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意志による楽観主義のための読書日記 https://blog.goo.ne.jp/tetsu814-august

面白きこともなき世を面白くするのは楽観力、意志に力を与えるのが良い本 *****必読****推奨**閑なれば*ム

意志による楽観主義のための読書日記
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2015/07/14

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  • 明治の日本 熊谷充晃 ***

    明治時代の出来事は知らないわけではないが、歴史の授業や教科書では三学期時間切れになりがちな部分。文明開化から日清・日露戦争を経て世界の一等国を目指した時代。その時代に起きていた、教科書には紹介されにくい隠れた話題を紹介するのが本書。ミスコンの優勝者は学生だったため退学処分、日本人が好んだ新しい味はカレーライス、ビール、アイスクリーム、力士は相撲がプロスポーツとして確立するまでは消防士を兼務、空を飛ぶ物体は物の怪あつかい、武士の商売にお茶の栽培、選挙では賄賂合戦、大学生は本物のエリート。英米独仏の代理戦争だった日露戦争、戦争を陰で支えた明石元二郎、不正乗車の罰則が高額、鉄道敷設技術が進歩、電灯に郵便システムなどの文明、ハワイと日本の皇族による縁組案、徴兵逃れのための養子縁組。伊藤博文の天敵は獅子身中の虫、清...明治の日本熊谷充晃***

  • 平安王朝 保立道久 ****

    平安時代と言えば藤原氏が摂関政治で専横を極めていて、桓武以降で、平城、嵯峨から後三条、院となり権力をふるいだした白河あたりまでの天皇は政治的に前に出てくることは少ない時代、という認識だった。大河ドラマで平安時代に起きた事件が出てくると、そういえばそういう天皇がいたな、というくらいの記憶。しかし藤原氏の中で氏の長者となるための権力争いには、娘を入内させて王権奪取の運動を自らの権力獲得に利用した摂関家の論理が見え隠れする。本書では平安遷都以降平家滅亡までの天皇家と摂関家の権力闘争の流れを概括する。本書によれば、この時代は学者としては古代史と中世史の狭間に抜け落ちた位置づけで内部事情により古代史家は奈良時代までを研究し、中世史家は院政時代から保元・平治の乱を確認することから始めるという。平安時代の宮廷文化が注目...平安王朝保立道久****

  • 色彩の心理学 金子隆芳 ***

    ゲーテは著作「色彩論」で物理論とは真逆の持論を述べたというが、現在ではほとんど言及されることはない。しかしそこで述べられている色彩についての感覚論や主観的色彩の心理的印象論、錯覚などについては、今も研究や発展が進んでいるという。本書では色彩が持つ色の印象や感触、光と影、主観的印象や音と色の関係、光沢と色彩、感性的色彩論などについて概括している。印象派の画家たちが写実的絵画から主観的表現に進んでいった時代は、画材の進歩により多数の色彩をキャンバスに表現できるようになった時代と重なると指摘。できるからやる、でありそうした幅広い表現や現場に絵の具を持ち出すことができるようになるチューブ入り絵具の登場などが、印象派の出現を助長したいう。感覚を具現化するという技術の進歩による新派到来、ということになる。これは音楽や...色彩の心理学金子隆芳***

  • 都市と日本人 ー「カミサマ」を旅するー 上田篤 ***

    日本の都市を欧州や中国の都市と比較しながら、古代における吉備から平安京、中世では鎌倉と安土、近世の江戸、そして近代では再び京都と近畿へと移る中で概説し、併せて北海道における大雪山や旭川にも自ら足を運んで、住んでいた経験ももとに都市についての考察と観察についての持論を述べたエッセイ。内容をいくつか紹介する。吉備には古代、大きな内海があったという。その周辺には半島や大陸から渡来した製鉄と稲作の技術を持った人たちが住み着いていた。多数の三角縁神獣鏡を出土した備前車塚古墳や箸墓古墳と副葬品が酷似する浦間茶臼山古墳、仁徳天皇陵の規模に匹敵する造山古墳などとともに多くの貝塚などが見つかっている。桃太郎伝説の原型と思われる「キビツヒコの鬼退治」伝承では、百済から来た大男の温羅(うら)を大和朝廷から派遣された五十狭芹彦命...都市と日本人ー「カミサマ」を旅するー上田篤***

  • 京都・イケズの正体 石川拓治 ***

    タイトルから見ると「なぜ京都人はイケズをするのか」などの解説本だと勘違いするが、京都礼賛本である。「奇跡のリンゴ」の筆者がなぜ京都が好きなのかを自己分析、日本人の多くが京都に憧れにも似た感情を抱く理由を考察した一冊。「イケズ」に思えるのは、京都人が旅人や客人、移住者との間に取る「少し遠めの距離感」に戸惑っているから。京都生まれ、宇治育ち、就職後は東京に暮らすの私から見ると、離れてみる京都の良さを再確認できる本、と考え手に取った。他府県民から見た京都と言えば「はんなり」で「みやび」な印象を持ちがちだが、そればかりではないのが京都、本書では京番茶を例に挙げる。京都人が毎日飲んでるお茶は、夏なら麦茶、その他の季節は番茶、ちょっとお客が来れば上等の「御煎茶」、めったに飲まないのが玉露。その番茶は筆者によれば煙草の...京都・イケズの正体石川拓治***

  • 経済で謎を解く 関ヶ原の戦い 武田知弘 ****

    本書でいう戦国大名の「経済」とは土地所有のあり方を指している。奈良時代の律令制度で全国の土地所有は国有が建前となるが、奈良時代に荘園化して、地方豪族と中央の寺社や摂関家、そしてその後は将軍家が実質的な経済利益者となる。戦国時代には、その土地所有を巡り武力を背景とした武士による土地所有が進み、戦国とは土地所有を巡る争いとなる。そしてその流れには限界があった。本書ではそれを「覇者のジレンマ」と呼ぶ。戦国時代の覇者は、家臣たちへの戦い勝利への褒美として土地を領有する権利を与えることで戦いを進めていったが、土地は有限であり、覇者は土地の不足に悩む、というジレンマに陥るというモノ。信長はそのジレンマを国替え、転封、という形で変えようとしていた。信長は家臣の柴田勝家、羽柴秀吉、滝川一益、佐々成政などほとんどの家臣に何...経済で謎を解く関ヶ原の戦い武田知弘****

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