2025・01・08

  • 食う寝る遊ぶ Long Good-bye 2025・01・05

    今日の「お気に入り」は、作家の村上春樹さんが、1994年か1995年頃に書かれたエッセー「うずまき猫のみつけかた」(新潮文庫)の中の数節。引用はじめ。「国が広いこともあって、アメリカでは通信販売が盛んだけれど、これは一度慣れるとなかなか便利で楽しいものである。」「雑誌『ニューヨーカー』の広告で見かけて注文した猫の腕時計。文字盤の数字の代わりに『食う』『寝る』『遊ぶ』という三つの言葉が繰り返しでてくる。考えてみれば井上陽水のあの昔のコマーシャルとまったく同じである。値段は六十ドル前後だったと思う。もう二年以上使っているけれど、時間はきわめて正確。余計な機能がまったくついていないのでとても使いやすい。気に入ったので、いつか誰かにプレゼントしようと思って二個も買ってしまった。この時計をはめて街を歩いていると、必...食う寝る遊ぶLongGood-bye2025・01・05

  • 今年も単純に規則的に暮らす Long Good-bye 2025・01・03

    今日の「お気に入り」は、作家の村上春樹さんが、1994年か1995年頃に書かれたエッセー「うずまき猫のみつけかた」(新潮文庫)の中の数節。引用はじめ。「最近は熱心に小説を書いているので、毎日朝の五時ちょうどに起きて、夜の九時過ぎにはもうベッドに入ってぐうぐう眠るというパターンになっている。僕の場合、長編小説を書いているときにはどうやらこの生活形態が理想的パターンであるらしく、いつもだいたい自然にそういう風になってしまう。自然に眠くなって、自然に目が覚めてしまうわけだ。もちろん作家によって、人それぞれいろんな仕事時間のパターンがある。」「朝食をはさんでだいたい午前十時半頃まで仕事をして、それから大学のプールで泳ぐか、そのへんを一時間ほど走るかして、そのあとで昼御飯を食べる。午後はだいたい気分転換。小説以外の...今年も単純に規則的に暮らすLongGood-bye2025・01・03

  • スカムバッグ Long Good-bye 2024・12・31

    今日の「お気に入り」は、作家の村上春樹さんが、1994年か1995年頃に書かれたエッセー「うずまき猫のみつけかた」(新潮文庫)の中の一節。引用はじめ。「この前ある大きなショッピング・センターの駐車場で、ついうっかり優先車線じゃないところで車を先に出してしまったら、優先車線にいた三十歳前後の黒人ドライバーに"Youscumbag!"と開いた窓から怒鳴られた。たしかに僕が悪かった。でも言い訳するんじゃないけれど、地面の白線が消えていてどっちが優先なのかわかりにくかったのだ。そんなに真剣に怒ることもないだろうに。アメリカに住んでいると、『ファックユー』だの『バスタード』だの『サノバビッチ』だの『アスホール』だの『マザファッカー』だの、そういうポピュラーな罵(ののし)りの言葉にはあっちこっちでもうすっかり慣れっこ...スカムバッグLongGood-bye2024・12・31

  • タング・トゥイスター Long Good-bye 2024・12・30

    年の瀬の早朝、イアホンで聴くラジオ番組の合間に、初詣に誘う神社のラジオCMが流れてくる。地元なら、相模國一之宮寒川神社、お隣りの武蔵国なら、「くらやみ祭」で有名な、東京都府中市にある大國魂神社など、いずれも聞きなれた神社名である。大國魂神社と言えば、昔、筆者が通っていた小学校の男子の間では、「大國魂神社、大國魂神社、大國魂神社、・・・・」と早口で言い続ける罰当たりな言葉遊びが流行っていたことがあった。「おおくにたまじんじゃ、おおくにたまじんじゃ、おおくにたまじんじゃ、・・・・」と、出来るだけ早口に言い続けさせる、・・・それだけの話。。。(⌒∇⌒)>。。。。(⌒∇⌒);。。ところで、今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「早口言葉」。引用はじめ。「早口言葉(はやく...タング・トゥイスターLongGood-bye2024・12・30

  • ニクソンショック Long Good-bye 2024・12・28

    今日の「お気に入り」は、作家の村上春樹さんが、1994年か1995年頃に書かれたエッセー「うずまき猫のみつけかた」(新潮文庫)の中で引用されているアメリカのニクソン元大統領が日頃よく口にしていたという言葉。"Alwaysremember,othersmayhateyou,butthosewhohateyoudon'twinunlessyouhatethem."これだけじゃ何のことだか分からないので、前後の文章をエッセーから、拾い読みしつつ、筆写。引用はじめ。「ボストン・マラソンを走り終えた翌々日の四月二十日、飛行機に乗ってテキサス州オースティンに行った。」「このオースティンはテキサス州の州都ということになっているが、同じ州内にあるヒューストンやダラスみたいな大都会には比べるべくもないこぢんまりとした町であ...ニクソンショックLongGood-bye2024・12・28

  • 一に足腰 、二に文体 Long Good-bye 2024・12・26

    今日の「お気に入り」は、作家の村上春樹さんが、1994年か1995年頃に書かれたエッセー「うずまき猫のみつけかた」(新潮文庫)の中の一節。引用はじめ。「ところで世間には作家に対するステレオタイプな思い込みのようなものがあって、今でも多くの人は、作家というものは毎日のように夜更かしをして、文壇バーに通って深酒を飲み、家庭なんかほとんど省みず、持病のひとつやふたつは抱えていて、締切が近くなるとホテルで缶詰になって髪を振り乱している人種だと信じているみたいだ。だから僕が『夜はだいたい十時に寝て、朝は六時に起きるし、毎日ランニングをして、一度も締切に遅れたことはない』と言ったら、しばしばがっかりされる(更に言えば、二日酔いと便秘と頭痛と肩こりは生まれてからほとんど一度も経験がない)。そんなことを言われると、その人...一に足腰、二に文体LongGood-bye2024・12・26

  • ジャック・ライアン Long Good-bye 2024・12・24

    今日の「お気に入り」は、「ジャック・ライアン」。アメリカの小説家トム・クランシー(1947-2003)などによる小説の主人公である。インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」によるジャック・ライアンの解説記事は次の通り。「ジャック・ライアン(JackRyan)は、トム・クランシーなどによる小説の登場人物、およびその小説シリーズである。クランシーによる1984年出版の『レッド・オクトーバーを追え』(TheHuntforRedOctober)からはじまり、第13作目『デッド・オア・アライヴ』(DeadorAlive)より他の小説家との共著に。第17作目『米露開戦』(CommandAuthority)を最後にクランシーが死去して以降は、マーク・グリーニーなどにより引き継がれている。」「映像化映画・1990...ジャック・ライアンLongGood-bye2024・12・24

  • コアコアCPI Long Good-bye 2024・12・22

    近頃は、スーパーのレジで合計の値段を聞いて、「・・・えー?」と思ってしまうことも無くなった。食料品価格の値上がりが留まることなく続いているからである。レジに並ぶ年寄りたちの買い物かごも、めっきりさびしくなってるなあと感じるのは筆者だけではないだろう。商品に手を出そうにも物の値段が半端ではないのである。安売りが売りのエブリデイ・ロー・プライスのスーパーからして値上げの嵐である。何もハワイやニューヨークくんだりまで出かけなくたって気付けること。現役世代には、賃上げという救いもあるが、高齢の年金生活者、就中、団塊世代の多くの男女にとって、老体に鞭打って働くか、子供世代を頼る以外に自衛手段はない。繰り言を言ってみても、どこからも一銭も湧いて来やしない。二割上がったら、家計を二割ダウンサイジングするしかない。世界中...コアコアCPILongGood-bye2024・12・22

  • ホームランド Long Good-bye 2024・12・20

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「HOMELAND(テレビドラマ)」。PrimeVideoで、久々にはまった。9.11以降の世界に起こっていても不思議ではない、と思わせる展開を見せる作り話。精神障がい者でもある女主人公を、陰に陽に助ける男どもは、次々と死んでゆく。惚れた弱み。以下は、記事の冒頭の部分。「『HOMELAND』(Homeland)は、2011年から2020年まで放送されたハワード・ゴードンとアレックス・ガンザによりアメリカ合衆国のテレビ用に制作されたスパイ・スリラー・ドラマ・シリーズであり、ギデオン・ラフが制作したイスラエルのシリーズ『Hatufim』(戦争の囚人)の設定に基づいている。主演はクレア・デインズ。概要双極性障害を持つが極めて有能な...ホームランドLongGood-bye2024・12・20

  • 火宅の人 Long Good-bye 2024・12・16

    今日の「お気に入り」は、沢木耕太郎さんの著書「檀(だん)」の終章に引用されている作家の檀一雄さんが綴られた夫人あての手紙。夫人のお名前は、福岡県柳川市生まれのヨソ子さん、「檀」の主人公である。作家の檀一雄さんが、昭和26年(1951年)、捕鯨船に乗り込んで、はるばる南氷洋に出掛けられた折り、旅先からヨソ子夫人に宛てて出された長文の手紙だそうである。昭和26年、檀一雄さんは、御年(おんとし)39歳、直木賞を受賞されるなど、文壇での声価が高まっていた時期に夫人宛て書かれた私信で、当然のことながら、余人の目に触れることを想定していない、夫人に対するあけすけな物言いになっている。旅先の開放感も手伝ってのこととはいえ、妻に対してそこまで上から目線で語りかけるかという、支配・被支配の関係をうかがわせるような手紙である...火宅の人LongGood-bye2024・12・16

  • Long Good-bye 2024・12・14

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「信州佐久平みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「望月の御牧(みまき)」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。信州は、「望月の御牧(官牧)」のお話。引用はじめ。「清少納言の『枕草子』に、駅(むまや)は梨原(なしはら)。望月(もちづき)の駅(むまや)。山の駅は、あはれなりしことを聞きおきたりしに、またもあはれなることのありしかば、なほとりあつめてあはれなり。と、ある。この駅(むまや)は、律令制における官道の宿駅のこと。宿駅には馬や人夫が置かれて旅人のもとめに応じ、つぎの駅まで乗り継ぎさせる。右の文章にある梨原の駅は近江(おうみ)にあり、望月の駅というのは、いうまでもなく信濃(しなの)にある。山の...LongGood-bye2024・12・14

  • こもろなるこじょうのほとり Long Good-bye 2024・12・12

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「信州佐久平みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「小波だつ川瀬」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。信州は、「小諸」でのお話。引用はじめ。「道を南下して、千曲川のうねる遥かな彼方に小諸城の台地を見たとき、さすがに詩情を禁じえない。北から佐久平(さくだいら)をめざせば、だれもが小諸をその袋の口のように感ずるにちがいない。むかしは、小室という漢字をあてた。むろとは上代の地理用語でもある。狭隘な平地をいうらしい。」「小諸の東北方に、東信濃の地勢、気候その他に決定的な大要素になっている浅間山が巨大な山塊として蟠(わだかま)っている。そのふもとの丘陵が小諸へのびてきてこの小さな城市(じょうし)を載せ、...こもろなるこじょうのほとりLongGood-bye2024・12・12

  • ちいさがた Long Good-bye 2024・12・10

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「信州佐久平みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「千曲川点景」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。信州の別所温泉を経ての旅の続き。引用はじめ。「別所は塩田平にあるということは、すでにふれた。この塵取(ちりとり)型の小さな平野は、奥の別所において高く、千曲川の方向にむかい、ゆくにつれて低くなる、狭いながらも、見るからに膏腴(こうゆ)(あぶらみ)の地といった感じである。この塩田平は、それと相重なる上田平とともに、信濃(しなの)ではまとまった規模の農耕地帯として最初にひらけ、『小県(ちいさがた)』という地名で中央にも早くから知られていた。奈良朝の律令体制がはじまると、このあたりに国府がおかれたらし...ちいさがたLongGood-bye2024・12・10

  • おんりえど ごんぐじょうど Long Good-bye 2024・12・08

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「信州佐久平みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「山寺の中の浮世絵」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。信州は、別所温泉にある常楽寺の本坊境内にあるコンクリート造りの美術館に収蔵されている徳川家康の『日課念仏』のお話。引用はじめ。「常楽寺の本坊境内には、コンクリート造りの美術館もある。『先代が美術品が好きで、寺にあったものや集めたものをここに収蔵しておいてくれたんです』といって、現住職の半田孝淳氏が、扉の錠をあけてくれた。めずらしいものが数点ある。なかに、徳川家康がみずから筆をとって書いた『日課念仏』というのがあり、写真で見た記憶があるが、本物はむろんはじめてだった。細字で南無阿弥陀仏という...おんりえどごんぐじょうどLongGood-bye2024・12・08

  • なむあみだぶつ Long Good-bye 2024・12・06

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「信州佐久平みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「山寺の中の浮世絵」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。司馬遼太郎さんの「街道をゆく」の場合、「すこし無駄話をしたい」ではじまる件(くだり)は、存外おもしろい。400年近く続いた平安時代の初期を生きた伝教大師最澄や弘法大師空海の話柄。引用はじめ。「この別所温泉を持つ野は、塩田平(しおだだいら)とよばれる。信州らしく文字どおり高燥の地で、降雨量はすくなく、標高は温泉のあたりで六五〇メートルだという。」「別所温泉はもとは近郷の湯治場で、湯治客はたね屋の屋敷に間借りした。いま別所温泉の(蚕のたね屋)伝統のある宿屋はたいていたね屋だった家ですということ...なむあみだぶつLongGood-bye2024・12・06

  • いちひじり Long Good-bye 2024・12・04

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「信州佐久平みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「捨聖(すてひじり)一遍」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。一遍上人の話柄、昨日の続き。引用はじめ。「・・鎌倉期においては、東は相模(さがみ)あたりから、北陸道、中山道(なかせんどう)、東海道、畿内はいうまでもなく、山陽道から九州にかけてまで、野にも山にも念仏が満ちていた。社会科の教科書ふうにいえば念仏門は法然にはじまって親鸞がこれを承(う)け、別派として一遍が存在する。やがて室町に入って親鸞の子孫の蓮如(れんにょ)が、念仏の組織的な大問屋として大本願寺教団をつくりあげて、各地に一向一揆をおこし、本願寺顕如(けんにょ)のときに織田信長と対決す...いちひじりLongGood-bye2024・12・04

  • すてひじり Long Good-bye 2024・12・03

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「信州佐久平みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「捨聖(すてひじり)一遍」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。一遍上人の話柄、読み進み、読み返しつつ、書き写す。引用はじめ。「この信州佐久平へ発つ前、なにげなく『一遍上人絵伝』(鎌倉末に成立)をながめていると、一遍が信州へ出かけている。一遍が京より信濃にくだったのは弘安二(1279)年で、元寇の再来の二年前である。八月、善光寺に参籠し、その後、しばらく信濃路を歩いてひとびとに念仏をすすめた。一遍の本質は、むろん念仏にある。その念仏は、その師といえばいえる法然より思想的に徹底し、また『念仏を申すひと』としての言動は芸術性をもっていたという点で法然...すてひじりLongGood-bye2024・12・03

  • 不輸不入 Long Good-bye 2024・11・30

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「高野山みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「政所(まんどころ)・慈尊院」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。書き写す手が止まらない。引用はじめ。「高野山へ登るのはいまはケーブル・カーか自動車道路によるが、かつては七つの登山口があった。高野街道西口、京街道不動坂口、龍神街道湯川口、熊野街道相浦口、同大滝口、大峰街道東口、大和街道粉搗(こつき)口である。このうち、平安朝いらいもっとも繁く人々が踏みならした道は、慈尊院から登っていく高野街道西口で、町石道(ちょういしみち)とよばれたりした。いまはほとんど廃道になっているらしい。十年ばかり前、この旧道を高野山大学の若い先生と学生十人ほどが、ところど...不輸不入LongGood-bye2024・11・30

  • こうやくん Long Good-bye 2024・11・28

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「高野山みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「真田庵」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。引用はじめ。「私は『城塞』という大坂ノ陣を背景にした小説を書いたとき、取材というほどの大げさなつもりではなしに九度山にきたことがある。真田氏の父子が関ケ原で敗れたあと、徳川氏に処罰されてこの地に配流された。やがて父の昌幸がこの九度山で老いて死に、子の幸村(信繁)が、当時、一種孤立の状態にあった豊臣秀頼に招かれ、大坂に入城する。ともかくもかれらは、この店と道路一つへだてた九度山の集落で十余年をすごしたのである。九度山で暮らしたのは、昌幸とその夫人、幸村とその夫人、およびかれらの侍女たち、それに信州から随(...こうやくんLongGood-bye2024・11・28

  • くどやま Long Good-bye 2024・11・26

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「高野山みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「真田庵」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。引用はじめ。「九度山(くどやま)とは町の名で、山ではない。紀伊国(きいのくに)高野山が、北にむかって山々や谷々を重ね、ようやく紀ノ川に至ろうとする岸辺にある。『九度山から高野山に登ってみましょうか』と須田画伯に電話で相談すると、画伯は、横笛でも吹くような息使いで、梅雨じぶんなら山の花が咲いているでしょう、といった。」「九度山は、古い集落である。中世以来、高野山領の行政や年貢の集散はこの九度山に置かれた政所(まんどころ)がそれをつかさどった。このため九度山町はきわめて小規模な城下町のような機能でもって発展...くどやまLongGood-bye2024・11・26

  • いちもんふち Long Good-bye 2024・11・24

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「播州揖保川・室津みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。今日は、「一文不知(いちもんふち)」と題された小文の後半の数節を書き写す。法然上人が登場する話の舞台は、引き続き播州室津である。引用はじめ。「ふたたび軒と軒とにはさまれたこの町特有の狭い坂をのぼり、このあたりの地形ではその頂上にあるかのような浄土宗・浄運寺の石段を登った。山門も小ぶりでよく、境内も建物の配置が狭さとよく適(あ)っている。老婦人が、まだ口もきけない年端(としは)のお孫さんをつかまえて、懇々と説諭している。幼児は、男の児である。石畳のそばのわずかな土の上の草を抜いてしまったらしい。『ただの草ならね、抜いてもいいの。この草はね、だめなの。そのわけはね、...いちもんふちLongGood-bye2024・11・24

  • からのみふね Long Good-bye 2024・11・22

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「播州揖保川・室津みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。「播州室津」について書かれた数節を追加抜粋して書き写す。以下は、「一文不知」と題された小文の前半の数節で、船の話。作家の思案は、あっちゃこっちゃ忙しなく飛ぶ。タイトルの「一文不知」や法然上人と「むろのとまり」のゆかりの話は、まだである。引用はじめ。「室津の加茂明神の石段を降りながら、中世日本における船のことを考えた。日本歴史には、海洋の要素が乏しい。この国がまわりを海にかこまれていながら、みずからを海洋国家であるとして自覚するのは幕末においてであり、その実質へ出発するのはかろうじて日露戦争前後ごろからといっていい。室津は、すでに幾度もふれてきたように日本でもっと...からのみふねLongGood-bye2024・11・22

  • 花のことども Long Good-bye 2024・11・20

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「播州揖保川・室津みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「花のことども」と題された小文の中から、数節を抜粋して書き写す。室津の宿の夕べ、旅の同行者と過ごした作家の至福の時間。引用はじめ。「夜になると、この歴史のみが重い漁港にも、集落(まち)らしい灯火の群れが、暗い湾をかこみはじめた。それらの灯を崖の中腹から見おろしながら、私どもは夕食をとった。編集部のHさんをのぞいては、下戸がほとんどの夕食である。『本当に結構ですね』と、言われたのは、平素、極端に少食な安田幸子夫人であった。インドで天人という形而上的存在がうまれたのは、現世ですでに諸欲すくなくうまれついている人々がいて、宗教的な空想家がその煩悩の少なさに...花のことどもLongGood-bye2024・11・20

  • むろのとまり Long Good-bye 2024・11・18

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「播州揖保川・室津みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「播州室津」について書かれた数節を追加抜粋して書き写す。引用はじめ。「室津の町並の特徴は、ほとんどの古い民家が二階建てであることと、重厚な本瓦ぶきであることである。」「『千軒』というのは、その地方地方の代表的な商業地であることを指す。城下町の場合は、戸数がたとえ千軒あったとしても、千軒とはよばない。」「・・・千軒というのは、千軒と呼称するにふさわしい共通点が、町並にあったにちがいない。ただし、室津千軒のさびれはいかにもいちじるしく、この崖の中腹の宿から遠目で入江と町並を見おろしているだけでも、そのことが青っぽい空気とともににおい立ってくるように思われ...むろのとまりLongGood-bye2024・11・18

  • 室津 船泊 Long Good-bye 2024・11・16

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「播州揖保川・室津みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「播州室津」について書かれた数節を抜粋して書き写す。引用はじめ。「播州平野でもっとも海近くをとおっている道路は、国道250号である。そこまで出ても途中の山がさえぎって、まだ海が見えるに至らない。ただ海風のにおいはする。道路上で、一軒みつけた。いかにも付近の農家が田ンボを潰してやっているといったふうの泥くさいドライブ・インで、入るとあざとい色調のミュージック・ボックスが置かれている。元青線のネオンのようなこの種の音楽箱のデザインというのはいまの日本のどの層の感覚に迎合しているのかわからないが、ともかくもこれが置かれている店に入る場合には、多くの期待は禁...室津船泊LongGood-bye2024・11・16

  • 赤蜻蛉 Long Good-bye 2024・11・14

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「播州揖保川・室津みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、「播州龍野」について書かれた数節を抜粋して書き写す。引用はじめ。「龍野藩というのは江戸期も明治後もこの小さな城下町の内外から多くの学者、名僧あるいは文人墨客を出したように、江戸期は学問が盛んだった。脇坂氏五万一千石の居城の城山(鶏籠山(けいろうざん))の名称をことさらに唐様(からよう)で呼称したのは、この地が播州における漢学の一淵叢(えんそう)だったことと無縁ではないかもしれない。」「詩人三木露風(1889~1964)は、播州龍野の人である。」「私などは詩に暗いために、三木露風といえば明治末年から大正にかけて北原白秋とともに詩壇を両分した人ということ...赤蜻蛉LongGood-bye2024・11・14

  • 因幡街道 Long Good-bye 2024・11・11

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「播州揖保川・室津みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。以下は、この紀行文「播州揖保川・室津みち」の旅がはじまる前の導入部分。作家の旅の同行者の紹介などもある。挿絵を担当する須田画伯や編集部のHさんは、「街道をゆく」の常連さん。備忘のため、数節を抜粋して書き写す。引用はじめ。「私どもは、大阪湾をかこむ地方に住んでいる。淀川の河口を中心とすれば、私はその東郊の中河内の猥雑な低湿地に住み、須田画伯はその西郊の摂津(せっつ)夙川(しゅくがわ)という高燥閑雅な住宅地に古くから住んでいる。文学博士安田章生(やすだあやお)氏は、やや内陸?に入った北摂の石橋に住む。石橋には歌の名所の待兼(まちかね)山があり、歌人であるほか、『古今...因幡街道LongGood-bye2024・11・11

  • 播州揖保川・室津みち Long Good-bye 2024・11・08

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「播州揖保川・室津みち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、数節を抜粋して書き写す。引用はじめ。「播州については『播磨灘物語』を書いているころ、あちこちとあるいた。もっともこの小説は、主として東播の三木や西播の姫路付近が舞台だったので、歩くについても、ついそのあたりにかぎられた。たとえば因幡(いなば)とのさかいにつづく宍粟(しそう)郡の山崎までは行っていない。そのころ、山崎に行っていないことが絶えず気になっていた。」「山崎は、三木や姫路のように播州平野の真只中にある集落ではない。因幡や但馬(たじま)の山なみが播州の宍粟郡にまで南下し、山崎で尽きる。山崎という地名は、京都府の山崎もそうだが、おそらく山なみの先端...播州揖保川・室津みちLongGood-bye2024・11・08

  • 小作争議 Long Good-bye 2024・11・06

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「潟のみち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。備忘のため、数節を抜粋して書き写す。引用はじめ。「新潟市の東方にある豊栄(とよさか)市は、国道ぞいだけが、とりとめもなく都市化している。国道から、木崎という旧村へゆくべく枝道に入ると、昔ながらの田園がひろがりはじめる。昨夜降った雨があちこちに溜まって、日射しをはねかえしたり、樹影をうつしたりしている。村内に入ると、道は水をたっぷりふくんでいて、スポンジを踏むような感がある。木崎村は亀田郷とおなじ低湿地だが、亀田郷のようにいかにも超現代的共同体というような基盤や自治的規制をもたないために、どこにでもある都市近郊農村のように、集落としての景色も秩序美ももっていない。」(⌒∇⌒)...小作争議LongGood-bye2024・11・06

  • 潟(かた)のみち Long Good-bye 2024・11・04

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「潟のみち」。今から50年ほど前の1976年の「週刊朝日」に連載されたもの。述べられている風景は、こんにちでも余りかわっていないのではないか。知らんけど。備忘のため、数節を抜粋して書き写す。引用はじめ。「幾度ものべたように、新潟市の南につらなる亀田郷は、まことに一望鏡のように平坦である。『潟のみち』と自分で勝手に名づけてこの変哲もない田園を歩いているのだが、こんにち、ただ一つの例外を除いて潟は残っていない。鳥屋野潟(とやのがた)だけが、残っている。この潟を地図でみるとカタチは琵琶湖に似ている。むろん湖などというほど大きいものでなく、潟のまわりは一〇キロほどでしかない。」「亀田郷はことごとく干上がって陸地になったが、鳥屋野潟のみは可憐にも古代以来の潟...潟(かた)のみちLongGood-bye2024・11・04

  • 滄桑の変 Long Good-bye 2024・11・02

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「潟のみち」。備忘のため、数節を抜粋して書き写す。引用はじめ。「『潟』という日本語はよほど古いものらしく、『万葉集』にも紀州の和歌の浦の潟(滷)を詠んだ歌として『若の浦に潮満ち来れば滷(かた)を無(な)み葦辺をさして鶴(たづ)鳴き渡る』というのがある。潟とは、この歌がその地理的特徴を的確に言いあらわしている。河川の河口などで海が、河川が流す土砂のために遠浅になっており、そこに潮が満ちてくる、『滷を無み』でもって海に化してしまうが、潮が干ると洲になって現れる場所をいう。」「かつて潟だった土地が信濃川や阿賀野川の活動で潟がうずまって自然に野になってしまった土地――たとえば新潟市のように――もあるが、新潟市の南郊の亀田郷のように、人間が他から泥を運んでき...滄桑の変LongGood-bye2024・11・02

  • 千枚田 Long Good-bye 2024・10・28

    今日の「お気に入り」は、司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」の「潟のみち」。備忘のため、数節を抜粋して書き写す。引用はじめ。「農業というのは、日本のある地方にとっては死物狂いの仕事であったように思える。土佐に、檮原(ゆすはら)という山間のむらがある。幕末の志士で那須信吾(天誅組の乱で討死)や那須俊平(蛤御門ノ変で討死)などという郷士がこの檮原から出た。『檮原のひとはえらい』と、高知市内のひとはよく言う。土佐のチベットといわれた信じがたいほどに農業生産の困難な土地に住みつき、代々石を割って土をつくり、わずかな山田を建造物のように造営し、水はときに渓流から汲みあげて注ぎ、平安末期にこの村ができて以来、それほどまでして生きねばならないかと思えるほどの労働を重ねて、昭和三十年前後までいたっている。あるいはこんにちなお...千枚田LongGood-bye2024・10・28

  • 「 細雪 」回顧 Long Good-bye 2024・10・25

    今日の「お気に入り」は、作家谷崎潤一郎さんの長編小説「細雪」の、あとがき「『細雪』回顧」から。引用はじめ。「私が『細雪』の稿を起したのは太平洋戦争が勃発した翌年、即ち昭和十七年のことである。これがはじめて中央公論に出たのは昭和十八年の新年号であったが、それから三月号に載り、次いで七月号に掲載される筈の所がゲラ刷になったまま遂に日の目を見るに至らなかった。陸軍省報道部将校の忌諱(きき)に触れたためであって、『時局にそわぬ』というのが、その理由であった。当時すでに太平洋の戦局は我に不利なる徴候を見せ、軍当局はその焦慮を露骨に国内の統制に向けはじめていたことであるから、全く予期されぬことではなかったが、折角意気込んではじめた仕事の発表の見込が立たなくなったことは打撃であった。いや、ことは単に発表の見込が立たなく...「細雪」回顧LongGood-bye2024・10・25

  • 倚松庵 Long Good-bye 2024・10・19

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「倚松庵」。引用はじめ。「倚松庵(いしょうあん)は、兵庫県神戸市東灘区に建つ歴史的建造物。文豪谷崎潤一郎の旧居。ここで執筆された代表作にちなんで「『細雪』の家」とも呼ばれる。庵号は夫人の名前『松子』に因む。1929年(昭和4年)に当時の武庫郡住吉村反高林1876-203に建てられた和風木造建築で、谷崎潤一郎は1936年11月から1943年11月まで居住した。なお、谷崎が居住した時期の家主は極東選手権競技大会サッカー日本代表の後藤靱雄であった。1986年に、倚松庵が所在する住吉川畔に神戸新交通六甲アイランド線の橋脚建設計画が持ち上がると、専門家から計画敷地の脆弱性の指摘があったほか、美しい景観が破壊されるとして住民訴訟が行われ...倚松庵LongGood-bye2024・10・19

  • B足らん Long Good-bye 2024・10・17

    今日の「お気に入り」は、作家谷崎潤一郎さんの長編小説「細雪」の一節。引用はじめ。「脚気は阪神地方の風土病であるとも云うから、そんなせいかも知れないけれども、此処の家では主人夫婦を始め、ことし小学校の一年生である悦子までが、毎年夏から秋へかけ脚気に罹り罹りするので、ヴィタミンBの注射をするのが癖になってしまって、近頃では医者へ行くまでもなく、強力ベタキシンの注射薬を備えて置いて、家族が互いに、何でもないようなことにも直ぐ注射し合った。そして少し体の調子が悪いと、ヴィタミンB欠乏のせいにしたが、誰が云い出したのかそのことを『B足らん』と名づけていた。ピアノの音が止んだと見て、妙子は写真を抽出に戻して、階段の降り口まで出て行ったが、降りずにそこから階下を覗いて、『ちょっと、誰か』と声高に呼んだ。『――御寮人(ご...B足らんLongGood-bye2024・10・17

  • 回文 Long Good-bye 2024・10・12

    今日の「お気に入り」は、久しぶりの「ChatGPTさんとの対話」。(⌒∇⌒)User:日本語には「回文」がありますが、英語にも「回文」はありますか?ChatGPT:はい、英語にも「回文(palindrome)」があります。回文とは、前から読んでも後ろから読んでも同じになる文や単語のことです。英語の代表的な回文には以下のようなものがあります:単語の回文:"did""eye""pop""gag""deed""radar""racecar""refer""madam""noon""level"文章の回文:"Aman,aplan,acanal,Panama!""Nomelon,nolemon.""Madam,I'mAdam.""Sir,I'mIris."英語でも回文はパズルや言葉遊びとして親しまれており、短いもの...回文LongGood-bye2024・10・12

  • 孤独は山になく街にある Long Good-bye 2024・10・10

    今日の「お気に入り」は、「ChatGPTさんに聞いてみた」。User:次の「お言葉」について教えてください。「孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の『間』にあるのである。」ChatGPT:この言葉は、孤独とは必ずしも一人でいることによって生まれるものではなく、むしろ多くの人々がいる中でも感じられるものだ、という意味を伝えています。孤独は物理的な場所(山のような静寂な場所)や一人の状況に限定されるものではなく、むしろ多くの人々の『間』、つまり他者と関わりながらも心が通じ合わずに感じる疎外感や、つながりの欠如によって引き起こされるものだということを示唆しています。この考え方は、現代の都会生活や人間関係における疎外感を強調しており、人が多くても真に共感し合うことができない環境が孤独を...孤独は山になく街にあるLongGood-bye2024・10・10

  • Long Good-bye 2024・10・08

    今日の「お気に入り」は、「燃え殻」著「ブルーハワイ」(新潮社刊)から。週刊誌の連載記事をまとめたらしい、この小文集の中の、いくつかの文章。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「・・・つまらない凡庸さも振り返るとそれなりの歴史にはなる。この週刊誌連載は僕の凡庸さの集積のような気がする。自分としても凡庸な記憶の海の中で一瞬だけ思い出して書き記し、またすぐに忘れてしまった出来事ばかりなので、読み返すと人ごとのように楽しめる。今日も僕には大事件は起きないし、起こさない。他人が思いつかず、実行しそうもない画期的なアイデアも思いつかない。それでも日々は続く。僕はこの場所で、自分の身に起きた凡庸でかけがえのない出来事を記していきたい。」(⌒∇⌒)「誰かと比べて自分は劣っている、だから自分は負け組だ、という考えは不幸発生装...LongGood-bye2024・10・08

  • 一粒の麦 Long Good-bye 2024・10・06

    今日の「お気に入り」は、田原総一郎さんと佐藤優さんの共著「人生は天国か、それとも地獄か」(白秋社刊)の中で、佐藤優さんが書かれた文章のいくつか。備忘のため、抜き書き。小文のタイトルは「死と孤独こそが喜びと安らぎである」。引用はじめ。「死んだらどうなるのか、この世での存在が消えたら『無』になるのか――。『死』は誰にでも訪れるものですが、その真実は誰にも分かりません。死後のことは、誰も世の中に伝えることができないからです。このように死後の様相がまったく分からないことが、死に対する恐怖の実体です。古から多くの宗教が、死をどう捉えるかという問いに対して、いくつかの答えを出してきました。その答えこそが、宗教が人々に求められる最大の要因だといってもいいでしょう。人間が必ず何らかの宗教に帰依すべきとは思いませんが、その...一粒の麦LongGood-bye2024・10・06

  • Long Good-bye 2024・10・01

    今日の「お気に入り」。LongGood-bye2024・10・01

  • それはそれはわかりやすい世界 Long Good-bye 2024・09・28

    今日の「お気に入り」は、田原総一郎さんと佐藤優さんの共著「人生は天国か、それとも地獄か」(白秋社刊)から、「高齢者」一歩手前の佐藤優さんから「高齢者へのネット活用のおすすめ」。佐藤さんにしては、随分ぬるい、のんきなコメントをなさってるように聞こえるのは私だけ?令和の時代になって、ネットを活用する余裕のない、その日暮らしのお年寄りや、ジェンダーや老若にかかわらず、その予備軍が、めっきり増えてしまったような気もします。引用はじめ。「いまの高齢者を見ていると、インターネットを使いこなしているタイプと、パソコンに触るのも嫌というタイプ、大きく二つに分かれているように思います。ネットツールを使いこなせると、コミュニケーションの幅も広がるし、娯楽や学びの面でも選択肢がぐっと増えます。」「若い世代では、テレビはほとんど...それはそれはわかりやすい世界LongGood-bye2024・09・28

  • 人間が生きる意味 Long Good-bye 2024・09・25

    今日の「お気に入り」は、田原総一郎さんと佐藤優さんの共著「人生は天国か、それとも地獄か」(白秋社刊)の中で、田原総一朗さんが書かれた文章のいくつか。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「世の中に、完璧な人間などいません。だからこそ、自分にとって『好きなこと』を大事にしてみるべきでしょう。すると、それが仕事になったり、大切な趣味になったりすることがあるのではないでしょうか。苦手なことを気にしたり、人と自分を比べてばかりいても、道は拓けません。まずは『好きなこと』を精一杯、大事にしてみることが大切なのだと思います。」(⌒∇⌒)「かくいう私は、実は妻を二人亡くしています。二人の命を奪ったのは、乳がんでした。」「二度も妻を亡くしたという体験は、私にとって過酷な試練でした。しかし、人間はみな一人で生まれ、一人で旅立っ...人間が生きる意味LongGood-bye2024・09・25

  • 述懐 Long Good-bye 2024・09・21

    今日の「お気に入り」は、田原総一郎さんと佐藤優さんの共著「人生は天国か、それとも地獄か」(白秋社刊)から、「知の巨人」佐藤優さんの述懐。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「世の中を見渡せば、理不尽な事故や事件に巻き込まれ、肉親が不幸に見舞われている人が少なくありません。なぜ私の子が、親が、妻が、夫が・・・その悲嘆はいかばかりでしょう。しかし、思いもかけない不幸は、残念ながら誰の身にも起こり得ることです。」「私の場合、命の危険には晒されませんでしたが、身に覚えのない事件に巻き込まれてしまいました。逮捕されたとき、父はすでに他界していましたが、母はどんな思いだったのでしょうか?」「母と私はプロテスタントのキリスト教徒です。キリスト教では、人間は死ぬと肉体も魂も完全に滅びてしまいます。しかし、イエス・キリストの...述懐LongGood-bye2024・09・21

  • 魔法のチケット Long Good-bye 2024・09・15

    今日の「お気に入り」は、沢木耕太郎さん(1947-)の随筆「飛び立つ季節―旅のつばくろ―」(新潮社電子オリジナル版)の中から抜き書き。備忘のため。この文章が入っている小文のタイトルは、「風景をつなげる」。引用はじめ。「人生において後悔というものをあまりしない私が、旅において後悔していることがひとつある。それは、都市や国のあいだの移動に夜行の乗り物を使ってしまったことだ。たとえば、二十代における海外旅行の際、イランの国境に近い都市であるメシェッドから首都のテヘランまでの移動に夜行バスを使ってしまった。そのときの旅は、ユーラシア大陸の外縁を地続きで旅するというものだったが、夜行で通過したその区間だけは風景の記憶が欠落している。あるとき、それはずいぶんもったいないことだったなと思うようになった。その風景とは、一...魔法のチケットLongGood-bye2024・09・15

  • 万学の祖 Long Good-bye 2024・09・12

    今日の「お気に入り」は、早朝のラジオ番組で耳にした言葉:「一日でひとは幸福にも幸運にもなりはしない」(⌒∇⌒)古人の言葉。よく引用されるもう少し長いこんな文章の一部。「Foroneswallowdoesnotmakeasummer,nordoesoneday;andsotoooneday,orashorttime,doesnotmakeamanblessedandhappy.一羽のツバメが来ても夏にはならないし一日で夏になることもない。このように一日もしくは短い時間で人は幸福にも幸運にもなりはしない。」この古人にはこんなお言葉もあるようです。「Wearewhatwerepeatedlydo.Excellence,then,isnotanact,butahabit.人は物事を繰り返す存在である。優秀さとはひ...万学の祖LongGood-bye2024・09・12

  • 人生いろいろ Long Good-bye 2024・09・10

    今日の「お気に入り」は、村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいほー!」(新潮文庫)の中から抜き書き。備忘のため。これらの文章が入っている小文のタイトルは、「ONBEINGFAMOUS(有名であることについて)」。引用はじめ。「有名人であるのがどういうことかというのは、これは有名人になってみなくてはわからない。そして有名人にもいろんな種類があり、いろんな側面がある。でもひとくちで言うなら、有名人になるというのは、自己を取り囲む好意と悪意の総量を両方向に飛躍的に増大させることなのだ。誰にも(おそらく)まわりに何人かは自分のことを好いてくれる友達のような人々がいるだろう。そしてそれと同時にあまり好いてはいない人々も何人かはいるだろう。でも誰が自分を好いていて、誰が自分を好いていないか、大体のところは把...人生いろいろLongGood-bye2024・09・10

  • 耳順 心順 Long Good-bye 2024・09・08

    今日の「お気に入り」は、村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいほー!」(新潮文庫)の中から抜き書き。備忘のため。引用はじめ。「英会話というのがあまり得意ではない。というよりははっきり言って相当に不得意である。」「僕はけっこう翻訳の仕事をしているし(ああ、実に十冊も翻訳書を出しているのだ)、ここのところずっと年の大半は外国暮らしをしているから、会話のほうもさぞや堪能なんだろうと世間で思われがちなのだけれど、そんなことはなくて、恥ずかしながらまったく苦手である。何か用事があって外国人と会って英語で話さなくてはならないような時には、朝からなんとなく胃が重くて仕方ない。」「でもよく考えてみれば、これは僕としては決して不自然な話ではない。だって僕は日本語の会話からして圧倒的に不得意なのだ。よほど親しい人が...耳順心順LongGood-bye2024・09・08

  • 格言的例文 Long Good-bye 2024・09・06

    今日の「お気に入り」は、村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいほー!」(新潮文庫)の中から抜き書き。備忘のため。引用はじめ。「僕は辞書というものがわりに好きで、暇で読むものがないときにはごろんと横になって英和辞典を読んだりすることがよくある。辞書というのはあれでなかなか面白くて人情味のあるものである。」「たとえば例文ひとつとってみても、なかなか含蓄のあるものがあってうならされることが多い。」「僕の人生観(といってもけっこう貧相なもんですけど)のかなりの部分は英和辞典の例文で成立しているんじゃないかという気がするくらいのものである。」「『リーダーズ英和辞典』のlittleの項に出ている"Littlethingspleaselittleminds"という例文なんか『そうだな、たしかにそうだ』と十回く...格言的例文LongGood-bye2024・09・06

  • ねじを巻く Long Good-bye 2024・09・04

    今日の「お気に入り」は、村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいほー!」(新潮文庫)の中から抜き書き。備忘のため。引用はじめ。「ねじを巻くというのは、面倒だけれどそれなりに手ごたえのある行為である。くりっくりっくりっとねじをまわしていくと、最初は開きっぱなしになっていたものがだんだん固まり、きちっとした形をとりはじめ、そしてやがてキュッと最終的に収束する。それはささやかな取引きの儀式であった。私はねじを巻く・君は動け、というわけだ。そして我々がねじを巻きさえすれば、時計は少なくとも丸一日はきちんと動いた。」引用おわり。この文章が入っている小文のタイトルは「ささやかな時計の死」。ほんの50年も前の日本の家庭には、ねじ巻き式の掛け時計や柱時計や置時計が必ずあったりしたものである。いつの頃からか、電池式...ねじを巻くLongGood-bye2024・09・04

  • 洋風定食・うさぎ亭 Long Good-bye 2024・09・02

    今日の「お気に入り」は、村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいほー!」(新潮文庫)の中から作家による「食レポ」。備忘のためと今晩作る料理の参考にするために抜き書き。引用はじめ。「『うさぎ亭』には二種類の料理しかない。ひとつは日替り定食であり、もうひとつはコロッケ定食である。」「どちらにもしじみの味噌汁とどんぶり一杯のキャベツのせんぎりサラダがついてくるのだが、これが滅法うまい。」「それからぬかを洗いおとしたばかりの漬物もたっぷりとついている。いりたての胡麻をまぶしたホウレン草のおひたしとか、スパゲッティーときのこのあえものなんかが小鉢に盛られて出てくる。生きているみたいにぴちぴちとしたスパゲッティーと歯ごたえのある新鮮なきのこの酢味噌あえで、そのへんによくある定食屋の間にあわせとはちょっとものが...洋風定食・うさぎ亭LongGood-bye2024・09・02

  • 恋に落ちなくて Long Good-bye 2024・08・30

    今日の「お気に入り」は、村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいほー!」(新潮文庫)の中から抜き書き。備忘のため。引用はじめ。「〈そういうものだ〉と〈それがどうした〉という言葉は人生における(とくに中年以後の人生における)二大キー・ワードである。経験的に言って、このふたつの言葉さえ頭にしっかり刻みこんでおけば、たいていの人生の局面は大過なくやりすごせてしまう。たとえばせっかく駅のフォームの階段を駆け(platformだからフォームなのかな。)のぼったのに、間一髪で電車のドアが閉まって(慣用的にはプラットホームとか駅のホームとか。)しまったりすると、ものすごく腹が立つものであるが、このようなときは〈そいうものだ〉と思えばいい。つまり電車のドアというのはたいてい目の前で閉まっちゃうものだと認識し、納得...恋に落ちなくてLongGood-bye2024・08・30

  • ロックの神様 Long Good-bye 2024・08・28

    今日の「お気に入り」は、村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいほー!」(新潮文庫)の中から抜き書き。備忘のため。引用はじめ。「死者を讃えることは心地好い。それが若くして死んだ死者だとすればなおさらである。死者は裏切らず、反撃もしない。歳もとらず、髪も薄くならず、腹も出ない。彼らはただ静かに完全に死んでいるだけである。もし仮にあなたが彼らの死について飽きて忘れてしまったとしても、べつに問題はない。ただそのまま忘れてしまえばいいのだ。それで終わり。忘れられたからといって、彼らはあなたの家の戸口にやってきてドアをノックしたりはしない。彼らは暗黒の中でじっとしているだけだ。そう、死者を讃えるのはあまりにもたやすいのだ。」引用おわり。この文章が出てくる小文のタイトルは「ジム・モリソンのための『ソウル・キッ...ロックの神様LongGood-bye2024・08・28

  • 一粒万倍日 Long Good-bye 2024・08・26

    今日の「お気に入り」は、村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいほー!」(新潮文庫)の中の小文から抜き書き。引用はじめ。「僕は一月十二日生まれだから星座でいえば山羊座、血液型はA型である。僕の女房は十月三日生まれの天秤座である。占星学的にいうと、山羊座と天秤座の組合わせというのはあまり相性が良くないらしい。要するに山羊座が大地に足をつけてこつこつと働いて真面目に生きているのに対して、天秤座はあっちこっちと飛びまわってちゃらちゃらとしている。浮遊していて、ノリが軽いのである。山羊座の方にしてみれば『なんだよ、やってられないよな』と思うし、逆に天秤座の方は『ふん、まったく頭が固いんだから』と思うしで、これはやはりうまくいかない。」「もともとは僕は占いというのに興味のない人間で、星座とか血液型とか天中殺...一粒万倍日LongGood-bye2024・08・26

  • 青木まりこ現象 Long Good-bye 2024・08・24

    今日の「お気に入り」は、ウィキペディア掲載の記事「青木まりこ現象」。抜粋して以下に引用。「青木まりこ現象(あおきまりこげんしょう)とは、書店に足を運んだ際に突如こみあげる便意である。概要この呼称は、1985年にこの現象について言及した女性の名に由来する。書店で便意が引き起こされる具体的な原因については、渋谷昌三によると2014年の時点でまだはっきりとしたことはわかっていないという。そもそもこのような奇妙な現象が本当に存在するかどうか懐疑的な意見もあり、一種の都市伝説として語られることもあるが、一方で生理学や心理学の知見をもってこの現象のメカニズムを解明しようと試みる識者もいる。書店にいることで突然便意が自覚されるという一連の過程は、少なくとも現在の医学的観点からは単一の病態概念から説明できるものではない。...青木まりこ現象LongGood-bye2024・08・24

  • 逆もまた真なり Long Good-bye 2024・08・22

    今日の「お気に入り」は、村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(新潮文庫)の中のこんな一節。引用はじめ。「『人生、良いことがひとつあれば、次には必ず良くないことがひとつ控えている』ということだ。たとえば仕事で何か良いことがあれば、かわりに人間関係がひとつ激しく潰れたりする。愛がひとつ生まれたら、かわりに憎しみがひとつ生まれたりする。viceversa(逆もまた真なり)。」引用おわり。村上春樹さんの随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたのか」(新潮文庫)の「あとがき」には、この本が1995年11月から1年1カ月のあいだに「週刊朝日」に連載されたエッセイをとりまとめたものである旨書かれている。この「作者あとがき」の日付が1997年3月とあるので、その日付から27年後に、筆者は、...逆もまた真なりLongGood-bye2024・08・22

  • ひとは男女の区別なく悪口を言う Long Good-bye 2024・08・20

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(新潮文庫)の中に「更衣室で他人の悪口を言わないで下さい」というタイトルの小文がある。その中から三、四節を、備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「僕が昔経営していた酒場には、どういうわけか文学関係の客が多くて、作家とか編集者とか評論家とか、いろんな人が来た。それで僕がそのときにまず最初に思ったのは、『この業界の人々は本当によくひとの悪口を言うなあ』ということだった。この業界にいるから悪口を言うようになるのか、あるいはもともと悪口を言うのが好きなひとがこの業界に進んで入ってくるのか、どちらかはわからない。ニワトリと卵みたいなものである。でもとにかく盛んに悪口の応酬がある。それも主にそこにいない人の悪口が交わさ...ひとは男女の区別なく悪口を言うLongGood-bye2024・08・20

  • 狭き門 Long Good-bye 2024・08・18

    今日の「お気に入り」。最近、何かの機会に、目にして、こころに残った文章。備忘のため、抜き書き。「人生とは美しい刺繡を裏(側)から見ているようなものだ。その模様が何を意味しているか、そのままでは分からないが、それを表から見られるようになったとき、その意味と美しさが分かる。」(テイヤール・ド・シャルダン)(´_ゝ`)(たしか映画「ロストケア」の冒頭に流れる言葉。)「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさいマタイによる福音書7章12節」(口語体より、文語体の方が好みだな、私しゃ。)「凡(すべ)て人(ひと)に爲せられんと思(おも)ふことは、人(ひと)にも亦(また)その如ごとくせよ。マタイ伝福音書第七章十二節」「求めよ、然(さ)らば與へられん。尋(たづ)ねよ、(カーナビが無かった頃さらば見出(...狭き門LongGood-bye2024・08・18

  • 落とし穴 Long Good-bye 2024・08・15

    今日の「お気に入り」は、村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(新潮文庫)の中のこんな一節。引用はじめ。「『世界は本当にいろんな種類の落とし穴があって、そういうのが、思いも寄らぬ場所でこっそりと僕らを待ちかまえているんだなあ』と思う。日々こともなく心静かに生きていくというのは、なかなか簡単なことではない。」「💛噂の心臓『順心女子学園生徒はかならず歩道橋を渡りなさい(高校三年生を除く)』という看板が広尾駅前に出てるけど、難解だよなこれ。」引用おわり。「真昼の暗黒の回転鮨」と題した小文の最後にある文章。何が「落とし穴」なのかは、原著をお読みください。(´_ゝ`)(ついでながらの筆者註:「広尾学園中学校・高等学校(英:HirooGakuenJunior&SeniorHighSch...落とし穴LongGood-bye2024・08・15

  • 踊る関西弁 Long Good-bye 2024・08・13

    今日の「お気に入り」は、耳懐かしい関西弁の数々。概ねあいうえお順。脈絡はない。*子どもの頃よく言われた。「あほんだらあんじょう頼んまっさいちびったらあかん*いちびるいらちいらんことしい*ええかっこしいええしのこえらいすんまへんお越しやすおいど(御居処)が痛いおちょくるおはようおかえり*かさぶたいろうたらあかん*かまへんかめへんかんてき(七輪)ぎょうさんこぼんちゃん*ごんたくれしゃあないじゃまくさいしょうむない*しんきくさい*すかたんせやかてそんなばっちいもんちゃいし*大根の炊いたんちゃうちゃう*てんごいいなやとっとといねどつぼにはまるどもならんどんくさい*なんぼのもんじゃいはんなりほかすぼっか(あぶらむし)(ゴキブリ)ほな、また。ぼんぼんぼんほなさいなら*まねしいめばちこ(麦粒腫)ややこしいよろしゅうおあ...踊る関西弁LongGood-bye2024・08・13

  • うちかえる Long Good-bye 2024・08・11

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(新潮文庫)の中に「長寿猫の秘密・出産編」というタイトルの小文がある。備忘のため、その中の一節を抜き書き。飼い猫の出産に作家が立ち会ったときの話である。引用はじめ。「ミューズはどういうわけか子どもを産むときには絶対に僕のところにしかこなかった。そして絶対に僕の手を離さなかった。だからうちの奥さんはよく『それ、ひょっとしてあなたの子どもじゃないの?』と言っていたが、僕にはそういう覚えはまったくない。猫の父親はどこかの近所の猫である。そんなことを言われても困る。にゃんにゃん。でも出産している猫と、夜中に何時間もじっと目と目をあわせているとき、僕と彼女とのあいだには完璧なコミュニケーションのようなものが存在した...うちかえるLongGood-bye2024・08・11

  • まず妻より始めよ。あとの世間は簡単だ Long Good-bye 2024・08・09

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(新潮文庫)の中に「傷つかなくなることについて」というタイトルの小文がある。その中から三、四節を、備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「歳をとって、多少の差こそあれだんだん落ちてくるのは性的なポテンシャルばかりではない。精神的に『傷つく能力』だって落ちてくる。これは確かだ。たとえば若いうちは、僕もけっこう頻繁に精神的に傷ついていた。ささやかな挫折で目の前が真っ暗になったり、誰かの一言が胸に刺さって足もとの地面が崩れ落ちるような思いをすることもあった。」「僕が歳をとってそれほど傷つかなくなったのは、人間が厚かましくなったからという理由からだけではないと思う。ある日を境に『歳をとった人間が若者と同じように精神的...まず妻より始めよ。あとの世間は簡単だLongGood-bye2024・08・09

  • 趣味としての翻訳 Long Good-bye 2024・08・06

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(新潮文庫)の中に「趣味としての翻訳」というタイトルの小文がある。引用はじめ。「最近趣味はなんですかと訊かれると、『そうだなあ、翻訳かな・・・』と答えるようになった。」「はっきり言って、僕は翻訳という行為自体が好きだからこそ、こうやって飽きもせずえんえんと翻訳を続けているのだ。これを趣味と言わずして何と言うべきか・・・。」「僕は下訳を使ったことは一度もない。」「僕は個人的に、もし下訳を使ったりしたら、それは翻訳という作業のいちばんおいしい部分を逃していることになるのではないかと考えている。翻訳でいちばんわくわくするのはなんといっても、横になっているものをまず最初に縦に起こし直すあの瞬間だからだ。そのときに...趣味としての翻訳LongGood-bye2024・08・06

  • こいつはアホだ、カスだ、タコだ Long Good-bye 2024・08・03

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(新潮文庫)の中に「テネシーウィリアムズはいかにして見捨てられたか」というタイトルの小文がある。備忘のため、その中の数節を抜き書き。「僕は大学で『映画演劇科』というところに行った。映画を作ることに、もっと正確に言えば映画のシナリオを書くことに興味を持っていたのだ。その当時大学の文学部で映画の専攻課程を持っているのは、早稲田と明治大学と日大芸術学部くらいしかなくて、『まあ映画関連ならなんでもいいや』という感じで早稲田に入った。」「ここで僕は最初に、テネシー・ウィリアムズの戯曲を英語で読む講座をとった。それまでにテネシー・ウィリアムズの芝居をいくつか読んで、僕としてはけっこう気に入っていたからだ。『欲望という...こいつはアホだ、カスだ、タコだLongGood-bye2024・08・03

  • 日米の文化の違い Long Good-bye 2024・07・31

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(新潮文庫)の中に「新聞について、情報について、いろいろ」というタイトルの小文がある。その冒頭にちょっと長いこんな一節がある。「この十年くらい新聞をとっていなかったのだが、思い返してみても、それでとくに不自由したという覚えはない。テレビのニュースもほとんど見ない。あるいはそのおかげで何か大事な情報を逃して、実際には不自由しているのかもしれないが、しかし不自由しているという意識が本人にないのだから、それを『不自由』と呼べるのかどうかは難しいところである。情報というのは不思議なもので、入ってくる情報のどこまでが必要でどこからが必要ではないのかと考えていくと、だんだん境界線が不分明になってくる。必要ないと思えば...日米の文化の違いLongGood-bye2024・07・31

  • だから何なんだ? Long Good-bye 2024・07・29

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(新潮文庫)の中に「空中浮遊はすごく楽しい」というタイトルの小文がある。その冒頭にこんな一節がある。「夢というものを普段あまり見ない。とはいっても、学者の説によれば世の中に夢を見ない人は一人もいないそうだから、実際には僕だって人並みに夢を見ているのだろう。でも朝起きたときの僕の頭には夢の記憶がほとんど留まっていない。自慢じゃないけれど僕はものすごく寝つきが良くて、REM睡眠の泥沼で鰻みたいにそのまま朝までこんこんと眠ってしまうので、たとえ夢を見たとしても、その記憶はあたかも砂漠に柄杓で水を撒くようにするすると虚無の中に吸い込まれていってしまうらしい。夢としてもせっかく苦労して手を替え品を替えカラフルな面白...だから何なんだ?LongGood-bye2024・07・29

  • 仮説の靴 Long Good-bye 2024・07・26

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(新潮文庫)の中に「砂浜の中のキー」というタイトルの小文がある。その冒頭にこんな一節がある。「中原中也の詩に『月夜の晩に、ボタンが一つ/波打ち際に、落ちてゐた』というのがある。『それを拾つて、役立てようと/僕は思つたわけでもないが』と続く。まあそれほどかっこよくはないけれど、僕は以前、藤沢鵠沼の海岸で、砂の中に自動車のキーをみつけたことがある。九月のある日曜日の夕方にひとりで海岸沿いを散歩して、ぼんやり砂浜に座って夕日を眺めていたら、手に触れる何か固いものがあるので、ふと見たらそれはなんと前世紀のホノルルでカメハメハ大王が愛用していたというあの伝説のプラチナ製の靴べら・・・じゃなくて『スバル』のマークのつ...仮説の靴LongGood-bye2024・07・26

  • すぐ寝る・よく寝る・どこでも寝る Long Good-bye 2024・07・23

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂の逆襲」(新潮文庫)の中に「国分寺・下高井戸コネクション」というタイトルの小文がある。その冒頭にこんな一節がある。「僕はだいたい寝つきが良い方で、布団をかぶった次の瞬間には石のようにぐっすりと眠っているというタイプである。すぐ寝る・よく寝る・どこでも寝る、というのが僕の眠りの三大特徴なのだが、寝つきの悪い人にとってはそういうのを目にするのは少なからず不愉快なことであるらしい。」これだけでは消化不良になりそうだから、もうちょっと引用を続けると、「僕だって自分より早く寝ちゃう人間を見ると――そういうことは本当にごくごく稀にしかないのだけれど――こいつアホじゃないかと思う。先日義理の弟がうちに遊びに来て一緒に酒を飲み、十一時になったので...すぐ寝る・よく寝る・どこでも寝るLongGood-bye2024・07・23

  • 阪神間出身 Long Good-bye 2024・07・20

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さん(1949-)の随筆「村上朝日堂の逆襲」(新潮文庫)の中に「阪神間キッズ」というタイトルの小文がある。その冒頭にこんな一節がある。「僕が生まれた場所は一応京都だけどすぐに兵庫県西宮市夙川というところに移り、それから同じ兵庫県芦屋市に移っている。だからどこの出身かというのは明確ではないのだが、十代を芦屋で送り、両親の家もここにあるのでいちおう芦屋市出身ということになっている。本当のことを言うともっと漠然と『阪神間出身』ということにしてもらえると僕自身しっくりするのだけれど、この『阪神間』という言葉のニュアンスは関西関係者以外にはいくぶんわかりづらいところがある。」(´_ゝ`)懐かしい地名が並んでおり、思わず書き留めた。筆者が生まれた場所は一応芦屋だけれど、六歳の時...阪神間出身LongGood-bye2024・07・20

  • Long Good-bye 2024・07・18

    今日の「お気に入り」は、最近読んだ作家の佐藤愛子さん(1923-)の随筆「九十歳。何がめでたい」(小学館文庫)のなかの「覚悟のし方」と題した小文の一節。引用はじめ。「俗に『恋は熱病』とか『恋は盲目』とかいわれている。愛と恋は違う。愛は積み重ねて昇華して行くものだけれど、恋は燃え上がってやがては灰になってしまうものだ。」「歳月は覚悟も勇気もなし崩しにしてしまう容赦ない力を持っている。私は九十年の人生でまざまざとそれを見てきた。恋も熱情である限りやがては熱は下ることも。それが人間というものであり、『生きる』とはそういうことなのだ。」引用おわり。11月には、めでたく百歳の誕生日を迎えられるよう。お誕生日が、5日か15日かは、知らんけど。(´_ゝ`)ものいわぬ婆ァとなりて春暮るる(佐藤愛子)(* ̄- ̄)人生は短い...LongGood-bye2024・07・18

  • 銀座線の暗闇体験 Long Good-bye 2024・07・16

    今日の「お気に入り」。最近読んだ村上春樹さんの随筆「村上朝日堂」の中に、「地下鉄銀座線の暗闇」というタイトルの小文がある。その冒頭にこんな一節がある。「東京に来ていちばん驚いたというか、感動したのは地下鉄銀座線に乗った時だった。乗ったことのある人はわかると思うけれど、銀座線の列車は駅に到着する直前に一秒かニ秒電灯が消えて、車内がまっ暗になる。だから逆にまっ暗になると『ああ、もう駅なんだな』とわかる。」昭和の時代の話しで、今の東京メトロ銀座線に乗っても、こんな暗闇体験はできないらしい。知らんけど。聞き方次第でなんでも答えてくれるChatGPTさんに聞いてみたら、いろいろと教えてくれた。お答えの当否は保証の限りではないが、次のとおり説得力のある解説。おぬし出来るな。「銀座線の車両にはパンタグラフがありません。...銀座線の暗闇体験LongGood-bye2024・07・16

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