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ひこばえ http://hikobae0869.blog.fc2.com/

俳句は自分史です。自作の俳句に写真とエッセイを添えて綴ります。

日向亮司
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2013/05/30

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  • 春興

    春興や勝ちを拾ひし負け将棋私「掛橋さんとは珍しい名前ですよね。ユズの『栄光の架橋』だ(笑)」掛橋さん「ちょっと漢字が違いますけどね(笑)」私「ああ、そうか、ユズの方は架電の架か」掛橋さん「今日、ここ、初めてですか?」私「そうです。入門書は読んで来ましたけど、指すのは初めてです。掛橋さんは?」掛橋さん「私は2回目です。先々週の木曜日に来て、今日が2回目です」駒を並べながらの会話である。終わってから聞い...

  • 花明り

    花明り将棋道場入門す4月5日(土)、いよいよその日がやってきた。「横浜やんけ将棋道場」に行く日である。入門書は一冊読み終わった。羽生善治著「みるみる強くなる将棋入門──序盤の指し方」である。読んだからと言って急に強くなる訳ではないだろうが、基本となるところは頭に入ったはずである。戦略としては「右四間飛車で行こう」と考えていた。本の中にはこう書かれていた。「右四間飛車戦法の特徴は攻撃力の高さ。ツボにはま...

  • 薔薇

    薔薇の絵を描く一輪の薔薇も見ず中村正義の「薔薇」を模写するに当たって本人がそれをどう描いたかを考えなければならない。いろいろな「薔薇」があるが、試行錯誤を繰り返した跡が見て取れる。絵具を厚塗りしてみたり、陰影を描き入れてみたり、下地の色を浮き上がらせてみたりといろいろやっている。構図もいろいろである。薔薇の花の数も色合いも様々である。おおよその色は分かるが、パソコンを通しての色なので本当の色かどう...

  • 夏の色

    薔薇の絵の壺の青さは夏の色最終日の「大倉久和大飯店」(オークラ・プレステージ台北)は絵画が好きなホテルのようだった。至る所に油絵が飾られていた。朝食会場にも飾られていた(写真)。私「帰ったらキャンバスを買いに行く」妻「ああ、あの油絵ね(笑)」私「おそらく15号くらいの大きさで描くことになる」妻「上手く描けるといいけど(笑)」私「大丈夫だよ、失敗することは絶対にないよ(笑)」この旅行に出掛ける前の3月1...

  • 春愁

    春愁やバス酔ひに効く薬なし全員が無事に揃ってバス停に並んでいた。少し待っているとバスがやって来た。ここでも陳さんはバスの運転手と何か掛け合っている。満員のバスに10人が入って行った。やはり少し白い目で見られた。「どうして割り込んで乗って来るのよ」と言った感じである。吊革に掴まってクネクネ道を降りた。その時である。船酔いのようなイヤな感じがした。2回3回カーブを曲がってそのたびに身体に力を入れて三半規管...

  • 春宵

    春宵の仕業か千の神隠し事件が起きたのは集合時間の6時である。阿妹茶楼に灯りが点り夕闇が近づいて来ていた。全員が揃ったと思いきや、いない人がいる。子供がいないという。またその父親の姿が見えないという。6人グループの中に小学2年生の男の子が一人混じっていたが、その子がいないという。またその子を探しに父親もあの階段を上がって行ったという。長老「すみませんねぇ。ちょっと目を離した隙に……」私「どこでいなくなっ...

  • 春の灯し

    千を探し千尋を探し春灯し故宮博物館からバスで揺られること1時間半で九份に到着した。妻「前来た時は地下鉄を使ったよね」私「うん、そうだったな」妻「地下鉄を降りてからの記憶が全然蘇って来ない。どうしたっけ?」私「どうだったっけかなぁ……全然、思い出せない」妻「あっ、やっぱりバスに乗ったなぁ。バスでクネクネした道を上がった気がする」私「覚えていないなぁ……」人の記憶力を試しているのだろうか。日常生活の中でそ...

  • 春の山

    地下深く唸る財宝春の山小籠包を食べた後は故宮博物館の見学である。有名な「白菜」はどこかへ貸し出されているとのことでその日刮目すべきは「角煮」だという。バスを降りて建物の中に入り専用のイヤホンを耳に付けた段階で「それでは参りましょう」と陳さん、「私がご案内します」という。<ええっ、専門の人を頼まないの?>団体客の案内をする説明員がいるはずだが、そんな団体ではない。終わるとすぐに「九份」に行かなければ...

  • 長閑

    ハネムーンの話など聞き長閑なり高雄駅から台北駅までは新幹線で1時間40分である。1日目から一緒だったバスの運転手とは高雄駅で別れた。バスの横に大きく「高雄」と書かれていたので地元に戻って仕事が終わったのだろう。台北駅に着くと別のバスが待っていた。大きさは同じだが格は落ちていた。車内の装飾などについては何の気遣いもないようだった。陳さん「これから昼食の店に向かいます。鼎泰豊(ディンタイフォン)といいます...

  • 竜宮城めきて楼閣おぼろなり「丸山大飯店」はライトアップされて我々を迎えてくれた。私「ま、泊まるだけだけど想い出にはなるな(笑)」妻「相当な部屋数だから、こういうツアーにも使われるんだね(笑)」私「ああ、そういうことか。空室で置いておくより、使ってもらった方がいいという計算か。何事も算盤勘定だなぁ。おぬしもなかなかの悪じゃなぁ(笑)」妻「何を言ってるのかなぁ、この人は(笑)」部屋の広さはそれほどでも...

  • 夜店

    異国語の夜店を妻と手をつなぎ「美麗島駅」のすぐ近くに「六合夜市」があった。7時に到着した。陳さん「それでは、バスが停まったここを集合場所にします。今、ちょうど7時ですから7時40分までにここに戻ってきてください」<ええっ!40分とは慌ただしいなぁ……>夜市がどれ位の長さかは知らないが、ブラブラ歩いてノンビリもしていられないと思った。信号を渡ってすぐが夜市の始まりである。最初に「仏陀の頭」が山積みされていた...

  • 孫文忌

    孫文忌平和奏づる白ピアノ夕食を終えて向かったのが「美麗島駅」である。陳さん「この駅は世界で最も美しい駅です。4500枚のステンドガラスを使って『人間の一生』を表現しています」バスを降りて入り口から地下へ潜るのだが、地上にある建物もガラス貼りでルーブル美術館のあの三角形を思わせる。長いエスカレーターを下って、地下鉄乗り場に向かうとステンドガラスが見えて来た。「オオオオオッ!」誰彼ともなく驚きの声が上がる...

  • 鴨の足

    犬を打つ猫を打つ鴨の足を食ふ「高雄(たかお)」の町は昔「ターカウ」と呼ばれていた。台湾原住民の言葉で「竹林」を意味するという。のちに台湾人がその「ターカウ」に「打狗」の漢字を当て嵌めた。「狗(いぬ)を打つ」である。発音が似ているのだという。同時に「ターニャウ」という地名もあり、そこには「打猫」の漢字を当て嵌めた。1920年、大正9年、日本統治時代に台湾総督府がこの漢字は地名には相応しくないとして、それ...

  • 古漬

    まだ取りに来ないか土産の古漬腰も痛けりゃ背中も痛い。ようやく高雄に到着した。お土産屋である。女性「これはここにしかない北投石です。ブレスレット、ネックレス。原石はこの石です。これを磨いて作ります。この北投石はラジウムを放出しています。見ただけでは分かりませんがこの計器を近づけますと……」機械が「ガガガガガ!」と反応する。女性「この効き目は無くなりません。癌にも効きます。医者がもうダメだと言った人が、...

  • 春愁

    春愁や車窓に檳榔椰子の森ビールの後に紹興酒も注文したので、昼酒とはいえ好い気分である。乗り込んだバスの中ですぐに寝てしまった。嘉儀に到着する少し手前で起こされた。私「ヒャ~、身体が痛い」妻「座り心地、悪いからね(笑)」私「今回の旅は『台湾の旅、豪華4日間』というのじゃなかったっけ(笑)」妻「ハハハハ」私「ここはどこ?嘉儀?」妻「そうかな?」「檜村」だという。日本人が支配していた時に山から樹齢千年、...

  • 夏料理

    土産屋の二階台湾夏料理11時に昼食会場に着いた。陳さん「少し早く着き過ぎました。食事会場はこの2階ですが1階がお土産売場になっています。準備が整うまでの間、店内で時間を潰してください」ゾロゾロと入って行った。掛け軸や飾り物、大きな家具もあれば石の置物など、高級そうな品々が山と積まれている。店員が「いらっしゃいませ」と台湾訛りの日本語で微笑んで来る。立ち止まるとすぐに言い寄って来る。女性「お客さん、これ...

  • 日迎え

    日迎への凶の御籤や文武廟バスに乗り込んだ。陳さん「皆さん、トイレは済ませましたね。これから『日月潭』に向かいますが、約1時間半掛かります。シートベルトだけはしっかりと締めてください。ゆっくりとバスの旅を楽しんでください」台北の空港に降り立ってすぐさま台中まで移動して1泊。翌日は「日月潭」から「嘉儀」を経由して「高雄」まで走るという。随分な強行軍である。隣に座っていた妻は通路を挟んで反対側の席に移動し...

  • 鳥の巣

    鼻穴に鳥の巣の藁弥勒仏6時半に食事会場に行くとすぐに他の2チームもやって来た。陳さんももちろんいる。時間にルーズな人はいないようで凄くスムーズに旅行は進んだ。ホテルを8時に出発して8時15分には最初の目的地「宝覚寺」に到着した。陳さん「では、最初の観光となります。こちらのお寺は日本の観光客が台中に来た時には必ず立ち寄る場所になっています。台湾が日本に統治されていた1927年、昭和2年に建てられたもので、そろ...

  • 春の夜

    春の夜の台中に買ふ袋菓子ホテルに到着した。本当に何の代わり映えもしない普通のホテルである。ロビーに集合してそれぞれの部屋番号のキーを渡された。陳さん「明日の朝食は6時半からです!バスの出発は8時!オッケーですか?大丈夫ですね。それでは、皆さん、お休みなさい(笑)」エレベーターで5階に上がった。部屋も普通である。私「着替える前にコンビニに行って来よう」妻「ええっ……」私「お茶を買って来ようよ」妻「あ、そ...

  • 竜天に登る

    竜天に登れニイタカヤマノボレ全員が乗り込んだところですぐにバスは走り出した。マイクで男性が話し始めた。男性「皆さん、台湾へようこそ!時計、台湾時間に合わせましたか?台湾は今、夜の7時25分です。日本時間の8時25分になっている人は、今、ここで直してください。これからは全て台湾の時間で進めていきます」地図を取り出してマグネット付きクリップで天井に吊るした(写真)。男性「皆さん、シートベルトは締めましたね。...

  • 春の夢

    テレサテンの国へようこそ春の夢台北空港に到着した。機内で時間の調整は済ませている。というより、スマホが自動的に時間を合わせてくれている。日本時間と台湾時間が表示されてそれ以降は台湾時間がメイン画面に表示された。1時間、戻すのか進めるのか迷うこともない。トランクから妻のバッグと隣の女性のバッグを下ろして「ありがとうございます」の一言をもらっている。それから入国審査の長い列に並ぶのだが、隣の女性が先に...

  • 春分の日

    箸を割る春分の日の機内食飛び立つ前にも客室乗務員は働いている。男性がやってきた。男性「ペラペラペラ」台湾人のようである。何を言っているのか分からない。妻「貴方、メニューを見て。何を食べるのか聞いているのよ」私「ああ、そういうことか……」メニューを見た。<to start marina……>私「何だ、こりゃ?」妻「前菜のことでしょ。それよりもメインを選んでよ、メイン!」私「steamed halibut……分かる訳ないよ。肉か魚か?」...

  • 機内へと持ち込むバツグ春の色私「おっ、ここはいいじゃん(笑)」妻「そうでしょ。出発ロビーのすぐ近くだから、ギリギリまでここにいても大丈夫だよ(笑)」私「飲み物もいいのか?」妻「ビールでも飲めば(笑)」私「おお、これはいいなぁ。ラウンジは最高だなぁ(笑)」ツマミとビールを持って来て将棋の本を開いた。妻はサンドウィッチとジュースと文庫本を開いている。私「ラウンジを使ったのはこれが初めてか?」妻「何を言...

  • 春の旅

    高飛びは桂馬にあらず春の旅3月20日(木)春分の日、いよいよ出発である。車は成田空港近くの駐車場を予約している。私「何時の便だっけ?」妻「えっ……貴方ね。何度、同じことを聞くの?それとも分かっているのに聞いているの?いい加減にしてよね。3時20分だよ」私「念のためだよ。3時20分か。ということは2時には着いていないとダメだな。昼飯も食べないとならないし」妻「昼はラウンジがあるから、そこで食べる」私「ラウンジ?...

  • 黄砂降る

    英雄の像は金色黄砂降る私「この写真をよく見ろ!」川崎君「何ですか?」私「鄭成功という人物の騎馬像だ」川崎君「誰ですか、それは?」私「孫文、蒋介石と共に台湾では『国の神様』と言われている人物だ」川崎君「ふ~ん」私「この騎馬像の足元をよく見ろ。人が写っている」川崎君「あっ、ホントだ!ええええっ、こんなに小さいんですか」私「教訓1、中国とは戦争をしてはならない!」川崎君「……」私「山の上にこんな大きな銅像...

  • 近松忌

    大向うからの声あり近松忌そもそも「台北プライベートアイ」が始まりではない。台湾に行くことになり、最初に買った本が司馬遼太郎「街道をゆく40台湾紀行」である。その最初に「国家とは何か」が出ている。江戸時代、台湾のことを「高砂国」と呼んでいた。無主の地と考えられていた。関ケ原の戦い(1600年)の後、オランダの東インド会社が1609年に日本の平戸に商館を置いた。インドネシアの海港バタビア(ジャカルタ)を根拠地と...

  • 逃水

    逃水を追つて探偵ごつこかな小説「台北プライベートアイ」を読んで回転寿司屋のカウンターでの会話である。私「面白かったなァ」妻「読み終わったの?」私「読んだ。あんなに分厚い本を1日で読んだというのも初めてだよ」妻「いい本に出会えて良かったじゃないの」私「それにしても驚いたのは最初の事件が片付いて、次にどんな仕事の依頼が来るのかと思っていたら全然違う展開になるんだよ。想像もしていなかった展開でホントに驚...

  • 余寒

    衛兵の微動だにせぬ余寒かな現地人の踊りを見たあとは台北に戻り、漢方の店へ。鉄棒を曲げ、焼けた鎖を素手でつかんで実演販売。ここでは皆さん随分、買い込んだ模様。「中国の諺に『牛の鼻クソも煎じて飲めば……』というのがあります」(黄さん)次は中正紀念堂見学。蒋介石の大きな像の前に立ち、皆一様に記念撮影。香煙たちこめる龍山寺では、木切れを放り投げて占いをする人も……。「ごくごく近い将来が吉とでました」(工藤)遅...

  • 花粉症

    効能は花粉症にも台湾茶時計の針を一時間戻して、あっという間に台北空港へ到着。機内では具合を悪くした人が一人、横になりベルトを外し、手厚い看護。さては乗り物酔いかと心配したところ……。「旅行の前の日はいつも興奮して寝られないので、ついあんな所で寝入ってしまいました」(高野)空港では現地ガイドの林さん、黄さんがお出迎え。バス2台に分かれてまずは故宮博物館へ。降りしきる雨に「明日は晴れます」という林さんの...

  • 春の旅

    郷愁が春の旅へと誘へり台湾には5回出掛けている。会社の旅行で1回、仕事で2回、家族旅行で2回と記憶している。最初は平成9年6月に社員旅行で出掛けている。昨年(令和6年)地震があり、多くの死傷者を出した花蓮などを訪ねている。次が平成10年8月、台湾の業者に仕事をお願いすることになり、打ち合わせを兼ねて出掛けている。日月潭の畔に泊まった。その翌年(平成11年)に地震があり、日月潭の中央にあった島が姿を消してしまっ...

  • 涅槃西風

    涅槃西風すは台湾の喧騒へ私「ハハハ、この小説、メッチャ面白いよ」妻「……」私「だって、私立探偵を始めようと思って看板を出した男が『初めての尾行』という章で、どんなヘマな尾行をするのかなと思って読んでいくと、初めてのお客になる女性からずっと尾行をされていて気付かなかったというんだよ。ヘマもいいところだよ」妻「それが何で面白いの?」私「えっ、面白いじゃん。『初めての尾行』だよ。そういう章があって探偵が尾...

  • 蟻穴を出る

    蟻穴を出て戦ひの大舞台入門書が届き、将棋セットも届いた。<よしっ、あとは道場に行くだけだ!>「横浜やんけ将棋道場」のホームページを眺めてみる。「泣き虫しょったんの奇跡」という映画の主人公瀬川晶司6段(写真左)が師範で、その6段の隣の家に住んでいた友達の渡辺健弥さん(写真右)が道場主である。まずはその映画を見なくてはならない。妻「その映画、昔、見たよ」私「えっ、オレは見てないだろ?」妻「いや、見た」私...

  • 料峭

    料峭やまづ盤上に玉を置く家に帰ってのことである。妻「明日、届くよ」私「ありがとう」妻「将棋盤はあるの?」私「どこかにあったんじゃないか?」妻「引越しの時に捨てたと思ったけど」私「ええっ!そうか、じゃ、買うか」妻「将棋盤がないと本を買っても意味ないわよ」私「そりゃそうだな。アマゾンで買うしかないか」妻「どれにするか、選んでよ」私「そんなに高いのはいらないよ」妻「3000円くらい出せばいいのがあるよ」私「...

  • 木の芽

    木の芽出づ将棋みるみる上達す田浦梅林の話は終わったがもう一つ書いておかなければならないことがある。田浦、安針塚と調べていると「横須賀・安針将棋サロン」に辿り着く。昔、三浦按針について調べている時に見た「将棋サロン」である。見ると「初級者将棋教室」というのもある。もちろん「中・上級者将棋教室」もある。トーナメント戦があったり、市民将棋大会があったりして楽しそうである。小学生もいれば老人もいる。女の子...

  • 四月馬鹿

    声高に不倫の歌を四月馬鹿3月7日の日経新聞の一面広告である。「NIKKEI 企業対抗カラオケ選手権」(写真)。私「おっ、川崎君、これはいいぞ」川崎君「何ですか?」私「カラオケ選手権だ。企業別対抗。チーム戦。あれをやろう(笑)」川崎君「キムジョンウンですか。ロ~ケツ、ロケツ、ローケツ、ロケツ(笑)」私「スマホで動画を送るだけだ」川崎君「今、それどころじゃないですよ。やらなきゃならないことが山積みです」私「面...

  • たんぽぽ

    遮断機が降りてたんぽぽ食み出せり工場の中で軽作業を手伝っていた。隣にMさんがいる。私より4才上である。作業をしながらの会話である。私「この間、田浦の梅林に行って梅を見て来ました。帰りにウナギを食べて来ました。京急の田浦駅から帰ってきましたが、あそこの駅は芥川龍之介の『蜜柑』という小説に描かれているというんです。読んでみました」Mさん「……」Mさんは無口な人である。あまり余計なことは喋らない。私「駅に汽車...

  • 鳥雲に

    奉公の風呂敷包み鳥雲に鰻屋を出て京急田浦駅まで歩いた。駅改札の目の前にある国道16号を車で何度走ったことだろう。一度としてそこに駅があるなどとは思わなかった。商店街の中に店の一つのように駅の入口があった。ホームに出て上りの電車を待った。12時半である。私「会社の朝礼で一言喋って、すぐに戻って来た」妻「ん、ナニ?」私「家に帰ってすぐに出発して梅を見て来た」妻「……」私「ウナギを食べて今、帰りの駅にいる。12...

  • 囀り

    囀りや田浦尋常小学校すぐにお冷とオシボリが出て来た。女性「何にしましょうか?」私「うな重……中でいいか。中2つ」女性「並も中もご飯の量は変わらないんですけど」私「えっ、どういうこと?あっ、ウナギの量が違うってことか。いいよ、中で」女性「はい、畏まりました」私「肝吸いは付けてね」女性「はい、付いています」私「まず、ビールをお願いします」女性「アサヒですが」私「アサヒでもキリンでも、どっちでもいい」女性...

  • 梅見

    江戸前の暖簾をくぐる梅見客螺旋階段の展望台に登って梅林全体を見渡した。私「いい眺めだなぁ」妻「天気も良かったしね」私「3月の陽気じゃないな」妻「今日は20℃を超えると言っていたから4月の陽気だよ」私「汗ばむじゃなくてホントに汗が出てきた」妻「ハハハ」私「よしっ、ウナギを食べに行こう。11時開店と書いてあったから丁度いい時間だよ」妻「遠いの?」私「いや、ここを下って田浦の町に入ってすぐだから15分位で着くよ...

  • 白梅

    死ぬ時は武士の誉れじゃ白梅を梅林は花盛りである。白梅も紅梅も見頃を迎えている。匂うがごとき白梅と艶やかに華やぐ紅梅。遠くに海が見え、谷戸の家々が近くに見える。植樹を終えたばかりの梅の木が立札を横に若々しい。先の方に少しだけ花が開いていて紅梅だと分かる。私「令和6年度、田浦小学校卒業生の植樹だって」妻「あれっ、昨日じゃない?」私「ああ、ホントだ。昨日植えたんだ。田浦小学校、なかなかやるなぁ(笑)」先...

  • 梅林

    梅林を訪へば古りたる山祠「カエンタケ」注意の札のあった場所から10分で梅林の山の上に到着した。簡易トイレがあった。トイレを済ませて私が探していたのは「大六天神社」という祠である。登って来る途中にあるのかと思っていたので、あちこちと探すことになってしまった。田浦梅林について調べている時にこの祠について知った。私「鎌倉時代に作られたものらしいけど、いつしか忘れ去られて森の中に埋もれてしまっていた。地元の...

  • 梅見

    一の橋二の橋梅見の三の橋長い階段を下りて、京浜急行のガード下を潜って梅林の入口に到達した。小さな川に橋が架かっていた。「田浦梅林」「梅林まつり」と書かれた幟も立っていた。私「あれっ、二つある……」妻「……」私「こっちじゃない。向こうに行ってみよう」最初の橋ではなく、次の橋から登ることにした。橋の名前が「だりの田橋」である。最初の橋には名前が書かれていなかった。私「インターネットで名前の由来を調べてみた...

  • 木の芽晴

    木の芽晴上れば下る峠道折角なので「のの字坂」をグルっと回って「のの字橋」も渡ってみた。私「遊び心で作ったのかな?」妻「そんなに珍しいものでもないんじゃない?坪呑にもあったじゃない」私「坪呑?あれは『の』にはなっていないよ。ただの坂だよ。ここのは完全に『のの字』になっている。普通は『のの字』にはしないだろう。わざわざ、橋まで作らなければならないんだから、大変だよ」橋がなかった時にはどうしていたのかを...

  • のどけし

    のどけしや二人で登るのの字坂持って来た地図は「たうら観光マップ」だけである。イラストで描かれた地図なので実際の距離とは違っている。最初の目的地「のの字橋」まで一本道の表示になっているが、実際の道はそんなに単純ではない。<大丈夫だろうか?間違っていないだろうか?>しかし、ここは口に出してはいけない所である。「この道に間違いない」と自信たっぷりに歩く姿を見せて妻に安心させなくてはならない。そうでなくて...

  • 如月

    如月や一人づつ待つ駅便所3月1日(土)に出掛けることにしたが工場は出勤日である。特に私が出なくても何の支障もないのだがやはりここは顔を出しておきたい。忙しくて休日出勤までしてくれているのに社長が顔も出さないと言われるのは私の本意ではない。朝礼で一言お礼を言ってすぐに戻ってきた。私「すぐ行くよ」妻「はいよ(笑)」私「田浦まで45分掛かる」妻「えっ、京急じゃないの?京急なら田浦まで15分と出ていたよ」私「JR...

  • 梅日和

    連れ立ちて旨きものでも梅日和「梅は咲いたか桜はまだかいな」今年のNHK大河ドラマ「べらぼう」を面白く見ている。吉原の芸者衆など今まであまり扱われなかったところにスポットを当てているので興味深い。この「梅は咲いたか桜はまだかいな」は江戸時代の端唄である。歌詞を見ると最後に「舟から上がって土手八丁、吉原へご案内」とあるので吉原通いのことを歌っているのだろう。梅も桜もみなその道へと繋がって行く。さて、今年...

  • 熱燗

    君の注ぐ熱燗ならばいざ飲まむ俳句結社「海」の高橋悦男主宰が昨年12月11日に亡くなられた。90才。とてもお世話になった人である。私が参加していた句会「浜風」は「海」の一つの支部だった。道川虹洋先生の指導のもとで楽しくやっていたが、一年に一度だけ東京から髙橋主宰が出掛けて来てくれた。いつもと変わらないはずの句会が、たった一人、主宰が加わるだけで妙な緊張感を漂わせることになる。月の会費を集めるのもその時だけ...

  • 風光る

    逆転のノールックパス風光る2階の応援席に座ってはみたけれど、何の大会なのかよく分からない。私「これは何の大会なの?」娘「高校生男子バスケの選手たちを集めての試合。全国の強豪校の中から今活躍しているスター選手を集めて8チームに編成して試合をしているだよ。主催はアディダス」私「へぇ~」娘「おそらくこの中からプロの選手が生まれていく」私「そこに何でみやが呼ばれているの?」娘「ネクスト・ジェネレーションとい...

  • 春光

    ミッション・スクール春光の体育館家には11時に戻った。昼飯を食べて出掛けなければならない。山手にあるサンモール・インターナショナル・スクールの体育館でバスケットボールの試合が行われ、名古屋の学校に行っているみやちゃんが戻って来て出場するのである。私「何時に出る?」妻「みやが出るのが3時半の試合だって言っていたから2時半に出ればいいんじゃない?」私「じゃ、2時に出よう」妻「えっ、早過ぎるよ」私「いや、少...

  • 芽吹く

    機械吊り上げしクレーンや木々芽吹く設備にはこの10年で約15億円の投資をして来た。小さな工場の中に1億円規模の設備をどんどん入れてきた。無人化を図り、24時間稼働を目指し、老朽化した設備の更新にもお金を掛け、常に最新式、最先端を目指し、内製化、生産効率の向上を図ってきた。朝7時半に到着すると大型トレーラーが工場の前に到着していて、ヘルメット着用の作業員が大勢待機していた。私「おはようございます。よろしくお...

  • 春燈下

    一字また一字未明の春燈下2月23日(日)は天皇誕生日である。この日は朝から忙しく1日で3日分も過ごしたような気がした。まずは習字である。午後2時から「研究会」がある日だったが、他の用事と重なってしまい参加が出来ない。しかし作品の提出だけはしておきたい。書いておいた作品を見直して暗い内から1枚だけ書き直した。隷書体の2行書きの作品である。課題は「寡欲知身健安貧覺累軽」である。初めての10文字である。<10文字っ...

  • 啓蟄

    按摩器に寝て啓蟄の日なりけり日曜日に注文して火曜日、家に帰ると届いていた。私「おっ、届いたな(笑)」妻「コンビニで支払いしておいたよ」私「ありがとう」食事を終えたあと、早速、開けてみた。私「あれっ、前のと柄が変わったな」妻「そう?」私「こんな縞模様ではなかったと思う」妻「……」私「さて、どんな感じか(笑)」スイッチを入れた。グ~~~~ン。私「おおお、強烈!」妻「どう?」私「わ、わ、わ、わ、前よりパワ...

  • 獺の祭

    口上や獺の祭の売り上手日曜日の朝も早い。起きてすぐにテレビを点ける。いつもは4時15分から始まるNHKの「国際報道2025」を見るのだが日曜日はやっていない。平日夜10時の番組の再放送なので、土曜日はやっていないようである。日曜日は酒井美帆アナの顔が見られない。8チャンネルを掛けると「ディノスTHEストア」をやっていた。見るとマッサージ機「タタミ」を紹介していた。<おっ、昔買ったヤツだな……>3年ほど前に同じ番組を...

  • 花粉症

    この世をば儚むほどに花粉症もっと早く気が付けば良かったが、てっきり風邪だと思い込んでいた。花粉症であればコルゲンコーワのカプセル1錠で撃退である。もう30年以上も前になるが医者に行って「花粉症」と診断された時は落ち込んだ。<一生、この季節、鼻水を垂らしていなければならないのか……>事務屋の私が鼻水を垂らし続けるとは憂鬱なものである。何年間かは処方箋通りの薬を飲み「効かない」「合わない」「もうだめだ」と...

  • 春の風邪

    春の風邪悪しき寝相を悔ゆるかな孫のカズ君の中学受験が終わった。中学校に入るのに塾に通ったり受験勉強をしなければならないのだから田舎にいた自分の頃とは大違いである。その慰労を兼ねて三浦海岸にある「マホロバ」に泊まるという。妻「仕事が終わってからでもいいから来てよ」私「オッケー」妻「来るんだった食事も予約しておくけど」私「5時には行ける」妻「オッケー。じゃ、予約しておくね」ということで平日の宿泊となっ...

  • 長閑

    福もあり禍もありなべて長閑なり我々が座った席の壁にも「書」が飾られていた。篆書のようである。先日来始めている隷書のもっと前、秦の始皇帝が中国の統一を果たし、文字の統一も図ったのだが、その時に採用されたのが篆書体と言われている。今から2200年以上も前のことである。隷書を書き始めた私が篆書にまで興味を示してはいけない。やることが多くなり過ぎる(笑)。妻「これ、みんな福という字じゃない?」私「えっ!」妻「...

  • 蓬莱

    蓬莱を求め東へ馬車走る「ビャンビャン麺」が来た。私「おおお、辛そうだなぁ(笑)」妻「写真はいいの?」私「おっ、一枚撮らせて」妻「一枚でも二枚でもどうぞ(笑)」私の注文のツマミの品もすぐに運ばれてきた。料理は速いようである。私「どう?」妻「うん、そんなに辛くない。食べてみる?」私「うん、じゃ、1本だけ」食べてみた。私「おっ、ホントだ。そんなに辛くない」妻「それにしても11万円のビャンビャン麺とは凄いね...

  • 路地奥の中国訛り春を呼ぶ関帝廟を目印に「ビャンビャン麺」の店に辿り着いた。いつもは写真右の店に声を掛けて斜向かいの建物の2階のカラオケ屋に入るのだが、今日は食事である。左の店に人が入って行った。見ると「ビャンビャン麺」のポスターがどちらの店にも貼られている。女性「ド~ゾ、ドッチノ、ミセモ、オナジ」左の店の奥からカタコト日本語で声を掛けられた。私「どっちでもいい?」妻「私はどっちでも」左の店に入った...

  • 竜天に登る

    竜天に登り花道より消ゆる観終わって外に出たのが5時過ぎである。私「いやぁ、面白かったなぁ(笑)」妻「それは良かったね(笑)」私「原作通りというのも良かったよ。最後に河童が出てきたところだけは原作と違っていたけど、アングラ劇場だと思えば許せるかな(笑)」妻「原作ではどうなっているの?」私「暴風雨の桟橋で伝馬船が流されないか様子を見に行った時に5、6人に襲われるんだ。玉井組の若い衆もいたはずだけど暴風雨...

  • 春燈

    組の名を入れし春燈出入りかなほぼ原作通りである。細かいところも正確に原作を踏まえている。<分かるかなぁ……>原作を読んでいない人がほとんどのはずである。何度も読んで、前日にも読み返して来た私だから分かるようなシーンもある。<どうだろうか……>隣の妻を見る。暗闇の中だが、薄っすらと横顔が見える。<えっ!>何と寝ているではないか!<まさか……>本当に面白く見ていたが周りの人たちはどうなのだろう。少なくとも妻...

  • 春塵

    春塵に塗れゴンゾを稼業とす舳先の奥からネクタイ姿の男が大声を出しながら飛び出してきた。男性「本日はよ~こそ、お出でくださいましたぁ!」<ん?何だ、何だ?……>小説には全く登場しない人物である。男性「ここは北九州、若松港。明治36年の活気溢れるゴンゾたちの仕事場です。ゴンゾと言っても今の人たちには分かるはずがない。ちょっと説明させていただきますと、筑豊炭鉱で掘り出された石炭がこの若松港に運ばれてきて大き...

  • 春服

    春服が探す己の桟敷席私「2時の開演か。何時に出る?」妻「1時15分から入れるよ。舞台上に屋台が出ているんだって」私「舞台?何の舞台?」妻「小物や食べ物の店みたいだよ」私「へぇ~」12時50分の電車に乗り、1時半にKAATに到着した。<ん?ここは昔来たことがあったな……何だっけなぁ?>思い出せない。中に入るとお釈迦様の形をした「ねぶた」が飾られていた。中華街で行なわれている「春節」の関連なのかも知れない。会場の3階...

  • 春興

    春興や字画を誇る𰻞𰻞麺工場長と「花と龍」の話をした1週間後の土曜日の新聞に「花と龍」の記事が載っていた。<えええっ、話をしたばっかしじゃん!>関内にある神奈川芸術劇場(KAAT)でこの「花と龍」の舞台公演があるという。私「ミミミミ、これ、見に行こう!」妻「ナニ?」私「花と龍」妻「ええっ……」私「2週間しかやってない」妻「面白くなさそう……」私「面白くないかもしれないけど、絶対に見たい」妻「しょうがないなぁ……...

  • 春服

    仕事着と言ひ春服に迎へらる婿殿から連絡が入った。勤める会社でロッカーを買い替えるという。普通にどこからでも買えば良さそうなものだが、特注的要素もあるので相談に乗ってほしいという。営業と工場長と3人で出掛けて話を聞いて来た。当社で作って納めることになった。婿殿の働く姿をその時初めて見た。帰りの車の中での会話である。工場長「お婿さん、いい男でしたね」私「うん、いい男だよ」工場長「社長の長女の旦那さんで...

  • 賑はひや酔へばものみな朧なり終盤に近付いた。後ろの席に日本濾水器工業の橋本会長、社長親子がいる。私「さっきお見掛けしたので手を振ったら素通りされました(笑)」会長「あっそ(笑)」私「とうとう忘れられたのかと心配になりました(笑)」会長「もう細かいところに目が行かなくなって来たんだよ(笑)」私「ハハハハ」会長「それにしても後期高齢者もいいところだよ。健保組合もいつまでボクに役員をやらしておくんだろう...

  • 春めく

    春めくや罪なき嘘のありぬべし秋山社長(写真)はしばらくブログを眺めていた。秋山社長「これは凄いですね。毎日更新ですか?」私「そう」秋山社長「このブログの名前『ひこばえ』ってどういう意味ですか?」私「木の切り株があるだろう。その横から若い芽が生えて来る。その若い芽のことを『ひこばえ』という」秋山社長「へぇ~」私「長く続けるにはコツがある」秋山社長「何ですか?」私「ウソは付かない(笑)」秋山社長「ハハ...

  • 春の夜

    春の夜のジヤズの音色やすこし酔ふ演奏が始まった(写真)。最初の曲が高橋真梨子の「別れの朝」である。私の左には秋山社長が座っている。私「あれっ、日本の歌じゃん(笑)」秋山社長「そうですね」私「しかもオレがいつも歌ってる曲だよ」秋山社長「そうなんですか」私「オレの方が上手い」秋山社長「えっ、それは……(笑)」私「いや、ホント。オレの方が全然上手い」秋山社長「ハハハハ」私「だけど、知らない歌を聞かされるよ...

  • 春や立つ

    足腰も口も達者で春や立つ会長の挨拶に続き、横浜南税務署長の挨拶、副所長の乾杯の音頭と続いた。ビールが配られ、料理が始まった。前菜、パン、スープと続き、ビールの他にもワインや水割りなどが配られていく。新井先生「いつもならこの時間、もう布団に入ってるよ」私「えっ、まだ7時じゃないですか(笑)」新井先生「やることがある訳じゃないから、寝るに越したことはない(笑)」私「じゃ、朝は早いですね」新井先生「4時に...

  • 朧夜

    おぼろ夜や数へて百にまだ遠き2月7日(金)横浜駅西口のベイシェラトンホテルで横浜南優申会の新春交歓会が行われた。昨年は美空ひばりの曲を歌った「有希乃路央さん」を迎えてのパーティだったが、今年は「水岡のぶゆきグループのジャズライブ」だという。<ジャズと言われてもなァ……>会場に到着すると時間前だというのにすでに知った顔が何人も到着していた。A社長「おっ、相変わらず元気そうだね(笑)」私「ま、何とかやって...

  • 風光る

    父が娘に詫びて許され風光る今日2月16日(日)は長女の何回目かの誕生日である。以前は必ずプレゼントなどを買ってお祝いをしたものだが、遠く離れて住むようになって、孫たちのことも忙しくなり、いつの間にかそのまま過ぎてしまうようになってしまった。生まれて来てくれた時の感動や可愛く育っていく過程のことなどを懐かしく思い出しながら一言お祝いの言葉を書いておこう。小学校何年生の頃だっただろうか、家に帰ると学校で...

  • 佐保姫

    佐保姫を待つビル街の人通り福澤アナの講演が終りすぐに懇親会となった。こんなにいたのかと驚くほど人がいた。知った顔ももちろんいたが、知らない顔が多い。その中にK社長がいた。K社長「珍しいな(笑)」私「世の中がどれだけ変わったか見に来ました(笑)」私より1才上である。一緒にクルーザーを買ったことがある。K社長「日向さんはあんまり変わらないなぁ」私「そうでもないですよ。年だけは確実に取っています。体調はいい...

  • 寒声

    滑舌を鍛へ寒声ビラ配り福澤氏「コミュニケーションとはそもそも何でしょうか?話すことと聞くこと。総論でいうとコミュニケーションとはキャッチボールなんです。皆さん、キャッチボールをしたことあると思いますが、何に気を付けてボールを投げるでしょうか。それは相手が取りやすいところに投げる、取りやすいスピードで投げる。いきなり剛速球で投げる人はいないと思います。いきなりアンダースローで投げる人はいないと思いま...

  • 冬の終わり

    壇上や冬の終わりを告げる人会長挨拶に続き、横浜銀行の支店長の挨拶があり、その後すぐに講演会へと移った。司会者が福澤彰氏のプロフィールを読み上げて「では早速お迎え致しましょう。盛大な拍手でお迎えください」と声を掛けた。後方のドアからの入場である。「ジャスト! ミ~~~~ト!」あまりの大音量に驚かされた。マイクを持って大声で入場してきた。それまで静かだった会場内がそのたった一声に雰囲気を変えた。会場内...

  • 春を待つ

    黒書院六兵衛一人春を待つ3階に受付が出来ていた。横浜銀行の行員がズラッと並んでいる。知った顔の担当者が名札を渡してくれた。会費の支払いを済ませクロークに荷物を預けるように案内された。課長「まだ30分ありますので、中でお座りになってお待ちください」5~6名が座っていた。知った顔はいない。前から3列目の席に座った。水を飲みながら目の前に置かれた割り箸を見ていた(写真)。<ここで何か食べるのだろうか……>肩を叩...

  • 旧正

    旧正の飾りの前を足早に昨年11月末、横浜銀行から「新年講演会のお知らせ」が届いた。1月28日(金)、横浜コンチネンタルホテルで行なうとある。<ん?場所が変わったな……>もう出席しなくなってから随分となる。<どうして出なくなったんだっけなぁ……>以前は必ず出席していたものである。知った顔の中で楽しく一杯飲んで帰って来たのだが、どういう訳か出るのを止めてしまった。自分で決めたことだがどうして止めたのか理由が思...

  • 年豆

    年豆の数ほど文句言ひもして懇親会が終わって、コーヒーを飲んで帰ることにした。会の長老格も何人か付いてきた。総勢10名ほどである。私の向かいに78才の長老が座った。私の横にその長老のお弟子さん75才が座った。その前に菅野先生74才である。私「それにしても会員数が減っているじゃないですか。10年前に比べて6割ですよ」配布資料の中に10年前との比較が出ていた。78才「それが問題なんだよなぁ。それぞれの会の勢いも以前ほ...

  • 春近し

    褒められて伸びる七十路春近し総会は4月に行なわれる「第70回記念書展」の話を中心に進められた。聞いていると評議員以上の人が大きな作品を書いてくる書展だという。先生に言われて半切の作品を提出したが、もしかして半切は私だけなのかも知れない。女性「いいのよ。最初なんだから」私「まぁ、そうだけど、オレだけ半切じゃ逆に目立っちゃうなぁ(笑)」女性「目立った方がいいのよ。これからの人なんだから(笑)」総会が終わ...

  • 寒夜

    七十路の期待の星となる寒夜インターネットで「竹青社」と検索すると「第70回記念 竹青社書展」と出る。「開催期間 2025年4月16日~2025年4月20日書道団体「竹青社」評議員以上の会員による書作品の展覧会。今回は70回記念の展覧会となり、2×8尺作品、3×8尺作品を中心とした大型作品群となっています。料金 無料場所 横浜市民ギャラリー」この竹青社の評議員に選ばれたという。私「何ですか、評議員って?また高い会費を取られ...

  • 初硯

    進むべき道は蒼茫初硯12月22日(日)2時、その年最後の研究会である。8人の生徒が集まった。生徒と言ってもベテランばかり。私からすると先輩格ばかりである。しかしベテランだからと言って必ずしも上手い訳ではない。先生が書いたお手本を見ながら書くのは上手くても自分で考えて書くとなると話は違うようで、書道歴何十年と言う人が案外粗末な作品を書いて来るのである。今回は「鐘を尋ねて蒼茫に入る」である(写真)。一人ずつ...

  • 毛糸編む

    舟を編む人ゐて毛糸編む人も翌日届いた。私「おお、これこれ(笑)」妻「これが欲しかったの?」私「これがあれば上手く書けるという訳じゃないけど、ないとどう書いていいのかも分からないんだから隷書を書く時の必需品だよ(笑)」まずは宿題となっている漢詩を書き出して隷書の字体を調べていく。私「鐘を尋ねて蒼茫に入る、かぁ……」妻「蒼茫?」私「深い山の形容とある。見渡す限り、青々としているさま。まさにこれから隷書を...

  • 吉書

    みな上手くなりたし吉書大きめに先生から「隷書になっていない」と言われた日のことは以前書いた(令和6年11月26日、ひこばえ「息白し」)。その日、ベテランのおばちゃんに書いた先生のお手本が貼り出された。隷書である。あまりにも大きかったので、写真を撮るのに横ではなく縦で撮ってしまった(写真)。<なるほどなぁ、芸術性が高いなぁ……>自分の書いたものとの違いに圧倒されていた。私「先生!先生がこのお手本を書くに当...

  • 歳徳神

    湯上りの歳徳神に面ひとつ写真を撮った後、出世稲荷に向かった。長い階段を上って出店の前を通ってお参りをするのである。階段の終わりの辺りから列が出来ていた。私「何だって、こんなに並んでいるんだろ?」瀬谷さん「世知辛い世の中ですからねぇ。お参りしたいんでしょ」私「あれっ、みんな並んでるよ」私と瀬谷さん以外が並び始めた(写真)。私「オレはいいよ」瀬谷さん「私もいいです」私「じゃ、下に降りて待ってようよ」瀬...

  • 初詣

    御不動の前なる我等初詣ママさん「早く上がりな。いつ来るか電話がないから、席を空けておくのが大変だったんだから」いきなり文句を言われる。いつもは工場長がいるので車が出た時にママに電話を入れて、何時頃に着くと知らせているのである。その工場長がインフルで来ていない。すなわち電話を入れていないのである。私「駐車場が一杯でいつもと違う場所に停めてきた。ここのすぐ近くだったから、まだお参りをしていない」ママさ...

  • 屠蘇の酒

    注がれたるまでを覚えし屠蘇の酒3連休の初日である。成田山の駐車場は混んでいた。私「いつも停めるところじゃないんだ?」川上君「渋滞していました。辿り着くのに相当掛かります。別の駐車場にします」私「ああ、のり武の近くの駐車場だな」しかし、その駐車場も混んでいた。しかも入り口が反対車線の一歩通行である。長蛇の列が出来ていた。私「こりゃ、ムリだな」川上君「少し走ってみます」ちょうどその時、民間の駐車場から...

  • 年男

    ならぬ堪忍するが堪忍年男車は順調に進んで東京都内を過ぎて千葉県に入った。1時間ほどして市川君がトイレに行きたいと言い始めた。川崎君「ムリムリムリ、ここでは停められない(笑)」川上君「次のパーキングエリアで停めます」川崎君「社長、早くこのワイン飲んでください。瓶を空けないと市川君が小便をする場所がありません(笑)」私「飲める訳ないだろ!大体な、小便というものはな、心因性だ。気持ちの問題なんだ。家が近...

  • 松過ぎ

    松過ぎや歌ふは演歌「なみだ恋」9時ちょうどに車が到着して乗り込んだ。全員「おはようございます!」私「おお、もう飲んでるのか(笑)」川崎君「まだ歌は歌っていません。社長が到着してからすぐにカラオケを始めます。まずはビールをグッと飲んでください(笑)」私「おお、じゃ、まずは乾杯だ(笑)」全員「カンパ~イ!(笑)」運転は川上君である。私「悪いな、一日、飲めないぞ」川上君「大丈夫です。社長は安心して飲んで...

  • 風邪封じ

    濡れタオル吊りて自己流風邪封じ1月10日(金)、明日が成田山という日である。工場長が咳をしている。前日から別の男性が1名インフルエンザで休暇を取っている。もしかして移っているかも知れない。工場長「病院に行ってきます」私「熱はあるのか?」工場長「熱はないと思いますが、咳が……」行くと休み時間だったようで戻ってきた。別の部屋で仕事をしている。しばらくして再び病院に出掛けてインフルだと診断されて帰ってきた。川...

  • 千代の春

    御不動に守り守られ千代の春工場長が事前に「のり武」に電話を入れたようである。工場長「社長、のり武に電話しましたが電話が通じません」私「えっ、どうしたの?」工場長「分かりません。『この電話番号は使われておりません』となっています」私「違うところに電話したんじゃないか?」工場長「いえ、いつもと同じ番号です」調べてみると合っている。私「どうしたんだろ?店、潰れたか?」川崎君「社長、この際ですから別の店に...

  • 今年

    今年また更に大きなレンタカー3、4回は私が出掛けたと思うが、そのうち、私ばかりでなく別の人も参加させようということになった。安全衛生委員会で参加した旨の報告がされていたので、別の人も行かせようとなったのである。何回か続いた。機械職場に輿石さんという課長がいた。その年は輿石さんが行くことになった。当日の朝である。会社に電話が入った。輿石さん「もしもし、日向さん」私「どうした?」輿石さん「今、横浜駅の西...

  • 初詣

    初詣後の一献また一献会社に行くとトレーの中に安全祈願の案内書が入っていた(写真)。私「これを入れたのは川崎君か?」川崎君「いえ、違います」私「ああ、会社宛てに届いたメールか。出るか?」川崎君「何ですか?」私「毎年、やっている安全祈願だよ。終わったら一杯ある」川崎君「9000円かぁ。高いですね」私「バカヤロ~、成田山に行くことを思えば、こっちの方が遥かに安いよ(笑)」川崎君「社長が行ってくればいいじゃな...

  • 御慶

    いみじくも一期一会の御慶かな土産物を買ってバスの停まっている場所に戻ろうとすると後ろから車が来た。一人なら渡ってしまう所だが、妻が後ろから付いて来るので渡るのを止めて車が通り過ぎるのを待った。その時である。「日向さん!」声がした。空耳かも知れないと思った。「日向さん!」もう一度、呼ばれた。<えっ、だれ?>キョロキョロした。見ると目の前に停まった車が窓ガラスを下ろしている。私「おおおっ、落合さん!」...

  • 冬坂

    襷こそ命冬坂駆け上がる計画というものは一瞬にして壊れるものである。特等席だと思っていたものが誰も座らない場所に変わってしまった(写真)。道路の中央線まで出ざるを得ない。パトカーや先導車両が「危ないですから身体を出さないでください!」と連呼しているが、走って来る選手は見たいものである。中央線からははみ出さないまでも、身体は選手の走る方へ傾いていく。「身体を出さないでください!スマホを出さないでくださ...

  • 冬山路

    冬山路視界遮るもののなし時間が余ってしまって外に出て足湯に入ったり、日頃食べないお汁粉まで食べてしまった。12時20分には駐車場に戻っていた(写真)。私「おおお、特等席だなぁ(笑)」ガイドさん「少し寒いかも知れませんが、走って来る選手が全員見えます(笑)」私「これじゃ、テレビにも映るんじゃないか?」ガイドさん「そうかも知れませんね(笑)」私「旗はないの?」ガイドさん「すみません。用意しておりません(笑...

  • 冬滝

    音がするまで冬滝の絵の前に翌日は最終日である。箱根駅伝を見て帰路に就くことになる。私「あっという間だったな」妻「3泊でもいいかな(笑)」私「いやいやいや(笑)」妻「何もしないでいられるというのはホントにいいわね」私「そうかもな。何時の出発?」妻「10時半」私「いやに遅いな」風呂に入って本を読みながら時間を待った。小涌園天悠から岡田美術館までは車で5分である。バスに乗り込んであっという間に駐車場に到着し...

  • 裏白

    裏白を敷きて「ん」の付くもの八つホテルに戻って4時である。私「1日が早いなぁ」妻「出掛けてお昼を食べて初詣をして戻ったらもう夕方だもんね」私「風呂に行ってこよう」妻「今日は6階だよ。間違わないでね」私「はいよ」大浴場「浮雲の湯」である。「空と一つになるインフィニティのくつろぎ」とある。「高台に位置する天悠では目の前に遮るものがなく、湯船の先に広がる景色は稜線の美しい箱根外輪山の絶景。段々に連なるイン...

  • 年男

    痩せた蛇太った蛇も年男食事を終えて次は箱根神社での初詣である。バスは「山のホテル」の駐車場に置いて歩いて行くことになった。歩けないという1組を残してゾロゾロと歩き始めた。ガイドさん「芦ノ湖の中に鳥居がありますが、あれは箱根神社の鳥居です。今は近くまで行くことは出来ませんが、昔は道路から降りて傍まで行くことが出来ました。鳥居には扁額が掲げられています。扁額の文字は時の総理大臣吉田茂が書いております」...

  • 年明ける

    年明けて格付け一つ上がりけり翌日は早くに起き出して風呂に行きテレビで新年の番組を見るところからスタートである。私「おはよう。明けましておめでとう」妻「おめでとう。今年もよろしくね」私「ミイシャは最高だったな(笑)」妻「えっ、寝てたでしょ」私「寝ていたけど、あんまり音が大きかったんでそこだけは聞こえていた」妻「ああ、大き過ぎたか。ゴメン、ゴメン」私「大丈夫だよ。その後もすぐに寝たから(笑)」紅白歌合...

  • 行く年

    行く年や異人働く山の宿夕食会場は5階である。7時半からと言われている。5分前に到着すると受付の前にたくさんの人が並んでいた。同じバスの人たちがいて、その他にも何人も並んでいる。<ええっ、順番待ち?>最悪な状況を想定した。係の人が「順番にご案内いたします」と言っている。後から来た人が先に進んでいく。順番も何もあったものではない。<こりゃダメだな>と思った。しかし事態はすぐに解消された。本当に順番に案内...

  • 年の暮

    サツクスの音色に年の暮れゆけり私「おっ、始まりそうじゃん。場所を取っておいて。スマホを持ってくる」妻に声を掛けて部屋に戻ってスマホを取って来た。一番前の席である。私「あれ、何と言う楽器だっけ?」妻「えええっ、何だっけ?」私「フルート?クラリネット?」妻「違うでしょ」私「トランペットとは違うしなぁ……」妻「金管楽器で検索してみな」検索してみた。私「ああ、サックスだ(笑)」妻「ああ、そうそう、サックスね...

  • 年の湯

    年の湯にあり山並みの中にあり3時にホテルに到着した。箱根小涌園「天悠」である。412号室。部屋のベランダに小さな風呂桶が置かれている。私「全室露天風呂付きと宣伝している割には小さい(笑)」妻「ハハハ」私「これじゃダメだな」妻「そう?」私「これじゃ、小さ過ぎるよ。過去一番大きかった室内露天風呂は那須だな」妻「ああ、そうね(笑)」私「あそこだけはもう一度行ってもいいな(笑)」妻「ホントに大きなお風呂だった...

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