飛鳥の木簡 ー古代史の新たな解明 市大樹 ***
古代史と言えば、『日本書紀』『古事記』そして中国に残された史書の記述を頼りに事実を類推するのが関の山だったが、1990年代後半以降、3万点以上の飛鳥時代の木簡の出土が相次ぎ、古代史に関する新たな解明が進み始めた。発掘された木簡が使われたのは7世紀中ごろから8世紀中ごろまでの飛鳥時代から奈良時代初頭にかけてで、発掘場所は飛鳥浄御原宮跡から飛鳥京跡、藤原宮跡あたり。日本のこの時代の文字使用では紙が筆写材料として普及したころであり、木簡は何らかの意思伝達手段である「文書木簡」、物品管理用の「荷札木簡」、その他として文字の練習用として使われた「習書木簡」と考えられている。3は藤原宮跡からの出土品で役人の自画像のようであり、「渥」というサインが入っている。その下は「大」「夫」「干」のような文字が見られ人物が描かれる...飛鳥の木簡ー古代史の新たな解明市大樹***
2025/03/28 11:02