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eterna http://storiaeterna.blog10.fc2.com/blog-entry-1.html

糖度高めなオリジナルBL小説(短篇~長篇)を扱っています。 ドイツ人広告代理店社長×イタリア人家具デザイナーが美味しいもの食べたり困難を乗り越えたりいちゃついたりする日々の物語。 #溺愛攻め #トラウマ持ち受け

受け溺愛主義かつ強火担の攻めが何が何でもハピエンにします。

あざさ
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2011/01/01

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  • ヤヌスの選択 2

    ドイツの警察は連邦制を採用しており、各州に独自の機関が置かれている。空港や主要な鉄道駅の警備を担う連邦警察の他に、地域の交通管理や飲酒運転の取り締まりを行う交通警察、河川や湖の安全を維持する水上警察、アルプス地域での救助活動を担う山岳警察など地域の特性に合わせた組織があるのだ。特にミュンヘンは国内有数の国際都市で、その治安を維持するために高度に組織化された警察機構が存在している。その最たるものが、...

  • ヤヌスの選択 1

    湖に張った薄い氷の上に立っているかのような緊張感の中、紙の擦れる音が響く。プロジェクターの映像をスクリーンに投影するために窓にはブラインドが下ろされ、天井の照明も落とされる。暗がりの中、鋭く浮かび上がるプロジェクターの光はまるで白夜の月明りのようで。冷ややかで清冽なその輝きが壁や机の表面に淡く映り込み、悠然と玉座に腰掛けるハインリヒを照らす。オートクチュールのスーツは適度に鍛えられた彼の肢体を包み...

  • アストライオスを語る

    遠くの森の中でフクロウがホゥと一声だけ鳴く。風はなく、凍った葉を揺らす微かな音さえもない静寂がすぐに戻ってくる。湿地帯の広がる平野を覆う雪が吐息も食み、耳鳴りがするほどの静けさは恐ろしさを感じるほどで。空気は凛と澄み渡り、この世界そのものが人間の介在を拒むかのような冷たさを持っている。いや、それが自然の本来の姿なのかもしれない。始原の地球の姿。「吸い込まれそうな星空…」コテージの庭にあった木製のベ...

  • 敬愛するユリシーズへ 14

    夜が明けるように、静かにその映像は始まった。モノクロームのそれに最初に映し出されたのは、古い本が山積みになっている書斎。徐々にクローズアップされていく書斎机の上には使い込まれた万年筆と開かれたままのノートがあり、カメラの焦点はそのノートに合わせられる。それには持ち主の思考がぎっしりと書き込まれており、いくつかの文字にスポットライトが当てられていく。滅んでしまった文明の名前、革命を主導した人の名前、...

  • 敬愛するユリシーズへ 13

    創りたいのは、学術的な出版物ではない。歴史学者ベルナルド・エンツィオの情熱を、歴史というものに命を注いで向き合っていた友の人生そのものを形にしたいのだ。彼自身は見ることのできなかった未来を…“いま”を生きる人々にこそ知ってもらいたい。歴史とは、偉大な王や英雄が残した断片を繋いだものではなく、その全てが延長線上にあるもので。今、自分たちが歩いている道も、飲んでいる水も、語っている言葉も、数え切れない人...

  • 敬愛するユリシーズへ 12

    想像していたよりもやることが多い、とアルフレードは目の前にずらっと並ぶ書類を前に後退ってしまう。専門的な単語で埋め尽くされた書類の数々は読むだけでも一苦労で、それを正しく理解しなければならないとなると容易にはいかない。全ての判断に責任が伴い、承諾のサインをする手が震えてしまう。(こんな毎日を当たり前のような顔で乗り切っているのだから、やっぱりこの人は“選ばれた人”なのだろうな)向かい側のソファに腰を...

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