8−9世8−9世紀に起きた数多くの地震とその被害に対して、時の朝廷、天皇はどのように対応したのか。特に、9世紀の貞観時代に起きた陸奥海溝津波と2011年の東日本大震災との関連にも言及する。奈良時代の天皇では、聖武、孝謙など天武直系の時代、その後は桓武とその直系の天皇たちの時代の地震、噴火をとりあげ、869年に起きた陸奥の国沖の地震ならびに海溝津波とその時代の清和の対応を詳述した。古代の歴史では疫病や飢饉と出来事の関連付けが多いが、地震や噴火は列島に暮らす人々にとっては非常に身近で生活に直結するものだった。この時代には朝鮮半島でも大きな地震があり、百済が滅亡した時代には新羅慶州で大地震があり、9-10世紀にも白頭山の大噴火の記録もあり、三陸沖、朝鮮半島、大陸の同緯度のマグマ活動との関連も議論されている。朝廷...歴史の中の大地動乱奈良平安の地震と天皇保立道久