ばばとお花見。桜の下枝を引き寄せて触らせると、やはらかいいい匂いがすると云ふ。見えるのかなと聞くと見えないけれど、酔いつぶれるほどだ、アリガタイと幾度も呟く。…
ばばとお花見。桜の下枝を引き寄せて触らせると、やはらかいいい匂いがすると云ふ。見えるのかなと聞くと見えないけれど、酔いつぶれるほどだ、アリガタイと幾度も呟く。…
青の螺髪。蟻の字。/門柱に寄りしタンポポそのまゝに/まだかよと春を待つをの屈み見る/トリセツを開いて閉じて芽掻き時季/薔薇芽ぐむ痛いと云へば生(い)きのこと/…
春を勤しむ。/もぐらもぐゲレンデの下春でぶん/春が来てリフトの翳のものしずか/ちょろちょろと岩を濡らして春の水/コブ斜面撥ねられてこそ青春賦/チューリップ花の…
清里サンメドウズ。冬の背(そびら)、冬の葬送。青の滴らんばかりの春の空である。清里サンメドウズは八ヶ岳山麓に。見上げれば八ケ岳上空は幾筋もの飛行機雲が交差して…
★智笑ポエム「春の芽吹きのほつほつと」(Trump's Tariff)
/冴え返る北の国から雪便り/気が付けば春の芽吹きのほつほつと/白梅の花衣脱ぎ、芽青し/この寒さいっそ雪でもとおもふかな/芍薬の丈の高さを手尺にて/午後になり雲…
家族会。中央道は青の芽吹きが。小仏高尾に桃色山桜が山懐にちらほらと。釈迦堂に花桃を観に。/春の闇どこか温(ぬく)くて落ち着かず/中央道青の芽吹きのチチチチチ/…
除草機───春の始動。ば様をショートステイに上京。ご近所“瘤寺”自證院の桜。/除草機のダイナモ春の始動する/霾(つちふ)れりフロントガラスざ~らざら/蕗ッ葉の…
故郷は桃源郷になりぬるを。/八つの風孕みて盆地花真っ白/春愁やティッシュ即ち花の山/お湯割りやいちご大福食べたいな/ばーさんに訪問入浴ラッセラー元気若衆爪切り…
春が来る。あの雲のやうにとりとめもなく憂いが深まる口遊む、ににんがさん、さんしがごごは口遊む石になる畑にあり庭にもあるそして躓く雲は遠くに在ってけふは初燕を見…
桜の花を想ひ立ちて。/ゆさゆさと大枝揺する花の雲/花待ちやブルーシートに文庫本/宜(むべ)なるかな「3.11」に桜かな/無垢になりたしと謂えどさくらさくらかな…
花盛り。ばあさんが帰って来たよって階段をまろび下りる/ほんとだ4時20分ぴったりだね/庭を横切って緑の送迎車に/「お帰りやばーさん」/けふは風が少しある/はよ…
お花摘み。大風、黄砂。デイに見送る。/破レ蝶の墓に現る頼りなさ/大枝をバッサリと剪る花の宴/お花摘み花粉のことは置いといて/東風吹いて花一斉に披きけり/開花し…
春や來る。/大嚏(おおくさめ)骨盤底筋顫わせて/水仙花今か未だかともどかしく/もういくつ寝ても覚めない認知症窓辺に寄りて手を合わせする/芍薬と牡丹の芽吹きいそ…
玄牝(げんぴん)をうるほす───2025,3,22みうらじゅん『様々な弥勒とワッフル』 再三わたくしは石でないことを確かめた石でないばかりか木偶でもなさそうだ…
春分の日「日延べて春と冬との引き合いて」翌日、八方へ日帰り。言語ぢゃない言語を求めて。/饅頭のやはりこはいと彼岸かな/薄皮の饅頭の爪楊枝かな/春工房、パンと饅…
/砂糖菓子に消える沫雪春の雪/健気にも雪乗せ耐える梅雪花(ばいせつか)/雪降りてマルチに積もる芋の床/藁ずとの手当ては皇帝ダリアかな/かーさんに云はれ畑に葱掘…
彼岸入り。3/18はじ様の祥月命日。ば様を車椅子にお墓参り。/畑に出て祥月命日芋植ゆる/花冷えは桜ばかりか梅の花/水仙は墓参りとて採られけり/この径は村の午後…
韮摘む春に爪を汚して───/希望めく牡丹の芽吹きあからえく/もっとと云ひ未だとも云はんナツズイセン/雁首を揃えて仏間落椿/一本(ひともと)の梅にまつはる一つ家…
2025,3,16内田あぐり『動く人』 すると古びたドアが朝に開いていてすると朝の曙光が部屋に影をつくりどこかで山羊の鳴く声がしてどこかで追いかけるやうに小鳥…
/食卓に景色に水に春でぶん春は苦味であったり、春は潮滴らす貝であったり和布蕪であったり、新鮮な緑野菜だったり、妻はずい分奮発したなぁと思いきや、安いマグロの端…
おびただしい世界がぼくの隣りを流れて行ってぼくが一ト鍬畑土に撃ち込むたびに眩暈となって僕を襲って来るぼくは掘り起こされてのたうち回ってゐるミミズを見ていてその…
たったポチっとしたこれっくらいのことしか無かったのでとっても恥ずかしく思ってゐる庭の端っこに佇って何往復かしたたちまち芽が紅く出ているものもあってびっくりさせ…
「白梅の明ける夜ばかりになりにけり」 なにしてたのって落ちるに任せていた花瓶の花を抱いて黒い水が流れてゆくのを見ていた墓石を呑み込んで有線放送が空に突き刺さっ…
ば様の認知の森。セピアの古いモード雑誌をばらけさせて。古い土蔵の家があって/傘を掛けなきゃいけないと盛んにば様は口にしてゐる/ご先祖さんがいっぱいゐるお仏壇の…
春は苦味。sewing 。ドコサヘキサエン酸。テンペスト。/sewing granma 運針は春便りお着物が自前で縫えたば様が、今じゃ布巾もあやうい。/春は苦…
家族集合。ゼレンスキー氏、大統領府前で。ゼレンスキー氏のお手紙。トランプ大統領の施政方針演説。/楽しみは家族仲良く打ちそろひもの喰ふときの笑顔うれしき/かーさ…
手紙を出したい。瓶に詰めて海に流したい。鯨なら背に乗せて遠くの異国にまで運んでくれる。砂漠では砂に埋めたい。サソリが探し出してくれるでしょう。真理は真っ赤なサ…
/並び佇つ春と冬との惑ひかな往ったり来たり慌ただしい。ば様をショートステイに上京。/籠もり居の春立つのたりのたりかな/湯豆腐やことりほてりと酔ひにけり/草青む…
緊迫、OVAL大統領執務室。キタアカリ種イモ植え。訪問入浴…ば様の日記───「何もない」「わからない」「誰もいない」辛うじて判読できる。25,2,28「手を引…
★智笑ポエム「紅白に咲いて三千世界かな」(山火事/minerals)
白梅に紅梅に。林檎の木の剪定修正。山火事。minerals。/東雲(しののめ)の春やはらかく明けにけり/芽吹きける林檎に和毛にこげかな/角ぐみぬ牡丹の根方に水…
黒い土をわしづかみに待っていたと思うんだけれどどうだい再起動しなさいと急かされるバインド線がやがて陽に輝いてキラキラする近隣近在の人たちがやって来るサケやマス…
寒波後梅花。/八つ颪の風にかしづく盆地かな/リハビリや家居少しも温まらず/黒檜山寒波来ている気を付けて !娘はコーチを頼んで赤城山は黒檜山登山に。/寒くても昭…
北横岳ロープウェイ、ピラタスゲレンデ。お客様は半分くらいが北横岳登山の方たち。人気だね。『だれやみ』センセは小淵沢で学者やってんど/でも奥様が3年ほども前に亡…
静かな日曜日。2/23(日)晴れ。静かな日曜日だ。静かな日曜日に賛成する。お布団を干し掃除機をかける。控えめでつつましやかな日曜日。ば様はテーブルに指を組みお…
ドナルドを呼ぼうよ地球のあちこちに火を点けまくって少しも暖かくならない寒くなるばっかりだ悲嘆が増えるばっかりだまるでどうかしている正気の沙汰とも思へない自分の…
三寒四温。行きつ戻りつ。/ばーさんをデイに送りて終日(ひもすがら)両手の中の閑ありがたき/粗土や畑やはらかき蹠(あうら)かな/ほうとうや外表は寒波で恋しがり/…
しずかに耐えるやうな季節の下にあって声を潜めて口を閉ざしきっと不幸が喉元にあってそれが邪魔をする地が渇きすぎてもいけないんだみんな喋らなくなって味気ないみんな…
ウクライナ分割 Ⅱプーチンの「特別軍事作戦の目標」・中立化・非軍事化・非ナチス化今朝のニュースではトランプは、「ゼレンスキーは選挙無き独裁者」「うまい汁を吸い…
ウクライナ分割 Ⅰけふ(2/19)のニュースでは情勢はどんどんウクライナ不利になってゐる。トランプはウクライナの大統領選挙を持ち出した。あげくゼレンスキーが戦…
ダッフォディル。/洗車して撥ねにねぎらう雪の道/洗車して三寒四温待つ心/ワックスを掛けて洗車や冬の翳/余り水松芍薬に洗車して(季語めちゃくちゃ。ただ洗車後植栽…
「三寒四温」───/冬の朝漢字を分解していった/コンコンと咳出て唯識論論ず/俎板の音聞く朝の温きかな/ちいよこれいと無きにしもけふバレンタインデーば様の誕生日…
どこかをいまもどこかからかいまも拾って来るいまをささげもつ回想を野に捨てしものを どこかに今も忘れ得ずに激しく抱いて水流が地下を流れゆき溶暗のなかへとめどなく…
22,5,13マリウポリ地下シェルター、アゾフ連帯負傷者 水曜日は忘れない水曜日は拘束されて誰のために自由に歌えると云ふわけにもいかない水曜日はだれかが別れる…
/春耕す卵の値段上がったわよ/ジャガイモの芽が出てそれを買って来る/釜揚げや湯気白く山葵真新し/エアコンを寒波の去りし日に付けし🌸世間は暖かくなって来た。/有…
ウクライナ分割。パレスチナ、クルド人などの新国家建設。国家───人民、憲法、言語、通貨、インフラ設備、産業。社会保障、教育、医療…超大国アメリカの出番です。ロ…
建国記念日の日に思いつくままに。さあ、こうしましょうか。ロシアがいま占領しつつある領域を一度白紙に戻す。そもそも主権と領土の一体性は、人類が長いこと血と血で争…
春や春。寒牡丹は上野東照宮(FB山崎信成氏)/納骨の過ぎればみなで献杯す故人のことは酔いの彼方に/生と死はただ事ならずとなりでは子どもの遊ぶ声動(ゆ)るがるれ…
お日様にこにこにこにこお日様石垣ほこほこほこほこ硬いカネチョロぴょこぴょこピョコピョコひとり風のまにまにこちらを向いてあっかんべーと舌を出す2023,1,21…
雪の朝。/あからえく万年青(をもと)に雪の白さかな/淡雪に陽が射すほたりぽたり哉/自由律ぷかりぷかりや春の雲/春風や渡る世間に鬼はなし/初雪や庭にためらう一歩…
めんどうだそれには右足から入れることになってゐるどうしても左足からではないやうだだれかが決めたわけでもないやうだただ左足から入れやうとすると躰が傾いておっとっ…
マンションに穴を掘ってゐるけふのベンはどこへゆくのかなまるで臭い臭いチーズにでもありつけるとかようやくキャベツの値段が落ち着いてきた量り売りなんか今さらないけ…
1960白髪一雄「天敗星活閻羅てんぱいせいかつえんら」1998吉田克朗「触 春にV」24,6,29日経 /悴んで鬼の手握る温かい/おぼつかな接吻はなく節分や/…
/節分やクリクリッしたる子供たち/春殺や地に棲むモノのとめどなく/春殺や国会内の外のこと/春殺やよくなきことの立て続け/中央道ヤクルトのビル筒形に国立府中山茶…
/釈迦像はうしろ姿がよかりけり春の陽光(ひかげ)にほならほなりと/花探すきっと丘には福寿草/パセリセージローズマリー呪文となりて春奔る/Parsley, sa…
納骨。/畳の目数ふる般若波羅蜜多合同法要ハーブの丘に/陽光に春の気配や清々し見送り人に坊さんの声/鐘の音に誦唱の声のくぐもりてみな罪障の溶かしゆくかな/護摩焚…
/snsで戯れてまた戯れて冬日かな/短日やsnsに戯れて/なにも無き一ト日であれば切山椒/リハビリやばばに小春や日の廻り/着ぶくれて畏まりたるデイの朝/山茶花…
日が照ったり翳ったりふと、天を仰ぎ人の遠くを見て「道に眠ることになるのかな」と彼は云った空は海と同じくらいに蒼いのにどこかへさへも行けない2025,1,27ガ…
金魚が部屋を泳ぐ金魚はブックの上でひらひらヒレを動かしてゐるよそんなところにブックを置いておくなんて奇特な人だ一個の契約すら見当たらないでも少しでもあり得ると…
出張先塩釜から娘が宅急便でお魚さんを。ば様ベッドから落ちて左側頭部から出血、救急車を呼ぶ。/拡声器の音の間遠に回収車/蠟梅をスマホで見せし春や春/蠟梅の薄紙ほ…
或る時再三わたくしは石でないことを確かめたあの青いインクは呪文で空に垂らすまるで虹のやうに広がり滲み人々を空の下に拘束する1958Rene Magritte …
/妻の手に光集めて蕗の薹/まず一句今年の蕗に奉れ/二度三度梅花まだかと木の下に/バターパン蕩けて光三月(やよい)めく/水仙の光さやかに悪びれず/義兄さんの腰痛…
★智笑ポエム「説諭」(運命とは何か/偶然には何か意味があるのか)
「慈悲を」『説諭』ブッデ主教トランプ大統領に米国の首都ワシントンの国立大聖堂で礼拝を指揮するブッデ主教=2025年1月21日、AP 高職者は壇上から説諭される…
破れ家に裏木戸引き戸交換。米国大統領トランプに。大統領令100本 !?世界の民主主義の行方。「心以外は洗えます」妻はおじゃけて洗濯機老々介護梅に花咲く/破れ家…
春や來るらし。/あら不思議富士におくるみレンズ雲あれに見ゆるは春の音づれ/小春日や媼は畑に背伸びする/蕗の薹坐像の形に見えなくも/蕗ッ玉早緑みどり元気づく/大…
2024,3,22オーガベン『こころの宇宙』 ぼくはしてきてしまったらしいぼくは歩いてきてしまったらしいぼくはどうも手で探して探し出してきたらしい目でも見てき…
/あの先は冬野なりけり道さみし/蕗ッ玉のそろそろ漫ろ行ってみる/その勁さ寒さ敢闘蕗ッ玉/棚下や剪定の音悴んで/白銀や落差楽しむ老いの坂/冬雀拳に羽叢ふくらませ…
最近は云はなくなったね「どこいくの」ってだんだんわかって来たんだよねデイへのお出かけだって「お風呂にも入れてもらえるよ」って妻の言葉にも乗せられてんのかな自分…
日溜まり朝焼けは多分気が付かない外では少しずつ日が長くなって来た 朝ごはんはずいぶんはかすすんだねリハビリもいやがらずに家の中を行進したお仏壇の前ではご先祖様…
スキー、テニス、ベイスボウルの紅顔の美少年(美少女)もはや㐂寿を超え、後期高齢になって来た。幾たびか乾杯を重ね、みな息災無事を言ほぐ。まさに「生きててよかった…
上京。甲府盆地を出でて東京へ。新年会第一弾。献杯。/農人の脚立の上や冬麗(うらら)/冬麗(とうれい)や蒼き山腹冬霞/甲州はぐるりと富士に八ヶ岳、南アルプス甲斐…
2021,7,18佐藤泰生「マスクに愛を 夜明け」 あそこには心臓があってどっくんどっくん台所のどうも左上の方にある朝起きるともう温かい熱を持ちその周囲が明る…
妻にケーキ工房。/電線に歳従へて茜雲/残月や愛しきことの透きとほり/里芋とネギこいでくる畑初め/紫陽花の枯葉を取れば冬芽かな/防災の有線冬は火の用心凍結注意繰…
男が泣くんだぞほんとうだぞミサイルが割れた地表も割れ、割れたミサイルから蝟集する蝶が飛びたった23,10,31ガザ難民キャンプに空爆「大虐殺だ、言葉にならない…
悴んで。松明けて。デイの日や。/霜踏んでディに送りし松青々/FBから報せが届く誕生日アイツぁこの冬七回忌だよ(FBの不思議なお仕事)/仏前にポンカンじっと我慢…
2023,2,21吉野友菜「祈り」(富山高校)朝日新聞 とまれ鳥たちは電線に留まり人々は真黒な塊りにどのやうにか信仰が無い人でも回心か、心は変わってゆくものだ…
ブックが届いた。「私は思い出す(Am’ arcord)」板橋アマルコルドなんだね。ひょんなことで僕も一時むかし大山に住んでいたよ。アーケードを右に入って行った…
帰郷。千曲川縁故郷ロード。/門松に人を立たせて日神さま/藁塚や水の流れと千曲川/ふくふくと道の駅にはネコヤナギ/道の駅豊野であれば冬林檎/帰り来るカントリーロ…
仕事初め。恵方。/一椀の粥に大根さつま芋/雪催槙の木あたりふわふわと/雪国は口ひらくのもくぐもりて/元旦や等身大が歩き出す/ばーさんのお糞るに寒き歳初め1/4…
ば様、今年最後の訪問入浴。/黒豆の皺皺人のため息も/冬野菜鵯が寄り来るダメデスヨ/牛蒡さん蓮根さん根の張るものにおはやうさん/しののめに明けゆき木戸に百姓家振…
室堂山荘佐伯さま御礼甲州枯露柿をお贈りする。24,10/17 家族で立山連山縦走。おじゃま申し上げるたびに人情の細やかな、和田教授の親族とは云へいつも大変な心…
「ばーさん、あの壁の暦見える?」「12月だよ」「12月って春夏秋冬のなに?」「冬だよ」「今年はあと何日で終わるのかな」「わからん」「一年て早いね」「あゝ、造作…
おいらの右側には出るなアブナイばかりだどう右側通行だと思ってたらストンと欠けていたなにかがすっぽり抜けている和尚さんは云ったんだだから平地なんか信用ならんと山…
トイレ掃除笹寿司白菜漬け落葉焚き/ひと年をお世話になってありがとうトイレの神様くすりと笑ふ/笹寿司や農奉祝し了(お)はんぬる/畑の芥燃やしてひとり佇みぬ烟のゆ…
師走極月。ジャム工房。息子と二人忘年会。一陽来復。/南瓜喰って冬至前だといなされて/一陽や冬至南瓜と云ふことも/布団干す一陽来復冬至の日/柚子玉のあごに寄り来…
淳子ちゃん旦那さんへ枯露柿は約2カ月。かか様は丹精込めたよ。でも寒さが足んなかったなぁ。手塩にかけた子供たちをただいま進呈申し上げます。旦那様のスバラシイ林檎…
鍵があるから立ち会えと云ふ♪明日は出てゆく、出てゆく黄金の鍵を背中に仕舞い古びた使い古した木の扉を開ける鍵はどうやら魔法に使えるらしい♪はあるばると緑の野にな…
林檎可愛いや。剪定。便失禁、てんやわんや。東京さ帰って来てそのままリンゴの木に上る。林檎可愛いや、鵯たちやあい。多勢に無勢ではあるがいざ。エライ啄っつかれてい…
なんだおまへ様だったのかまさか僕だと思ったよ深く刻まれた皺皺落ちくぼんできた眼窩自分ぢゃあまだ若いつもりでいたがよくよく顔をのぞき込むとなんだあんたはおれ様じ…
★智笑ポエム「追悼、久里洋二さま」(2024,11/24死去96歳)
久里のおじさんパイプのおじさんは烟のやうに逝ってしまったまるで昇天するとってもカラフルありがとうの世界なのだ心の中に童心と膨らみ続ける夢を持っている方は幸せだ…
忘年会(Ⅳ)。/ほーやれほー 人は歳とる師走影/過不足も可も不可もなく年の暮れ/歳の辺に息せき切って集まりぬ/幼らに歳越すことのうれしさよ/着ぶくれて駅の辺(…
「裏を見せをもてを見せて散る紅葉」良寛訪問入浴、庭の落ち葉掻き。富有柿の剪定。鵯との仕舞の木守闘争(笑)。上京、忘年会。/セロニアスモンクふにふに散る紅葉/来…
雲が集まってゆく花々が咲き乱れる一瞬たりともわれわれは生きてゐる長い行程では岩にも聞いてみる日向の石ころには蹲る1955丸木スマ「簪(かんざし)」80歳の老女…
「焚くほどは風がもてくる落ち葉かな」良寛/紅葉見て落ち葉のゆくへ溝浚い/さんざめく万の落ち葉の物語/溝浚い寒のさむさや水鏡/寒の朝タオル干したる棒のやう/溝掃…
畑芥を燃やす。 きれいさっぱりと灰燼す。 四囲になむなむする。 翌朝霜を掻き…
畑仕舞い。ひとりの人の紅葉狩り。/息抜きや妻に介護の遠眼鏡(季語無し)/柿の木の剪定続く高処/おじゃけたる鵯の高鳴き柿ドロボー/プチトマトルビーとなりて仕舞い…
「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」万太郎北信濃の故郷から林檎が届く。検診の結果表。/足袋のハゼおお寒ぶこ寒ぶ弁天さん/物干しにお指冷えゆく冬の朝/とろろ芋摺…
昼食はホットケーキ後、収穫が了はった百目柿の剪定に入る。この木は高いゾ(笑)。/百目柿乳母日傘(おんばひがさ)で日を過ごし/就中(なかんずく)部屋の中まで百目…
訪問理髪。「ばーさん、ベッピンになった。」「もう一回お嫁にゆくかね」「もういい。もらい手ないよ」髪の毛と爪は旺盛に伸びてゆく。/ばーさんのおぼこになって口すぼ…
上京です。/畑の芥燃やして今朝は上京する烟臭きをそのまゝにして/ばーさんに行って来るよと声掛くる昨日は夜中に嚏三回/釈迦堂にジングルベルの声を聞く/遠ざかって…
柿すだれゆく。/霜落ちて手荒きまでの仕打ちかな/霜練れる菠薐草の翠かな/梯子上ればにわかにわたし柿大尽/風物や妻手を伸ばす柿すだれ/吊るし柿焼酎吹いて手で揉ん…
「ブログリーダー」を活用して、亭主の好きな赤烏帽子さんをフォローしませんか?
ばばとお花見。桜の下枝を引き寄せて触らせると、やはらかいいい匂いがすると云ふ。見えるのかなと聞くと見えないけれど、酔いつぶれるほどだ、アリガタイと幾度も呟く。…
青の螺髪。蟻の字。/門柱に寄りしタンポポそのまゝに/まだかよと春を待つをの屈み見る/トリセツを開いて閉じて芽掻き時季/薔薇芽ぐむ痛いと云へば生(い)きのこと/…
春を勤しむ。/もぐらもぐゲレンデの下春でぶん/春が来てリフトの翳のものしずか/ちょろちょろと岩を濡らして春の水/コブ斜面撥ねられてこそ青春賦/チューリップ花の…
清里サンメドウズ。冬の背(そびら)、冬の葬送。青の滴らんばかりの春の空である。清里サンメドウズは八ヶ岳山麓に。見上げれば八ケ岳上空は幾筋もの飛行機雲が交差して…
/冴え返る北の国から雪便り/気が付けば春の芽吹きのほつほつと/白梅の花衣脱ぎ、芽青し/この寒さいっそ雪でもとおもふかな/芍薬の丈の高さを手尺にて/午後になり雲…
家族会。中央道は青の芽吹きが。小仏高尾に桃色山桜が山懐にちらほらと。釈迦堂に花桃を観に。/春の闇どこか温(ぬく)くて落ち着かず/中央道青の芽吹きのチチチチチ/…
除草機───春の始動。ば様をショートステイに上京。ご近所“瘤寺”自證院の桜。/除草機のダイナモ春の始動する/霾(つちふ)れりフロントガラスざ~らざら/蕗ッ葉の…
故郷は桃源郷になりぬるを。/八つの風孕みて盆地花真っ白/春愁やティッシュ即ち花の山/お湯割りやいちご大福食べたいな/ばーさんに訪問入浴ラッセラー元気若衆爪切り…
春が来る。あの雲のやうにとりとめもなく憂いが深まる口遊む、ににんがさん、さんしがごごは口遊む石になる畑にあり庭にもあるそして躓く雲は遠くに在ってけふは初燕を見…
桜の花を想ひ立ちて。/ゆさゆさと大枝揺する花の雲/花待ちやブルーシートに文庫本/宜(むべ)なるかな「3.11」に桜かな/無垢になりたしと謂えどさくらさくらかな…
花盛り。ばあさんが帰って来たよって階段をまろび下りる/ほんとだ4時20分ぴったりだね/庭を横切って緑の送迎車に/「お帰りやばーさん」/けふは風が少しある/はよ…
お花摘み。大風、黄砂。デイに見送る。/破レ蝶の墓に現る頼りなさ/大枝をバッサリと剪る花の宴/お花摘み花粉のことは置いといて/東風吹いて花一斉に披きけり/開花し…
春や來る。/大嚏(おおくさめ)骨盤底筋顫わせて/水仙花今か未だかともどかしく/もういくつ寝ても覚めない認知症窓辺に寄りて手を合わせする/芍薬と牡丹の芽吹きいそ…
玄牝(げんぴん)をうるほす───2025,3,22みうらじゅん『様々な弥勒とワッフル』 再三わたくしは石でないことを確かめた石でないばかりか木偶でもなさそうだ…
春分の日「日延べて春と冬との引き合いて」翌日、八方へ日帰り。言語ぢゃない言語を求めて。/饅頭のやはりこはいと彼岸かな/薄皮の饅頭の爪楊枝かな/春工房、パンと饅…
/砂糖菓子に消える沫雪春の雪/健気にも雪乗せ耐える梅雪花(ばいせつか)/雪降りてマルチに積もる芋の床/藁ずとの手当ては皇帝ダリアかな/かーさんに云はれ畑に葱掘…
彼岸入り。3/18はじ様の祥月命日。ば様を車椅子にお墓参り。/畑に出て祥月命日芋植ゆる/花冷えは桜ばかりか梅の花/水仙は墓参りとて採られけり/この径は村の午後…
韮摘む春に爪を汚して───/希望めく牡丹の芽吹きあからえく/もっとと云ひ未だとも云はんナツズイセン/雁首を揃えて仏間落椿/一本(ひともと)の梅にまつはる一つ家…
2025,3,16内田あぐり『動く人』 すると古びたドアが朝に開いていてすると朝の曙光が部屋に影をつくりどこかで山羊の鳴く声がしてどこかで追いかけるやうに小鳥…
/食卓に景色に水に春でぶん春は苦味であったり、春は潮滴らす貝であったり和布蕪であったり、新鮮な緑野菜だったり、妻はずい分奮発したなぁと思いきや、安いマグロの端…
惆悵としてシャコンヌを聞きし───「施肥をしてもひとり」/間違って藪に入れば菫艸/春愁やシャコンヌに聞く白き雲/シャコンヌや白雲ぷかりぷかりかな/葱坊主見てき…
ひょうろくだまの平作さんは野菜作りがうまくてのうまるまるふとった白菜に藁しべを鉢巻きに結んでもってけ~って、ほれもってケーって香月泰男1956~『シベリアシリ…
何しろ適切を御願いします山椒の若芽、柿若葉が一斉にです政府が適切をしないと云ふならこっちではもうすごいですよ畑のヒヤシンスやらチューリップ(ど派手に真っ赤っか…
うまいなぁ韮の餃子、とろろの磯辺揚げ湯気がほくほく上がりカーテンを閉めたら二人の宴葷酒山門に入らず、なんてとうの昔で妻を前にいつかその時がきたらどうしませうお…
あんなきれいな笑い顔があるんだ清潔な笑い顔だなぁみんなの奥にあって目立たないけれど大口明けて素直に何がおかしいんだらうと思わせるくらいに歯ががきれいだね、何が…
春は眠たい横になっているものが縦になってもねむたいいや縦になっているものが横になっただけでも眠たいブックは拡げたまんまで落ちて来る猫も犬ももう立ったままねむた…
花の四時(しいじ)寂光浄土───それはうれしい知らせそれはだれかに告げたくなる気持ちタンポポの賑はひ紫木蓮がパツンと咲いた春はほんたうにどこから来るのでせう電…
みんなどうも雲の上にのっていってしまうみたいだよ誰一人として逃れられないあんな雲はいいなぁ気がせいせいとするすぐに物語が生まれる詩のやうなものが生まれるおーい…
サンクチュアリ、私の秘密の場所───きみを想ふて丘の辺に上る丘の辺のなんそ愛(かな)しき今年またきみに逢はむとて白州に游ぶ捨てられし畑にきみはまた今年も放恣と…
「生物季節観測」観測種類が減って来ている。/仏の座はなの台(うてな)はなけれとも/目視する大の大人が花の下「生物季節観測」さくらさくら/芽吹きくる皇帝ダリア小…
さくら、さくら、さくら…「さまざまなこと思い出す桜かな」(ばせう)フクシマ「浪江の桜」。請戸川沿いに。 /夜桜や青山墓地を横切りて/寝転んでヒルズを遠く花の墓…
e-の囁き。/紅李(べにすもも)花を余して放棄地に/ムスカリのつい踏み外す放棄地に/ムスカリのまずは最初の青さかな/タンポポのまだ珍しき三月の/里芋を植えて鵯…
ある晴れた日に豚が空を飛んでいるだなんて豚が空を飛んではいけない、だなんて云ふ決め事は無かった桃色の豚さんが次々と空を飛んでいくつもの山々を越えて向かうの空へ…
やあですね、春の長雨…さて、一夜明けて。/饂飩(うんどん)を箸を上手に生身魂嚥下のことをしばし忘れるば様はついに自分でお箸を使って食べ始めた。/ばーさんとテー…
美しい朝と云ふものがあって溌溂としてゐる晧然としている自信ありげでトースターからパンが飛び出る三月はもう色んなパステルが溢れ出て花の色に街中がなにか賑やかにな…
聞こえない木下さんについて聞こえないを聞いてみて話をしてみたあなたは想像すればそれで済むよねそれで優しくなれると云ふがやさしさが井戸の中に落ちた青い空に白い雲…
春愁───あすこに山がある。また古びた梅木に逢わんと丘野辺に上がって来た。丘の辺なんぞ愛(かな)しき。足元には青の眸眸、イヌフグリが燦燦と陽に咲きほころび、放…
狸が畑に出たよ。/花粉時季ティッシュ即ち花の山/ほのぼのと歩荷の笑顔地球踏む(TVで見て)/天に地に気圧孕みて小雪かな3/23辺りがぐっと冷えて来たと思ったら…
第一章───ふんぞり返りわれにどんどん桃色に肥えてゆく家を突き抜け街を突き抜けそれでもどんどん大きくなってゆくことなんかあるのか悔悟があるから足を踏みしめ手を…
他者の気配が差し出されて思いがけなくどぎまぎするわたしがつくったモノの形の中へたくさんな人が出は入りしてわたしは運命論者のやうに佇立して道路に投げ出された大き…