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市居嗣治の「今日のお気に入り」 https://blog.goo.ne.jp/tsuguji19

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再

市居嗣治の「今日のお気に入り」
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2015/08/06

  • 四面初夏 Long Good-bye 2024・06・03

    今日の「お気に入り」は、水木しげるさんの著書「水木サンの幸福論」に載っているという「幸福の七か条」。今読んでいる平松洋子さんの随筆「肉まんを新大阪で」(文春文庫)の中で、この七か条、読みました。引用はじめ。「第一条成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。第ニ条しないではいられないことをし続けなさい。第三条他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし。第四条好きの力を信じる。第五条才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。第六条怠け者になりなさい。第七条目に見えない世界を信じる。」引用おわり。(´_ゝ`)(ついでながらの筆者註:「水木しげる(みずきしげる、本名:武良茂〈むらしげる〉、1922年〈大正11年〉3月8日-2015年〈平成27年〉11月30日)は、日本の漫画家、妖怪研究家、...四面初夏LongGood-bye2024・06・03

  • Long Good-bye 2024・05・30

    今日の「お気に入り」は、イギリスの小説家ヘンリー・グレアム・グリーン(1904-1991)の短編小説"TWOGENTLEPEOPLE"の冒頭の一節。行間のニュアンスを失うことなく、日本語に翻訳するのがとても難しそうな小説で、納得のいく邦訳に出会ったことがない。翻訳などせずに、原語で読めばいい小説の一つかも知れない。「THEYsatonabenchintheParkMonceauforalongtimewithoutspeakingtooneanother.Itwasahopefuldayofearlysummerwithasprayofwhitecloudslappingacrosstheskyinfrontofasmallbreeze:atanymomentthewindmightdropandthes...LongGood-bye2024・05・30

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・28

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。物語のラスボスで、癇性病みの酒井雅楽頭の独白。引用はじめ。「『事は割れた』とまた雅楽頭は呟いた、『時期を延ばそう、いまはだめだ、いまは不利だということはたしかだ』彼は三歩ゆき、五歩戻った。徳川氏万代のために、仙台、加賀、薩摩の三雄藩は邪魔だ。北方と中部と南方に、これら雄藩が安泰にすわっているということは、幕府将来のためになにより好ましくない。これは体に三つの癌を持っているようなものだ。このままにしておいては、必ずどれかが命取りになる。たとえば取潰すことが無理なら、分割して力を弱める策だけはとらなければならない。――おれの手でそれをやってみせる。おれのほかにそれをやる者はいない。きっとおれのこの手でやってみせる。こう思いながら...抜き書きLongGood-bye2024・05・28

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・26

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。引用はじめ。「甲斐はその日の午後七時ごろ、西丸下にある久世大和守(広之)の屋敷へゆき、八十島主計(やそしまかずえ)となのって、大和守に面会を求めた。」(´_ゝ`)「大和守は小姓を一人伴(つ)れただけで出て来た。髪が白くなっただけで、あのころと殆んど風貌が変らず、六十一歳という年よりはるかに若くみえた。大和守が設けの座につくと、亀谷清左衛門が披露しようとした。大和守はそれを遮り、よしわかっていると云って、甲斐を見た。『久びさの対面だな、原田』『おそれながら』と甲斐が云った、『お取次まで申上げましたとおり、わたしは八十島主計と申す浪人者でございます』大和守は微笑した。すると、眼尻と唇の脇に皺がより、それが年だけの老いを証明するか...抜き書きLongGood-bye2024・05・26

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・24

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。物語の主人公原田甲斐宗輔が、騒動の原因が、伊達兵部少輔宗勝個人の仙台藩簒奪(さんだつ)の権勢欲に発したものではなく、真の敵は、幕府老中酒井雅楽頭なのだと気付いた頃から、話しは一段と重苦しい雰囲気になり、読者は、物語の悲劇的な結末を予想せざるをえなくなる。独眼竜政宗の末子で、第十子である伊達兵部少輔宗勝が、政権簒奪を企図して策動するのであれば、よくある本家vs.分家のお家騒動の図式で、わかりやすいのだが、話しはそう単純ではないらしい。関が原からまだ百年も経っていない時代の物語。引用はじめ。「――松平信綱。甲斐は筆を止めて、眼をあげた。『伊豆守信綱』と彼は呟いた。非常な衝動を受けたもののように、甲斐の顔はするどくひき緊り、双眸は...抜き書きLongGood-bye2024・05・24

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・22

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。主人公原田甲斐の股肱の臣中黒達弥の独白。主の命を受け、名を黒田玄四郎と改め、幕府老中酒井雅楽頭(この物語のラスボス)の屋敷内、勘定部屋に職を得、五年の長きにわたり、その内情を探ろうと努め続ける諜者の青年。五年も経ち、その間、身の安全を脅かす事件、波乱のひとつも起こらなければ、決心も鈍り、迷いが生じるのは、自然であり、人情であると思う。引用はじめ。「かれらはみんな、平常で安穏な生活の中にいる。朝は健康な気分で眼をさまし、家人が腕をふるった食事をとり、出仕すれば一日の事務に精をだす、同僚とたのしく茶飲み話しをし、こころよく疲れて帰る。それから風呂にはいり、子供をあやし、美味い夕食を喰べて、知人のところへ碁将棋をしにゆくか、妻と二...抜き書きLongGood-bye2024・05・22

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・20

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。物語の中で、「くびじろ」と呼ばれる老練、老巧な大鹿が登場し、主人公の原田甲斐は、飛び道具ではなく、弓矢と手斧と山刀だけで、山中深く、この大鹿を狩ろうとする。その老鹿との対決を前に、原田甲斐が、ひとり野外に宿泊し、腹ごしらえをする場面。今でいうキャンプ飯。引用はじめ。「薄焼(小麦粉を練って伸ばし、醤油で焼いたもの)をひと口、それから焙った猪の肉を歯で噛み千切って、ゆっくりと噛み、乾した杏子の一片で味を添えた。猪の肉は時間をかけて焙るから、脂肪とたれがよく肉にしみこんでいるし、しこしこした薄焼の甘味と、少量の杏子の酸味とで、噛めば噛むほど、濃厚で複雑な味が、口いっぱいにひろがるのである。甲斐はそういう食事を好んだ。それが鹿の焙り...抜き書きLongGood-bye2024・05・20

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・18

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。引用はじめ。「・・・甲斐は虎之助の寝顔を、じっと眺めていた。おまえは仏門にはいるんだ、お坊さんになるんだよ、と甲斐は心の中で云った。そんな幼い年で、いちどに両親に死なれるという、悲しみを経験した、私にはその悲しみがわかるんだ坊、私はおまえより小さいとき、五つの年に父に死なれた、私には母があったし、所領もあり、家従もおおぜいいた、けれども、父のいない淋しさがどんなものか、いまでもよく覚えている。私は父に死なれただけだが、おまえと宇乃は両親に死なれた。家もなく、たよる親族もない。幼いおまえにも、どんなにこころぼそく、どんなに悲しいかは私にわかる、と甲斐は心のなかで云った。――けれどもそれで終るのではない、世の中に生きてゆけば、も...抜き書きLongGood-bye2024・05・18

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・16

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。作家は、主人公原田甲斐宗輔の口をかりて、あくことなき権力の貪婪さを、ずばり、直截に表現している。権力は、自己膨張的なもの、組織で言えば、構成員個々人の自己保身本能、自己拡大本能の総和か、国であれ、会社であれ。引用はじめ。《主人公原田甲斐宗輔と里見十左衛門・茂庭主水との会話》「『権力は貪婪(どんらん)なものだ』と甲斐は答えた、『必要があればもとより、たとえ必要がなくとも、手に入れることができると思えば容赦なく手に入れる、権力はどんなに肥え太っても、決して飽きるということはない、慶長以来、幕府がどういうふうに大名を取潰して来たか、いかに無条理で容赦がなかったか、ということを考えてみるがいい、――こんどの場合も、酒井侯ひとりの思案...抜き書きLongGood-bye2024・05・16

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・14

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。引用はじめ。「人は誰でも、他人に理解されないものを持っている。もっとはっきり云えば、人間は決して他の人間に理解されることはないのだ。親と子、良人と妻、どんなに親しい友達にでも、――人間はつねに独りだ。」(´_ゝ`)「『松山は知っている筈だ』と彼は云った、『私は人の弔問や法要にはゆかない、人と人とのつきあいは生きているあいだのことだ、死んでしまってからいったところで、――』こう云って、甲斐は焚木の一本を折った。周防は不満そうに、『では葬儀にも出ないのか』と訊いた。隼人をやるつもりだ、と甲斐は答えた。」(´_ゝ`)「甲斐が『席次争い』の騒ぎを知ったのは、矢崎舎人の裁きがあって、十日ほど経ったのちのことであった。それまでにも、甲斐...抜き書きLongGood-bye2024・05・14

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・12

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。引用はじめ。《主人公原田甲斐宗輔と甲斐より三つ若い盟友茂庭周防定元(もにわすおうさだもと)の会話》「『吉岡はまじめなんだ』と甲斐は云った、『奥山大学という人物は、まじめに藩家のおためをおもっている、自分こそ藩家の柱石となる人間だと信じている』『それは船岡の見かただ』『まあ聞いてくれ』甲斐は火桶のふちを撫でながら、いかにも穏やかな調子でつづけた、『こんどの事では、一ノ関をべつにして、すべての人がまじめに、藩家のおためをおもっている、渡辺金兵衛ら三人の暗殺者も一ノ関に糸をひかれているとは気がつかず、心から藩家のおためと信じて暗殺を決行した、吉岡もそのとおり、自分ひとりで国の仕置をすることができれば、必ず藩家を安泰にしてみせる、そ...抜き書きLongGood-bye2024・05・12

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・10

    今日の「お気に入り」は、先月から読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。ところどころで引っ掛かり、都度思いが飛ぶので、なかなかはかがゆかない。山本周五郎著「ながい坂」とともに、若いころ読んで影響を受けた本のひとつで、書名は「樅ノ木は残った」。もとは、1950年代半ばに、日本経済新聞に連載された新聞小説だそうな。今再読しているのは、四部構成の電子書籍。これに慣れると、活字の小さい紙の本は辛くなる。作家が丹精込めて書いた本だから、引用といっても、コピペはしない。この本をもとに、数々のドラマが映像化されたが、得心のいくものはいまだひとつもない。引用はじめ。「原田甲斐宗輔は、自分の居間で手紙を書いていた。彼は百八十センチちかい背丈で、色の浅黒い、温和な顔だちをしている。濃い眉はやや尻あがりであるが...抜き書きLongGood-bye2024・05・10

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・05・08

    今日の「お気に入り」は、早朝のラジオ番組で聞いたスコットランド生まれのニール・リード(NealReid、1959年5月5日-)さんが歌う「"MotherofMine"(母に捧げる歌)」。御存命なら65歳?radikoやyoutubeで聴き直して、備忘のため、抜き書き。引用はじめ。”Motherofmine,yougavetomeallofmylifetodoasIpleaseIoweeverythingIhavetoyouMother,sweetMotherofmineMotherofmine,whenIwasyoungyoushowedmetherightwaythingshadtobedonewithoutyourlovewherewouldIbeMother,sweetMotherofmineMot...抜き書きLongGood-bye2024・05・08

  • 桜散る Long Good-bye 2024・05・02

    今日の「お気に入り」は、俳人中村草田男(なかむらくさたお、1901-1983)の句をいくつか、再録。「蟾蜍(ひきがえる)長子家去る由もなし(『長子』所収)降る雪や明治は遠くなりにけり(1931年作。『長子』所収)冬の水一枝の影も欺かず(『長子』所収)玫瑰(はまなす)や今も沖には未来あり(同)萬緑(ばんりょく)の中や吾子の歯生え初むる(1940年作。『火の島』所収)勇気こそ地の塩なれや梅真白(1944年作。『来し方行方』所収)葡萄食ふ一語一語の如くにて(1947年作。『銀河依然』所収)」(ついでながらの筆者註:「中村草田男(なかむらくさたお、1901年〈明治34年〉7月24日-1983年〈昭和58年〉8月5日)は、日本の俳人・国文学者。成蹊大学名誉教授。本名は中村清一郎(なかむらせいいちろう)。(´_ゝ`)...桜散るLongGood-bye2024・05・02

  • HSP 感覚過敏症 Long Good-bye 2024・04・30

    今日の「お気に入り」は、ネットで見掛けたさる精神科医のHSPに関する解説記事。HSPはHighlySensitivePersonの略。以下にその解説記事の抜粋とChatGPT3.5が筆者の質問に答えてくれたことを紹介します、ご参考まで。「HSPは『敏感な人、繊細な人』という意味を持った言葉で、心理学者のアーロン博士が定義した概念です。代表的な特徴は、処理の深さ、刺激の受けやすさ、共感力の高さ、感受性の高さなどが挙げられます。下記でHSPの特徴について、見ていきましょう。・目、耳、鼻、感覚などの五感が鋭く、敏感に感じる・人混みのような騒がしい場所や刺激が多い場所が苦手・刺激に敏感なため、疲れやすい・物事を深く考えることができるが、考えすぎて疲れることがある・他人や周りからの影響を受けやすい・周りをよく見てい...HSP感覚過敏症LongGood-bye2024・04・30

  • 抜き書き Long Good-bye 2024・04・28

    今日の「お気に入り」は、YouTubeから抜き書きしたBillyJoelの"Honesty"♪♪。備忘のため(^^♪。“IfyousearchfortendernessItisn'thardtofindYoucanhavetheloveyouneedtoliveButifyoulookfortruthfulnessYoumightjustaswellbeblindItalwaysseemstobesohardtogiveHonestyissuchalonelywordEveryoneissountrueHonestyishardlyeverheardAndmostlywhatIneedfromyouIcanalwaysfindsomeoneTosaytheysympathizeIfIwearmyheart...抜き書きLongGood-bye2024・04・28

  • ロシアの諺 Long Good-bye 2024・04・26

    今日の「お気に入り」は、ネットで見掛けた寒い国のことわざや慣用句十選。キリル文字は馴染みがないので、日本語で。引用はじめ。「ロシア人には良くてもドイツ人には死・・・人それぞれ。文化によって価値観や考え方は違うものだ。」「リンゴの実はリンゴの木の近くに墜ちる・・・あの親にしてあの子あり。親より優れた子供は生まれない。蛙の子は蛙。」「ありがとうで腹は膨れない・・・お礼の言葉だけでなく見返りもよこせ。」「より静かに進めば、より遠くまで行ける・・・急がば回れ。急ぐ必要があるときこそ落ち着いて行動しろ。」「屑が埃を笑う・・・目糞(くそ)鼻糞(くそ)を笑う。」「自分の荷物は重くない・・・好きでやっていることや自分のためになることは苦にならない。」「犬は犬死するものだ・・・自業自得。」「3コペイカ盗んだ奴は縛り首、50...ロシアの諺LongGood-bye2024・04・26

  • ながい坂 Long Good-bye 2024・04・24

    今日の「お気に入り」は、年初からじっくり読み進めてきた本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。五十年ぶりに山本周五郎著「ながい坂」を読み了えたいま、これまでの七十五年余りの人生で、この小説の中に書かれた多くのことに、折々道案内されながら生きてきたような思いがしています。ところどころで、主人公の良い子ぶりに辟易するところがないではありませんが、それを揶揄する人物を対話相手に配することで、修身の教科書になることを回避して、リアリティある文学作品に仕上がっているように思います。おしまいのほうにある、この本の題名の由来となったくだりも抜き書きしました。引用はじめ。「大五はにやっと笑って仮綴(かりとじ)の帳面を二冊、そこへ差出した、『この天と題したほうがこっちの側の人名、地と題してあるのが波岡一味の名簿です』『早...ながい坂LongGood-bye2024・04・24

  • 基本の基 杞憂の杞 Long Good-bye 2024・04・23

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。引用はじめ。「人間には報酬のために働く者が大多分だが、(「大多分」という言葉は他で見ない)報酬などは考えず、褒められたり感謝されたりすることさえ求めずに、能力いっぱいの仕事をすることによろこびを感じている者もある。弥助は主水正のため、おどろくほどこまやかに気を使い、働いてくれた。しかしそれを誇ろうとしたことは決してないし、邸内で主水正を見かけると、さりげなく避けて、話しかけられることを嫌っているようであった。」「けれども、弥助が本当に望んだのは、それだけではなかったのではないか。人間が世間でくらしてゆくには、自分の望みどおりの生きかたができるとは限らない。自分では好まない、嫌いなことでもやらなければならないことがあるだろう。...基本の基杞憂の杞LongGood-bye2024・04・23

  • 時の足音 Long Good-bye 2024・04・22

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。よく気の廻る几帳面な作家さん、上巻で蒔かれた種を、下巻で丁寧に拾ってゆく大河ドラマ。夜明けの時刻が五時前になった、春なのに肌寒い雨の朝。引用はじめ。「『子どものころ先生に、人間の一生は、一足とびに登るより、一歩々々を大切にせよ、という意味のお言葉をいただきました、尚功館へ入学してまもなくだったと思います』『そんなことがありましたかな、いま考えると釈迦に説法という』『いや、そうではありません、あのころ私は出世をしたいという一心に凝り固まっていたのです』と云って主水正は声を低くした、『――但しそれは一身の栄達を望んだからではありません、このことはまだ誰にも話しておりませんが、八歳のとき私は、胸を刺されるような出来事を経験したので...時の足音LongGood-bye2024・04・22

  • 阿部重か阿波重か Long Good-bye 2024・04・20

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした、読み応えのある文章。引用はじめ。「主殿は夜具の上に起き直り、右腕で脇息に凭(もた)れていた。十帖(じょう)ほどのその座敷は、寝間ではなく、客との対談にも使っているとみえ、本床には書の大副(たいふく)が掛けてあり、香炉からは薄く煙がゆらめいていた。青銅の火鉢が一つあるだけで、庭に面した障子があけてあるため、戸外と同じくらい空気が冷えてい、正坐している主水正は、手足の指先から、寒さが全身にしみとおるのを感じた。『そうか、殿は御無事だったか』と主殿は乾いた声で云った、『それはよかった、ごようすを聞かせてもらおう』主水正は語った。麻布の下屋敷で会ったときの飛騨守昌治の云ったことや、動作などについて、できるだけ詳しく話した。主殿は非常に感...阿部重か阿波重かLongGood-bye2024・04・20

  • ポリコレ その2 Long Good-bye 2024・04・18

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。欧米流の「ポリコレ」さかんな21世紀日本では書いてはいけない「差別用語」が、20世紀昭和の時代小説には、容赦なくバンバン出てくる。伏せ字にしてたらキリがない。引用はじめ。「主水正は手を伸ばし、大五の肩をそっと叩いた。刀を抜くなよ、と主水正は囁いた。まもなく、提灯の明りが見え、それがこっちへ近づいて来た。主水正はその一人が、清絹(すずし)の寝衣を着た飛騨守昌治だ、ということを認めた。まえよりも少し肥え、陽にやけた手足が、はるかに健康を増したように思え、主水正は安堵の深い溜息をついた。提灯を持っていたのは相良大学であった。なんのために人目につく提灯などを持っているのか、と主水正は訝しく思った。昌治は大股に近づいて来、主水正の前で...ポリコレその2LongGood-bye2024・04・18

  • 男はつらいよ 女もつらいわ Long Good-bye 2024・04・17

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。引用はじめ。「老人だからといって、独りで涙をながすようなことがないわけではない、という米村青淵の言葉が思いうかんだ。老いて気力を喪失した滝沢主殿。酒びたりで怠け放題に怠け、しかも死ぬときには、草臥(くたぶ)れはてた、と云ったという宗巌寺の和尚。みんな独りだった。谷宗岳先生も、妻子がありながらこんな田舎へ招かれて来て、若い側女(そばめ)に子を産ませ、つつましやかに寺子屋のような仕事に背を跼(かが)めているという。だが、実際にはその側女にも、その側女の産んだ子にも心はつながっていないに相違ない。女には家があり子供がある、女には自分の巣がある。けれども男に巣はない、男はいつも独りだ。『独りだからこそ、男には仕事ができる』と主水正は...男はつらいよ女もつらいわLongGood-bye2024・04・17

  • たいがいにせいよ Long Good-bye 2024・04・16

    今日の「お気に入り」は、最近交わしたChatGPT3.5との「まじめな対話」。以下は「QuakeRisksinTaiwan」というタイトルの付いた会話内容。短い質問を投げかけると、何倍にも膨らませて答えてくれる、使えるツール。そろそろ有料のChatGPT4に移る汐時かも。同じ質問を日本語でChatGPT3.5にしてみました。そのお答えも以下に。引用はじめ。「User:Japanisanearthquakepronecountry.HowaboutTaiwan?ChatGPT:Taiwan,likeJapan,isalsolocatedinaseismicallyactiveregionandispronetoearthquakes.Itsitsattheboundaryoftwotectonicplate...たいがいにせいよLongGood-bye2024・04・16

  • ポリコレ Long Good-bye 2024・04・15

    今日の「お気に入り」も、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。引用はじめ。「『人間とはふしぎなものだ』と主水正が云った、『悪人と善人とに分けることができれば、そして或る人間たちのすることが、善であるか悪意から出たものであるかはっきりすれば、それに対処することはさしてむずかしくはない、だが人間は善と悪を同時に持っているものだ、善意だけの人間もないし、悪意だけの人間もない、人間は不道徳なことも考えると同時に神聖なことも考えることができる、そこにむずかしさとたのもしさがあるんだ』『これは驚いた』と津田大五が云った、『なにを仰ろうというんですか』主水正はそっと溜息をつき、遠い出来事を思いだそうとするような口ぶりで云った、『ずっと昔、巳の年の騒動のときに、先代の滝沢主殿どのがその裁きに当って、―...ポリコレLongGood-bye2024・04・15

  • 青天の霹靂 Long Good-bye 2024・04・12

    今日の「お気に入り」も、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書きした文章。下巻の頭の方で、藩を揺るがす三度の騒動の原因となった経緯、事情が明らかにされ、物語はいよいよ佳境に入っていく。初めて読んだ十代のころは、こうした大人の事情が、全くと言っていいほど、呑み込めなかったものだ。引用はじめ。「主水正は肩にふりかかる落葉を払った。三十一歳になった彼の顔は、陽に焼けて黒く、眼尻に皺が刻まれ、額にも三筋の皺がはっきり刻まれていた。」「人の生きかたに規矩(きく)はない、ひとりひとりが、それぞれの人生を堅く信じ、そのほかにも生きる道があろうなどとは考えもせず、満足して死を迎える者が大多分であろう。小出先生は小出先生なりに生きた。それはむしろ祝福したいようなものだ。それに反しておれ自身はどうか、おれはそうではな...青天の霹靂LongGood-bye2024・04・12

  • うのはな Long Good-bye 2024・04・10

    今日の「お気に入り」も、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書き。若いころ、ペーパーバックの全集本まで買って読んだ作家の本の一冊なのに、初めて読む心地がするところが何箇所もある。読む年齢によってこうも印象が違うものかと長嘆息。引用はじめ。「主水正(もんどのしょう)は夕食のあと、茶を啜りながら庭の卯花(うのはな)を見ていた。それはこの家を新築するとき、奥との庭を仕切るために作った袖垣で、花が咲くまで卯花とは知らなかったのである。濃くなったたそがれの、青ずんだ薄暗がりの中に、その花は白く、ひっそりと咲いていた。」「わが領地は気候にも恵まれ、地も肥えていて物成りが豊かだ、七万八千石の表高より、はるかに実収は多いということで、幕府の国目付(くにめつけ)に睨まれている、――老職どもはそう主張して、新田の開拓...うのはなLongGood-bye2024・04・10

  • べらぼう Long Good-bye 2024・04・06

    今日の「お気に入り」も、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書き。話の本筋と関係するところ、関係ないけど、面白いと思ったところはメモしておく。引用はじめ。「義であることがつねに善だとはいえない、また、正しいことだけが美しいとは限らない、」「人間はときに、考えるより行動することのほうが大切な場合もあるぞ、」「実の生(な)る木も時がこなければ実は生らない。苗が若木になり、やがて花が咲き、初生りをすると、それから年ごとに生る実の数がふえてゆく。」「『この藩には重臣を含めて、名門と呼ばれるものが十二家あります。もちろん、御当家の三浦氏もその中にはいりますが』と杉本は云った、『――これらは何十年もまえから、五人衆といわれる御用商人とむすびつき、かれらの贈賄によって肥え太り、政治はそっちのけにして、ただ権力や...べらぼうLongGood-bye2024・04・06

  • 送りばばあ Long Good-bye 2024・04・04

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本の中から、備忘のため、抜き書き。話の本筋とは関係ないけど、面白いと思ったところはメモしておく。引用はじめ。「――人間にはいろいろな型といろいろな生き方がある」「――私が少年のころだが、材木奉行に永沢玄蕃という人がいた、たいそう用心ぶかい性分で、石の落ちてきそうな崖の下などは、決してあるかない、必ず遠廻りをして森番小屋を巡視したものだ、食事なども生ま物は口にせず、煮炊きした物以外は喰べなかった、だから落石でけがをしたこともないし食中毒にかかったこともなかった、私も道でたびたび見かけたが、骨太で固太りで、小柄ではあるが精悍そうな、殺されても死なないような人だった、それが森へ登る道で、もっとも安全な場所だといわれる、川岸のところで足を踏み外し、流れにのまれて溺死してしま...送りばばあLongGood-bye2024・04・04

  • Long Good-bye 2024・03・31

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている本のところどころにある、どこか気になる、心に残るフレーズ。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「人間というものは」(中略)「自分でこれが正しい、と思うことを固執するときには、その眼が狂い耳も聞えなくなるものだ、なぜなら、或る信念にとらわれると、その心にも偏向が生じるからだ。」「俗な譬(たと)えだが、人間には食物にも好き嫌いがある。或る者には焼魚がもっともうまいし、他の者には魚は煮るのが本筋だと思う、また料理人は魚によって区別をし、これは焼くものこれは煮るものと、流儀によっておよそきめてかかるようだ、それが固執であり、その固執は人にかたよった考えをいだかせる、魚に限らずどんな食物でも、自分でうまいと思う料理法で喰べるのが正しいので、料理人の主張だからこうして喰べよう、と...LongGood-bye2024・03・31

  • 風雑え 雨降る夜の 雨雑え Long Good-bye 2024・03・28

    今日の「お気に入り」は、山上憶良の「貧窮問答歌」から。「風雑(まじ)え雨降る夜(よ)の雨雑(まじ)え雪降る夜は術(すべ)もなく寒くしあれば堅塩(かたしお)を取りつづしろい糟湯酒(かすゆざけ)うち啜(すす)ろいて咳(しわぶ)かい鼻びしびしにしかとあらぬ鬚(ひげ)かき撫(な)でて我を除(お)きて人は在らじと誇ろえど(後略)」「世間(よのなか)を憂しとやさしと思えども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば」。風雑え雨降る夜の雨雑えLongGood-bye2024・03・28

  • Have a great day ! Long Good-bye 2024・03・24

    今日の「お気に入り」は、ChatGPT3.5との「まじめな対話」。以下は「OpenAI:ChatGPTvs.Others」というタイトルの付いた会話内容。引用はじめ。「User:OpenAIの生成AIChatGPTが他社の生成AIと違う点は何ですか?ChatGPT:OpenAIの生成AIであるChatGPTが他社の生成AIと異なる点はいくつかありますが、そのいくつかを以下に示します:1.大規模なトレーニングデータとモデルサイズ:OpenAIは大規模なトレーニングデータセットを利用し、非常に大きなモデルを訓練します。これにより、より豊かな言語理解と生成を可能にします。2.多様な応用領域への対応:ChatGPTはさまざまな応用領域に適用できる汎用性を持っています。一般的な対話、文書生成、質問応答など、さまざま...Haveagreatday!LongGood-bye2024・03・24

  • 紅旗西戎 Long Good-bye 2024・03・20

    今日の「お気に入り」は、ChatGTPとの「堅苦しい対話」。「紅旗征戎、吾が事に非ず」が信条の、新聞も読まない隠居の身ゆえ、世の中の有り様は、たまにネットニュースで見聞きするだけ。行きずりの友ChatGPTに諸々教えを乞うております。きれいな距離感が保てる、よそでは得難い気楽な話し相手。今日は、ChatGTPさんに国際情勢や中露の指導者について、いくつかひまな質問をしてみました。ChatGPTが"Xi-Putin:StrongLeadershipDuo"とタイトルを付けた会話内容を以下に紹介します:(タイトル付けるのうまいね。)どんな質問をしても、瞬時に答えてくれるお手軽さ。引用はじめ。「User:中国の習近平さんとロシアのプーチンさんの共通点をすべて挙げてください。ChatGPT:中国の習近平とロシアの...紅旗西戎LongGood-bye2024・03・20

  • 鸚鵡返し Long Good-bye 2024・03・17

    今日の「お気に入り」は、ChatGPTとの会話。生成AIChatGPTは、人の名前らしき「名称」や「言葉」が、Userの質問の中にでてくると、途端にお答えが怪しくなるらしい。Userによる人名検索を、とことん忌避するようにプログラミングされているらしいのだ。以下のやりとりを見るとそのようだ。引用はじめ。「User:ユースケ・サンタマリアってなあに?ChatGPT:(「ユースケ・サンタマリア」を人名だと認識したらしい。)ユースケ・サンタマリア(YusukeSantamaria)は、日本の俳優、タレント、お笑い芸人です。本名は田中裕介(たなかゆうすけ)といいます。彼は主にテレビ番組や映画、舞台で活躍しており、コメディアンとしても知られています。彼の持ちネタやパフォーマンスは、しばしば独特でユニークなもので、彼...鸚鵡返しLongGood-bye2024・03・17

  • 木通 あけび 行行子 よしきり Long Good-bye 2024・03・15

    今日の「お気に入り」は、時代小説「高瀬庄左衛門御留書(たかせしょうざえもんおとどめがき)」に出てくる難読漢字。神山藩郡方(こおりかた)郷村廻りの主人公は、各村の庄屋から申告された収穫高や、みずからおこなった田圃(たんぼ)の検見(けみ)、見聞きした現地のようすなどを御留書と呼ばれる帳面にしるし、上司に提出する。この主人公は、描画を嗜む微禄の武士で、小説の中の随所に自然描写の他、鳥や花木の名称も沢山でてくる。例えば、鳥なら行行子(よしきり)瑠璃鶲(るりびたき)野鶲(のびたき)寒雀(かんすずめ)山雀(やまがら)時鳥(ほととぎす)海鵜(うみう)椋鳥(むくどり)鵯(ひよどり)・・・。花木なら秋海棠(しゅうかいどう)百合(ゆり)桔梗(ききょう)葛(くず)竜胆(りんどう)柊(ひいらぎ)烏瓜(からすうり)木通(あけび)百...木通あけび行行子よしきりLongGood-bye2024・03・15

  • 心ズキズキワクワク Long Good-bye 2024・03・13

    今日の「お気に入り」は、終盤に向かいつつあるNHK朝ドラ「ブギウギ」の中で歌われる「東京ブギウギ」についてChatGPTと交わした会話。引用はじめ。「User:東京ブギウギの作詞者、作曲者はだあれ?ChatGPT:東京ブギウギの作詞者は荒木とよひさ、作曲者は小田和正です。User:ほんまかいな、うそちゃうか?ChatGPT:申し訳ありません、間違いがありました。東京ブギウギの作詞者は阿久悠(あくゆう)、作曲者は筒美京平(つつみきょうへい)です。User:またまた。鈴木勝作詞、服部良一作曲の、戦後間もない1947年の楽曲じゃないの!歌詞を聞いてる訳じゃないんだから、出鱈目答えなくてもいいんじゃないですか。何か理由があるのですか。ある特定のジャンルは出鱈目の回答をするようにプログラミングされてるとか。(筆者が...心ズキズキワクワクLongGood-bye2024・03・13

  • いきがい ( つづき ) Long Good-bye 2024・03・10

    今日の「お気に入り」も、ChatGPTとの対話に関する話柄。ChatGPTからは、随分と人間っぽいお答えが次々と返ってくるようだけど、対話していて気が付くことはAIのお答えが、単に議論の併記・並列でなく、そこにAI自身の隠れた価値判断が入っているということ。生成AIがどんなAIになるかどうかは、生成AIをプログラミングする主体、そのAIにトレーニングデータを選択的に学習させる主体、すなわち人間次第ということなのではないか。だとすると、多様な「価値観」「価値基準」のあるこの世界の諸事象の中から、何を、どのように選択して、生成AIに学習させるんだろう。無選択に、詰め込めるだけ詰め込んだら、どうなるのかな。そんなAIも電気が切れたら万事休す、だから未来社会も核依存。原発だって、原潜だって、目の前のパソコンだって...いきがい(つづき)LongGood-bye2024・03・10

  • いきがい Long Good-bye 2024・03・09

    今日の「お気に入り」は、「いきがい」という言葉をきっかけとしたChatGPTとの対話。Userの質問に対するChatGPTの回答は、面白味には欠けるが、概ね無難。Userにおもねるような、婉曲的な言い回しや空気の読みすぎも散見される。引用はじめ。「User:いきがいとはなあに?ChatGPT『生きがい』は、人々が生活の中で感じる意義や目的、やりがいを表す言葉です。それは人それぞれ異なりますが、一般的には以下のような要素が含まれることがあります:意義や目的感:何かを達成し、人生に意味を持たせることが生きがいの一部です。これは、自分や他人のために何かを成し遂げること、社会貢献をすること、あるいは自己成長や精神的な発展を求めることなどが含まれます。満足感や喜び:自分の行動や活動から得られる喜びや満足感も生きがい...いきがいLongGood-bye2024・03・09

  • いのちがけ Long Good-bye 2024・03・06

    今日の「お気に入り」は、戦国武将が主人公の時代小説の一くだり二くだり。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「『では――では、佐久間さまは犬死にでござりますか』『犬死になどない』利家はするどく言い切った。『もののふは、いつもいのちがけじゃ。そなたとて、そうであろう』」(´_ゝ`)「元康は屈託のない笑顔となって語りかける。『許されよ。当家のものは、他国の方に壁をつくるくせがござっての』そこでことばを切った元康のまなざしが、にわかに翳りをおびた。右の拳が吸いこまれるように口もとへはこばれ、かふかふ、という耳なれぬ音が、しずまりかえった広間にひびく。家臣たちが、そっと面を逸らした。長頼は、異様な生きものでも見るような思いで、眼前に坐す若者を凝視する。爪を嚙んでいるのだ、と気づいたとき、ようやく元康が語を継いだ。『・...いのちがけLongGood-bye2024・03・06

  • 嘘も方便 Long Good-bye 2024・03・03

    今日の「お気に入り」は、「嘘も方便」という言葉をきっかけとしたChatGPTとの対話。「噓をつくことは悪いことだが、よい結果をもたらす手段として、時には必要な場合もある」というほどの意味合いで使います。引用はじめ。「User:嘘も方便とはなあに?ChatGPT:『嘘も方便(うそもほうべん)』というのは、日本のことわざであり、直訳すると『嘘も手段』という意味です。これは、時には真実ではないことを言ってしまうことも、ある目的を達成する手段として必要な場合がある、ということを指します。つまり、状況によっては嘘をつくことも許される場合があるということを表しています。User:方便とはなあに?ChatGPT:『方便(ほうべん)』というのは、目的を達成するための手段や方法を指す言葉です。特定の目標や状況に応じて、最も...嘘も方便LongGood-bye2024・03・03

  • うるうび Good-bye 2024・02・29

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「閏日」。閏年、閏月はよく聞くが、閏日は滅多に聞かない。適宜抜粋。引用はじめ。「閏日(うるうび、じゅんじつ)とは、太陽暦では季節(天動説では太陽の運行)と暦のずれとを、太陰暦では朔望月(月の運行)とのずれを補正する暦日のことである。」「代表的な暦法における閏日西暦(ユリウス暦とグレゴリオ暦)西暦は代表的な太陽暦である。ユリウス暦では4年に1度、グレゴリオ暦では400年に97度、閏年とし、2月の日数を1日増加させる。このとき付け加えられた日が閏日である。グレゴリオ暦では加えられる日は2月29日である。ユリウス暦からグレゴリオ暦に改暦した歴史的な理由から2月24日を閏日とする国もある。閏日を2月に置くことの由来は、初期のローマ暦...うるうびGood-bye2024・02・29

  • AIと遊ぶ Good-bye 2024・02・27

    今日の「お気に入り」もAIとの対話。試みに、ChatGPTに英文和訳を頼んでみました。入力した英語原文は、NealeDonaldWalsch著"ConversationsWithGod"の一節です。前後の文章は入力していません。筆者がはじめて読んだとき、文意がわかるまでに手間取った箇所です。AIとのやりとりを以下に抜粋して紹介します。「User(すなわち筆者)PleasetranslatethefollowingsentencesintoJapanese:”・・・Youlovethem.Mostofthem,anyway.You'veusedthemadmirablytofeelsorryforyourselfandtogetattentionforyourself.Onthefewoccasionswh...AIと遊ぶGood-bye2024・02・27

  • AIと対話 Long Good-bye 2024・02・24

    今日の「お気に入り」は、AIとの対話。ChatGPTと交わした今日の会話。適宜抜粋して紹介します。虚実取り混ぜた、なかなか面白いおしゃべりでした。「User(即ち筆者)ウィキペディアに掲載されている記事情報はあなたのデータにはないのですか?ChatGPT申し訳ありませんが、私のトレーニングデータにはウィキペディアの情報が直接的に含まれているわけではありません。私の学習は大量のテキストデータから行われており、一般的な知識やパターンを学習することに焦点が置かれていますが、特定のウェブサイトの情報を個別に取り込むわけではありません。そのため、ウィキペディアの記事に記載されている情報を直接的に引用することはできません。User私が提供する情報はあなたのトレーニングデータに取り込まれることはないということですか?C...AIと対話LongGood-bye2024・02・24

  • Long Good-bye 2024・02・21

    今日の「お気に入り」は、最近読んだ小説のあらすじを、ChatGPTに尋ねたときのAIの回答。誘導尋問し放題だから、当を得た答えに段々近付いてゆく。著作権問題は、微妙な段階にすでに達しているように感じる。抗すべくもないような気もするし、すべては時間が解決するとも思う。やりとりの最後の方のChatGPTの答えを紹介すると・・・。「瀬尾まいこ作の小説『そして、バトンは渡された』は、主人公の優子が家族の変化や成長と向き合いながら、自分自身の人生の方向を見つける物語です。物語は、優子が生まれたときには水戸優子という名前でしたが、その後、田中優子、泉ヶ原優子、そして現在は森宮優子と名乗っています。彼女の(日本語の構文がおかしい)家族は十七年間で七回も変わり、その中で優子は新しい父親や母親との関係を築いていきます。しか...LongGood-bye2024・02・21

  • 明日は明日の風が吹く Long Good-bye 2024・02・17

    今日の「お気に入り」は、最近読んだ小説の、気になったくだりや登場人物のせりふ。備忘のため、抜き書き。作品のどこを読んでるんだって突っ込まれそうな気もする。引用はじめ。「たくさん噛むと唾液が出て虫歯予防になるし、脳の活性化にもつながる」「先のことはわからないからなんとも言えないが・・・。何になるかより、何をやるかのほうが大事だと思っている」(何になるかより、何をやるかが重要)「慶彦のことを『パパ』と呼び、帰宅すると玄関までてちてち出てきて抱きついてきたものだ。」(はじめて耳にする言葉、【てちてち】歩く。急がず歩くとき。ハム太郎が歩くときに言うそうです(`・ω・´)ハム太郎って何だ?)「これは裏垢っていって、いつも使ってないアカウントなの。インスタはいくつもアカウントを作れるんだよ」(ウラアカは、「裏のアカウ...明日は明日の風が吹くLongGood-bye2024・02・17

  • 継続は力なり Long Good-bye 2024・02・15

    今日の「お気に入り」は、海外在住のママさんのブログで見掛けた、日常会話で使う英語表現をいくつか。備忘のため、メモ。後期高齢者になって今更という気がしないでもないが、色んな言い回しができる方が、コミュニケーション豊かで、楽しいような気もする。お勉強、お勉強。引用はじめ。「『何度も』と英語で言いたいときは?・I’msorryfortakingupsomuchofyourtime.・Iapologiseforaskingagain.・Idoappreciateyourrepeatedexplanations.・I’msorrytobotheryouagain.・Pleaseexcuseallthequestions.」「againandagain・Myproposalfortheprojectwasreject...継続は力なりLongGood-bye2024・02・15

  • 夏への扉 Long Good-bye 2024・02・13

    今日の「お気に入り」は、アメリカのSF作家ロバート・A・ハインライン(1907-1988)が1956年に発表したSF小説「夏への扉」(TheDoorintoSummer)。タイムトラベル、タイムスリップもののご本家、元祖みたいな本で、何かと考えさせられることがいっぱい詰まった、奥行きの深い小説。インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」では以下のように紹介されている。引用はじめ。「『夏への扉』(なつへのとびら、原題:TheDoorintoSummer)は、アメリカのSF作家ロバート・A・ハインラインが1956年に発表したSF小説。『ザ・マガジン・オヴ・ファンタジイ・アンド・サイエンス・フィクション』(TheMagazineofFantasy&ScienceFiction)誌に同年10月から12月まで...夏への扉LongGood-bye2024・02・13

  • 不適切にもほどがある Long Good-bye 2024・02・11

    今日の「お気に入り」は、ネット検索して、心に残り、備忘のため、メモした言葉や事柄。最近は、三歩歩めば記憶が飛ぶほど、近時記憶の能力が衰えている。そのくせ、暫くして何かの拍子にはっと思い出すことも多い。キーワードに出くわすと、昔のことも芋ずる式に思い出す。まだら○○だな、こりゃきっと。何故メモしたかを覚えておくためブログに記録。記録したこともすぐ忘れるけれど。大半は、吐いて捨てるほどある、ウィキ情報。「不適切にもほどがある」(TBSの金曜よる10時からのクドカンの金曜ドラマのタイトル。就寝時刻と重なるので、リアルタイムでは視聴できないけれど、タイトルには惹かれる。世の中の有り様見ててそう思う。時代は変わっても人間界の「セクハラ」、「モラハラ」、「パワハラ」の氾濫に変わりはない。官にも民にも天下りはあるし、キ...不適切にもほどがあるLongGood-bye2024・02・11

  • ファーゴ ( テレビドラマ ) Long Good-bye 2024・02・09

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「ファーゴ(テレビドラマ)」。この米国発のテレビドラマ『FARGO/ファーゴ』は、シリーズもので、以前そのシーズン1~4をAm*z*nPrimeVideoで視聴したが、今回視聴したのは、このシュールなサスペンスドラマのシーズン5。10のエピソードから成る。評価は分かれるかも知れないが、シーズン1~4同様、結構楽しめる作品に仕上がっている。登場人物は破天荒ながら、アメリカなら十分ありそうな話で、リアリティがある。人がよく殺されるので、要注意。ウィキ情報によれば、シーズン5のあらすじは、次の通り。「2019年のミネソタ州とノースダコタ州を舞台にする。ノースダコタ州スターク郡の保安官で農場主のロイ・ティルマンは、最初の妻リンダを虐...ファーゴ(テレビドラマ)LongGood-bye2024・02・09

  • ピーナッツ Long Good-bye 2024・02・07

    今日の「お気に入り」。”INTHEBOOKOFLIFE,THEANSWERSARENOTINTHEBACK."(CharlieBrown)「人生という本にはうしろのほうに答えが書いてあるわけじゃない」あるいは「人生という本の中では答えはうしろにはない」。(ついでながらの筆者註:「チャーリー・ブラウン(CharlieBrown)は漫画『ピーナッツ』及びアニメ『スヌーピーとチャーリー・ブラウン』の主人公である。キャラクタースヌーピーの飼い主であり、妹はサリー。両親はいるようだが、他の大人と同様作中には姿を見せない。親友は毛布を片時も手放さないライナス。級友であるルーシーにいつも小煩く言われたり丸め込まれたりされている。チャーリーという名前から、読者からはよくチャールズ・M・シュルツの分身と思われているが、チャ...ピーナッツLongGood-bye2024・02・07

  • あなたのこころに Long Good-bye 2024・02・04

    今日の「お気に入り」は、早朝のラジオ番組で久々に耳にした楽曲「あなたの心に」。作詞者である中山千夏さんご自身の張りのある歌声が、早朝の電波を通じて、流れてきたのです。音源がいいようで、フルコーラス、聞き入りました。「あなたの心に風があるなら・・・あなたの心に空があるなら・・・あなたの心に海があるなら・・・(^^♪」(´_ゝ`)(ついでながらの筆者註:「『あなたの心に』は、1969年9月1日に発売された中山千夏のデビュー・シングル。(ビクターレコード)解説作詞は中山自身、作曲は都倉俊一による。都倉にとって作曲家としてのデビュー曲となった。都倉は、本作の印税で「真っ赤なフェアレディZ」を買ったエピソードが、阿久悠の著作『夢を喰った男たち』に載っている。吉田拓郎はアマチュア期の広島フォーク村時代のコンサートレパ...あなたのこころにLongGood-bye2024・02・04

  • 祇園精舎 Long Good-bye 2024・02・02

    今日の「お気に入り」は、「平家物語」の冒頭「祇園精舎」のくだり。「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる人も久しからず、唯春の夜の夢の如し。猛き者もつひには滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。」。(´_ゝ`)。(ついでながらの筆者註:「『平家物語』(へいけものがたり)は日本における作者不詳の軍記物語である。鎌倉時代に成立したとされ、平家の栄華と没落、武士階級の台頭などが描かれている。概要保元の乱および平治の乱に勝利した平家と敗れた源氏の対照的な姿、その後の源平の戦いから平家の滅亡、そして没落しはじめた平安貴族と新たに台頭した武士たちの人間模様などを描いた。」「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ、Jetavana-vihāra)、正式名:祇樹給孤独園精舎(ぎじゅぎっこどくおん...祇園精舎LongGood-bye2024・02・02

  • つれづれなるままに Long Good-bye 2024・01・31

    今日の「お気に入り」は、吉田兼好の「徒然草」の冒頭のくだり。「『徒然草』序段つれづれなるまゝに、日くらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。」(´_ゝ`)(ついでながらの筆者註:「『徒然草』(つれづれぐさ)は、卜部兼好(兼好法師、兼好、吉田兼好)が書いたとされる随筆。清少納言『枕草子』、鴨長明『方丈記』とならび日本三大随筆の一つと評価されている。」「作品の名にもとられる書き出しの『つれづれ』(徒然)は『やるべき事がなくて、手持ち無沙汰なさま』を意味する。『つれづれなり』と『よしなしごと』や、『書き付く』は先行する文学にも用いられている組合せであり、作品および自己を卑下する謙遜の辞である。」「兼好を作者とするのが僧・正徹(後述)以来、定説になってい...つれづれなるままにLongGood-bye2024・01・31

  • 春はあけぼの Long Good-bye 2024・01・29

    今日の「お気に入り」は、清少納言の「枕草子」の冒頭のくだり。「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちにな...春はあけぼのLongGood-bye2024・01・29

  • 片手は常に空けておけ Long Good-bye 2024・01・27

    今日の「お気に入り」は、政治家石橋湛山(1884-1973)の言葉(再録)。「人生とは飽くまでも生存を目的とした順応の経過に他ならない。」「哲学、宗教、科学、文芸、その他百般の人生の現象はただことごとく境遇順応の手段、即ち生活する為に起こったものに過ぎない。このほかに意味はない。」(´_ゝ`)閑話休題。西村博之さん(1976.11.16-)の著書「1%の努力」の中にこんなくだりがあります。「僕は、人生に『生きる意味』は存在しないと考えている。虫や細菌に生きる意味がないのと一緒で、地球上の生物は地球の熱循環システムの一部としての機能を果たしているだけだ。ただ、そう考えることで、『じゃあ死ぬまでにできるだけ楽しく暮らすほうがいいな』と思うことができる。幸せの総量を増やすことを目標にすればいいのだ。」「昭和の時...片手は常に空けておけLongGood-bye2024・01・27

  • 泡沫 うたかた 水の泡 Long Good-bye 2024・01・25

    今日の「お気に入り」は、鎌倉時代の随筆、鴨長明の「方丈記」の冒頭のくだり。「徒然草」兼好法師、「枕草子」清少納言とならぶ「古典日本三大随筆」に数えられるとか。「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。(「しかも」は現代文のようでかたい感じ。「又」の方がいいような。)よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし。世中にある、人と栖(すみか)と、又かくのごとし。たましきの都のうちに、棟(むね)を並べ、甍を争へる、高き、いやしき人の住ひは、世々を経て、尽きせぬ物なれど、是をまことかと尋れば、昔しありし家は稀なり。或は去年(こぞ)焼けて今年つくれり。或は大家(おほいへ)ほろびて小家(こいへ)となる。住む人も是に同じ。所もかはらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人が...泡沫うたかた水の泡LongGood-bye2024・01・25

  • 立つ鳥跡を濁す Long Good-bye 2024・01・23

    今日の「お気に入り」は、ことわざ「立つ鳥跡を濁さず」。去っていく者は、跡が見苦しくないように始末してから出立しなくてはならないというたとえ。また、引き際がいさぎよく、さわやかなたとえとか。英語だと、”Abirddoesnotfoulthenestthatitisabouttoleave.(いま巣立たんとする鳥は古巣を汚したりはしない)”だとか。”It’sanillbirdthatfoulsitsownnest.”は「自分の巣を汚す鳥は悪い鳥だ」という意味の、英語の慣用表現であるらしい。”thekingfisherwasoneofthefewbirdsthatfoulsitsownnest.(カワセミは自分の巣を不潔なままにしておく珍しい種だった)”なんて表現もみかけたがホントかどうかは知らない。kingf...立つ鳥跡を濁すLongGood-bye2024・01・23

  • おじいさんに聞いた話 つづき Long Good-bye 2024・01・21

    今日の「お気に入り」は、「おじいさんに聞いた話」(トーン・テレヘン著、長山さき訳、新潮社刊)の一節。気になるくだりをメモしている。備忘のため、二度読み三度読みした上で、抜き書き。引用はじめ。「『ロシアではある日突然はじまることがたくさんあるんだ』と祖父は言った。」(´_ゝ`)「『母親が八人子どもをもっていたとしよう。十人でも十六人でもかまわない。そのなかの一人だけ、人生で悪い終わりを迎えるとしたら――酒に溺れる、賭けごとで金を失う、悪い連中とつきあう、酔っぱらって誰かを殴り殺す――、それは母親にいちばん愛されていた子どもなんだ』と祖父は言った。『それが掟なんだよ』祖父はぼくを見つめて言った。『いつでも必ず誰か一人は悪い終わりを迎えるものなんだ。それも掟だ』」(* ̄- ̄)「ぼくが人生で悪い終わりを迎えるとし...おじいさんに聞いた話つづきLongGood-bye2024・01・21

  • おじいさんに聞いた話 つづき Long Good-bye 2024・01・19

    今日の「お気に入り」は、トーン・テレヘン著、長山さき訳「おじいさんに聞いた話」の一節。備忘のため抜き書き。引用はじめ。「祖母の留守中に、フィンランドのイマトラの滝の話を祖父が聞かせてくれた。ヴィボルグに一家の夏の家(ダーチャ)があって、そこからイマトラを訪れていたそうだ。川の上流から木の樽や綱の解けたボートが流れてきて、何千もの破片となって祖父のいる川辺に漂着することがあった。滝の音はつんざくように大きく、風のない日には四十キロ離れた場所でも聞こえるほどだった。ある日、祖父は祖母とそこを訪れた。二人は数週間前に知りあったばかりだった。太陽が輝き、二人は下流の川辺に坐っていた。サンドイッチとスイカを持ってきていた。滝の音のせいで会話はできなかった。『だから、ほほ笑みあっていただけだった』と祖父は言ったその日...おじいさんに聞いた話つづきLongGood-bye2024・01・19

  • おじいさんに聞いた話 つづき Long Good-bye 2024・01・17

    今日の「お気に入り」は、「おじいさんに聞いた話」(トーン・テレヘン著、長山さき訳新潮社刊)。気になるくだりをメモしている。備忘のため、二度読み三度読みした上で、抜き書きする。コピペはしない。以下は、とびとびに抜き書きしたいくつかの訳文。引用はじめ。「ロシアでなにかがハッピーエンドとなることはあるのだろうか、とぼくは思った。あったとしても、祖父はけっしてそんな話はしなかった。」(´_ゝ`)「『罪なしに栄えるものはない』祖父はそうも言った。まるで、青い字で皿に描いて壁に飾るのにふさわしいような、教訓的な言葉だった。神なしに、あるいは罪なしに・・・そのちがいはほとんどない。」(´_ゝ`)「・・・祖父はぼくにしあわせと悲しみのちがいを説明しようとした。『悲しみの真ん中にいるときには、いつか悲しくなくなるとは想像も...おじいさんに聞いた話つづきLongGood-bye2024・01・17

  • おじいさんに聞いた話 Long Good-bye 2024・01・15

    今日の「お気に入り」は、今読み進めている短編小説集「おじいさんに聞いた話」(トーン・テレヘン著、長山さき訳新潮社刊)。気になるくだりをメモしている。備忘のための抜き書き。「ぼくが六歳くらいのとき、祖父が魔女のお話を聞かせてくれた」で始まる「小さな魔女」と題したエピソードを興味深く読んだ。やや長文なので抜き書きは止めにした。同じく抜き書きはしなかったが、「裸の皇帝」と題した一篇も秀逸。以下は、作者の祖父のプロフィールを含む「死ぬこと」の一節。「聞き書き」の体裁をとった創作小説。引用はじめ。「祖父は陰鬱な男だった。詩人か植物学者になりたかったにもかかわらず商売を職としたこと、心から愛したロシアから亡命しなければならなかったこと、戦時中、二人の息子を亡くしたことなど、人生の逆境によってそうなっただけではなく、子...おじいさんに聞いた話LongGood-bye2024・01・15

  • 忘れられた日本人 つづき Long Good-bye 2024・01・09

    今日の「お気に入り」は、宮本常一(1907-1981)さんの著書「忘れられた日本人」(岩波書店刊)の中から「梶田富五郎翁」と題した小文の一節。「あとがき」、「解説」を含めて、読了。備忘のため、梶田富五郎翁の「語り」(部分)を抜き書き。引用はじめ。「やっぱり世の中で一ばんえらいのが人間のようでごいす。わしはその頃もう嫁をもろうて、この土地の土になる気になって、漁師だけでは食えんから、子供の時になろうた菓子のつくり方を家内におしえて、わしは沖へ出る、家内は家で菓子をつくって商いをする、とまァそないにしてつつましう暮しをたてて来やしたがのう。はァ、おもしろいこともかなしいこともえっとありましたわい。しかし能も何にもない人間じゃけに、おもしろいということも漁のおもしろみぐらいのもの、かなしみというても、家内に不幸...忘れられた日本人つづきLongGood-bye2024・01・09

  • 忘れられた日本人 Long Good-bye 2024・01・06

    今日の「お気に入り」は、宮本常一(1907-1981)さんの著書「忘れられた日本人」(岩波書店刊)の中から「私の祖父」と題した小文の一節。祖父とは、宮本常一さんの祖父宮本市五郎さんのことである。年初から読み進めている。ドキュメンタリーなんだけど、純文学みたいな、よくわからない面白い電子書籍の一節。備忘のため抜き書き。引用はじめ。「市五郎はいつも朝四時にはおきた。それから山へいって一仕事してかえって来て朝飯をたべる。朝飯といってもお粥である。それから田畑の仕事に出かける。昼まではみっちり働いて、昼食がすむと、夏ならば三時まで昼寝をし、コビルマをたべてまた田畑に出かける。そしてくらくなるまで働く。雨の日は藁仕事をし、夜もまたしばらくは夜なべをした。祭の日も午前中は働いた。その上時間があれば日雇稼に出た。明治の...忘れられた日本人LongGood-bye2024・01・06

  • 有楽町で逢いましょう Long Good-bye 2023・12・31

    今日の「お気に入り」は、いつだったかメモっておいたゴリラ祭-ズの「有楽町のうた」。大晦日の今日とも、そして「有楽町で逢いましょう🎶」とも何の関係もありません。国鉄有楽町駅で、国電降りて、「駅から5分」の会社に通った日々がありました。有楽町駅界隈は懐かしい街。入社したての、今から50年以上も前の1970年代のことですけれど。ビルの建て替えや再開発で、丸の内仲通りも昔日の面影はないのかも。20年近く行ってないなあ。(´_ゝ`)引用はじめ。「ビラ配りをかわしながら(^^♪おしゃべりする学生たち老夫婦はベンチの隅お昼のこと考えてる大人になれば行ける場所子どものころ夢見たとこつないでゆくんだな伸びるビルの下ゆーらゆらゆら有楽町(^^♪輝くような未来へゆーらゆらゆら有楽町つながるような気がしているよ古時計はこんな時も...有楽町で逢いましょうLongGood-bye2023・12・31

  • 水 Long Good-bye 2023・12・30

    今日の「お気に入り」は、ネットで読んだ「ドバイの水事情」ほかの記事。オイルマネーに物言わせ、最先端の文明を謳歌している、「共同富裕」など頭の片隅にもない、そんな国々のお話。記事の中身を、適宜取捨抜粋して、以下に引用します。順不同。引用はじめ。「砂漠と聞いてどんなシーンを思い浮かべますか?『脱水状態でさまよっていて、遠くにオアシスを見つける、でもそこに行ってみるとオアシスはなく、それは蜃気楼(蜃気楼、mirage、海市蜃楼)だった・・・』というように『水が少ない』というイメージから想像するシーンが多いのではないでしょうか。しかし実は、ドバイの水の生産量はサウジアラビアに続き、世界第2位です。大型造水プラントで世界初の多段式フラッシュ法という技術を使って脱塩処理を行い、海洋深層水を24時間淡水化しています。」...水LongGood-bye2023・12・30

  • 神奈川沖浪裏 Long Good-bye 2023・12・29

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「神奈川沖浪裏」。(´_ゝ`)この図柄のクリスマス・カードを永年使ってきたので、馴染み深く、思い入れもある、葛飾北斎の「富嶽三十六景」中の一図。「凱風快晴」と並んで好きな浮世絵。今年はそのクリスマス・カードも使い納め。(´_ゝ`)フー。引用はじめ。「『神奈川沖浪裏』(かながわおきなみうら)は、葛飾北斎の名所浮世絵揃物『富嶽三十六景』全46図中の1図。現在は『神奈川沖波裏』とも表記する。横大判錦絵。『凱風快晴』『山下白雨』と合わせて三大役物と呼ばれる同シリーズ中の傑作で、画業全体を通して見ても最も広く世界に知られている代表作である。」(´_ゝ`)(絵の解説は以上でいい。作品を見ればわかるので、以下は「蛇足」。お忙しい向きは、読...神奈川沖浪裏LongGood-bye2023・12・29

  • www Long Good-bye 2023・12・26

    クリスマスが明けての、今日の「お気に入り」は、今年一年、折にふれて、備忘のため、メモった言葉や事ども(の一部)。何故メモしたかは失念しました。順不同。・placeboeffect発音はプラシーボ・イフェクト。プラセボ効果あるいはプラシーボ効果。有効成分が含まれていない薬剤(偽薬、プラセボともいわれる)によって、症状の改善や副作用(偽薬のまされる人可哀相!?)の出現が見られること。偽薬効果ともいわれる。プラセボ効果が起こる理由は明らかになっていないが、暗示や自然治癒力などが背景にあると考えられている。(明らかにしてないだけ?!)・non-alcoholic未練だな。・coelacanthiformesシーラカンス(学名)のスペルを初めて知った。「シーラカンスは、人間の食料としては不適切な類となる。シーラカン...wwwLongGood-bye2023・12・26

  • 青い壺 Long Good-bye 2023・12・23

    今日の「お気に入り」は、有吉佐和子さんの小説「青い壺」。ひとりの陶芸家が焼き上げた、ひとつのうつくしい「青い壺」をめぐる十三の連作短編集。この小説には、今日ではほとんど目にも耳にもしなくなった日本語表現がいくつも出てくる。たとえば、「とつおいつ思案して、・・・」。「とつおいつ」というのは、「あれこれと迷って決心のつかないさま」あるいは「あれこれと思い迷う様子」を表す副詞で「取りつ置きつ」が音変化したものとか。小説の中の一篇に登場する老婆二人が新幹線車内で交わす会話に出てくる言葉に「お獅子にした蜜柑」という表現がある。かつてあったという方が正確か。確かに「蜜柑をお獅子(おしし)にする」という明治生まれの母の言葉を、幼い頃の冬の今頃、耳にした記憶が筆者にはある。東京方言辞典には、「オシシ」とは「蜜柑(みかん)...青い壺LongGood-bye2023・12・23

  • 寺尾関 Long Good-bye 2023・12・21

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「寺尾常史」から。適宜抜粋して引用する。引用はじめ。「寺尾常史(てらおつねふみ、1963年〈昭和38年〉2月2日-2023年〈令和5年〉12月17日)は、鹿児島県姶良郡加治木町(現在の姶良市)出身(出生地は東京都墨田区)で井筒部屋所属の元大相撲力士。得意技は突っ張り、押し、いなし、叩き、下手投げ。最高位は東関脇。本名は福薗好文(ふくぞのよしふみ)。身長185cm、体重116kg。引退後は年寄・錣山となり、井筒部屋部屋付き親方を経て、(しころやま)分家独立し、錣山部屋の師匠として指導にあたった。角界での愛称は『土俵の鉄人』、『アビ』、血液型はA型、趣味はパチンコ、音楽鑑賞、ゴルフ。」(´_ゝ`)「自身が生まれたばかりの頃、井筒...寺尾関LongGood-bye2023・12・21

  • 樅ノ木は残った Long Good-bye 2023・12・19

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「山本周五郎」から。適宜抜粋して引用する。引用はじめ。「山本周五郎(やまもとしゅうごろう、1903年(明治36年)6月22日-1967年(昭和42年)2月14日)は、日本の小説家。本名:清水三十六(しみずさとむ)。質店の徒弟、雑誌記者などを経て文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説を書いた。」(´_ゝ`)「経歴1903年(明治36年)6月22日、山梨県北都留郡初狩村(現:大月市初狩町下初狩)に生まれる。父は清水逸太郎、母は『とく』(旧姓・坂本)。周五郎は長男(弟の潔、義妹の末子がある)。本籍地は北巨摩郡大草村(現:韮崎市大草町)で、周五郎は後に自らの出生地を同地と語っている。実家は武田の...樅ノ木は残ったLongGood-bye2023・12・19

  • ながい坂 Long Good-bye 2023・12・17

    今日の「お気に入り」は、山田太一さん(1934-2023)のエッセイ「夕暮れの時間に」から「三つほどのこと――山本周五郎について」と題した小文の一節。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「・・・氏は二度の結婚をなさっている。はじめの夫人は氏が四十一歳の時に病没して、その翌年に最後までの夫人きんさんと再婚されている。そのきんさんの『夫山本周五郎』という回想記は「これ以上は、面倒はみられない、というくらいに主人(うち)の世話はした気持です(略)ああもしてやりたかった、こうもしてあげたかった、という後悔はありません。主人(うち)としても、『ぼくみたいにしあわせものはない』と今でも思ってくれているのではないか、と思うんです」というさっぱりした、気持のいいもので、子連れの男と一緒になった初婚の女性の苦労などはほとんど...ながい坂LongGood-bye2023・12・17

  • 東京物語 Long Good-bye 2023・12・14

    今日の「お気に入り」は、山田太一さんのエッセイ「夕暮れの時間に」から「小津の戦争」と題した小文。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「長いこと『東京物語』の瑕瑾(かきん)のように思っていた台詞(せりふ)がある。周吉(笠智衆)が紀子(原節子)に、もう戦死した息子のことは忘れてくれ、『ええとこ』があったら、いつでもお嫁に行っておくれというと、紀子が『私ずるいんです』という。そんな『いい人間じゃない』という。『いつも昌二さん(亡夫)のことばっかり考えているわけじゃありません』『思い出さない日さえあるんです。忘れてる日が多いんです』と。それを『ずるい』というように自分から三度もいうのである。夫の死から八年がたっている。いつも亡夫のことばかり考えていないのは当然であり思い出さない日があるのも当然であり、それを『ずるい...東京物語LongGood-bye2023・12・14

  • 心がいたむ Long Good-bye 2023・12・12

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「横田めぐみ」さん。引用はじめ。「横田めぐみ(よこためぐみ、1964年〈昭和39年〉10月5日-)は、北朝鮮による拉致被害者、政府認定の拉致被害者。中学1年生(13歳)のとき、部活動を終えて帰宅するところを拉致されたとされる。人物父・滋に抱き上げられる横田めぐみ(1965年3月撮影)(写真略)年譜1964年(昭和39年)10月5日:日本銀行職員の父・滋と母・早紀江の長女として、名古屋市の聖霊病院で生まれる。以後、父・滋の転勤により東京都品川区や広島市に転居。広島時代は、特別な道具がなくても葉っぱや木、石などを使ってさまざまな遊びを考え出す子どもであった。1976年(昭和51年)7月23日:新潟市に転居する。静かな住宅地で、近...心がいたむLongGood-bye2023・12・12

  • おせち料理 Long Good-bye 2023・12・10

    今日の「お気に入り」は、沢村貞子さん(1908-1996)のエッセイ(1908年は、明治41年)「わたしの献立日記」(中公文庫)から「お正月」と題した小文の一節。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「・・・四十二年から書き始めた献立日記は毎年、暮の三十日(四十二年は昭和、1967年のこと)からお正月五日までは空白――ただ、『旅行』となっている。一年中、台所に立っている女の人にとって割烹旅館のお正月は、なんとも楽しい。朝、ゆっくり起きてお風呂へはいり、きれいに掃除された部屋に坐れば、上げ膳、据え膳――目出たく凝った山海の珍味が目の前にスッと出てくるのだから・・・なんともらくちん。」(中略)「・・・俳優にとって、暮からお正月は身体がいくつあっても足りない書き入れどき――脇役もそれなりに、あれこれ仕事がはいってき...おせち料理LongGood-bye2023・12・10

  • ぬか漬け Long Good-bye 2023・12・07

    今日の「お気に入り」は、沢村貞子さん(1908-1996)のエッセイ「わたしの献立日記」(中公文庫)から「寒暖計」と題した小文の一節。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「うちの台所の寒暖計は、細い柱からはみ出すほど大きい。使い慣れた小型のものを五年ほど前に取りかえたのは――老眼のためである。献立日記二十二冊目(五十七年)からは、日附、お天気のほかに温度もつけるようになった。毎朝八時、ゴミ袋を外へ出すとき、たしかめることにしている。」(´_ゝ`)「ぬか漬けの味のよしあしは、ぬか床の中の酵母菌と酸菌の戦争の結果だという。朝晩、よくよくかきまぜて酸素を充分ふくませれば、酵母菌の勢がまして、よい味になるし、何日も放っておけば、酸菌が威張り出して、鼻をつくような酸っぱい匂いがする。台所仕事ばかりしている奥さんを、『...ぬか漬けLongGood-bye2023・12・07

  • 人の行く裏に道あり花の山 Long Good-bye 2023・12・05

    今日の「お気に入り」。「人の行く裏に道あり花の山」「座して食らえば山も空し」(´_ゝ`)「人の行く裏に道あり花の山」は、証券業協会のホームページの「相場格言集」の筆頭に載ってる株式投資の格言。人並みにやっていたのでは、人並みの結果しか得られない。付和雷同では大きな成功は得られないという意味合いの相場格言だそうな。――"Buywhenotherssell;Sellwhenothersbuy."株屋さんのしょうむない格言はおいといて、次なるうた、仮名書きで「ひとのゆくうらにみちありはなのやま」でとめておけばいいものを・・・。「人の行く裏に道あり花の山いずれを往くも散らぬ間に行け(千利休)」(千利休さんの作かどうかは疑問なそう。たしかに下の句は功利的な感じ、でも、千利休さん、もともと堺の商人、事績を読むとなんと...人の行く裏に道あり花の山LongGood-bye2023・12・05

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・12・03

    今日の「お気に入り」は、沢村貞子さん(1908-1996)のエッセイ「老いの楽しみ」(筑摩書房刊)から。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「近頃は若い人の間にも難聴者がふえたらしい。街に溢れる自動車、速さを競うオートバイ、民家の真上で訓練する軍用機など、・・・文化国家は、なんとも騒々しい。そのせいで、若い人たちの鋭敏な耳も、早く疲れてしまうのかも知れない。まして、永い間、働き続けた老人たちの耳は。」(中略)「寺田寅彦先生は、随筆の一節に、『人間は見たくないものには、眼をつむることができる。しかし、聴きたくないことに耳をふさぐことはできない。これは不思議なことだ』とお書きになっているそうな・・・。それを考えると・・・難聴も満更ではないし、補聴器もなかなか楽しい。寺田先生がおできにならないことができた、という...抜き書きLongGood-bye2023・12・03

  • 菊膾 Long Good-bye 2023・12・01

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」(新潮社刊)から「金木犀を食べる草野心平『口福無限』」と題した小文の一節。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「まるで星屑だ。金木犀のちいさな花が路上にいっぱいこぼれている。遠目から見ると、枇杷いろの飛沫が飛び散ったようにも映る。つい一週間まえ、ことしも金木犀の香りがあたりにむせかえった。わたしの住む町には金木犀の木がとても多くて、見上げると葉陰に枇杷いろがびっしり。歩いても歩いても香りが途切れない。それどころか濃密になるいっぽう。金木犀の甘い香りは、しだいに胸に溜まってくる。最初は甘くて芳しいと思っていたらとんでもない。むっちり膨らんで密度を増して溜まり、覆いかぶさって迫られてしまうのだ。あげく、どんどん息苦しくなってくる。そんな話をしたら、...菊膾LongGood-bye2023・12・01

  • それにつけても 金の欲しさよ Long Good-bye 2023・11・30

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「狂歌」。(´_ゝ`)引用はじめ。「狂歌(きょうか)とは、社会風刺や皮肉、滑稽を盛り込み、五・七・五・七・七の音で構成した諧謔形式の短歌(和歌)。歴史狂歌の起こりは古代・中世に遡り、狂歌という言葉自体は平安時代に用例があるという。落書(らくしょ)などもその系譜に含めて考えることができる。独自の分野として発達したのは江戸時代中期で、享保年間に上方で活躍した鯛屋貞柳などが知られる。特筆されるのは江戸の天明狂歌の時代で、狂歌がひとつの社会現象化した。そのきっかけとなったのが、明和4年(1767年)に当時19歳の大田南畝(蜀山人)が著した狂詩集『寝惚先生文集』で、そこには平賀源内が序文を寄せている。明和6年(1769年)には唐衣橘洲...それにつけても金の欲しさよLongGood-bye2023・11・30

  • 溶き玉子 Long Good-bye 2023・11・29

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」(新潮社刊)から、「つめたい茶碗むし」のレシピ。ぎんなん、鶏肉、椎茸、竹の子、蒲鉾、三つ葉・・・入れなくても、好き。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「卵一個につき百三十ccのだし、二、三滴醤油、酒、塩。いったんざるで濾(こ)して碗に注ぎ分け、蒸籠(せいろ)で十三分ほど蒸す。中身はとくに入れない。碗のまま冷やせば、真夏のおつな味ができあがる。」引用おわり。(´_ゝ`)鳥インフルもあって、この一年、たまごの値段もずいぶん上がったが、それでも毎日の食卓に欠かすことの出来ない、とても大事な万能食材。生卵で卵かけご飯、にぬき、・・・。幼い頃、「にぬき」と言ってたゆでたまご。(ついでながらの筆者註:「にぬきたまご日本語名詞【煮抜き卵、煮抜き玉子】固茹で...溶き玉子LongGood-bye2023・11・29

  • 倦まずたゆまず ほどほどに Long Good-bye 2023・11・27

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」(新潮社刊)から。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。(「倦まずたゆまず」と題した小文の一節)「だいじなともだちが亡くなったその通夜の帰り、数人でちいさなレストランに寄った。報せを受けて準備をあれこれ手伝った者どうし、ひとまず腰を落ち着けましょうという話になったのである。とはいえ肉を食べる元気はでてこず、焼いた熱いチーズをのせたサラダ、自家製のハムなどをえらんだ。『じゃあ献杯』と唱えながら白ワインでくちびるを湿らせると、冷たさと酸味がひとすじの流れとなって胃の腑へ滑り降りてゆき、すると、はっと我に返るような衝撃があった。驚いてふたくち、みくち続けて飲み、塩漬けのオリーブにも手を伸ばすと、熟成した黒い実の濃厚なこくが口腔を充たす。とたんに血がどく...倦まずたゆまずほどほどにLongGood-bye2023・11・27

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・25

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」(新潮社刊)から「背後の気配」と題した小文の一節。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「がさり。背中のうしろでかすかな音が鳴った。辻角のちいさな駐車場にひとりで立っている。連れはさっき料金を支払いに行ったから、ほかに誰もいないはずなのに、あわてて振り返ってみるとやっぱりだれもおらず、空耳だったのだと思い直す。ばさっ、がさがさ。こんどは風を孕んだ、ふくらものあるおおきな音だ。どうやら空耳ではなかったようだ。急に落ち着きをなくし、音の正体を捕まえようとあたりを見回す。用心ぶかく背後をにらみながら、はんぶん脅えて視線を彷徨わせると――。なーんだ。スーパーのレジ袋がふくらんで転がっており、内側に風が吹きこむたび宙に浮いて騒いでいる、その音なのだった。風...抜き書きLongGood-bye2023・11・25

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・23

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」(新潮社刊)から「冷える。冴える。晴れる。」と題した小文の一節。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「露こおるような日、ふと口ずさみたくなる歌もある。それが『冬景色』。一番はちりちりとした冷えが冴え渡り、いっそすがすがしい。さ霧(ぎり)消ゆる湊江(みなとえ)の舟に白し、朝の霜。ただ水鳥(みずとり)の声はしていまだ覚めず、岸の家。『冬景色』は大正二年『尋常小学唱歌』に載せられた文部省唱歌なのだが、口ずさむたび、明治から大正へ引き継がれた日本人のこころの情景がしたしげに立ち現れる。つづく二番は、胸に冬のおだやかな陽ざしが射しこんでくるようだ。烏(からす)啼(な)きて木に高く、人は畑(はた)に麦を踏む。げに小春日ののどけしや。かえり咲(ざき)の花も見...抜き書きLongGood-bye2023・11・23

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・21

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」(新潮社刊)から「冷える。冴える。晴れる。」と題した小文の一節。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「口にするだけで、すっきり洗われような気分になる言葉がある。『ああ、せいせいした』自分が言うときも、だれかが言うのを聞くときも、勢いよく風が吹き抜けてゆく爽快を感じて『せいせいする』。長くごたついた離婚話にようやく片がついたともだちが、役所に届けを出して外にでた瞬間、飛び出た科白がこれなのよと言っていた。よくわかる。ぜんぶを振りきって残滓の一滴さえまとわりつかせない。きれいさっぱりとした快感がこの言葉にはある。」(´_ゝ`)「森鷗外の小説に『寒山拾得』という一編がある。どうにも気晴らしをしたくなると、むしょうにこの『寒山拾得』を読みたくなるという...抜き書きLongGood-bye2023・11・21

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・19

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」(新潮社刊)から「辛子をぴしり」と題した小文。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「辛子を溶くのは久しぶりのことだ。ぱかっと缶を開けてすくった黄いろの粉を小皿に入れ、用心深く湯滴をちょろりとたらす。そこへ箸を一本だけ差し入れ、くるくる手早く回して溶くと、つーんと鼻に抜けるあの鋭い香りが立ち昇ってくる。辛子の香り!なつかしいような、うれしいような。でもせっかくまた会えたのに、そんなに急いでどこへ消えてしまうの。鼻先から脳天へ駆け抜けてゆくところへ、声をかけたくなる。ここで遭ったが百年目、ゆめ逃すものか。小皿を逆さにひっくり返す。辛子片手に思わず前のめりになってしまうのは、菜の花のお浸しのためである。洗って切り分けた菜の花を、湯を沸かした小鍋でさっ...抜き書きLongGood-bye2023・11・19

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・17

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」(新潮社刊)から「ぎんのうを」と題した小文。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「サヨリはうすいサヨリはほそいぎんのうをサヨリきらりとひかれつきよのかはにだれだれでてるさざなみこなみちらりとひかれサヨリのうちはまみずかしおかつめたいサヨリみづのたまはけよサヨリはうすいサヨリはほそいぎんのうをサヨリおねえさまににてる『サヨリ』北原白秋さよりを見るたび、白秋のこの詩を思い出す。」引用おわり。(´_ゝ`)。抜き書きLongGood-bye2023・11・17

  • オノマトペ Long Good-bye 2023・11・16

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「擬声語」から。備忘のため、適宜抜粋して抜き書き。(´_ゝ`)引用はじめ。「擬声語(ぎせいご)とは、声などを字句で模倣したものである。本稿では便宜上、擬音語(ぎおんご)と擬態語(ぎたいご)の2つの総称として『擬声語』を見出しに使う。一般的に、擬音語と擬態語を総称してオノマトペという。擬音語は人、動物、物が発する音を表現し、擬態語は音がない雰囲気や状態を表現する。日本語では、擬音語や擬態語は副詞であるが、形容動詞としても用いられる(例『お腹がぺこぺこだ』)。なお、声帯模写(物真似)は、人や動物の声や様子を真似することであり、擬音語ではなく擬態語でもない。」(´_ゝ`)「擬音語例・メーメー(羊の鳴き声)・ブーブー(豚の鳴き声・ブ...オノマトペLongGood-bye2023・11・16

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・15

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」(新潮社刊)から「競馬新聞の中身」と題した小文。思いがけず出会った、サスペンスドラマ。擬音語、擬態語の多用が、この方の文章の一つの特色か。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「逢(お)う魔が時には魔物が通る。あの日、わたしは私鉄の始発新宿駅で電車に乗りこみ、出発をぼんやり待っていた。発車までまだ三分、乗客はひとりだけだ。ぶらりと男が入ってきた。痩せぎすの小柄な中年の男である。席はいくらでもあるのにわざわざ近くに立ち止まるから奇妙に思ったが、理由はすぐわかった。ちょうど網棚に競馬新聞が放置してある。それを目ざとく見つけてつかみ、そのままどかりと座席に腰を下ろしたのである。と、そのときだ。男が四つ折りの新聞を開いた瞬間、バネ仕掛けの人形のように全身...抜き書きLongGood-bye2023・11・15

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・13

    今日の「お気に入り」は、山田太一さんのエッセイ「夕暮れの時間に」(河出書房新社刊)から。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。(タイトル「脱・幸福論」の中から)「・・・若くて脚光を浴び、金が入ってもてもての人気者の幸福と、しがない六十代のテレビライターの時折横切る幸福感など比べようもないのだが、あっちは浅くてこっちは深い、などと思っている。これはたぶん生きるための必要なのだろう。人は時に浅薄であることで生きる力を得、時に深くあることでまた生きる力を得る。真相は、たぶん、どっちの幸福も等価なのだ。そう思って、幸福論などあまり推しすすめないようにしている。ひとの幸福を自分の幸福観で裁かない方がいい。裁きたいのも人情だから、ほどほどには仕方がないけれど、それは生理の必要でしているぐらいに思って丁度いいのではないか。...抜き書きLongGood-bye2023・11・13

  • 鮭の日 Long Good-bye 2023・11・11

    鮭の日の、今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」から「ほとびる」と題した小文の一節。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「箸でつまんだ梅干しをひとつ、湯呑みのなかに入れて熱い湯を注ぐ。しばらく待っていると、硬く身を閉ざしていた梅干しが伸びをするかのように、しだいにやわらかくなってくる。だんだんふくらんで、ほとびている。ほとびる。水を吸って膨れたりふやけたりするさまのこと。すっかり使われなくなってしまったけれど、ことばの情景は、じつはとても親しい。水に漬けた豆がほとびる。コーヒーに浸したパンの耳がほとびる。ことこと煮た蛸の皮がほとびる。しゃもじにへばりついて乾いた飯が盥のなかでほとびる――ただやわらかくなるのではない、水分がしだいに浸潤しながら緩やかにほどけ開いてゆくのである。森鷗外...鮭の日LongGood-bye2023・11・11

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・10

    今日の「お気に入り」は、どこかで見掛けてメモした言葉と、どなたかの邦訳。”Lifeisnothingbutacompetitiontobethecriminalratherthanthevictim.――BertrandRussel”「人生は被害者ではなく加害者になるための競争だ」(´_ゝ`)「エリス」も「ピロラ」も拡散中、「スギ花粉」も「黄砂」も「PM2.5」も相変わらず舞い飛んでるのに、マスクかけてる人めっきり減った。能天気、嗚呼脳天気。神無月に、老夫婦二人7回目接種を終え、もう霜月。もうすぐ師走。島根県出雲地方では、10月を神在月(かみありづき)と言うそうな。(ついでながらの筆者註:「第3代ラッセル伯爵バートランド・アーサー・ウィリアム・ラッセル(英:BertrandArthurWilliamRus...抜き書きLongGood-bye2023・11・10

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・08

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」から「宙ぶらりん」と題した小文。備忘のため、抜き書き。引用はじめ「カップから引き上げた熱いティバッグは、まぬけな振りこみたいだ。吸いこんだ湯の重みで細い紐がぴんと張り、ぶらんぶらん揺れる。足手まといな様子に映るのは、もはやいっさいの役目をすませてしまった用無しだからだ。なにしろ出し殻、だいじなものはぜんぶ出し尽くして、ここにはいない。かたちばかりになっているのに、ようするに事態にはすっかり決着がついてしまっているのに、こちらはさっさと気持ちに整理がつけられず、宙ぶらりん。これは、すこしつらい。」(中略)「旅先でプラプラ散歩しているとき、ふいに古い歌が口をついて出ることがある。とうの昔に忘れ果てていたはずの、またはじぶんが覚えていたことさえ忘れ...抜き書きLongGood-bye2023・11・08

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・06

    今日の「お気に入り」は、平松洋子さんのエッセイ「なつかしいひと」から「おうちへ帰ろう」と題した小文。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「師走にはいって数日が過ぎたころ、旧知のひとから便りがあった。そのなかにこんな一文が記されていた。『平松さんがいらしたのは一九九八年、雨がざあざあ降る日でしたね』二度、三度、目が繰りかえし読みたがった。雨がざあざあ降っていましたね。雨がざあざあ・・・。すると――。あれはたじろぐようなどしゃ降りだった。わざわざ駅まで出迎えに来てくれた車の助手席に座ると、右へ左へワイパーが律儀に首を振っていた・・・十一年前に降る雨がすがたを現しはじめたではないか。記憶の回路のふしぎに唖然とする。ただの空模様でしかなかったことが、文章ひとつで十一年を超え、記憶として飛来するのだから。いっぽう、繰...抜き書きLongGood-bye2023・11・06

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・04

    今日の「お気に入り」は、作家松家仁之さんの小説「沈むフランシス」。都会を離れての地方移住が今ほど盛んでなかった、10年ほど前の北海道を舞台とする作品。小説の主人公は、撫養(むよう)桂子(けいこ)、35歳。「む、よう、は、撫でて、養う、と書く。珍しい苗字。下の名前は、木へんに土をふたつ重ねた桂子。安知内(アンチナイ)という、北海道東部のとある村が物語の舞台。主人公の職業は郵便局の臨時雇いの郵便局員。村の公営住宅にひとり暮らす東京から移住して来た、訳あり女性」という設定。郵便配達に出かけるときは、赤いスズキジムニーの荷台に、ゆうパックやレターパックのストックを入れた水色のカゴを置き、切手シートとはがき、釣り銭の入った小さな手提げ金庫と郵便配達用のバッグを助手席に置く。几帳面な性格。中学時代の3年間、乳製品の会...抜き書きLongGood-bye2023・11・04

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・11・02

    今日の「お気に入り」は、帚木蓬生さんの「千日紅の恋人」の一節。この小説の女主人公は宗像時子(むなかたときこ)38歳。自分の名前について「わたしはいや。ずっと嫌い。ついでに言うと、宗像(むなかた)という姓も気に入らん。宗像時子なんて、戦国時代の奥方の名前よ。男運が悪かったのも、そのせいよ、きっと」と語っている。はじめの夫とは死別し、二度目の夫とは離婚し、六年前から「サンライズ」という名の福祉施設「特養」で月に20日ほど「ヘルパー」として働く傍ら、近くで独り暮らしをする母親宗像峰子が所有する、14世帯が入居する老朽化したアパートの「管理人」を務めている。毎月一回、アパートに住む14世帯から月家賃3万円を戸別訪問して集金して回る。父親が建て、父親亡きあと、今は七十代の母が所有する、小さなアパートを大事にして、細...抜き書きLongGood-bye2023・11・02

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・10・31

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「ファーゴ(テレビドラマ)」。Am*z*nPrimeVideoで最近視聴した米国発のテレビドラマ『FARGO/ファーゴ』。このシュールなサスペンスドラマのシリーズ1(シーズン1)は、今から9年前の2014年に公開されたという。寒冷地である米国中西部のミネソタ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州の州境付近、およびカンザス州とミズーリ州にまたがるカンザスシティがこのドラマのシリーズ1の舞台である。ごく普通の市民、警察官、マフィアが主要なキャストとなり、連続殺人事件に巻き込まれていく。シリーズ1(シーズン1)は、10話構成。各話(エピソード1~10)の冒頭に実話を基にしている旨のこんなテロップが映るのがお約束。日本語字幕THISIS...抜き書きLongGood-bye2023・10・31

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・10・29

    今日の「お気に入り」は、南木佳士さんのエッセイ「からだのままに」((株)文藝春秋刊)から、「からだ」と題した文章。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「第一線の現場で働く内科の臨床医となって初老と呼ばれる年代に深く入るまで生きてしまったのに、そして、たくさんの亡くなる人たちを見送ってきたのに、いまだに死に関する定まった視点を持ち得ないでいる。医者になりたてのころ、死は完璧に他者のものであり、こちらはたまたま臨終の場面に立ち会わねばならぬ職業についたまでで、やがては慣れるだろうとたかをくくっていた。中年にさしかかると、日々見慣れたはずの死が、じつは自分の背後にそっと迫っているのを知り、慄然とした。他者に起こることはすべてわたしにも起こりえるのだと肌身にしみた。本当の大人になるとはこういう大事を知ってしまうこと...抜き書きLongGood-bye2023・10・29

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・10・27

    今日の「お気に入り」は、山田太一さんのエッセイ「夕暮れの時間に」から「七番目の子ども」の一節。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「出生率が落ちている。『少子化対策』ということがいわれている。しかし、地球規模で見れば、エネルギーのためにも食糧のためにも、人口減少はあきらかにのぞましい傾向で、日本だけなんとかもう一度人口を増やして国力をつけようなんて、いかにも目先の経済の御都合主義で、子どもを産む人の幸不幸などとんと視野にないという気がする。第二次大戦中に、兵力の減少を心配して『生めよ、増やせよ』と提唱した政策を思い出す。戦死者が多いので、もっと産んで早く育てて次の戦力にしようというのだから随分バカにした話であった。それが敗戦となり、どっと海外にいた日本人が戻ってくると、今度はなんとか人口を減らそうとして、南...抜き書きLongGood-bye2023・10・27

  • テレッテレレレー(^^♪ Long Good-bye 2023・10・25

    今日の「お気に入り」は、インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」掲載の記事「地下室のメロディー」。一週間前にNHKBSPで視聴したアンリ・ヴェルヌイユ監督のフランス映画。久しぶりにみたジャン・ギャバンとアラン・ドロン。お馴染みのテーマ曲、テレッテレレレー(^^♪。フランス語版、日本語吹き替え版、何回も見た映画だけれど劇中の会話が古くさくない。鑑賞に耐えるモノクロ作品のひとつ。「『地下室のメロディー』(原題:Mélodieensous-sol)は、1963年製作のフランス映画。アラン・ドロンとジャン・ギャバンというフランス映画界の2大スターが共演した犯罪映画。1963年のゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞している。公開1963年3月19日、フランスで公開された。同年4月1日から10日にかけて第3...テレッテレレレー(^^♪LongGood-bye2023・10・25

  • 抜き書き Long Good-bye 2023・10・23

    今日の「お気に入り」は、山田太一さんのエッセイ「夕暮れの時間に」から「適応不全の大人から」の一節。備忘のため、抜き書き。引用はじめ。「私にはこのごろのテクノロジーの変化が病的に早く思えてならない。静かにその時々の変化や成果を味わう暇もなく、どしどし神経症のように新発明新ツールが次々現われては現在を否定する。その結果の新製品、新ツールも病的に細かい変化で、なくてもやっていけるものばかりどころか、ない方がよかったのではないかと、少し長い目で見ると人間をこわしてしまうような細部の発明を目先だけのことで流通させてしまう。あ、やってしまった。適応不全の老人が『昔はよかった』風なことは決していうまいと思っていたのに、いってしまった。もう仕様がない。そうなのである。私は便利さは感受性をのっぺりさせるし、豊かさは活力を奪...抜き書きLongGood-bye2023・10・23

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