大坂の夏会津屋のたこ焼きよ4月は人事異動の季節である。信用金庫でも異動があり当社の担当者も別の支店への栄転が決まった。支店長と二人で挨拶に来た。私「おっ、栄転だな(笑)」担当「いえ、そういう訳ではありませんが、日向社長には本当にお世話になりました」私「ま、いろいろと助け助けられての3年間だったからなぁ(笑)」支店長「特にこの年度末は本当にありがとうございました(笑)」私「ハハハ、いや、こっちもいろい...
勝てばまた負ける者あり夏の果試合が終わってすぐに娘からメールが届いた。娘「鵠沼、選手待ちするみたいだけど、来る?」場所は体育館の入り口付近だという。2階の出口から出て、体育館を一回りするようにしてその場所に向かった。選手たちの一団が見えた。<ん?あれかな?>近づくとそれは鵠沼の対戦相手だった日本航空北海道のチームだった。あの背の高い留学生も見える。背番号73番のPGも見える。壁に沿って一列に並んで支援...
負けるのか勝つのか汗の手を握る3時に鵠沼と日本航空北海道の試合が始まった。背番号00で186センチの留学生がいる。相手方のPG(ポイントガード)は背番号73でなっちゃんと同じような背格好をしている。常に二人は向き合うことになる。試合は入れたり入れられたりして3点と点差の離れないゲームとなった。相手チームのパスワークは素晴らしい。スピード感もある。鵠沼と同じようなスタイルで強敵だと思った。1クオーター目を終えて...
祝杯をあげて枝豆添へにけり翌朝、6時半に娘からメールが入った。娘「おはよー、今日は8時半の出発。よろしくね」私「遅過ぎない?」娘「試合は10時からだよ」私「4時起きにとっては遅過ぎだよ」娘「ハハハ、駐車場ね」前日と同じ体育館だがコートは違っていた。到着するとみやちゃん達は練習を始めていた。お茶を飲んだりしているうちに試合が始まった。みやちゃんはベンチ入りで背番号9が出ている。PGというポジションは重要で...
まだ活きて生きる力の皿の烏賊勝利を収めたなっちゃん達の写真を撮ろうと会場の出口で待っていたが、別の出口から出たようで会えなかった。すぐに娘のところには仲間からメールが入って、喜びに満ちた選手たちの様子が届けられていた。ナオ君「会えそうにないですね」私「仕方ないよ。また明日もあることだからいいんじゃないか」ナオ君「じゃ、車を取って来ます。涼しいところで待っていてください」体育館のクーラーのよく効いた...
声援に応へ真夏の勝利かな会場は博多空港の近くだった。奇抜な形のドームがあり生徒たちで混雑していた。応援する席が決まっているという。私「えっ、ここ?いやに見づらいなぁ」娘「鵠沼の関係者はここなんだって。ゴールの後ろ側になっちゃうけど仕方ないよ」私「そうか」すでになっちゃん達は練習していた。初めて見る生(なま)のなっちゃんである。ガイドブックを1冊1000円で買っていた。鵠沼と対戦相手の倉敷翠松の選手名簿...
冷し茶の旨さよ勝ちを祝福す体育館を出たのが12時40分である。駐車場に戻って別の会場へ移動しなければならない。娘「次のなつの試合が2時半スタート。ここから30分は掛かると思う。その間に昼を食べなければならないんだけど、ラーメンか何かでいい?」私「何でもいいよ。簡単な方がいい。それにしても試合の度に移動しなけりゃならないのは大変だな」娘「いや、これから行く会場は今日が最後。後の試合は全部、今のところでやる...
応援や勝ちてかちわりなど欲すいよいよ試合開始である。みやちゃんは出ていない。ベンチに控えている。みやちゃんのポジションはPG(ポイントガード)というらしい。背番号9の3年生の選手が桜花のPGである。その背番号9が実に上手い。いつも中央にいて、相手ゴールに攻め入ろうとする時に司令塔の役目を果たしている。残り4人のメンバーにパスをしたり、時には自分でシュートを決めに行ったりする。また、相手のPGの前に立ちはだか...
炎天や福岡総合体育館さあ、いよいよ試合の始まりである。最初にみやちゃんの桜花学園のゲームである。場所は「福岡市総合体育館」となっていた。ホテルの駐車場に9時半に集合した。私「さ、いよいよだな。場所は遠いのか?」娘「車で20分くらい」私「何時からだ?」娘「11時10分スタートだから10時には会場に入りたい」私「どっち?なっちゃんが先か、みやちゃんが先か?」娘「午前中にみやがやって、会場を変えて午後になつ」私...
その昔「奴国」ありけり青岬ビールの後は熱燗に替えて盛り上がっていく。先程の女性ではなく男性が現れた。私「博多といえばグルメの町ですよね。来る前にガイドブックを買いましたけど、博多ラーメンからもつ鍋、水炊き、餃子から饂飩まで何でもありの町になってますよね」男性「屋台もありますからね。食べて行ってください(笑)」私「博多は魏志倭人伝の国なんだけどなぁ。全くそういうのでは盛り上がっていないですよね」男性...
水炊きやばつてんそれは季語じやなか夕食は事前に水炊きの店を予約しておいたようである。ホテルから徒歩5分ほどで到着した。「とり田博多本店」という。コースを注文して、生ビールやそれぞれの飲み物が配られた。私「それでは、明日から始まるなっちゃん、みやちゃんの健闘を祈って乾杯しましょう。乾杯!」みんな「乾杯!」私「それにしても明日の試合は大丈夫なんだろうなぁ。初戦敗退はないだろうなぁ」娘「明日は大丈夫。な...
地ぼてりの歩道やキヤリーケース引く飛行機は11時発なのだが、娘たちは6時半頃に着いたようである。私「それはいくら何でも早過ぎるだろ(笑)」妻「いやいや、着いてすぐに満車になったらしい。今、メールが届いた」私「へぇ~、恐ろしいなぁ。また乗り遅れでもしたら大ごとだよなぁ(笑)」我々は電車で出掛けて9時半に到着した。全員、スタバでコーヒーを飲みながら4時間近くを過ごしていたらしい。私「ご無沙汰してます。今回...
遠青嶺ひとり卑弥呼に会ひに行く出掛ける2日ほど前になって娘から5日間のスケジュール表が送られてきた。なっちゃんの試合とみやちゃんの試合が色分けされている(写真)。<初日は3時にホテル到着かぁ……2日目はホテルを10時に出て、4時まで試合観戦か……3日目は9時に出て、4時半まで観戦かぁ……どこにも出掛けられないなぁ……>4日目にようやく「午後に観光」などと書かれている。最終日は午前中が試合で「午後に観光」となっている...
山笠の過ぎし博多へいざ行かん2か月以上も前になるが妻が博多行きの話を持ってきた。妻「なっちゃんの最後のインターハイ、見に行かない?」私「ああ、高校3年生最後のインターハイか……」妻「行く?みやちゃんも愛知代表で出るよ」私「えっ!二人とも出るのか。だってまだみやちゃんは1年生じゃん」妻「1年生でも選ばれたらしいよ」私「へぇ~、それじゃ、行かない訳にはいかないなぁ……いつ?」妻「え~と、8月の5、6、7」私「土日...
伊都国の烏賊など食べに福岡へ2週間が経っていた。8月8日(木)のことである。3日(土)から7日(水)まで休みを取って九州「博多」へ行って戻って来たばかりである。川崎君「今日の3時からWEB面談があります」私「WEB面談?何、それ?」川崎君「先日、試験をやりましたよね。あれを踏まえて向こうの担当者と面談をするんです」私「ああ、あれか。オレはやっても意味がないだろう?」川崎君「何を言ってるんですか。社長はこの間の...
百問に答へ手づから夏痩す川崎君と新人は午前中に診断をやってみたようである。川崎君「社長、イヤにならないでください(笑)」私「何が?」川崎君「途中でイヤになって放り出すのだけはやめてください。相当に難しいです」私「脅かすなよ。どれくらいの時間、やるんだ?」川崎君「ちょうど1時間です。次々に問題が出て来ますのであまり考えていると時間がなくなります。中には30秒以内に解答してくださいというのもありますので...
パソコンの中の男と裸にて家に帰ったのが6時半である。大急ぎで風呂に入ってスマホを用意した。妻「大丈夫?出来る?」私「待って、分からないけど、このメールの中に入ってるはず。あった、これこれ」妻「どうする?食事は?」私「食べる」いろいろと何事かをやってみて、ようやく開始画面に辿り着いた。私「おお!辿り着いたよ(笑)」妻「そこ、喜ぶところかなぁ(笑)」それからスマホの中で講義が始まった。男性がいろいろと...
不可能の文字あり黴の我が辞書よ川崎君「社長のメールに神奈川県からの案内が届いていませんか?」私「見てない。何のメール?」川崎君「いや、届いているはずです。今週の月曜日の3時に届いています」私「ええっ、見てないなぁ」川崎君「迷惑メールに入れたんじゃないですか?」私「迷惑メール?そんなことはないだろう」川崎君「あっ、やっぱり入ってます。何でも迷惑メールにしないでください。受講者説明会のお知らせです。社...
斑猫が飛びて千里の始まれり「これからはDXの時代だ!」と掛け声を掛けたところでそう簡単に動き出す会社ではない。何かに紛れて入って来たチラシに「はじめようリスキリング。DXでビジネスを加速」とあった(写真)。誰かに受講させようと思った。7月初めの話である。私「おい、川崎君、これ、いいんじゃないか」川崎君「何ですか?」私「DXで事業課題を解決。完全無料、実務に直結って書いてあるぞ」川崎君「今、それどころじゃ...
黒幕がよもやステテコ姿とは月曜日に会社に行った。川崎君「風邪、大丈夫でしたか?」私「大丈夫じゃない。治らない」川崎君「えっ、まだ調子悪いんですか?」私「豊田が誰だか分からなくて、調子が悪い(笑)」川崎君「ハハハハ、どうでしたか?面白かったですか?」私「久し振りのヒットだったなぁ(笑)」川崎君「そうですよね。そうなると思ってました(笑)」私「確かにこの小説はフィクションですと初めに断わっていたけど、...
演説と銃声そして蝉時雨水曜日に風邪を引いた。事務所のクーラーが新しくなり、誰がどう思ったのか、4つあるクーラー全てを全開で掛けている。外気温は36度以上なので中に入った瞬間は気持ちいいが、しばらくすると冷え切って来る。私「こりゃ、寒過ぎるよ。2つ止めろ。風邪を引く!」言った時には変調を来たしていた。木曜日に寒気がして、金曜日には早退することになった。家に帰って横になって本を開いた。柴田哲孝著「暗殺」。...
銃弾や耳に蚊の声らしきもの月曜日に会社に行くと川崎君が話し掛けてきた。川崎君「社長、あとから本を1冊プレゼントしますので読んでください」私「プレゼント?オレの誕生日は7月じゃないぞ(笑)」川崎君「誕生日プレゼントとかではありません。まぁ、面白いですから読んでみてください」私「何という本?」川崎君「暗殺です」私「暗殺?トランプ大統領の耳を掠めたヤツか?」川崎君「違いますよ。まぁ、今日、届きますから楽し...
母と吾と弟ふたり盆支度簡単に昼を済ませて1時半ちょうどに楽生園に入った。女性が「お帰りなさい」と出迎えてくれたが、担当の真鍋さんはお休みだという。まだ一度もお会いしていないので挨拶だけはしておきたかったが仕方ない。母はコロナウイルスの検査があるのですぐには部屋に入れないという。30分は掛かるという。飛行機の時間があるのでそのまま母を預けて楽生園を後にすることにした。私「真鍋さんにはくれぐれもよろしく...
冷し茶を飲む談笑の市長室市長「今年もまたご協力いただきまして本当にありがとうございました」私「こちらこそ、お袋の件ではお世話になりました。お礼の言いようもございません」市長「お母さま、如何でしたか?」私「入居してからすぐに何度か救急車で運ばれたと聞いています。今はすっかり元気にしていますが、あのまま一人でやっていて家の中で倒れたかと思えば、入れていただいて本当に感謝しかありません」市長「それは良か...
石炭の町や神輿に坑夫ゐず翌月曜日は帰る日である。10時に市長室に行くことになっている。私「どうする?先に楽生園に行くか?」弟「ん?どうして?」私「母さんを帰さないとダメだろ?」弟「帰すのは1時半以降だ」私「えっ、そうなのか。飛行機は5時だからな」弟「大丈夫だ」チロルの湯の清算を済ませて、私を市役所まで送ってくれた。弟「どれ位、掛かる?」私「1時間位だろう」弟「その間、砂川の補聴器屋に行って調整してもら...
捕へられたるは我なり捕虫網お茶とドラ焼きを出してくれたが、ドラ焼きは遠慮しておいた。加藤さん「お母さんはどうですか?楽生園の方は?」私「入る時は大変でしたけど、入ってみればこんなにいい所はないと(笑)」加藤さん「そうですよね。私も母がいるんですけど、まだ一人で頑張っているんです。膝の調子も悪いので施設に入ることを勧めているんですけど、私は大丈夫だの一点張りで(笑)」私「そうですか。物忘れが酷くなっ...
夏雨や耳を澄ませば石のこゑ傘を差してチロルの湯から歩いた。3分ほどの近さである。私「こんにちは」加藤さん「いやぁ、いらっしゃい。どうぞ、ぞうぞ。チロルにお泊りだと聞いていましたので朝の内にでも来てくれるのかと思っていました(笑)」私「急に留萌に行くことになったんで遅くなってしまいました」加藤さん「ああ、そうだったんですか。まぁ、それはそれは」私「去年はアンモナイトをありがとうございました」加藤さん...
商売の盆栽あまた夏の雨留萌まで高速道路が開通していた。深川から先の一部でまだ完成していない個所があるとのことで料金が掛からないそうだが、お陰で1時間ちょっとで行けるようになっていた。とは言っても戻ってから花屋に寄り、スーパーに寄り、お寺にお参りに行ったりしていたので加藤樹石苑に着いたのは3時過ぎになっていた。歌志内市のふるさと納税担当の滝本君からは随分前に電話が入っていた。滝本君「今度、歌志内にはい...
耳遠き同士へ廻る扇風機留萌での思い出話は昔このブログに書いている。調べてみると平成28年(2016)9月2日から10月5日まで計15回に亘って書いている。帰郷して母に3日間、話を聞いているのである。その中に留萌の話が出て来る。初めて船に乗って釣りをしたことや貰った小遣いを便所に返しておく話である(平成28年9月23日、ひこばえ「秋立つ」)。叔母「この頃、目が悪くてなァ」私「医者に行ってるの?」叔母「行ったって目薬出...
廃館の危機を救ひし海月かな翌日は朝一番で留萌に行くことになった。叔母が住んでいる。家にいるかどうか確認の電話を入れてみると大声で「もしもし」と出た。叔母「そうか、亮司も来てるのか。そりゃ楽しみだ。気を付けて来てくれ」弟「これから出るから10時半頃には行けるわ」叔母「あんまり飛ばして来んな。ゆっくり来い」弟「はいよ(笑)」私が山形で生まれた時、叔母は19才だった。私の父の一番下の妹である。父の兄弟姉妹は...
帰省子に帰る家とて今はなし出掛けのドタバタは飛行機に乗ってしまえば過去の出来事である。4時過ぎに弟と札幌駅で落ち合い、5時半に楽生園に到着した。土曜日ということもあって、職員の数は少ない。初めて母の部屋を見た。昨年10月の入居時に私が購入したベッドがドンと据えられていて、その前に冷蔵庫やタンスが置かれ、小さなテレビが乗っていた。以前の家も特段広かった訳ではないが、それにしてもその何分の一かの狭さである...
一日に二度の旅立ち日盛りへ渋滞の列に強引に割り込むなどして通り抜け、本線から外れて別の道路へと進んだはいいが、どこへ行こうとしているのかが分からない。少し冷静になってきて、この駐車場に向かうという行為が正しい判断かどうか疑問に思えて来た。妻から電話が入った。妻「11時の飛行機はキャンセルしたよ。遅くの便に換えるけど何時にする?」私「そうだよな、11時の便に間に合う訳ないよな」10時を過ぎている。妻「家に...
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大坂の夏会津屋のたこ焼きよ4月は人事異動の季節である。信用金庫でも異動があり当社の担当者も別の支店への栄転が決まった。支店長と二人で挨拶に来た。私「おっ、栄転だな(笑)」担当「いえ、そういう訳ではありませんが、日向社長には本当にお世話になりました」私「ま、いろいろと助け助けられての3年間だったからなぁ(笑)」支店長「特にこの年度末は本当にありがとうございました(笑)」私「ハハハ、いや、こっちもいろい...
ところてん一人の夜の棋譜並べゴールデンウィークが明けて出社した。川崎君「将棋、どうでしたか?」私「ああ、将棋か。初めて女性とやったけど楽勝だった」川崎君「一番ですか?」私「その後、中学生とやって負けた」川崎君「ええっ、中学生に負けるんですか!」私「バカヤロ~、中学生だって強いのもいるんだよ」川崎君「なかなか上手くならないですね」私「急に強くなれるか……」その川崎君の一言は意外と心に沁みた。<ウ~ン、...
舟盛りや牛冷されて薄造り「刺身盛り合わせ」があった。私「刺身って肉だろうか?」妻「そうでしょ」私「へぇ~、食べたことないなぁ」妻「食べてみれば」私「よしっ、5点盛りっていうのを頼もう」舟盛りになって出て来た(写真)。私「これは何を付けて食べるの?」男性「すでに味付けされていますので、そのままお召し上がりください」私「あっ、そう」食べてみた。私「おおお、こりゃ美味いわ」男性「ありがとうございます(笑...
マツコリ酒零れて白き夏の海「夕飯をどうしようか」となった。カズ君が遊びに来た時の定番「焼肉若(わか)」は閉店している。私「山水苑は?」妻「あそこは日曜日が定休」私「ああ、今日は日曜日か。連休だから曜日の感覚がなくなっている。じゃ、他の焼肉屋は?」妻「どこ?」私「渡辺美樹の店は?」妻「和民?」私「居酒屋がダメになってすぐに焼肉屋に転業するとはさすがだよなぁ」妻「う~ん、チェーン店というのはどうかなぁ...
人ごとの如き古希なり浴衣着て夕食を終えて部屋に戻ったのが何時かは分からない。7時半かそこいらだろう。カズ君が風呂に行くというので「赤堀さんの草履を履いて行け。日向があったら黙って交換して来い」と言ったのは覚えているが、カズ君が戻って来たのは覚えていない。グ~グ~寝ていた。さすがに早寝をしたので朝の3時には目を覚ましてしまったが、自分の家と違って勝手なことをする訳にはいかない。隣で妻が迫力のある鼾を静...
凛として岩魚の頭残さるるビールの後は「鰭酒」を注文した。私「鰭酒は冬だ。岩魚は夏だ」妻「……」私「ゴールデンウィークは春だ」妻「えっ、春なの?」私「そうだよ。だって夏は立夏からだよ。立夏は大体5月5日辺りだよ」妻「う~ん、微妙な決め方だなぁ(笑)」岩魚は串に貫かれて火鉢のような瀬戸物の上に乗せられて出てきた。男性「これは飽くまでも演出ということで(笑)」私「ええっ、そうなの?」男性「岩魚はすでに調理済...
和氣の氣の米や八十八夜かな夕食会場は別の建物である。時間になって男性が迎えに来た。案内された建物には以前来たことがあった。私「おっ、ここは昔、使ったことがある」男性「そうですか」私「オレの還暦祝いで使った」男性「なるほど」私「もう2年も前の話だ」妻「何が2年よ。12年でしょ」娘「ハハハハ」男性「まだお若いので、それで充分通ります(笑)」私「ありがとう、ありがとう(笑)」すぐに料理が運ばれて来た。男性が...
のどかさや他人の草履と履き違ふ私「おっ、カズ君、風呂に行こう」カズ君「はいよ」玄関には草履が揃えられている。すべてに「日向様」と書かれている。他の客と間違わないようになっているのである。男湯と女湯が一日ごとに入れ替わるので間違わないようにしなければならない。私「おお、こっちだったな。正解、正解(笑)」浴衣を脱いで隣同士で身体を洗った。私「昔、カズ君が小さかった頃、外にある水風呂に入ったぞ」カズ君「...
東海の天へと登る竜を見し部屋に案内されて夕食の時間と翌日の朝食の時間を決めた。「それでは後ほど」と言って出て行った。私「簡単なもんだな(笑)」妻「そりゃそうよ。11回目なんて言うから、案内も何も要らないと思ったんでしょ」私「でも、ま、おそらくそれ位は来ているよ」今回の部屋は我々にとっては初めてだったが、以前娘たちは泊まったとのことだった。床の間には大きな額が飾られていた(写真)。私「いやに下手な字だ...
農道を山の出湯へ緑の日将棋から帰って大急ぎで昼を食べてブログを2つ書いて2時である。私「そろそろ行くか?」妻「そうね」私「1時間以上掛かるだろ?」妻「宿まで1時間10分。3時チェックインだからいい時間だわ」ゴールデンウィークをどう過ごすかとなって間際に宿を探した。いつも泊っている厚木の飯山温泉である。最後の1部屋が空いているということなので予約した。4月の半ばのことである。私「おそらく高速は混んでいるだろ...
負けに始まる黄金週間将棋塾しばらく待たされた後、次の対戦相手が決まった。渡辺さん「次は石原君でお願いします」私「はい」渡辺さん「石原君、次、日向さん」渡辺さんが声を掛けているが誰も返事をしない。どの人かなと思って探していると、将棋盤に向かってポツンと座っている人がいる。子供である。渡辺さんが来て紹介された。渡辺さん「じゃ、ここでやってください」可愛い顔をしている。小学5、6年生あたりかと思った。私「...
長考の一番憲法記念の日5月3日(土)、憲法記念日。2回目の将棋道場である。何事も2回目となると緊張感も薄れるようで10時スタートのところを10分ほど遅れて到着した。ドアを開けるとご覧の状態である。前回より混んでいた。席料1100円を支払ってすぐに「長谷川さんとお願いします」と言われた。見渡すと掛橋さんは来ていないようである。私「あれっ、今日、掛橋さんは?」渡辺道場主「今日は申し込みしていません」私「ああ、そう...
食べたきは彼の缶詰の菠薐草会社の朝礼は毎月1日に全体朝礼を行ない、月曜日は現場の朝礼のどこかに出て、その他は毎日事務所の朝礼に出ている。ある日の現場での朝礼での出来事である。私が「連絡事項」と称して5分ほど話をした後、「本日の行動指針」を全員で唱和し、司会者が「以上で朝礼を終わります。ありがとうございました」と言い、全員で「ありがとうございました」と返して終了となる。事務所に戻ろうとして歩き始めた時...
夏立ちていざ方寸の世界へと前回、先生から全員に配布されていたテキストに沿って進められた。先生「最初のページを開いて。ここにこの篆刻の意味が書かれている。篆刻は『方寸の世界』と言われ、ただのハンコを彫るのとは違って、書道の一環としてその美しさや品格が求められている……」<フムフム>と全員が頷いているが、誰もそのあたりを本気で聞きたい訳ではないだろう。どうやって彫るのだろうか……何を彫るのだろうか……上手く...
鉄筆の放つ光や五月来る4月27日(日)2時、書道の研究会である。11人が集まった。いつもより2人多い。先生「今日は研究会の後で篆刻をやるんだけど、道具なんかはみんな持って来た?」小林さん「ハイ、この間、キョー和に行って買ってきました」みんな、やる気である。研究会が3時50分に終わって、いよいよ篆刻の時間となった。篆刻をやらない3人が帰って8人が残った。先生「テーブルを4つ出そう。8人だから2人ずつ向かい合って座...
箱入りの朱墨をひとつ買つて夏関内にある「横浜キョー和」に行ってみた。初めてである。エレベーターで4階まで上がった。棚に品物がたくさん並んでいる。店員もいたが別に寄って来るようなことはない。自由に見てくださいという雰囲気である。棚を整理している男性がいたので声を掛けた。私「篆刻の道具はどこですか?」男性「はい、こちらです」店の奥の方に案内してくれた。すぐに立ち去ろうとしたので更に声を掛けた。私「全く...
中国製刃物届きて夏来る「篆刻の手順」と書かれた紙を先生から渡されたが、上の空で話を聞いていたので家に帰ってから読んでみた。「篆刻に必要な用具用材」のところにはいろいろと説明がなされている。取り敢えず必要な物が書かれている。① 石印材②耐水ペーパー ③墨・朱墨 ④硯・小筆 ⑤印床 ⑥鏡 ⑦印刀 ⑧印泥 ⑨刷毛 ⑩印矩 ⑪印箋その他<本当にこんなに必要なのだろうか?>先生に紹介された関内にある「横浜キョー和」のホ...
やることのまた一つ増え日永人3月30日(日)、2時からの書道塾に出掛けた。「研究会」と称する自分で考えて書いた作品を持ち寄る勉強会で月1回行なっている。その日は生徒が8名集まっていた。先生「始める前に少し話があるんだけど……」<ん?なんだろう?>最初に作品を提出するのがいつからか私となっているので、用意をして待っているところで話が始まった。先生「今回ここにいる人の3人が成家にチャレンジしたので、これから書...
往年の歌手よあの日の夏雲よネットニュースにこの写真が載っていた。<あれっ、誰だっけ?>4月30日(水)、都内で開かれた平尾昌晃チャリティーコンサートに登場した美樹克彦(76歳)である。コンサートの最後に登場したようで1曲歌ったあとに「私のこと、分かりますか?」と言ったが会場内はシーン。「美樹克彦です。パンフレットの写真も昔のもので黒髪ですが、最近はこんな感じでやらせてもらっています」と告白。美樹と認識す...
鴻の字を得て白鳥の羽搏けりそこに私の所属する会の女性がお酒を注ぎに来た。女性「日向さん、飲んでますか?」私「ホンの少しね(笑)」稗田さん「あっ、○○さん、ビールじゃない、ビールじゃない、日向さんは紹興酒です(笑)」女性「稗田さん、日向さんは年は取ってますけど、ウチの会の期待の星ですからね、よろしくお願いしますよ。大っきい会社の社長さんです」稗田さん「ええ、社長さん?ホントですか?何も言ってなかったじ...
夜這ひ待つ阿波の女の夏襦袢二日目の朝は4時起きである。寝るのが早いのだから起きるのも早い。静かに部屋を抜け出して12階にある大浴場に向かった。そこにある無料のマッサージ機がいい。太平洋を眺めながら1回15分程度のマッサージに身を委ねる。4時過ぎではさすがに闇の中で何も見えないが、マッサージ機のボタンくらいは押せる。出航の準備をしているのだろう、勝浦漁港に停泊中の船舶に灯が点っている。浴場の中には明かりが...
絶対に勝ちたいピンポン球薄暑最初のゲーム結果は覚えている。10対3でカズ君が勝ったのである。わざと負けたのではなく、偶然も重なって大差となった。明らかにカズ君の打ち方が変わった。先程までは続けることが目的のラリーだったが、勝負となると勝ちを急ぐようになった。いきなりテーブルの左右の端を狙うようになった。私「ヒャ~、際どいところを狙ってきたなぁ(笑)」カズ君「ハハハハ」スマッシュも打って来る。私「メッ...
五月来ぬか行きかく行きピンポン球部屋に戻ってしばらくしてピンポンをしに行くことにした。予約しているという。妻「あーちゃんは行かない。お留守番してる(笑)」娘「よし、行こう。3人だ」カズ君「オレ、メッチャ自信がある(笑)」私「おーちゃんはピンポンで負けたことがない(笑)」カズ君「ハハハ、嘘だぁ(笑)」ピンポン室に入ると一つの家族がプレーしていた。私「こんばんは(笑)。プロが来ました(笑)」家族「ハハ...
海堺へ消え行く船や夏岬ホテルに到着した。4階の414号室である。妻が特別室だと威張っている。カズ君「お~、メッチャ広い。目の前が海だ(笑)」娘「あっ、下でフラダンスを踊ってる(笑)」私「ここは和室か洋室か?畳の上にベッドが置いてある」妻「畳の感じがいいわね(笑)」私「広さは充分だな。ノンビリ出来そうだ」妻「良かった(笑)」ドタバタしていたが、その後の記憶がない。このブログを書くにあたって妻に聞いてみる...
夏海の底人間が玻璃の中食べ終えてそのままホテルにチェックインしたいところだが、まだ1時間もあった。勝浦海中展望塔に行ってみることにした。外房黒潮ライン128号線を走って鵜原理想郷の手前辺りを左折した。私「泊ったことがあったなぁ」妻「なっちゃんが生まれる前か、その辺りだった」私「烏賊の干物の形をした年賀状を奈美に送った(笑)」妻「ハハハ」私「理想郷とはよく付けたよなぁ。炬燵一つの古びた部屋で正月を迎えた...
朝市や鯵の干物の焼き加減昼食は勝浦に行ってから摂ろうということになった。私「金目煮付け定食かぁ(笑)」妻「そう、美味しかったわよ(笑)」私「お店に入って一番有名なのが金目煮付けだったけど、オレが食べたのが刺身定食」妻「私がエビフライ定食(笑)」娘「えっ、食べなかったの?」私「宿の夕食に大きいのが出た!」娘「ああ、アンコウ鍋と同じことになるところだったんだ(笑)」私「でも金目鯛は冬の季語だからなぁ。...
幽径に挟まってゐる夏はじめタケノコ狩りを終えて10時半である。目の前にあった「道の駅」でソフトクリームを食べて次に向かったのは「大多喜城」である。車で10分ほどなので昼食前にはちょうどいい。駐車場に入れて城まで歩いた。城は立派だったが、どういう訳か入場不可となっていた。係員に聞いてみた。私「令和3年12月から休館していると看板に書いてありましたが、中で何を改修しているのですか?」男性「何もしてません。中...
筍を掘つて日本の農を語るカズ君「ああ、折っちゃったよぉ~」私「ハハハハ」妻「あれほど折るな折るなと言っていながら、自分で折っちゃってるよ~」娘「ま、仕方ないよ(笑)」私「こんなに簡単に折れるもんだとは思わなかったなぁ(笑)」妻「何、やってるのかなぁ、この人は」カズ君「どうするの、これ?」私「食べる分には折れてたって美味しさは変わらない」娘「ゲット!」妻「あそこまで掘って、最後に手で何をしようとした...
どの竹の筍かみなひそとあり竹林に入って行った。随分と大きくなったタケノコもある。先に入った家族連れも掘っている。ワーワーやっている。カズ君「あっ、旗が立ってる。先が黄色い」私「もっと小さいのがあるはずだ。小さい方が美味いぞ」娘「あっ、これはどう?」私「おお、いいなぁ。よし、これを掘ってみるか」意外と見つかるものである。靴の底の感覚に頼るまでもない。土から少し出た位のタケノコを掘ることにした。もちろ...
鍬持つよろこび農協の夏帽子無事に到着した。勝浦まで一直線の大多喜街道297号線から少し入ったところだった。9時ちょうどである。男性がお客と思われる家族連れにクワを持って何かを説明をしているところだった。娘「あっ、あの人が〇〇さんだ。ホームページに出ていた」私「あの人か」60才絡みの男性である。車を停めて外に出て挨拶した。私「おはようございます。日向と申します」男性「ああ、昨日お電話いただいた……」私「言わ...
老鶯や車降りればみなトイレアクアラインに入るまでが合流に次ぐ合流で1台進みだったがようやく渋滞が終わって走り始めると後は順調だった。目的地到着時刻が表示されているが30分も早く着きそうである。時間調節もありパーキングエリアに入った。私「疲れたから休憩しよう」カズ君「おー!」妻「売店とかはないみたいだね」私「本当のトイレ休憩だけだな」トイレから出て来ると「あの山みたいなものは何だろう?」となった(写真...
竹林に風ある憲法記念の日家に帰ると娘とカズ君が来ていて盛り上がっていた。娘「諦めたと思っていたので、まさか出来ることになるとは驚きだよ(笑)」私「何事も諦めちゃダメなんだよ。4月30日が良くて5月3日がダメっていうところが腑に落ちなかった(笑)」娘「さすが、おーちゃん!(笑)」私「電話のオヤジはいい人だった。9時に来てくれと言うから明日は朝5時に出発しよう」妻「早過ぎだよ、いくらなんでも」私「アクアライ...
竹藪に穴新しきキヤンプかなすぐにタケノコ掘りをさせてくれるところを探し始めた。「千葉、タケノコ掘り」で検索すると何カ所か出てきた。場所を確認する。あまり勝浦から離れていては移動が大変である。千葉市若葉区とか木更津市が出てきたが遠い。夷隅郡大多喜町にいくつかある。場所を調べると勝浦のすぐ側である。いくつもあるが「営業終了」の文字が付いている場所も多い。<タケノコは夏の季語じゃん……>いくつか書き出して...
黄金週間当てなきままに近づき来ゴールデンウィークをどう過ごそうかなどとは考えてはいなかったが妻がカズ君をどこかに連れて行ってやろうと張り切っている。「どこがいい?」などと聞いて来たが思い付かない。しばらくして「千葉でいい?どう?」と言うので「いいよ」と答えた。「ええっ、また千葉!」などと言おうものなら「じゃ、貴方が探して!」と言われること間違いなしである。妻「ゴールデンウィーク後半の3、4、5日でい...
一見の客も客なり春愁ふ1杯目のビールを飲み干した。私「日本酒にしようかな。それにしても遅いな」妻「立て込んでいるんでしょ。熱燗?」私「うん、2合でお願いします」妻「あれっ、メニューに熱燗がない。日本酒自体がない」私「そんなことないだろ?」いろいろ検索していたようだが見つからないようなので「ビールでいいや、同じもの」ということになった。私「何でもスマホでやるのはいいけど、焼鳥の1本も出て来ないんじゃ、...
待たされてをれば自づと春惜しむ「鳥真」に行く日が急に訪れた。4月29日(月)「昭和の日」祭日である。妻「鳥真、やってる。行く?」私「祭日なのにやってるの?カズ君はいないけど、下見ってことで行って来るか」妻「予約するけど何時にする?5時、5時半、6時、6時半」私「6時にしておくか」スマホで予約するようである。妻「オッケー、6時に予約したよ」私「電話しないで予約出来るんだ。便利になったなぁ(笑)」5分前に入店し...
行く春や向き合ふ卓は二人掛け次回、日曜日にカズ君が来た時のためにも別の焼鳥屋を探しておく必要がある。「やきとり工房」が候補に挙がった(写真)。いつもスポーツセンターに行く時に前を通るのだが、焼鳥に興味がないのでよくは見ていなかった。妻「どうする?行く?」私「ああ、そういえばいつも半額の垂れ幕が下がっていたなぁ」妻「行ってみる?」私「また、タバコの店じゃないだろうなぁ」妻「タバコがいやだったら別の店...
焼鳥屋語りし夢に期日あり「榮吉」で味を占めてすっかり焼鳥ファンになったカズ君である。カズ君「また行きたい!」妻「次はどこに行く?『鳥真』かな」私「ああ、あそこか」妻「あそこは日曜日定休だから土曜日しかないよ」娘「よしっ、行ってみよう(笑)」その日、訪ねて行くと「鳥真」は満席で予約がないと入られないと断られた。その足で再び「榮吉」に行くとそこもまた満席になっていた。仕方なく家の前にある「千年の宴」に...
燕来る店よ鳥屋の品定めこの頃、家の周りにある焼鳥屋を訪ねて「雨夜の品定め」ならぬ、「鳥屋の品定め」を行なっている。そもそも焼鳥は好きだが、焼鳥屋があまり好きではない。誰かと飲みに行く時でも焼鳥屋を選ぶということはほとんどない。なぜかというと食べる物を選ぶのが面倒臭いからである。元来が物ぐさで、あれこれ考えたり選んだりするのが好きでない。「ネギマ2本とカワ2本、塩とタレで……」なんて繰り返すのがイヤなの...
神棚にアマツのマラを祀る春石碑の先に進むと「熊野神社縁起」が書かれていた。「征夷大将軍となった源頼朝が……」に始まる神社の由来だが、内容は兎も角として最後に書かれた御祭神には驚かされた。神社庁の男性が調べて教えてくれた「熊野大神」「スサノヲノミコト」の名前がないのである。<ええっ……>この文章を書いていて「オレもよく驚く男だなぁ……」と思ったが、スサノヲの名前がなかった時には本当に驚いたのである。普通、...