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ひこばえ http://hikobae0869.blog.fc2.com/

俳句は自分史です。自作の俳句に写真とエッセイを添えて綴ります。

日向亮司
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磯子区
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2013/05/30

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  • 花三分

    金色仏見むと列なす花三分新杉田駅を9時の電車に乗り込んだ。所要時間1時間なので10時に着くはずである。一度読んだ「JR上野駅公園口」を取り出してもう一度読んでみようと思ったがいつの間にか眠っていた。東京駅のあたりで目が覚めて「ここ、どこ?」と妻に聞いた。この頃、やたらと眠くなる。加齢の所為なのか朝が早過ぎる所為なのか。自分の意思とは無関係に睡魔が襲って来る。上野駅に到着した。妻がさっさと歩いて行く。「パ...

  • 花巡り

    花巡り手には小説「上野駅」中尊寺についてはちょっとした思い入れがある。コロナ前のことだが平泉を訪れて高橋克彦著「炎立つ」所縁の地を見て来ようと旅館まで予約していたのである。急にコロナ騒ぎが始まり、ダイヤモンド・プリンセス号の集団感染が報じられ、宿をキャンセルせざるを得なくなったが予約していた旅館からは今もなお妻のアドレスにメールが届くという。平泉だけでなくいろいろと回ってみる計画を立てたと思うが、...

  • 花見

    予約して花見見下ろすレストラン<あっ!中尊寺を見に行くのを忘れていた!>今年の初め頃からやっていたのだが、頭から飛んでしまっていた。調べると4月14日(日)までである。3月30、31日の土日は孫が遊びに来ることになっている。4月6、7日の土日は習字と別の用事が入っている。さすがに最終日あたりは混み合うだろう。平日に行くことにした。妻「会社は大丈夫なの?」私「1日くらいは許してくれるだろう」妻「私はいつでもいい...

  • 春大根

    春大根買つて新妻とはなれり翌日、白澤さんからメールが入った。白澤さん「お疲れ様です。来週の飲み会ですが、仕事の都合で参加できなくなってしまいました。4月25日(木)の斉藤先生の古事記の講演会に日向社長も参加されるとのことで、斉藤先生からお聞きしました。私も参加しますのでその時にお会い出来ます。とても楽しみにしております」私「斉藤先生の3時間もの講話が退屈なものでないことを願っています。これから古事記の...

  • 目借時

    目隠しをされて揉まれて目借時私「こんにちは(笑)」斉藤さん「講演会申し込み、ありがとうございます(笑)」私「前回は何か都合があって聞きに行けませんでしたので、今回は楽しみにしています」斉藤さん「白澤さんも参加してくれます(笑)」倫理法人会で一緒だった美人の白澤さんに私が好意を持っていると思い込んでいる(笑)。斉藤さん「前回からもう半年近く経ちましたよね」私「8月に揉んでもらいましたのであれから8か月...

  • 囀り

    囀りや神の国へと誘へり斉藤さんからメールが届いた。4月25日(木)に「古事記」の講演をするらしい。1回目、2回目と聞きに行けておらず今回が3回目である。たまたま都合が付かなかっただけだが今回は行けそうである。「参加する」と返信した。すぐに折り返し返信があった。斉藤さん「参加料3000円の振込は下記の口座へ」斉藤さんらしいなぁと思った。有名人の講演会ならチケットの販売などは当り前だろうが、素人の集まりである...

  • 遅日

    腕に縒り掛けて遅日の厨事カズ君がいなくなった。戦力1名減。お椀にお湯を入れた。私「麺を三等分するというのは大変だなぁ」鍋の中で茹っている麺を箸でどんぶりに入れようとした。妻「何をやってるの!直接入れる人いないよ!湯切りだよ、湯切り!」私「えっ、湯切りってどうするの?」妻「これを使って!」流しの下からステンレス製のザルを取り出した。妻「これにお湯ごと流し込んで」私「えっ、この熱湯をそのまま?」妻「そ...

  • 三月尽

    らーめんの湯の滾りをり三月尽お湯が沸騰しそうである。私「タレを薄めるお湯は300ccって書いてあるけど、300ccってどれくらいだろう?」妻「大体でいいのよ」私「大体ってことはないだろう。お湯の量によって味が変わるだろう?」妻「細かい人だなぁ、これを使いな。計量器」私「おお、便利なものがあるじゃん。300ccってこのカップ一杯だ。だけど、お湯を入れる前にタレを入れてしまったなぁ。煮立ったお湯をこのカップに入れて...

  • 獺祭

    どんぶりと小皿並べて獺祭日曜日の昼の会話である。私「お湯を沸かしてラーメンを作るって、ここ数年やったことないな」妻「何を言ってるの。ここ数年って」私「えっ、いつかやったことはあったよな」妻「結婚してから一度として見たことありません」私「えっ、そうだっけ?」妻「45年間、一度もやったこと……なし!」私「まぁ、お湯を沸かして茹でるだけだから簡単だろう」妻「箱の裏側に作り方が書いてあるから読んでおいた方がい...

  • 四月馬鹿

    四月馬鹿馬鹿を逆手に売るらーめん木久扇といえば「木久扇ラーメン」である。食べに行ったことは一度もなかったが、最後であれば行ってみるかと調べてみると、昔27軒もあったという店舗が全て閉店してしまったと書かれていた。<ええっ、全部閉店!>ラーメン屋の経営も大変なんだなぁと驚いてしまった。ウィキペディアで「木久蔵ラーメン」を読んでみると最後のところに「2024(令和6年)3月、木久扇が笑点大喜利レギュラーを降板...

  • 卒業す

    笑はれて馬鹿の一人が卒業す最近久しく「笑点」を見ていなかったが、林家木久扇(86才)がとうとう最後の日を迎えるようである。桂歌丸が辞めて円楽(楽太郎)が辞めて次々と新しいメンバーと入れ替わってきたが、木久扇もいなくなるというのは寂しいものである。東京都内で最終収録が行なわれて共演陣と共に記者会見に臨み、その様子がニュースになり映像が流れていた。メンバーの一人一人が労いの言葉を述べていたが、その中で春...

  • 春灯

    芸人の町「浅草」に春灯「捕鯨船」を出たのが5時半である。駅まで歩いて雷門の前に出た。まだ明るい。スカイツリーが見える。たけしの「浅草キッド」では「明かりの消えた浅草の」と歌っていたが、まだ日のある明るい浅草である。一日、たけしの浅草を歩いてみて「紙一重」とか「一歩間違えれば」という言葉が思い浮かんだ。「世界の北野」と駆け上がったたけしだが、母親に心配を掛けてばかりいた浅草時代である。アパートの家賃...

  • 鯨売る店に嫁ぎて商へり女性客が入ってしばらくして中に呼ばれた。若い女子店員が声を掛けてくれた。女子店員「奥の方へどうぞ」私「奥?」女子店員「一番奥になります。スミマセン、通してやってください」カウンター席ばかりである。男たちの背中の後ろを身体を横にしながら進んで一番奥の丸椅子に到着した。女子店員「スミマセンねぇ、狭くて。後ろをトイレに行く人が通りますので、その時はお願いします」選りによってカウンタ...

  • 鯨潮吹く

    鯨潮吹くシーシエパードが見張る「曙湯」を出て向かうはその日最後の目的地「捕鯨船」である。本当なら「言問通り」沿いにある「さくま」という居酒屋に入りたいところだったが日曜日は休みである。たけしが照明係のいのうえと一緒に酔っぱらうまで飲んだ店だというのでそちらの方が面白そうだが休みでは仕方ない。「ひさご通り」を抜けて「ホッピー通り」というのか「煮込みストリート」というのかは分からないが歓楽街に入ると文...

  • 遅日

    湯上りの遅日の風に吹かれけり『いのうえが入って来てから、オイラは振り付けの練習をする踊り子に混じって毎晩コントの稽古を始めた。深見の師匠に教わった新ネタを稽古し、タップの学校で習って来たステップをおさらいした。劇場がかぶったあとの夜の九時半から十一時までがオイラたちの稽古時間だった。その間中、いのうえは客席に座ってオイラの稽古をじっと見ていた。おさらいが済むと、待っていたいのうえを誘って、松倉荘の...

  • 涅槃西風

    開け放つ三畳一間涅槃西風「東洋館」を出て次に向かったのは当時たけしが住んでいた「第二松倉荘」跡である。「ブロードウェイ通り」から「ひさご通り」を抜け「言問通り」の交差点を渡って「千束通り」に入る。一本目の通りを右折して50メートルの場所にある。歩くこと7~8分。今はマンションに建て替わっていて「第二松倉荘」だった場所は駐車場の回転盤に変わっていた(写真)。ビートたけしの「浅草キッド」からである。『年の...

  • 春の雷

    バカヤロー!コノヤロー!タケ!春の雷それにしても小さな舞台である。ここで深見千三郎師匠がたけしやきよしを育てながらコントをやっていたのである。ストリップを見にきた客を相手に真剣に自分たちの芸を磨き、芸人としての技を仕込んでいたのである。ビートきよしの「もうひとつの浅草キッド」に深見千三郎とたけしについての記述がある。きよしはたけしのことを「相方」と呼んでいる。「相方にとって深見千三郎師匠は最初で最...

  • 漁夫渡る

    漁夫渡る一つ覚えの祝ひ唄開演である。最初に登場したのが「シリアル」の二人である。太ったのと痩せたのが出て来た。と、そこに年寄りが一人出て来た。<あっ、さっきの人だ>1階から乗り込んだエレベーターに「関係者、関係者!」と叫びながら知り合いの4人を詰め込んで来た男性である。派手な上着を着ているので普通の人ではないことは分かったが、誰なのだろう?キョウジ師匠と呼ばれている。パンフレットを見てみる。「J・J京...

  • 風眩し

    これがまあかのエレベーターか風眩し「12時開場、12時半開演」なので12時5分に「東洋館」に入った。切符売場に数名いたが、すぐに順番が回って来た。女性「1名ですか?2500円になります」私「危なく隣の浅草演芸ホールに入るところだったよ(笑)」女性「ええっ、間違えないでください(笑)」私「ビートたけしのエレベーターって、これ?」女性「はい、そうです(笑)」私「乗ったらいいことあるかな(笑)」私が乗り込んで4人で...

  • 仲見世の春外人が皿を買ふホルモン焼き一皿では腹の足しにならない。どうしようか迷ったが店を出ることにした。滞在時間わずか20分である。ラーメンでも食べようと思ったが、その前に「金玉堂」を見に行くことにした。すぐ近くのはずである。自分で作った手書きの地図を見ながら進んでいったが見つからない。大きな通りに出てしまった。<?>見過ごしたかな。戻って見ると壺や茶碗を飾った店を見つけた。<ここかぁ……>たけしの「...

  • 風光る

    芸人が食べに来る店風光る「つくし」に着いたのは10時50分である。店の前に男が立っていた。私「もう、やってるの?」男「はい、大丈夫です(笑)」私「11時からじゃないんだ」中に入るとすでに3組のお客が鉄板の上で何かを焼いていた。壁にはたくさんの写真が貼られている。奥の方から別の男が注文を取りに来た。男「何にしますか?」私「生ビール。それとたけしが食べていたというホルモン焼き」男「はい」すぐに奥へと入って行...

  • 鷹鳩と化す

    鷹鳩と化して六区の風に舞ふ「雷門」の前は人だかりである。特に外国人客の多さが目立つ。何度も来ている場所なので真新しさはないと言いつつも浅草の象徴であり入口である。人力車の客引きに声を掛けられながらも無視して中を潜った。仲見世の混みようも尋常ではない。人にぶつかって歩かなければならないので、裏道を行くことにした。メロディが思い浮かぶ。高倉健さんの「唐獅子牡丹」である。義理と人情を秤に掛けりゃ 義理が...

  • 人混みの春の浅草花屋敷都営浅草線で「浅草駅」に着いた。降りた人の数は半端ではない。日曜日である。人波に流れながら改札口を出て長い階段を上がったり降りたりしながら地上に出た。<この出口に出たのは初めてだなぁ……>いつもはどうやって浅草に来たのかは思い出せない。<もう何度も来ているのに……>俳句の吟行で道川先生と来たことを真っ先に思い浮かべる。浅草寺から待乳山聖天に回り「妻のこと想いて待乳山薄暑」という句...

  • 春塵

    春塵や福呼ぶ壺を店先に3月17日(日)に出掛けることにした。大まかな予定表を作った。ビートたけしの「東洋館」で漫才を見て、たけしが通っていた「捕鯨船」「つくし」などでたけしが食べたものと同じものを食べて帰って来るという簡単なものである。① 9時 杉田出発② 10時 浅草着③ 10時半 浅草寺お参り④ 11時 「もんじゃ つくし」(火定休)ホルモン焼きを食べる⑤ 12時半~2時半 「東洋館」(12時開場)⑥ 2時45分 「...

  • 春興

    春興や若手芸人タツプ踏む出掛ける前にいろいろ調べてみた。映画「浅草キッド」の中で柳楽優弥君がたけし役でタップダンスを練習するシーンがあったので本当にたけしがタップをやるのだろうかと検索してみると、オーケストラをバックにタップを踏んでいる動画があった(写真)。アップした日が平成25年6月5日となっていたので今から11年前で、たけしが66才の時ということになる。しかも流れる曲が「スタンド・バイ・ミー」である。...

  • スターへの道を裸で体当たりきよし師匠の話は続く。「面接会場に着くと、そこでも人の多さには驚かされた。二次審査に300人位の受験者が集まっていた。「これじゃ、受からないな……」と思ったけど結果はその場で合格と言われた。「おお、オレもこれで芸能人だ」と、すっかりスターになった気分だった。親戚の下宿に転がり込んで養成所通いが始まった。するとすぐに映画の仕事が舞い込んだ。「よしっ、これでオレもスターの仲間入り...

  • 四月馬鹿

    四月馬鹿何はともあれ東京へ先日ニュースを見ていると、東京浅草の「東洋館」で若手芸人を集めた「ビートたけし杯、お笑い日本一」なる催しがあり、そこにビートきよし(74)が乱入したとして映像が流れていた。もちろんそこにはビートたけし(77)もいて、聖地・浅草で「ツービート」の揃い踏みとなり、盛り上がっていた(写真)。久し振りに見るきよしだったが痩せているのに驚いた。「腎臓を壊して痩せているんだよ」とたけしが...

  • のどけし

    のどけしやどこにでもゐるワイン通2月29日(木)、かながわ信用金庫の賀詞交歓会に出席してきた。第一部は理事長による講話で「激動する日本経済の今」について分かりやすく話をされていた。第二部が懇親会である。立食形式でそれぞれが場所を指定され丸テーブルを囲んだ。乾杯のあと、バイキング形式の食事をしながらビール、日本酒、ウイスキーが運ばれ、赤ワインもあった。私の指定されたテーブルが「B」ですぐ向かいに理事長な...

  • 春愉し

    外れなき金賞ワイン春愉し美味しいワインの見分け方は知っておくべきだろう。味は飲めば分かるが、これがいいワインなのかダメなワインなのかはなかなか分かりづらい。少なくとも1万円のワインと紙パックに入った500円のワインの違いくらいは分かるようになっていたい。ということでまずはネットで調べてみた。「ワインの良し悪し」と入力して「ワインの良し悪しが見分けられない本当の理由」という文章に辿り着いた。そこにはワイ...

  • 山笑う

    赤ワインなべて金賞山笑ふ焼酎はさておき、新聞にワイン安売りの広告が載っていた(写真)。「63% OFF!」だという。「格上メドック・5冠金賞入り!フランス金賞赤ワイン12本」「全て金賞!」「送料無料」とある。メドックはよく分からないが、金賞を取ったワインならどれも美味しいに違いない。妻にメールした。私「これ、いいんじゃない?金賞の赤ワインだよ」妻「よく広告が入る」私「何でこんなに安いのかは分からないけど」...

  • 春炬燵

    ほどほどに飲んで寝落ちの春炬燵川崎君から「これ、飲んでください」と焼酎をもらった。私「おっ、悪いな(笑)、何これ?」川崎君「今まで飲んだ焼酎の中で一番美味しいと思った焼酎です。昆布味です(笑)」私「昆布味?へぇ~、そんなものがあるんだ」家に帰って早速飲んでみることにした。私「おっ、いい香りがする」妻「どれどれ、あっ、ホントだ」私「本当はこのまま飲むんだろうけどなぁ……」妻「そうよね、折角の昆布の風味...

  • 鞦韆

    鞦韆や立石様のゐる公園熊野神社を出て来た道を戻って「立石様」を探すことになったが、現れたのは葛飾税務署である。土曜日なので門は閉じたままだが、広い広い葛飾区を一網打尽にしている建物である。すぐに戻って「立石様」のある公園に辿り付いた。子供たちがボール遊びをしていた。私「ちょっと、ゴメンね。写真だけ撮らせてね」由緒書きが立っていた。読む前に写真を撮る。<ああ、これが立石様か。いやに小さいな……>土に埋...

  • 陰陽師請はれ蛙を潰す技本奥戸橋の手間の交差点を渡り、またまた中川沿いの道を進む。地図を見る限りは少しずつ右に曲がるようである。「立石様」は途中で一本、住宅地の中に入らなければならないようである。ここいら辺りだろうと見当を付けて入ってみた。それらしき公園が現れない。普通の公園の中に祀られているようである。道は普通に自動車が行き交う本通りに出てしまった。行き過ぎたか。更に右に進むと急に「熊野神社」の鳥...

  • 春川

    大いなる春川大いなる流れ「栄寿司」を出て真っ直ぐに南に向かった。中川にぶつかるまで歩けばそこが「東立石4丁目」である。当社の創業者である中込宗次さんが桜木町から電車に乗ってトランクを製造するための部品を仕入れに行った「愛国工業」という会社があった場所である。数年前に無くなってマンションに変わってしまったと葛飾区役所の担当者が話していた。場所の特定は出来ないが、宗次さんが通い歩いた道である。感慨深い...

  • 竜天に登る

    酔ふほどに竜もすなはち天に登る私は「宇ち多゛」の向かいにある「栄寿司」に行くことにしていた。ここに行くことはどなたかのブログで紹介されていた。「2軒目は栄寿司。立ち食い寿司としては全国を代表する名店」と書いてあった。飲み物はエビスの小瓶かお茶しかない。酔っぱらうための場所ではない。好きなネタをいくつかサッと摘まんで、行列に並ぶ人たちのために場所を譲る。江戸時代に登場した屋台の寿司そのままに箸もなく...

  • 梅見月

    酒飲みに駄弁を禁ず梅見月店にはしっかりとしたルールがあった。余計な口は利かない、大きな声は出さないというルールである。目の前に4人で来ているお客がいたが、ついつい大声になりがちな所を店員がしっかりと抑えていた。店員「他のお客さんがいるからね。注意してね」2度目の時は「注文が聞こえなくなるから、大きな声は出さないように注意して!」テーブルに肘を付いている人には「お客さん、肘はダメだよ。降ろして」とやっ...

  • 啓蟄

    タンナマを噛む啓蟄の酒場かな10時半に順番が回ってきた。店員「はい、次の人!一人?」私「はい、一人です」店員「そっちの入り口から入って!」引き戸の右側を指している。黙々と飲みながら食べている人たちの前を通って一番奥のテーブルに通された。店員「飲み物は?」私「梅割りをお願いします」店員「梅割りね」私「それと、煮込みとタン生(なま)」店員「はい、煮込みとタン生!」料理を作っている奥の人に大きな声で伝えて...

  • 余寒

    満席の外に列なす余寒かな「千ベロの聖地『立石』物語」を読んで、これはすぐに行かなければと思った。行くのは土曜日である。日曜日では意味がない。作者が一押ししている「宇ち多゛」という店が日曜日を定休日としているのである。土曜日。それも午前10時にオープンして昼過ぎには閉店してしまうらしい。すぐにでも行きたかったがなかなかタイミングが合わなかった。雨の日もあれば雪の日もあり、どうしても会社に出なければなら...

  • 春の土手

    葛飾の川辺まだ見ぬ春の土手女性「社長、葛飾区役所の〇〇様という方からお電話が入っておりますが……」私「おっ、来たか!早いな~」すぐに電話に出た。私「もしもし」〇〇さん「もしもし、日向様でよろしいでしょうか?わたくし、葛飾区役所の商工振興課の○○と申します」私「ははは、お忙しいところを本当に詰まらない問い合わせなどいたしまして申し訳ございませんでした。何か手掛かりなどございましたでしょうか?(笑)」○○さ...

  • 春浅し

    千ベロの聖地「立石」春浅し日経新聞に「せんべろの聖地の習俗」という記事が載っていて面白く読んだ(写真)。「せんべろ」とは1000円でべろべろになるまで飲める店という意味で、東京の葛飾区立石にある飲み屋街のことだという。「1000円でべろべろ?いつの時代のことだ?」とは思ったが古き良き昭和の時代だろう。作者の谷口榮氏は生まれも育ちも立石の人で大学で考古学を学び、博物館に勤めながら博士号を取ったと書かれていた...

  • 春寒し

    春寒し飲まねばならぬ粉薬それからしばらくは流石に行かなかったが、1か月ほどしてほとぼりも冷めた頃と思いまた通い始めた。いつの間にか注文方法が変わっていて、タブレットで入力するようになっていた。<入力が面倒だなぁ>とは思ったが、注文忘れのトラブルはなくなると安心するところはあった。天皇誕生日の祭日の昼に入ってカンターの一番端の席に座った。タブレットで「ニラレバ炒め定食」を注文した。最後に「送信ボタン...

  • 韮食べずして癇性の治まらず新杉田駅前にある日高屋の「ニラレバ炒め定食」について書いておこう。ここ2、3年、スポーツセンターで汗を流した後に時々食べに行っている。すなわち土曜日か日曜日の昼に入る。半年位前のことである。カウンターに座って注文を取りに来た女性に「ニラレバ炒め定食」を注文した。お客は引っ切り無しに入って来る。混み合っていた。注文してしばらく待っていたが、なかなか出来て来ない。<ん?><忘れ...

  • 夜半の春

    コーランの祈り扨置き夜半の春日本酒が届いた。私「あれっ、5本もあるじゃん」川崎君「社長、大丈夫です。飲めます(笑)」私「イヤイヤイヤ、オレ一人じゃないだろうな。飲める訳ないよ」川崎君「大丈夫です。飲めるだけ飲めばいいんですから(笑)」私「恐ろしいなぁ(笑)」あちらこちらで肉が焼かれ、飲み物が注文され、声も大きくなってくる。私「豚を食べちゃダメだとコーランに書いてあるのか?」オキン君「カイテアル」私...

  • 春愉し

    もてなしの「ブンガワンソロ」春愉し土曜日の5時半から焼肉歓迎会である。インドネシア人は5時まで仕事をして自転車で自宅に帰って近くの会場に来ることになっている。他の従業員はシーサイドラインで2駅目である。私は午前中は働いて一旦家に戻ってシーサイドラインで5時半に会場に入った。川崎君「お待ちしておりました。社長が最後です(笑)」私「最後ったって、5時半前じゃないか(笑)」川崎君「食べるとなったら、全員が時...

  • 春の雷

    教練は軍隊仕込み春の雷翌日から研修が始まった。全職場で行なっている活力朝礼の基本を覚えるところからスタートである。一度日本で働いたことのある人ばかりなので、日本語はもちろん通じているし、ラジオ体操もしっかり行なっている。3日ほど事務所の朝礼を見学させた後、やらせてみることにした。私「よしっ、オレが指導役をやろう」川崎君「えっ、社長、出来るんですか?」私「バカヤロー、会社に活力朝礼を取り入れたの、誰...

  • 謝肉祭

    異教徒を肉でもてなす謝肉祭2月12日の月曜日の午前中に成田に到着した。建国記念日の振替休日で祭日だが、仕事が立て込んでいるので工場は動かしている。昼過ぎにやってきた。5名である。通訳の女性と一緒である。私「こんにちは!」5名「コンニチハ!」私「ようこそお出で下さいました。私は社長の日向(ひなた)と言います。日向……意味は太陽です。通訳!」通訳「ハイ、ペラペラペラペラ」5名「(頷く)オオオッ……」私「会社が出...

  • 春遅し

    春遅し人待つほどに疲れもし令和元年10月にインドネシア研修生を3名採用した。溶接工程に1名、塗装工程に2名配属した。令和4年6月に3名追加した。溶接工程2名、塗装工程に1名配属した。昨年の夏、コロナが明けて急に仕事が忙しくなり急遽人を募集したがすぐには集まらない。「よしっ、インドネシアを呼ぼう!」「何名ですか?また3名ですか?」「いや、6名呼ぼう」「えっ、6名もですか!」「こんなに忙しいんだ。6名は必要だ」「し...

  • 春風邪

    春風邪に開く工程の穴ひとつ会場に着くと事務の男性が受付をしていた。私「車で来たので割引券をお願いします」男性「えっ、割引券ですか?」私「この間、○○さんが車で来て割引券のことを話していた。崎陽軒のホームページにも出ていた」男性「そうですか。分かりました。確認させてください」用意された席に着いた。会議が始まる前に隣に座った上場会社の専務さんとの会話である。私「専務のところではコロナに罹った人の出社基準...

  • 春の雨

    入れ難きビル駐車場春の雨健康保険組合の会合が横浜駅前の崎陽軒の会議室で行われた。いつもは自宅に車を置いて電車で出掛けるのだが、時間の余裕がなくて車で会場まで行くことにした。崎陽軒の駐車場を確かめると「ヨコハマジャスト2号館駐車場」というのが用意されていると書かれていた。会議室を使うと割引もあるという。カーナビに設定して無事に到着した。会議開始の20分前である。車を進めようとすると係員が出て来て「1台車...

  • 春立つ

    春立ちて君と歌ひし波止場だよその後、何回も会場内を回ってくれていた。美空ひばりの曲も何曲も歌っていた。「人生一路」を歌い、アンコールに応えて「お祭りマンボ」も歌った。7時半に始まった歌謡ショーが8時半で終了した。舞台から降りて私のところに来てくれた。私「ありがとう、最高だったよ」有希乃さん「こちらこそ、ありがとうございました」私「杉田劇場で歌ったりしてるんだって?」有希乃さん「そうです、今度来てくだ...

  • 末席が賑はつてゐる春の宴挨拶代わりに1曲目を歌った。聞いたことのない曲だったので曲の良し悪しは分からないが、歌の上手さは分かった。私「おお、めっちゃ上手いじゃん。凄い声量だよ」県会議員「子供の頃から有名でした。ご近所に住んでいましたのでいろんな所で歌っていると聞いていました」私「磯子生まれとはひばりと同じだ。なるほど、こりゃ応援もしたくなるなぁ」2曲目に美空ひばりの歌を歌った。私「おお、ホントに上手...

  • 逃水

    逃水や求めよさらば与えられん筋トレの話などして4人は4人なりに盛り上がった。内装屋はライザップに通って10キロの減量に成功したそうである。止めて反動があって元の数字に戻り、今は太るに任せているそうである。私「何事も続けることにこそ意味がある」内装屋「そうそう、続けた人だけが成功は齎される。分かっているんですが(笑)」県会議員の女先生はキックボクシングを始めたそうである。私「ええっ、キックボクシングです...

  • 亀鳴く

    亀鳴くや席は世に言ふ順不同テーブルは「J」の席だった。ABCと数えていくと「J」は10番目である。入り口に一番近いテーブルで大きな丸テーブルを4人で囲むことになる。内装屋の社長が座っていた。初めて見る顔である。名刺交換をして話になった。私「末席ということですね(笑)」内装屋「えっ、そうなんですか?」私「何事にも順序というものはあるものです。来賓の税務署長と会長は間違いなくA席です」内装屋「なるほど」私「私...

  • 春めく

    飲むほどに酔ひ酔ふほどに春めけりそもそも私が優申会に参加したのが35年ほど前のことである。「熱海で会合があるので参加して来るように」と当時の社長から言われたのが始まりで、「優良企業の社長の会なのでしっかり挨拶して来るように」とも言われて出掛けた。会合のことは記憶にないが、その後に行なわれた懇親会が楽しかった。美味しい食べ物があり日本酒があり芸者がいて大盛り上がりである。二次会に誘われ歌まで歌って「こ...

  • 冴返る

    迷ひ込む鏡の国や冴返る桜木町からタクシーに乗って受付開始時刻の6時ちょうどに到着した。とてもキレイなホテルである。ドアが開くと男性が一人立っていて「右へお進みください」という。私が優申会で来たかどうかも聞かないで案内をする。「ん?」他に誰もいない。ホテルだというのにお客の姿が見えない。看板も出ていない。奇抜な内装をしていて通路なのか鏡なのか分からない(写真)。私に次いで入ってきた社長と一緒になり、...

  • 日脚伸ぶ

    誘はれてゐるうちが花日脚伸ぶ外から戻るとメモがあり、優申会の会長から電話があったと書かれていた。<あっ、出欠の確認だな……>12月の中頃に文書が届いていて「賀詞交歓会のお知らせ」だったが、2月7日と随分と先のことでもあり何か予定でも入ると面倒なのでそのままにしていたのだがすっかり忘れていて締切りが過ぎてしまっていた。まだ3週間も先のことだが確認の電話のようである。折り返し電話をすると出掛けているという。...

  • 金目鯛

    曇天の朝市に売る金目鯛かな翌日は8時の朝食を急いで済ませて宿を後にした。日本三大朝市の一つと言われる「勝浦の朝市」に行こうというのである。11時までと書かれていたので急がなければならない。「輪島の朝市」が元日の震災であのような姿に変わり果ててしまったので、おそらく輪島応援の賑わいを見せていることだろう。前の日に上って来た道を下りながらキョンを探したが一匹もいなかった。妻「いない……」私「どこに行ったん...

  • 金目鯛

    取り分けて煮汁掛け足す金目鯛かな男性がいなくなってからお品書きを見ていた妻が叫んだ。妻「あっ!キンメダイがある」私「えっ、キンメダイ!煮付け?」妻「そう。キンメダイの煮付けって書いてある」私「一人一匹?」妻「違うでしょ。あんなのが2匹も出てきたら大変だよ」私「食べないで良かったなぁ(笑)」妻「そうね、またアンコウ鍋の二の前になるところだった(笑)」令和4年の年末に出掛けた常磐ハワイアンセンターで昼に...

  • 冬終る

    山下りて浸かる海の湯冬終る私「鹿じゃないんだ!」女性「キョンと言いまして外来種です。行川アイランドで飼っていたものが、アイランドが閉鎖となり逃げだして野生化しました。今では勝浦市民の数より多いと言われております」私「へぇ~、悪さをするんですか?」女性「ああやってどこにでも出てきて、花や草を食べてしまいます。花壇なんか作っても花は育ちません」私「大きさはあの大きさだ」女性「はい、鹿のようには大きくな...

  • 鹿

    鹿まがひキヨンが水飲む人工湖お神籤を買って駐車場に戻って2時半である。私「ちょうどいい時間だ。3時ピッタシに旅館に入れる(笑)」妻「わ~、楽しみ~(笑)」先程、抱湖園から走ってきた道を戻りながら鵜原理想郷を過ぎ、上総興津を越えて「ミレーニア勝浦」方面と書かれた交差点を右に曲がった。私「何だろ?お洒落な建物ばかり建ってる」妻「別荘かな?」私「戸建て住宅にしては色合いといい形といい、何か規制がありそうだ...

  • 初神籤

    指先に触れしを選ぶ初神籤抱湖園の駐車場に戻ったのが1時である。3時のチェックインまで2時間もある。私「勝浦まで行こう。旅館のある場所を通り越してしまうけど、近いことは近い」妻「勝浦に何があるの?」私「遠見岬(とおみさき)神社というのがあってそこで売っているお神籤が可愛い」妻「ああ、この前、メールで送ってきてくれた金目とカツオだ(笑)」女性用のお神籤が「金女(きんめ)みくじ」といい、男性用が「勝男(か...

  • 寒禽

    寒禽のこゑ山影の動かざる足は大丈夫だろうかと心配にもなったが、石射太郎山の急坂に比べれば歩きやすい。上へ上へと登っていき、とうとう頂上まで達してしまった。私「さっき、入り口の近くにハイキングコースに入る階段があったけど、ここから降りていくとあの場所に出るんだろうな」妻「そうね」私「まだ湖も見てないから、きっとこの下にあるんだろう」ゆっくりと降り始めた。梅が咲いていた。紅梅白梅が美しい。私「あっ、抱...

  • 寒桜

    寒桜見たさに凡夫集まれり食べ終えて外に出たのが11時50分である。旅館のチェックインが3時なので時間がある。私「桜を見に行こうよ。元朝桜」妻「ああ、昨日NHKでやってた(笑)」私「そう。オレも朝のニュースで見て、どこだろうと調べたら鴨川のすぐ近くだった」妻「結構、咲いてたわよね」私「昭和の初めに間宮何とかさんという人が山一つ開墾して花を植えていったそうだよ。『抱湖園』という名前で早咲きの桜が有名らしい」カ...

  • 冬の田

    冬の田を見て料理屋の奥座敷途中であちこちに寄り道したので「食事処池田」に到着したのはオープンする11時の2、3分前である。車が1台停まっていて時間待ちをしているようだった。バックして車を停めようとする時に店の中から女性が出てきて黄色い暖簾を掛けていた。すぐに3台目の車が入ってきて、それに続く4台目が道路でウインカーを点滅させていた。女性が「お待ちどうさまでした」と声を掛けたようである。最初のお客が入って...

  • 寒林

    会ふことはなし寒林に消えし人駐車場に戻ると車が一台増えていた。私「あれっ、誰とも会わなかったけどなぁ。どこに行ったんだろ?」その場所に駐車するのは山登りをする人の車としか思えないので、他に登り口があるのか気になった。私「まさか、トンネルの中を行ったんじゃないだろうなぁ……」妻「そんなことないでしょ……」立入禁止の看板が出ていた。我々が入った登山口に矢印があり、トンネルの方を指して「高宕監視所コース」「...

  • 笹子鳴く

    連れ添ふや杖突き坂に鳴く笹子下り始めた。一度登ってきた道なのでどこに何があるかは分かっている。私が先を行き、妻が後ろから付いて来る。私「ここは石切り場だったみたいだなぁ」大きな岩の表面にカッターで削ったような跡が残されている。私「この山の上で切ってどうやって下まで降ろしたんだろ?」妻「……」私「背負って降りることは出来ないだろうしなぁ……」振り向くと妻は相当に離れて降りて来ている。声が聞こえていない。...

  • 草枯るる

    滑落のありし岩鼻草枯るる頂上は目と鼻の先である。左側の斜面には工事用の柵がされていて「危険、入るな」の文字が書かれている。登ろうとすると木が倒れ掛かっていて頭をぶつけそうである。足場の悪い急な岩場を左右の木に掴まりながら上がっていった。道が急に右側に寄る。その先は断崖である。<ヒャ~!>その先には何もない。何百メートルもありそうな断崖絶壁となっている。柵もない。落ちればもちろん一巻の終わりである。...

  • 春の山

    柵越しに見下ろす春の山また山私「痛いの?」妻「痛くはないけど、足を上げるのが辛いんだよ」私「もう少しだよ。すぐそこに頂上らしきが見える。ゆっくり行こうよ。休み休み行けばいいよ」妻「……」ストック2本を使いながら少しずつ登ってくる。10分ほどで分岐の立て看板に達した。高宕山まで2.2キロと出ている。<ん?石射太郎山はどこだろう?>見るとベンチが置かれ、水仙が固まって植えられている。看板も立っている。<えっ、...

  • 探梅行

    落石に道を塞がれ探梅行登り始める前に通行止めとなっているトンネルを覗いてみた。「通行止」「崩落危険」「立入禁止」の看板が立っていて丸太が置かれ、鉄パイプで柵がされている(写真)。<本当に崩落の危険があるのだろうか?>トンネルの先が見える。ガードレールがあり、その手前の路上に石が転がっている。<あっ、本当に落石している>遠いので大きさは分からないが、なるほど、これは危険である。人の力で動かせられる小...

  • 探梅

    行先を問はれ探梅とぞ答ふ7時に家を出た。駐車場から車を出してすぐ近くのコンビニに寄った。私「ちょっと待って。行先を登録する」妻「えっ、まだ登録してなかったの?」私「昨日調べたんだけど、住所が載っていなかったんだよなぁ」妻「随分前から計画を立てている割には肝心なところが抜けてるんだよなぁ」私「そう言うなよ。調べても出て来なかったんだから……細い道の途中でその先のトンネルは通行止めになっている。地図には...

  • 凍戻る

    無理無謀無茶と言はれて凍戻る登山前日の会話である。私「あしたは朝6時に出よう」妻「そんなに早く出なくてもいいんじゃない?」私「どうして?登山口まで家を出て1時間半は掛かるよ。コンビニに寄ったりするから8時頃にはなってしまう」妻「それでも早過ぎるよ」私「どうして?高宕山まで行って帰って4時間は掛かるよ」妻「ええっ、4時間!4時間なんて掛からないでしょ。高宕山まで45分って書いてあったよ」私「ええっ!何を見た...

  • 芽吹く

    木々芽吹くかな筋トレの帰り道水曜日にスポーツセンターに行くと、私に筋トレを勧めてくれた女性がいた。女性「こんばんは(笑)」私「こんばんは。今日はあとからレッグプレスのやり方を教えて欲しいんだけど」女性「あれっ、どうしたんですか。いつもやってなかったですか?」私「やってなかった。昨日初めて一人でやってみたんだけど、ちょっとシックリ行かなかった」女性「分かりました。やる時に声を掛けてくださいね。お教え...

  • 春の山

    上総へと春の山並み見に行かむ大江電機の社長との話を終えて帰りの車の中で考えた。<もう富士山には登ることはない>と思っていたが、よくよく考えてみれば前回の初登頂には結構な悪条件が重なっていた。その悪条件を全てクリアさえすれば再びの挑戦もありかなと思えて来る。前回の反省点はまず山小屋ありきだったことである。泊まったことのない山小屋に一度は泊まってみたいと思い、早い段階で予約をして登る日を決めていた。予...

  • 初富士

    真向ひに初富士ありて思ふこと1月18日(水)、得意先の賀詞交換会が都内であり出掛けて来た。500名規模の集まりで得意先の社長や役員はもちろん、たくさんの業者が来ていた。立食形式なので好きなものを食べられるのだが挨拶に追われて食べている暇がない。時間を見つけてカレーライスを少し食べた。いろいろな人に会って話をしたが、今回の私のヒットは大江電機という会社の大江社長(75才)に声を掛けさせてもらったことである。...

  • 余寒空

    カラオケを終えて別れの余寒空2時間の飲み放題を終えて外に出ると、カラオケに行く人と行かない人に分れる。すぐ近くにある「ビッグエコー」ではなく、少し離れた「カラオケ館」に行く。「カラオケ館」の方が少し料金が高いのかも知れない。必ずと言っていいほど客がいない。すなわち一度として受付で待たされたことはないのでどうしてもそちらに足が向くのである。部屋に入ると同時に曲を予約する。最初に入れた人の隣の人が次で...

  • 寒九

    マラソン練習終えて寒九の水を飲む河野君がとても痩せて、みんなでその話になった。小澤さん「河野さん、随分と痩せたみたいですけど、どこか具合でも悪いんじゃないでしょうね?」河野君「いえ、ただ単に運動のやり過ぎです。半年で10キロ痩せました」小澤さん「10キロ!そりゃ、凄いなぁ。何をやって痩せたんですか?」河野君「この間行われました横浜マラソンに出場しました。それに向けてずっと練習して来ました」私「何キロ?...

  • 豆打ち

    ああ言へばこう言ふ豆を打ちにけり20回以上も話した居酒屋での話ではあるが、それ以上に話したのが三宅さんと私の出会いについてである。もう30回以上は話している。倫理法人会に入会してまだ数か月しか経たない頃だったが、私に遅れること数か月で三宅さんが入会してきた。関内のホテルで土曜日の朝6時から始まるモーニングセミナーである。会社に活力朝礼を導入しようと入会した私だったが、一向に朝礼が始まらず、かといって辞...

  • 障子

    壁に耳障子に目あり聞かれけり話はあちこちに飛んで面白話に花が咲いていく。昔話の中には何度聞いても面白いというのもあるものだ。私と三宅さんが二人で飲んだ時の話であるが、これはもう20回以上も話している。その日、杉田の駅前にある居酒屋で二人で初めて飲んだ。東京に住んでいる三宅さんが私の地元である杉田で飲むのは、当時三宅さんが金沢文庫にある保険会社の所長をしていたからである。「個室完備」などと書かれていた...

  • セーター赤し

    セーター赤し英語教師の名は島田1月19日(金)、飲み会が開かれた。新年会と称してはいるが、いつものメンバーが居酒屋に集まって2時間の飲み放題コースで盛り上がるだけの話である。場所は関内駅前(写真)。電車の都合で少し遅れて到着すると6人分の席が用意されていて3人が座っていた。私「あれっ、これだけ?あとは誰?」三宅さん「河野先生と鈴木さん。奈美ちゃんは今日欠席です(笑)」私「何だ、また欠席か。結婚した途端、...

  • 燗酒

    八代亜紀死す燗は温めの方がいいようやく風邪が治って1週間後、今度は妻が風邪を引いた。苦しそうに咳をしている。私「やっと治ったんだから移さないでくれよ」妻「ホントに腹の立つ言い方をする人だよね」私「心配はしてるよ。ただ、親しき仲にも礼儀ありっていうから」妻「貴方から移された風邪なんだから、貴方に移る訳ないでしょ」私「だって、もう1週間も経ってるよ。オレの風邪ってことはないだろう」妻「間違いありません。...

  • 歯固め

    歯固めのこの煎餅の大いなる家に辿り着いてドタバタした後、2時間ほど寝て起きた。私「おお、どうだ、煎餅は?」カズ君「まだ食べてない」私「去年の煎餅と同じだったか?」カズ君「分かんない」娘は出掛けている。話はそこで終わる。妻「どうするの、夕飯は?」私「食べる」妻「普通のご飯でいいの?相当に飲んでるようだけど」私「いい」妻「お味噌汁と普通のご飯ね」私「お願いします」普通にご飯を食べて風呂に入って寝ること...

  • 初座敷

    壁際へ詰めて茶店の初座敷11時に到着した。いつもと違う駐車場である。私「おお、ここに着いたか」工場長「こっちの方が近いと思いまして」私「近いことは近いけど、お参りに行く前に『のり武』に先に着いちゃうよ(笑)」案の定、先に「のり武」に着いてしまった。私「まだお参りを済ませてません。行って戻ってきます」ママ「お参りしないんじゃしょうがあんめー。早く行ってきな(笑)」私「結構、混んでますね」ママ「場所は取...

  • 松過ぎ

    カラオケに和す松過ぎの高速路瀬谷さんが沢田研二の「時の過ぎゆくままに」を歌う。川上君が「TOKIO」を歌う。川崎君が「勝手にしやがれ」を歌う。何だろう、この沢田研二人気は。私より一回り下の世代の人が選ぶ「ベストいくつ」に沢田研二が入っているようである。私「おおっ、高野君も歌え。井上陽水の「少年時代」だ。この曲を高野君が歌うのをオレが聞いたのは上大岡の『想い出』という店だ。戦後まもなくからやっている店で...

  • 恵方

    恵方へと向かふや酒と囃子歌朝8時20分に工場長から電話が入った。全員揃ったのでこれから向かうとのこと。8時40分にマンションの前に出て行くと車は到着していた。川崎君「おはようございます(笑)」私「おお、立派な車だなぁ(笑)」川崎君「もう始めさせてもらっています(笑)」私「よしよし、じゃ、オレも一杯もらうとするか。これでカラオケでもあれば言うことなしだな(笑)」川崎君「カラオケですね。はい、分かりました。...

  • 旅始め

    老いてなほジヤガーの人よ旅始め成田詣の歴史は古い。当社の創業者からの伝統行事なので半世紀以上続けていることになる。今から30年近く前の話である。磯子駅前のサイゼリアに俳句のメンバーと入った時である。川村木工の社長が彼女とお茶を飲んでいた。川村社長「おお、日向君、どうしたんだ、こんなところで?」私「あっ、社長!磯子で俳句をやっておりまして、今しがた句会が終って仲間と一緒にここで一杯飲んで帰るところです...

  • 嫁が君

    煎餅に齧られしあと嫁が君私「土曜日はまた成田山だ」妻「あんまり飲んで来ないでね」私「大丈夫。去年のようなことはない」去年はその前日に飲み会をやっており、飲み放題の緑茶ハイを何杯も飲んで下地を作っていたところに「のり武」で日本酒を飲んだので記憶を失った。今年は飲み会もなく、風邪を引いて体調もそれほどではないので飲み過ぎることもないだろう。安心している。妻「煎餅、また買って来てね」私「えっ、せんべえ?...

  • 三寒四温

    三寒の四温へ出づるアドレナリン翌日、会社を早目に上がって4時に杉田の病院に行った。女性「どうなさいましたか?」私「風邪です」女性「どんな症状ですか?」私「鼻水と咳と寝る時に悪寒がします」女性「体温は測りましたか?」私「今そこで測って36.5。平熱でしたが、昨日の夜は37.7まで上がりました」女性「日向様はお久し振りのご来院となります。半年前から制度が変わりまして完全予約制となっております。今日の予定は全て...

  • 咳ひとつ止めんと首を絞めにけり1月8日、成人の日である。風邪は治っていないがそれ程でもなく、妻に誘われて映画を観に行くことにした。その後で今年初の筋トレにも行きたいと考えていたので早めの11時頃の開演のチケットを予約してもらっすた。役所広司主演の「PERFECT DAYS」である。ゴジラの時と違い、館内は少し混み合っていた。公園のトイレ掃除をする男の日常を淡々と追っていて「ん?何だろう。あまり面白くないなぁ……」と...

  • 初泣き

    八代亜紀死す初泣きとなりにけりこの執念き風邪にはとことん苦しめられた。1月2日朝、目覚めると治ったような気がして「1週間とは長かったなぁ」などと箱根駅伝を見始めたが、すぐに鼻水が出てきて治っていないことを知らされた。3日も4日も同じ状態でそのまま5日の仕事始めを迎えた。「今年も風邪など引かぬように気を付けて頑張っていきましょう」などと挨拶をしたが、自分がこのような状態では説得力もない。挨拶回りに出たが、...

  • 酢牛蒡

    箸先は酢蛸酢牛蒡へと進む翌朝、1月1日、元旦である。部屋から初日の出は見えない。西向きの部屋で遠くに富士山が見えている。快晴である。私「おはよう。明けましておめでとう。今年もいい年にしよう」妻「こちらこそ。よろしくお願いします」私「みんな、起きたのかな?」妻「なっちゃんとみやちゃんはもう走りに出掛けた」私「へぇ~、元旦からか。心掛けが違うな(笑)」妻「奈美はまだ寝てる。サトは起きてるけど、カズ君がま...

  • 木の葉髪

    この頃の櫛の手応へ木の葉髪ランドマークタワー68階の中華料理店「皇苑」の個室である。全員が揃った。料理が始まる前の会話である。ナオ君「お父さん、今年もいろいろお世話になりました」私「いやぁ、みんなそれぞれ頑張ったよなぁ。バスケの試合は見に行ってないけど、活躍振りは聞いているよ」ナオ君「お父さんの今年もまた最高でしたか?」私「会社?会社はいろいろあったよ。業績だけは最高だけど、予想外の出来事がこれでも...

  • 洟垂れ

    洟垂れて読む太平洋横断記部屋は60階と61階に分かれた。8月頃に申し込んで残り僅かだったという。私「わ~、狭いなぁ」妻「ホントだ」私「ダブルベッド1つじゃ、寝られないなぁ(笑)」妻「大丈夫。貴方はどんな所でもすぐに寝るということだけは間違いない(笑)」私「ハハハ」ベッドに横になりながら「勝海舟」の続きを読み始めた。一向に風邪の治らない海舟だが、予定通りに出発して浦賀に立ち寄ってアメリカの測量船の乗組員11...

  • 筆始

    弘法の筆選りてより筆始31日から1日に掛けて今年は横浜ランドマークタワーで年越しをすることにしていた。私の古希の祝を兼ねて、みんなで宿泊することにしていたのだ。孫たちのバスケの練習が忙しいので予定を組むのが大変だが、さすがに大晦日は大丈夫だろうと妻が計画してくれたのである。3時のチェックインを目指して出掛け、途中で桜木町の「ゴールデン文具」に寄って習字の紙を買って来た。私「仮名の半切が欲しいんですけど...

  • 風邪

    風邪押して行かねばならぬ勤めあり翌30日は風邪のぶり返しである。鼻水が止まらない。咳も苦しい。ちょうどヒロちゃんのところで時間が取れるというので鍼灸をしてもらうことにした。ヒロちゃん「腰の方はどうですか?」私「腰は相変わらず。痛みはなくなったけど、コリがまだ少し残っている感じ」ヒロちゃん「筋トレは?」私「月曜日が最後。年末年始が休みなので10日間はやらないことになる。さみしい(笑)」ヒロちゃん「じゃ、...

  • 札納め

    三越の紙袋ごと札納め翌日は朝から寝ていた。鼻水が止まらない。咳も出る。薬は飲んだが効いているのかどうかは分からない。幹部と墓参りに行く予定だったが欠席させてもらった。1日24時間寝ていたという感じである。夕方になってようやく起きた。私「やぁ、疲れた。ただ寝ているというのも疲れるもんだなぁ」妻「たまにはいいんじゃない?どんな感じ?」私「一山越えたかな」妻「良かったね。食事は?」私「食べる」妻「風邪は引...

  • 風邪の神

    また君が連れて来たのか風邪の神12月27日(木)仕事納めの日である。朝起きて違和感を覚えていた。少し咽喉が痛い。鼻水も出る。<風邪を引いたかな?>会社に行くと隣に座っている工場長も調子が悪いという。私「ええっ!ヤバイじゃん、また移されたな。……若森さん、だから顎マスクは止めろって言ったじゃん(笑)」前日から咳をしていた若森さんである。コロナの時もそうである。マスクを口元から下げて顎に着けている。それで咳...

  • 聖餐

    聖餐のワインに作法なかりけり誕生日に川崎君がワイングラスをプレゼントしてくれた(写真)。川崎君「社長、ワインはグラスで決まります。いいグラスでワインを楽しんでください」私「おお、今度はワインか?チーズを教えてもらって世界一美味しいチーズに出会ったところだからなぁ。世界のワインを飲み尽くすか(笑)」川崎君「このグラスで飲めば、どんなワインでも美味しく飲めます」私「ホントか?」川崎君「本当です。同じワ...

  • 冬芽

    七十の冬芽にいまだ燃ゆるもの誕生日が近づいてきて妻が「何か欲しいもの、ある?」と聞いてきた。私「別にいいよ。欲しいものはないから」妻「バッグは?」私「バッグはあるからいいよ」妻「あれ、あんまり光沢があり過ぎてみっともないよ」私「ああ、あの肩掛けカバンのことか」妻「どう?」私「あんまり使わないから光っていてもいいかな(笑)」妻「……」私「まぁ、気を遣ってくれて有難いけどね(笑)」とは言っても誕生日にプ...

  • 冬天

    冬天の青にマンシヨン聳えけり鰻屋で飲んだ冷酒が「天青」である。「純米吟醸 千峰 天青」とある(写真)。どこで作ったお酒だろうと調べてみると熊澤酒造(株)とある。神奈川県茅ケ崎にある会社で創業が明治5年である。<おおっ!>ここもまた150年の老舗である。書かれていた社是が奮っている。「よっぱらいは日本を豊かにする」である。翌日、会社に行ってT君に報告した。私「行って来たよ。渡し舟にも乗ってきた」T君「どう...

  • 炭火

    こだはりの味は秘伝のタレ炭火鰻重と生ビールそれにヌタを注文した。ビールが来るまでの間に店内を見て回った。<勝海舟に関するものはないか>である。「ようこそ梅本へ」と書かれたお店の案内文が貼られていて「明治初頭に創業。現在は5代目が井戸水で締めた鰻をさばき、家宝である少し濃い口のタレと備長炭で焼き上げている自慢のうなぎです。勝海舟はじめ、浦賀にゆかりのある方々も愛した老舗の味をごゆっくりお楽しみくださ...

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