井上靖さんの長編小説「孔子」を漸く読了。孔子、論語、その他、永年もやもやしていた事柄について、自分なりに得心のいく答えが得られたのは、大収穫。備忘のため、頭に残った孔子の詞を、井上靖さんの筆力をお借りして、以下に書き写す。引用はじめ。「――”仁”という字は、人偏(にんべん)に”ニ”を配している。親子であれ、主従であれ、旅であった未知の間柄(あいだがら)であれ、兎(と)に角(かく)、人間が二人、顔を合せさえすれば、その二人の間には、二人がお互いに守らねばならぬ規約とでもいったものが生れてくる。それが”仁”というもの、他の言葉で言うと”思いやり”、相手の立場に立って、ものを考えてやるということ。子はもう一つ、”信”という字についても、お話をなさいました。――人間は嘘(うそ)を言ってはいけない。口から出すことは...知仁信LongGood-bye2025・07・11