『江戸川乱歩語辞典』 奈落一騎 著/荒俣 宏 監修 本屋さんでパラパラめくって見てるときに『佐野史郎』の項が目に入って「これは良い辞典だ。」と判断した。 乱歩作品に登場するキャラクター、台詞、場所、事柄、乱歩自身や作品にまつわる人物、キーワード、関連作品等々・・・最近、「サブカル」って言葉をあんまり耳…
読んだ本やマンガの感想と、歌舞伎観劇記録。
読んだ本やコミックの記録が中心ですが、最近は歌舞伎ネタが増えてきました。
『読学人間』 寺嶋良 『THE FIRST SLAM DUNK』→「2023 ワールドカップ」→「パリ五輪」→福岡で開催されたインハイバスケ観戦〜の流れでバスケに興味を持ち始めて、今シーズンから近隣のアリーナに足を運んでB.LEAGUEの試合を観戦するようになった。といっても、どこか応…
『さよならに反する現象』 乙一 気になる本を見つけたらとりあえずメモしている私の「読みたい本リスト」に入っていたのだけど、いつどこでこの本を見つけたのか、どうして読みたいと思ったのか思い出せない。読んだらなにか思い出すかと思ったけど、やっぱり思い出せない。 最初の二編、「そしてクマになる」「なごみ探偵おそ松さ…
『虚傳集』 奥泉光 数多ある剣術道場の中でもその突き詰めすぎた合理性によって幕末の江戸で異彩を放った清心館。戦国時代、印地の衆と呼ばれた投石の技術をもって業とした者たち。後世に一体の仏像も残していない謎の仏師・寶井俊慶。異端の研究に邁進した江戸学問界の徒花・薗倉瑞軒。尊攘の波に身を投じた高田諒四郎と地方の豪農の当主として…
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『江戸川乱歩語辞典』 奈落一騎 著/荒俣 宏 監修 本屋さんでパラパラめくって見てるときに『佐野史郎』の項が目に入って「これは良い辞典だ。」と判断した。 乱歩作品に登場するキャラクター、台詞、場所、事柄、乱歩自身や作品にまつわる人物、キーワード、関連作品等々・・・最近、「サブカル」って言葉をあんまり耳…
【双蝶々曲輪日記】引窓 これまでに何度か観たけれども、道理も理屈も当の息子の気持ちさえものともしない母の大きすぎる愛がちょっと怖い・・・と思ってしまう「引窓」。(かつて観た竹三郎さんのお幸の情の濃さ、「この母にはもう何を言っても無理だ」感がねぇ、凄かったものだから) でも、前回観た時から約10年が過ぎて、さすがに、この歳になって観ると少しは感じ方変わるのではないかしらん? …
【菅原伝授手習鑑】道行詞の甘替 舎人桜丸を勤める虎之介さん、柔らかい丸みとハリのある声が耳に心地よく響きます。 加茂堤の逢引の場から危く逃れ落ちてゆく斎世親王と苅屋姫、飴売りに身をやつし二人を護る桜丸。美しい春の景色の中、哀れにも艶やかな一幕。 【怪談乳房榎】 2009年、建て替え前の歌舞伎座八月納涼歌舞伎。勘三郎さんによる菱川重信、下男正助、蟒三次の三…
『崑崙奴』 古泉迦十 ネットニュースをダラダラと眺めていた時に、『幻のミステリー作家による二十四年ぶりの新作』という文字が目に入って「何か凄そうじゃない?」とブックマークしておいた。 唐の都・長安。名門崔家に仕える崑崙奴の磨勒から、この所様子のおかしい嫡子・崔静の身辺を探るよう依頼された主人公・裴景。調査を始めた裴景…
『ラジオ・ガガガ』 原田ひ香 深夜ラジオって何であんなに刺さるのか? いや、刺さるんじゃなくて・・・自分の中のもやもやした形も正体もわからないものをやわやわと暴き出し、何であんなにもぴったりと埋めてくれるのか? 私は特に熱心なラジオリスナーではないけれど、10代の半ばから20代の初め頃、深夜ラジオを聴いていた時間は今も私…
「国語便覧」突然の大ブームというネットニュースを見かけて何かニヤニヤしてしまった。我が家にもあるのですよ「国語便覧」。
『Y字路はなぜ生まれるのか?』 重永瞬 実家に帰った時に読んだ新聞の書評欄で見かけて気になっていた本。「Y字路」に焦点を絞ったこだわりが何だか面白そうだと思った。 路上を歩いてそれぞれに個性的なY字路の表情を味わい、地図をひもといてなぜそこにY字路が生まれたのかを考える。人がY字路に抱くイメージを追い、街にY字路を形成して…
『緑陰深きところ』 遠田潤子 花開萬人集 花盡一人無 但見雙黄鳥 緑陰深處呼 花開けば万人集まり 花尽くれば一人なし ただ見る双黄鳥 緑陰深き処に呼ぶを 遠田潤子という名前を目にすると、この作者との出会いになった短編「水鏡の虜」に感じた、身体を熱っぽく疼かせるような情念の滾り…
『読学人間』 寺嶋良 『THE FIRST SLAM DUNK』→「2023 ワールドカップ」→「パリ五輪」→福岡で開催されたインハイバスケ観戦〜の流れでバスケに興味を持ち始めて、今シーズンから近隣のアリーナに足を運んでB.LEAGUEの試合を観戦するようになった。といっても、どこか応…
『さよならに反する現象』 乙一 気になる本を見つけたらとりあえずメモしている私の「読みたい本リスト」に入っていたのだけど、いつどこでこの本を見つけたのか、どうして読みたいと思ったのか思い出せない。読んだらなにか思い出すかと思ったけど、やっぱり思い出せない。 最初の二編、「そしてクマになる」「なごみ探偵おそ松さ…
『虚傳集』 奥泉光 数多ある剣術道場の中でもその突き詰めすぎた合理性によって幕末の江戸で異彩を放った清心館。戦国時代、印地の衆と呼ばれた投石の技術をもって業とした者たち。後世に一体の仏像も残していない謎の仏師・寶井俊慶。異端の研究に邁進した江戸学問界の徒花・薗倉瑞軒。尊攘の波に身を投じた高田諒四郎と地方の豪農の当主として…
『睦家四姉妹図』 藤谷治 横浜市戸塚区の静かな住宅地・原宿に暮らす睦家の家族。父・昭、母・八重子と貞子、夏子、陽子、恵美里の四姉妹。昭和の終わりから令和の幕開けまで。それなりの波風を立てながら「平成」の日々を暮らす一家の家族模様。 睦家の四姉妹とはほぼ同世代。家庭環境の違いはあるけれども、私も彼女たちと同じ年ごろで同…
『多頭獣の話』 上田岳弘 久しぶりに物語にハマる感覚を味わえた。このところ本を読む体力、集中力が落ちていく一方で、夢中になって一気読みなんてことはできなくなってたんだけど、この『多頭獣の話』は読み始めてすぐに物語に呑まれる感覚があってページがどんどん進んだ。(と言っても、さすがに睡眠時間削って一晩で読み終えるってのは無理…
『夜の床屋』 沢村浩輔 人気のない無人駅の駅前。深夜にただ一軒灯りを灯す理髪店。灯りに吸い寄せられる蛾みたいに、この不思議なシチュエーションに引き寄せられてページをめくる。 奇妙な出来事に遭遇しがちな大学生・佐倉。この床屋の謎につづいて、部屋の住人が寝ているその室内から絨毯だけが無くなるという不可解な事件、近所の小学…
期待以上に昂る舞台でした。幸四郎さんと松也さんダブルキャストのライ、右近さんのキンタ、染五郎さんのシュテン、新悟さんのシキブ・・・楽しみなとこは沢山あったその中で、何より目を奪われたのが時蔵さんのツナ。 時蔵さんといえばザ・古典のイメージがあったのだけど、立ち回りも踊りも、台詞も所作も、古典の歌舞伎とは違ったリズムに乗っていながら、動きの端々のきまり具合、ふとした立ち姿の美しさには歌舞伎な…
博多座で上演中の歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』のトークイベントに行ってきました〜! 1時間あまりの楽しいひと時。せっかく撮影タイムがあったのに私の腕がないせいできれいに撮れたのが一枚もない〜 なので、写真のアップはなしです。 出演者の皆さんへのアンケートを基にしたトークコーナー。アンケートになんて書いたか忘れてる人続出なのはご愛嬌として・・・『朧〜』で自分のお役以外に演じてみたい役につい…
博多座に歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』を観に行くと、劇場のそこここに鬼が潜んでた。
『白昼夢の森の少女』 恒川光太郎 きっと多くの読者がそうであるように、恒川光太郎氏の描く幻想的な異界の有り様には「厳しさ」「怖ろしさ」とともに「懐かしさ」を感じてきた一人なんだけども、今回感じたのは「懐かしさ」を通り越して「それ、知ってる」っていう感覚だった。 夏の夜に音もなく山々をよぎる大入道。町の上空に浮かぶ巨大…
『狐花 葉不見冥府路行』 京極夏彦 作事奉行上月監物の一人娘・雪乃の行く先々に姿を見せる美貌の若衆。雪乃はすっかり魅入られ心奪われてしまうが、その若衆の姿を見た雪乃付きの女中・お葉は怖れ慄き病みついてしまう。 紅い彼岸花の柄を着物に染め付けた美しい若衆の話を聞かされ心穏やかでない女が他にも二人。材木問屋近江屋の娘・登…
『小川洋子と読む 内田百�閭Aンソロジー』 内田百�閨^小川洋子編 冒頭に置かれた「旅愁」が何というかもう最強の掴みを見せてくれるのだ。この時点でもう完全に私の魂は百�關謳カと小川洋子氏に引っこ抜かれてしまった。 旅行用に買ったずぼんが寝台車でもぞもぞするうちビリビリと二尺ばかりも裂けてしまった。仕方な…
『三体』 劉慈欣 大森望・光吉さくら・ワン チャイ/訳 Netflixのドラマ版CMを見て、「何これ、面白そう」と思ったのがきっかけ。Netflixには加入してないので小説読もうと。 天を衝くパラボラアンテナ。ナノマテリアルの研究者・汪�Eの撮った写真に写りこみ、視界を覆うゴースト・カウントダウンの文字。明滅する宇宙。奇想天外なファン…
新潟旅3日目。せっかく鶴見中尉、月島軍曹、宇佐美上等兵の出身地・新潟まで来たのだから、聖地巡礼的なことをしてみたい、と新発田の白壁兵舎広報資料館へ。こちらは新潟旅の準備中にネットで情報収集する中、ゴールデンカムイ聖地巡礼者の書き込みを見て知った施設。新潟の郷土部隊・歩兵第十六聯隊と一一六聯隊にまつわる史料、当時の装備品などが多数展示されています。日清戦争直前に月島が入隊したのが新発田の新潟第二…
新潟旅二日目。いよいよ『ゴールデンカムイ展』へ。 JR新津駅前のバス停には様々なグッズを身につけた金カムファンが行列を作っていて自ずと…
新幹線こだまで5時間かけて福岡→新大阪へ。22:00梅田発の夜行バスで新潟を目指す。翌朝8:10に新潟駅前に到着! 荷物をホテルに預けた後、まずはお風呂に入りたい!と、出発前に調べておいた24時間営業の温浴施設へ。が! 事前に調べた時には定休日無しとあったのに、なぜかこの日はお休み。入浴は諦めて、駅ビルのモスバーガーで朝食後、市内観光をしようと循環バスの一日乗車券を買うべく観光案内所に行くと、係の方…
「『ゴールデンカムイ』面白いから読みませんか。今ならヤンジャン!アプリで全話無料です。」と友人から囁かれたのが今年の正月明け。文字通り寝る…
『最後の講義 1000年後のロボットと人間』 石黒浩 先日のエントリに書いた『僕がロボットをつくる理由』から続けて読んだのだけど、何かもう「納得したくない」という気持ちを強める為に意地になって読んだ感じ。 石黒氏のロボット研究の根本には『人間とは何か』…
『僕がロボットをつくる理由』 石黒浩 タイトル通り、あくまでも『僕が』ロボットを作る理由や目指すところ、ロボット研究を通して考える「人間の生き方」「人間とは何か」のお話しだと思う・・・ことにしようと思う。 語られていることは、ロボット研究の前線で働く研修者の視点から見た事実や現実であろうとは思うし、技術の発展によって…
なんと、鷹之資さんが舞台『有頂天家族』にご出演! 原作小説、森見登美彦氏の『有頂天家族』は大好きな作品。 そして下鴨四兄弟の三男坊、『高杉晋作ばりのオモシロ主義者』矢三郎を鷹之資さんが演じられるとは! あはぁ・・・鷹之資さんの毛玉姿、拝見したい。 11月南座 行きたい、行こうかな、行けるかな?
来月、『ゴールデンカムイ展』最終開催地 新潟に行きます! 今年の正月明けに友人から『ゴールデンカムイ』薦められて、あっという間に激ハマり。その流れで人生初「応援上映」なるものを経験し、つづけて「新潟行き」をささやかれてはいたものの、『いや、新潟は行かんでしょ。普通に。』と思ってた。 でもね、何でこうなったかよくわかんないんだけど、気がついたら新潟行くことにしてました。人生初新潟。飛行…
『歌舞伎座の怪紳士』 近藤史恵 職場での理不尽な体験がもとで心に不調をかかえる久澄。母と姉の手助けを受けながら自宅で家事手伝い生活をしている久澄のもとに、「あまり外出できなくなった祖母の代わりにお芝居を観て感想を書く」という観劇代行のアルバイトの話が舞い込む。 最初に送られてきたのは歌舞伎のチケット。演目は『摂州合邦…
『名もなき本棚』 三崎亜記 朝から感じていた異物感にたまらず咳き込むと喉から転がり出た「部品」・・・『部品』。政府によって確認された「未確認」改め「確認済飛行物体」がしょっちゅう姿を現す街で・・・『確認済飛行物体』。ダブって登録されてしまった個人情報・・・そのどちらが本当の「私」のものなのか・・・『私』。 本を読む…
『好きになってしまいました』 三浦しをん しをんさんのエッセイからは、グツグツと滾り迸るアツすぎる思いや、いかんともしがたいトホホな暮らしぶりが溢れ出していて、いつも「ブフゥッ」と吹き出したり、「うんうん」を通りこして「ガクガク」とうなずいたり、荒々しすぎる鼻息にちょっと引いてしまったり・・・。ともすると胸やけするほどの…
『木島日記 うつろ舟』 大塚英志 「あれ? 『木島日記』の新しいのが出てる? 今?」と思って手に取った。 もう20年以上前になるか・・・『多重人格探偵サイコ』とか『木島日記』とか…
『スナイパー入門』 かのよしのり 実写化きっかけで友人から『ゴールデンカムイ』を薦められて激ハマり。中でも孤高の狙撃手・尾形百之助に感情グチャグチャにされた挙句、そのグチャグチャの感情の持って行き場がなくて迷走した末に、たまたま立ち寄った古本屋の店先で見かけて自分が何を思っているのかよくわからないままに購入してしまったも…
『春風伝』 葉室麟 「今年も梅の花の香る季節になったなぁ・・・」と、ふと思った二月の中頃に読み始めたのだけど、思いのほか頁が進まず、読み終えるのに随分暇がかかってしまった。 高杉晋作モノはなかなか評伝を超える作品に出合うのが難しい。 「春風伝」・・・春を呼ぶ風。まさに春雷のような晋作の姿に胸わななかせたい・・・と…
予約購入していた『THE FIRST SLAM DUNK』のBD(LIMITED EDITION)が発売日の今日届いた。 早速、開封。ディスクや封入された特典を一つ一つ取り出してみる手が、色々とこみ上げてくるもので震える。手に取るすべてから制作者の方々の想いが溢れてくる。尊い。 大切に見続けよう。
江戸川乱歩「人間豹」より 【江戸宵闇妖鉤爪】明智小五郎と人間豹 「分かったぞ、貴様明智だろう。明智小五郎だろう」 「ハハハ……、やっと分かったか。お察しの通りだよ。君をこんな目に合わせる人間は僕の外にはありやしないよ。」 江戸川乱歩「人間豹」 私、原作のこの台詞が大好きなんだけれども。この台詞に表れる二人の関係性〜人間豹・恩田と明智小五郎が互いに…
友人に薦められて今さらだが『ゴールデンカムイ』に激ハマり。 尾形に色々掻き乱されすぎて、帰省先で立ち寄った古本屋さんでこんなもの買ってしまう程度には情緒がおかしくなってる。
『歌右衛門の六十年 ーひとつの昭和歌舞伎史ー』 中村歌右衛門・山川静夫 エンターテインメントの多様化に社会や価値観の急速な変化、そしてコロナ禍。この数年、歌舞伎は大きな変化の波にさらされていると思っていたんだけれども、いやいや、明治維新も戦争も、変わりゆく社会の枠組みも、新しいメディアの誕生も、移り行く人の心も・・・歌舞…
本日、『THE FIRST SLAM DUNK』復活上映! 雪模様の中、熱い一日を過ごしてきました。 ソーちゃんの姿を見た途端に涙ツーっとこぼれたのには自分でも面食らった。