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意志による楽観主義のための読書日記 https://blog.goo.ne.jp/tetsu814-august

面白きこともなき世を面白くするのは楽観力、意志に力を与えるのが良い本 *****必読****推奨**閑なれば*ム

意志による楽観主義のための読書日記
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2015/07/14

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  • 日本仏教の思想 受容と変容の千五百年史 立川武蔵 ***

    日本では仏教伝来以前からそれぞれの豪族の祖先の霊や農業神が結びついて氏神などとして崇拝されてきた。そこにもたらされたのが仏教であり、元来アニミズムであった土着の氏神様とは要素の異なる対立するものとして入ってきたとも考えられる。しかし実際には両者はお互い補い合うように受け入れられ、実際仏教も中国と朝鮮半島を経由することとあわせてインドの仏教とは異なる姿となった。そもそもインドにおける仏教でさえ多様であり、オリジナルの形から新派、大乗仏教、密教と変容している。日本での仏教の特徴は「諸法実相」、つまり、森羅万象が真実の姿、実相であると捉えた。眼前に見える樹木や岩、人間の身体こそがそのままで真実の姿であると。自然崇拝の神道形態と似ているとも思える。日本仏教における、諸法、実相に空、仏性というキーワードを加えて、解...日本仏教の思想受容と変容の千五百年史立川武蔵***

  • 日本史のミカタ 井上章一、本郷和人 ****

    日本史の「東西対決」のようで面白くよめる。歴史学者ではない井上章一の打つ変化サーブを、中世史が専門の歴史学者本郷和人が打ち返そうとするが、思わぬ変化をして、レシーブ球は隣のコートに返球されてしまう。史実を文書で裏取りするような地道な持久戦が得意な本郷は、井上の京都風の思いつき学説による空中戦に敵わない、と思ったら意外にもふんわりと受け止めて、最近の若手の不甲斐なさに矛先を逸らしたりすることで先輩を立てているし、井上先生の蘊蓄は読者にも思わぬ気づきを与えてくれる。応仁の乱以降、荘園からの上がりや天皇家からの補助が激減した伊勢神宮は、新たな収入源を求め、日本全国の民衆が「お伊勢参り」をするように、朝廷の神話と伝説を御師が全国に説いて回った。本居宣長などの学者よりも御師の力のほうがずっと強かったというのが井上説...日本史のミカタ井上章一、本郷和人****

  • 訂正する力 東浩紀 ****

    謝らない政治家、間違いを認めない官僚、こうした報道を見ていて本書を手に取った。発言を訂正できない理由は、一貫性の維持というアイデンティティに執着するから。一度口から出た発言をもとに議論を始めて、相手から発言の矛盾を突かれることで「論破されてしまう」、これは柔軟な発想や相手の意見を受け入れながら前に進むという進歩を阻んでいるのではないか、という切り口でもある。政治における議論とは、保守とリベラル、右派と左派が互いの立場を主張し、同時に異なる意見でも尊重することで、より良い結論を導き出すという民主主義の根幹とも言える本質。一部の政治家、極端な右派や左派が持論を曲げないことで主張の強さをアピールするのは、政治家としての未熟さを露呈している可能性がある。持論が変わる用意がなければそれはもはや議論ではなく主張の表明...訂正する力東浩紀****

  • Z世代のアメリカ 三牧聖子 ***

    1997年から2012年にかけて生まれた世代がZ世代。アメリカのこれからを支えていく世代でもある。アメリカ国内の人口構成はまさに多様性が進行した状態であり、人種、宗教観、価値観、ライフスタイル、国家観、世界認識は日本に比べると比較にならないほどに多様である。アメリカは「世界の警察官」と呼ばれた「例外主義(Exceptionalism)」時代が長く続いてきたが、今その時代は変わりつつある。アメリカ第一主義をとなえる当時のトランプ大統領は、気候変動や国連における国際的な枠組みから撤退し、MAGAを主張。アメリカにおけるZ世代は、例外主義を前提としない国家観をアイデンティティに持つ世代となる可能性がある。アフガニスタンからの撤退はその象徴であった。超大国による大義なき侵略を受けるウクライナへの軍事支援をどの範囲...Z世代のアメリカ三牧聖子***

  • 戦国ラン 手柄は足にあり 黒澤はゆま ***

    「手柄は足にあり」とは上杉謙信の言葉だそうだが、歴史小説家だという著者は戦国時代の食事に着目した著書「戦国まずい飯!」では武将たちは味噌と生米を水に浸して食べて戦ったという。本書では、騎馬の武将に徒歩で従って走ったという足軽たちに思いをはせて、自分でも古戦場あとを走ってみたという。実際にに走ってみるとこんな道は1万以上の軍勢では通り切れない、とか、アップダウンが激しすぎて無理、などと言うことが感じられたという。大坂夏の陣では信繁による家康本陣突撃を体験、真田は凄かったと。各武将ごとに街道を担当しているため、戦場に向かうための味方同士の街道の分捕り合戦も激しかったと。歴史書では明確になっていないと思われる家康の失敗と地形の関係、戦場となった天王寺駅周辺で家康本陣が崩れた地点、家康の逃げ回った経路、信繁終焉の...戦国ラン手柄は足にあり黒澤はゆま***

  • 地形と水脈で読み解く! 新しい日本史 竹村公太郎 ***

    古代ヤマト政権は、古代には藤原京あたりに存在したと思われる奈良湖が流入してくる土砂と埋め立てで田畑を開墾した。湖のありかは古代の豪族たちの勢力圏地図を見るとそこに大きな空白地域があることから浮かび上がってくる。あとから勢力を増した蘇我氏の勢力地域が湖の岸辺に広がることまでうかがえる。古代の道である山野辺の道が最初にできた藤原京と奈良をつなぐ道であり湖を迂回するように作られ、その後、上つ道、中つ道、下つ道と東から西へと湖埋め立てが進むにつれて作られたことを思わせる。朝鮮半島との交流は瀬戸内海、難波、大和川経由で続いていたが、その後、都建設のために伐採されてはげ山になった周囲の山、洪水に見舞われた奈良盆地では環境悪化が続いていたはずである。恭仁京などへの遷都の努力は実を結ばなかった。京都の町は淀川で瀬戸内海と...地形と水脈で読み解く!新しい日本史竹村公太郎***

  • こころの人類学 煎本孝 ***

    世界に存在する民族や小さなグループが持っている神話や言い伝えには人類が原初の昔から大切にしている物語が入っている。本書によればそれは「ヒトのこころ」の現われでもあり、様々な神話や神の話を聞いて比べることで、人類共通の「ヒトのこころ」をあぶりだしたい。筆者は人類学のフィールドワークを進める文化人類学者。トナカイ遊牧民であるカナダインデアン、極北ロシアのトナカイ遊牧民コリヤーク、北海道のアイヌ、モンゴルの遊牧民、インド北西部のラダック王国、チベットなどのフィールドワークを通してヒアリングし調査してきた多様な文化的逸話を集約してきた。そこに含まれるのは宗教とそのもとになる神話、文化的源泉、死生観、自然と自分たちとの関係性など、文化文明と人類生活との関係性を追求した。カナダインデアンでは動物は人間の言葉を話し、自...こころの人類学煎本孝***

  • 漂海民 羽原又吉 ***

    漂海民とは、本書によれば1.土地・建物を陸上に直接所有していない。2.小船を住居にして一家族が暮らしている3.海産物を中心とする各種の採取に従いそれを販売、もしくはノン産物と物々交換しながら一か所に長くとどまらず、一定の海域をたえず移動している。親・子・孫すべて海に生まれ波にゆられながら、一生を船の上に送ってきた漂泊漁民をとりあげ、アジア各地の漂海民と比較しつつ、海に生き漁村を開いてきた彼らの足跡をたどる。漁業史・漁民史の一側面として興味深く、またアジア民俗史を考える上で、貴重なデータが盛りこまれている。目次1漂海民とはなにか2漁業はいかに発達したか3漁民の移動4アマとその移動5アマと家船との関係6瀬戸内海の家船7九州の家船(付、沖縄)8南海の漂海民9珠江の蛋民https://amzn.to/3ZgKWT...漂海民羽原又吉***

  • 人類の起源 篠田健一 ****

    2006年に実用化され始めたDNA分析の手法、次世代シーケンサーはPCR検査の手法を用いたもので、サンプルに含まれるすべてのDNAを読み込んで解析することが可能となるとのこと。それまで古い人骨はミトコンドリアDNA分析しかできなかったため母系でしか先祖をたどることができなかったが、父系でも可能となった。それを象徴するのが2022年のノーベル賞受賞ペーボ博士で、古人骨に残るわずかなDNA抽出と解析技術を確立したことによるものだった。本書ではそうした古代DNA研究の最新研究結果をもとに人類の起源をたどる。約6万年前にアフリカ大陸を出た現人類、ホモサピエンスはネアンデルタール人やデニソワ人と交雑する。欧州では45000年前のホモサピエンス進出から数回の集団交代を経て、ヨーロッパで主流となる現代人集団が形成された...人類の起源篠田健一****

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