日本仏教の思想 受容と変容の千五百年史 立川武蔵 ***
日本では仏教伝来以前からそれぞれの豪族の祖先の霊や農業神が結びついて氏神などとして崇拝されてきた。そこにもたらされたのが仏教であり、元来アニミズムであった土着の氏神様とは要素の異なる対立するものとして入ってきたとも考えられる。しかし実際には両者はお互い補い合うように受け入れられ、実際仏教も中国と朝鮮半島を経由することとあわせてインドの仏教とは異なる姿となった。そもそもインドにおける仏教でさえ多様であり、オリジナルの形から新派、大乗仏教、密教と変容している。日本での仏教の特徴は「諸法実相」、つまり、森羅万象が真実の姿、実相であると捉えた。眼前に見える樹木や岩、人間の身体こそがそのままで真実の姿であると。自然崇拝の神道形態と似ているとも思える。日本仏教における、諸法、実相に空、仏性というキーワードを加えて、解...日本仏教の思想受容と変容の千五百年史立川武蔵***
2024/09/25 12:30