梅捥ぎ。/梅捥ぎやばーさんぬけたいちぬけた夏草茂る畑荒れにしを/懐旧の話ばばにも梅捥ぐや/梅捥ぎや故郷まるめて花いちもんめ/梅雨の世やさはさりながら梅捥ぐや/…
ば様が歌う。二週遅れの盆の客。/ばーさんの歌えば愛(かな)しまたうれし昔を今に為すよしもがな/ピザかなぁと朝から盆の客/蝉退くや野分の朝露しとど/熟れるならば…
台風が来るよ。/まるで預言者か鴉 瓦にとまりその向かうから台風が来る/朝からの線上降雨のニュースはも三度四度もとほく離れて/うらめしや台風の次とまた次と/コロ…
★智笑ポエム「或る医院のこと」(頻尿7/23夜、山小屋の段差でケッつまずく)
年寄りだから治りが遅いのかなぁ(笑)実は7/23(頻尿)山小屋で夜中廊下の段差にケッつまずいて事故。そのままその日、薬師岳登頂。「或る医院のこと」───整形外…
みな生をいそいで…/みな生をいそいでオンブバッタかな/青々とオンブバッタの葉の色に/台風の予報雨を見たかいって/ナポリタン胡瓜の即席漬け美味し/下心ネギに伸び…
ひとりがいいんだと玉袋をさらけだして風に吹かれている用も為さないなあ案山子が笑ふ野雀がチュン稲穂がたちまちにして伸びてくるのが分るからみんな拳になって青嵐に突…
サイパン、マッピ岬のこと─── ユイヨーユイヨーユイヨー(ツクツクユイ)ユイヨー(ツクツクユイ)トミオートミオー(ツクツク)ヒュイ鳴いて熄んだからといってどう…
デイの日はのんびりと…/夏雲に捕(つら)まえられて顎を出す/昼目覚め鴉の一羽電線に/糠床に教養主義の目覚めけり/山下りてターフの下の娘かな/盆過ぎて中元の未だ…
不思議だ。毎年、毎年、お盆過ぎれば庭前に虫が鳴きい出す。/ばーさんをデイに送るや朝の涼/車椅子を庭に降ろしてデイの日やけふはお風呂と何度でも云ふ/しみじみとお…
あの娘には夏の空の白雲に向かってグッドエモーションぼくはグッドロコモーション横にふらふら縦にふらふら髪が風になびくよ長い街から続く下り坂自転車がいいね鼻歌を歌…
あらぬ方を見てゐるあの人は山から下りてくる誰にも会わなかったよ、と告げる2024,8,5Tac.m『山の神』(Art Gallery) 足元は山露でぐっしょり…
ホントにお久。子どもたちはどんどん成育する。幼稚園だった女の子は高一に。上のお兄ちゃんは高三。これは大人たちは呑むっきゃない。で、乾杯~(笑)。/ナツズイセン…
「ひとすじに百合はうつむくばかりなり」(加賀千代女)白百合のぱつんぱつんおぞましきは去れ腐りゆくものも清らに朝まだきに夢からおきてまだ夢見ごちにどおして、と云…
1945,8,5・「いつもこんなだったらいいなあ」(建物疎開の前日)家族や親せきで食卓を囲む賑やかな一日を過ごした。 過去を振り返ればどこからどこまでがむかし…
警戒音。スワ、いよいよその時が来たかと…/朝涼や軽トラでゆく出荷かな/去年より早き出荷の巨峰かな/道野辺にヒルガオが咲く朝かな/おまへと呼び呆れかえるや土手南…
みんなロンググッドバイなんだから目の前の一歩だけを見つめてねレモンティーの檸檬窓際の心象葉っぱが揺らぐ2024,7,15小宮千原『水面』 もしきみが出掛けてい…
/炎帝や戛々(かつかつ)と地ひび割れ/立秋や夏満ち満ちて暮れ残り/デイの日や帰り来たれば雨ポツリばばよかったね雨はポツリだ/白粉花なぎ倒されし野分かな/神明の…
黙祷。/ああけふは原爆の日だスベリヒユ/かぎろひの立ちぬドームに被爆の日/橋落ちて戛々(かつかつ)と水柱空に/イスラエルを呼ぶな長い演説よりも8月6日、8時1…
夏闌り───/小龍を連れておいでと夏雲に/蝉蛻(せんぜい)を踏むを厭わぬことながら/チチチチチと鳴いて天外へ宙へ/蟻の列を蚯蚓尺足草叢へ/百合の花咲くを待つを…
娘は富山(お仕事)から黒部ダムを渡って立山へ。/夏の娘や海見て山に登りにき/立山やみくりが池に夏の朝/立山に雷鳥荘を尋ね来て日帰り入浴白き濁り湯/雷鳥荘隣りは…
★智笑ポエム「1872ベルト・モリゾ『バルコニーの女性と子ども』」
あなたは見たと云ふがわたしは見てないそれどころかそんなところにはゐなかったあなたは悠々とそんなところにゐて指し示したりひよっとしたら指図したのかもしれない子ど…
どこやらに、重苦しい刈り払い機の声を聞く夏草の生い茂るよ畑中から石垣の隙間へと蔓草の枝垂れ上がり百の眸ではなく千の眸の万の眸が地平まで追いすがりゆくシーシュポ…
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梅捥ぎ。/梅捥ぎやばーさんぬけたいちぬけた夏草茂る畑荒れにしを/懐旧の話ばばにも梅捥ぐや/梅捥ぎや故郷まるめて花いちもんめ/梅雨の世やさはさりながら梅捥ぐや/…
新ジャガ。糠床。/新ジャガや男爵であれなんであれ/撥ね出しの小芋は妻の出番かな肉じゃがにしてさあ召し上がれ/あの家は家族総出で芋を掘り/夏おでんぬるきが美味し…
夏は来ぬ。夏の夕暮れ。/苗代の富士を写せりとっぱズレ/代田掻き田を平らかに老いひとり/田一枚早苗饗(さなぶり)富士の高嶺かな/苗代や水鶏(くいな)鳴き鳴く水鏡…
初がつお。おーい、雲よ。/生協は閑、雲の謀反かな/二番生り三番生りと胡瓜かな/手に取って新じゃがの顔つくづくと/おーい雲よ苗代に水鏡かな/お湯割りを水割りにし…
とことんトントンとことんトントン一杯がついもう一杯になる みんなみに行く人がゐるおかしいな、昔なら北帰行だ稲光、北よりすれば北を向く蝶々も、鯨もいまはみんな北…
閉じ込めたなにを?言葉をトイレに閉じ込めた わたしはトイレ場でうんうん唸ってゐるそれがさっぱり出てこない水っ気なのかなきっと栄養なのかな言葉遊びに遊ばれてわた…
すべてが形になる前の予感がする。訪問入浴。/庭先の蚊の狼藉をいかにせん訪問入浴硝子戸の外/風鐸や雨の季節に入りにき/板書する硬骨の人青葉木菟(あおばずく)/誰…
蚊に喰われながら溝掃除から帰って来る。ばーさんが洗濯物のを前に四苦八苦、あーでもないこーでもないと腕がテーブルの上で交錯してゐる。「どーかしましたか。なんだか…
梅雨の間や───/母の日の花のブーケに庭の花/淡竹詠むはちくの不思議梅雨の間や/小菊小菊地べたに頸を投げ出して/一しずく飲めば三尺走り梅雨/梅の実やぐるり廻っ…
マメ騒動。ばあさんまたお仕事あてがわれてうれしそうだね。エンドウ豆の鞘抜き。手のひらの指の股にたくさん挟んで、無理無理だけどまあいいか。「マメさんが莢から出た…
ば様に訪問散髪。ばーさんに出張散髪。齢を取ってゐても髪の毛と爪は伸びる不思議さ。リハビリにば様の髪の毛が鼻の穴に触れてくすぐったくてしょうがない。まあしかし、…
走り梅雨。梅雨晴れ間。/コアジサイ一番乗りを走り梅雨/藁敷いて南瓜の寝床作りけり/茗荷茸の片暗がりで蚊に喰われ/背丈超え皇帝ダリア梅雨晴れ間/移植するゴミ捨て…
はぐらかすははじめからはぐれていたんだ経糸がはぐれはじめたら横糸もほぐれはじめた脳ミソなんて当てにならないねあっという間に道傍に轉乎(ごろん)と落ちた一声啼い…
とにかく最後の芍薬が散ってしまった。ば様はご機嫌───エンドウ豆の莢剥き。/花御寮芍薬しゃなり歩くかな/芍薬も花の牡丹に偽にけり/春雨もほらそこいらに走り梅雨…
地の中には星々もあるかのやうで時々遠くの奥の方で通信のやうに瞬いたりする地表には樹木が突っ立って風が吹き抜ければ話でもするかのやうにさやぐふらんぼんではないが…
常に傍らに膨大な何かが流れてそれは書き記すこともなかった実際に書かれたことはほんとに些細に過ぎなかったたとへば畑に南瓜の蔓が伸びてそろそろほんたうに蔓は自身の…
ceasefireドクダミと十薬と幼等の声愛しきやしアルデンテ/ドクダミの十字十字と咲きにけり/十薬の胸乳(むなち)は母の匂いかな/ドクダミの軍団地下茎の暗躍…
薔薇の木に薔薇の花咲く不思議なけれと/春泥を曳きづり土間にえへんおほん/索麺にすぐに手を出す暑さかな/山芋のほんわかお好み焼き旨し/移植して薔薇の芽 針のやは…
しばらくは山菜尽くし。九州梅雨入り。/大根のお道化ばばも道化たり/罪障のありや摘果の蒼き実の/蕨飯 童となりてお代わりす/どんみりと人の境に四照花(やまばうし…
林檎の摘果。また高梯子の人になる。林檎の木の下に行けばなにか分かるかもしれない林檎の木の下にはなにか埋まっているとか林檎の花びらは未だに清楚でだから林檎の実が…
畑の祝祭じゃがいも掘り。GAZA…200対4の非対称。娘は入笠山へ。/新じゃが掘り畑は二人の祝祭日/地の林檎ジャガイモのこと云ひ置きて/飽きもせで新じゃが喰ひ…
このまま昼間がすっ飛ばされて夜になったら困るな眠りに就けば昼間がいろんな事情で忘れられる昼間は朝や夜と同じやうに大事だと云ふのにジャンケンポンをしてゐる隙間に…
風がひゅうと鳴って可笑しいななにか知らせかな畑の土の上になにか絵文字を描いてゆく 郵便配達夫だったらいいのに今朝は新聞配達夫だ広告収入だね風がひゅつと哭いてや…
管理機掛けまわし。さつま芋の畝に追肥と畝寄せ。さすがとーちゃんも午後の爆睡です。/火鋏で里芋の葉大毛虫大発生。やれやれ。/なにやらに兆し菖蒲のむらさきに/サザ…
パステルが顔の裡に漂い泛ぶ翠の女そうそう、風の類だヴェランダから不意に入って来て後ろに抜けるなんと云ふここちよさだらう朝から、だなんて1985Victoria…
学生(がくしょう)のころは将に青々し師父は野に在って山に、畑になおいそがしい山に在れば木の幹の色合いに畑に在れば土塊を手に山に向き合ふ木の幹の間を奔るものがゐ…
思索する時、と云ふものがある時が思索するたとへば思索する蜘蛛の絲風が織り上げるあぢさゐについて云へば色変化が天から降りて来るしずしずとずいぶん細やかなとてもし…
巣落ちした雀がゐました。飛び立とうとしないのでそっと掌に包んで、安心な場所に移しました。小さな雀のびっくりするほどの体温。鼓動が伝わってきます。しばらくすると…
原始スープを飲みたいなみんな原始スープになってしまふ1971東松照明「波照間島1971」(22,12,11日経)とびかかるではなく柔らかに受容し、そっと映像に…
初物や───ご機嫌生身魂。伸張ス皇帝ダリア胸に迫る。/初物や畑の中の探し物/どんみりと雨を待つ身の茄子南瓜/裏土間に淡竹が届くそんなこと/畑に撒くスプリングク…
緑彩それぞれのままに───/紅葉紅葉あのプロペラーの大宇宙/蝶泊めてしばし思案の毛蕊花(もうずいか)/ジャガイモの花芽はゆきずりしまゝに/梧桐に鳩の巣隠し緑雨…
上京。単身赴任。田舎の十薬と新宿の十薬。/富士は未だ雲に隠れし雪の峰/釈迦堂に寄り植栽を見て中央道/ドクダミは可愛さうだ十薬と呼びたし/勝頼の無念 緑に見え隠…
ぼくは始祖鳥になりたいなんて絵本の中に閉じられた1933小石清「僕の若さの中に、僕の肉体の中に、僕の太陽は棲む」 社会の窓って云ふんですか間抜けです開けっ放し…
われわれはすべて精神現象学である。或る鳥はまったく葉っぱのやうに屋根瓦を滑り落ちて来た。2022,5,28ARTS ISOZAKI 詩画集「見者」 朝、目覚め…
「唐さんのあちらにいってもシャレのめす花園神社ゴールデン街」「唐さんの昔なつかし停車場の花園神社、腰巻お仙」1967夏、東京・新宿の花園神社のテント劇場で上演…
最期の芍薬。ば様の散髪。義妹の誕生日。深大寺の薔薇園のこと。/芍薬の一期一会の日和かな/芍薬の仕舞ひと咲いて一期かな/絹さやの炊き込みご飯誕生日義妹に捧ぐ卵散…
梅捥ぎにゆく─── 美しい日と云ふものがあってすべてに成長著しい遠慮は要らない、と云ふのであった軽トラでゆく土手にはキツネノカミソリが咲いていたかーさんと梅捥…
畑芥を燃やす。雑草成敗。「雨が来るよ」───何してんのって/草むしり、草を引いてゐる/けふは朝6時半に畑の芥に火をつけて燃やした/家庭ゴミもついでに燃やした/…
円安。ああ、なにか悪いことが起こらなければいいが…。 いくら退職金もらったのか国民に公表しなさい。「国民に尻拭いさせ大綬章」(朝日新聞)黒田東彦前日銀総裁のこ…
雨は閑閑となむ春雨、だもの緑雨は畑をうるほす植栽を潤おす蜘蛛の絲にしげくいと、しずかに隠れてゐしものも出ておいで 燕たちの番にもやさしく水路伝いに海へと連れ出…