梅捥ぎ。/梅捥ぎやばーさんぬけたいちぬけた夏草茂る畑荒れにしを/懐旧の話ばばにも梅捥ぐや/梅捥ぎや故郷まるめて花いちもんめ/梅雨の世やさはさりながら梅捥ぐや/…
水打って───/夕凪や酷暑を畑に残ししまゝ/西瓜腹寝所からトイレ4回目/生業や昨日続きの躰かな/抱き枕竹夫人ほど冷えもなく/息止めてワッと鳴き出す蝉時雨/滴り…
やがて薄暮が訪れ酷暑はそのままに空は気が付けば夕焼け色に夕暮れの時はよいときでもこんなお空は真っ赤っかだから夕焼けの色はさみし色きっと世界にいろんなことがあり…
西瓜な気持ち。ゴーヤな気持ち。モロコシもあって、枝豆な気持ち。/冷蔵庫開ければ西瓜転げ出し/枝豆を採りに畑へ汗の中/汗だくや枝豆を云ふ亭主かな/わが物の夏の如…
家族飯。レビー小体型。/飯台に握り並べて家族飯もの喰ふ人ら楽しかりけり/世帯主マイナンバーも仕方なし妻に撮らせるはいパチリかな/鷺一羽ショーステイの前庭の青田…
みみずいぢけてあすこには合理性のやまひが道の境にわたくしの足が蹴って草むらからミミズが這い出でた轉乎としてのたうつああ、眸が無いんだね吐淫し虹色に煩悶しチチチ…
暗殺未遂───/ヒバの玉、植栽人の技業態、内なるものを表に表(ひょう)す/ばーさんを田舎に置いて上京す畑に葡萄の黒く熟する/線香の一炷(いっしゅ)の烟 西瓜玉…
梅雨の間隙を縫って、除草機。ば様トイレで転倒。/蛇の衣涼しきまでに山の家むかし、八海山の女人堂で。/首筋に百姓灼けの皺深く/ひだるさや脚にしがむる背にたかる一…
きまずいほんたうに木まずいカミキリ虫が樹に入ってしまったシマッタ ! 穴ぼこの奥深く木屑がホロホロこぼれ出て木屑で地面が明るくなった木はまずくなかったんだきま…
網戸から蚊が入って来るあのものたちはあの形のままに空中に待機する夜中のうちは空々として知らんぷりをしていて無限の宇宙を旅して来る何食わぬ顔しているのが得意なの…
かうして窓の前に置く楽器のやうなものだ深緑はいつまでもみずみずしくささやかな風を聞く1985 Victoria Trunova『Gardener Girl』 …
日々無事是安寧を。パソコンに向かうば様(笑)。農事八景梅雨晴れ間。都知事選などありまして。/窓際に夏の一杯置いてみる/2位ぢゃダメなんですかと3位に打ち沈み眸…
都知事選もあって───/索麺に西瓜もと云ふ昼餉かな/雲立ちぬモアは大人のオモチャめき/トンボうの生るゝ畑の右左/朝作り五時にし行けば畑の人/丑三つの真昼に在り…
南瓜はある態度として存在するいつからかは「生まれる」から、珍妙な頑固で堅牢なものとして尊大な態度として鎮座するやうになった。おまへは、と呼びかけるいつからか、…
どうも少し右に傾いてゐるやうだケーキとソーサーに乗ったコーヒー傾線はテーブルの縁になりその向かうは壁になる もうすぐKが息せき切ってやって来るおっつけトマトの…
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梅捥ぎ。/梅捥ぎやばーさんぬけたいちぬけた夏草茂る畑荒れにしを/懐旧の話ばばにも梅捥ぐや/梅捥ぎや故郷まるめて花いちもんめ/梅雨の世やさはさりながら梅捥ぐや/…
新ジャガ。糠床。/新ジャガや男爵であれなんであれ/撥ね出しの小芋は妻の出番かな肉じゃがにしてさあ召し上がれ/あの家は家族総出で芋を掘り/夏おでんぬるきが美味し…
夏は来ぬ。夏の夕暮れ。/苗代の富士を写せりとっぱズレ/代田掻き田を平らかに老いひとり/田一枚早苗饗(さなぶり)富士の高嶺かな/苗代や水鶏(くいな)鳴き鳴く水鏡…
初がつお。おーい、雲よ。/生協は閑、雲の謀反かな/二番生り三番生りと胡瓜かな/手に取って新じゃがの顔つくづくと/おーい雲よ苗代に水鏡かな/お湯割りを水割りにし…
とことんトントンとことんトントン一杯がついもう一杯になる みんなみに行く人がゐるおかしいな、昔なら北帰行だ稲光、北よりすれば北を向く蝶々も、鯨もいまはみんな北…
閉じ込めたなにを?言葉をトイレに閉じ込めた わたしはトイレ場でうんうん唸ってゐるそれがさっぱり出てこない水っ気なのかなきっと栄養なのかな言葉遊びに遊ばれてわた…
すべてが形になる前の予感がする。訪問入浴。/庭先の蚊の狼藉をいかにせん訪問入浴硝子戸の外/風鐸や雨の季節に入りにき/板書する硬骨の人青葉木菟(あおばずく)/誰…
蚊に喰われながら溝掃除から帰って来る。ばーさんが洗濯物のを前に四苦八苦、あーでもないこーでもないと腕がテーブルの上で交錯してゐる。「どーかしましたか。なんだか…
梅雨の間や───/母の日の花のブーケに庭の花/淡竹詠むはちくの不思議梅雨の間や/小菊小菊地べたに頸を投げ出して/一しずく飲めば三尺走り梅雨/梅の実やぐるり廻っ…
マメ騒動。ばあさんまたお仕事あてがわれてうれしそうだね。エンドウ豆の鞘抜き。手のひらの指の股にたくさん挟んで、無理無理だけどまあいいか。「マメさんが莢から出た…
ば様に訪問散髪。ばーさんに出張散髪。齢を取ってゐても髪の毛と爪は伸びる不思議さ。リハビリにば様の髪の毛が鼻の穴に触れてくすぐったくてしょうがない。まあしかし、…
走り梅雨。梅雨晴れ間。/コアジサイ一番乗りを走り梅雨/藁敷いて南瓜の寝床作りけり/茗荷茸の片暗がりで蚊に喰われ/背丈超え皇帝ダリア梅雨晴れ間/移植するゴミ捨て…
はぐらかすははじめからはぐれていたんだ経糸がはぐれはじめたら横糸もほぐれはじめた脳ミソなんて当てにならないねあっという間に道傍に轉乎(ごろん)と落ちた一声啼い…
とにかく最後の芍薬が散ってしまった。ば様はご機嫌───エンドウ豆の莢剥き。/花御寮芍薬しゃなり歩くかな/芍薬も花の牡丹に偽にけり/春雨もほらそこいらに走り梅雨…
地の中には星々もあるかのやうで時々遠くの奥の方で通信のやうに瞬いたりする地表には樹木が突っ立って風が吹き抜ければ話でもするかのやうにさやぐふらんぼんではないが…
常に傍らに膨大な何かが流れてそれは書き記すこともなかった実際に書かれたことはほんとに些細に過ぎなかったたとへば畑に南瓜の蔓が伸びてそろそろほんたうに蔓は自身の…
ceasefireドクダミと十薬と幼等の声愛しきやしアルデンテ/ドクダミの十字十字と咲きにけり/十薬の胸乳(むなち)は母の匂いかな/ドクダミの軍団地下茎の暗躍…
薔薇の木に薔薇の花咲く不思議なけれと/春泥を曳きづり土間にえへんおほん/索麺にすぐに手を出す暑さかな/山芋のほんわかお好み焼き旨し/移植して薔薇の芽 針のやは…
しばらくは山菜尽くし。九州梅雨入り。/大根のお道化ばばも道化たり/罪障のありや摘果の蒼き実の/蕨飯 童となりてお代わりす/どんみりと人の境に四照花(やまばうし…
林檎の摘果。また高梯子の人になる。林檎の木の下に行けばなにか分かるかもしれない林檎の木の下にはなにか埋まっているとか林檎の花びらは未だに清楚でだから林檎の実が…
畑の祝祭じゃがいも掘り。GAZA…200対4の非対称。娘は入笠山へ。/新じゃが掘り畑は二人の祝祭日/地の林檎ジャガイモのこと云ひ置きて/飽きもせで新じゃが喰ひ…
このまま昼間がすっ飛ばされて夜になったら困るな眠りに就けば昼間がいろんな事情で忘れられる昼間は朝や夜と同じやうに大事だと云ふのにジャンケンポンをしてゐる隙間に…
風がひゅうと鳴って可笑しいななにか知らせかな畑の土の上になにか絵文字を描いてゆく 郵便配達夫だったらいいのに今朝は新聞配達夫だ広告収入だね風がひゅつと哭いてや…
管理機掛けまわし。さつま芋の畝に追肥と畝寄せ。さすがとーちゃんも午後の爆睡です。/火鋏で里芋の葉大毛虫大発生。やれやれ。/なにやらに兆し菖蒲のむらさきに/サザ…
パステルが顔の裡に漂い泛ぶ翠の女そうそう、風の類だヴェランダから不意に入って来て後ろに抜けるなんと云ふここちよさだらう朝から、だなんて1985Victoria…
学生(がくしょう)のころは将に青々し師父は野に在って山に、畑になおいそがしい山に在れば木の幹の色合いに畑に在れば土塊を手に山に向き合ふ木の幹の間を奔るものがゐ…
思索する時、と云ふものがある時が思索するたとへば思索する蜘蛛の絲風が織り上げるあぢさゐについて云へば色変化が天から降りて来るしずしずとずいぶん細やかなとてもし…
巣落ちした雀がゐました。飛び立とうとしないのでそっと掌に包んで、安心な場所に移しました。小さな雀のびっくりするほどの体温。鼓動が伝わってきます。しばらくすると…
原始スープを飲みたいなみんな原始スープになってしまふ1971東松照明「波照間島1971」(22,12,11日経)とびかかるではなく柔らかに受容し、そっと映像に…
初物や───ご機嫌生身魂。伸張ス皇帝ダリア胸に迫る。/初物や畑の中の探し物/どんみりと雨を待つ身の茄子南瓜/裏土間に淡竹が届くそんなこと/畑に撒くスプリングク…
緑彩それぞれのままに───/紅葉紅葉あのプロペラーの大宇宙/蝶泊めてしばし思案の毛蕊花(もうずいか)/ジャガイモの花芽はゆきずりしまゝに/梧桐に鳩の巣隠し緑雨…
上京。単身赴任。田舎の十薬と新宿の十薬。/富士は未だ雲に隠れし雪の峰/釈迦堂に寄り植栽を見て中央道/ドクダミは可愛さうだ十薬と呼びたし/勝頼の無念 緑に見え隠…
ぼくは始祖鳥になりたいなんて絵本の中に閉じられた1933小石清「僕の若さの中に、僕の肉体の中に、僕の太陽は棲む」 社会の窓って云ふんですか間抜けです開けっ放し…
われわれはすべて精神現象学である。或る鳥はまったく葉っぱのやうに屋根瓦を滑り落ちて来た。2022,5,28ARTS ISOZAKI 詩画集「見者」 朝、目覚め…
「唐さんのあちらにいってもシャレのめす花園神社ゴールデン街」「唐さんの昔なつかし停車場の花園神社、腰巻お仙」1967夏、東京・新宿の花園神社のテント劇場で上演…
最期の芍薬。ば様の散髪。義妹の誕生日。深大寺の薔薇園のこと。/芍薬の一期一会の日和かな/芍薬の仕舞ひと咲いて一期かな/絹さやの炊き込みご飯誕生日義妹に捧ぐ卵散…
梅捥ぎにゆく─── 美しい日と云ふものがあってすべてに成長著しい遠慮は要らない、と云ふのであった軽トラでゆく土手にはキツネノカミソリが咲いていたかーさんと梅捥…
畑芥を燃やす。雑草成敗。「雨が来るよ」───何してんのって/草むしり、草を引いてゐる/けふは朝6時半に畑の芥に火をつけて燃やした/家庭ゴミもついでに燃やした/…
円安。ああ、なにか悪いことが起こらなければいいが…。 いくら退職金もらったのか国民に公表しなさい。「国民に尻拭いさせ大綬章」(朝日新聞)黒田東彦前日銀総裁のこ…
雨は閑閑となむ春雨、だもの緑雨は畑をうるほす植栽を潤おす蜘蛛の絲にしげくいと、しずかに隠れてゐしものも出ておいで 燕たちの番にもやさしく水路伝いに海へと連れ出…