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松本清張の同名小説を松竹がドラマ化した『黒革の手帖』の1984年版が、日本映画専門チャンネルで一挙放送されている。巨額の金を横領し、銀行員から銀座のクラブのママに華麗に転身した原口元子(大谷直子)の生きざまを描いた、一種のピカレスク(悪漢)ロマン劇で、TBS系の「花王愛の劇場」で放送されたもの。つまり昼メロだが、妻に付き合って見てみたら、これが面白くて、やめられなくなった。さすがに清張原作だけのことはある。大谷の色香たっぷりの悪女ぶりが圧巻なのに加えて、戸浦六宏、梅津栄といったくせ者たちが脇を固める。最近では、米倉涼子や武井咲も元子を演じたが、やはりこの役は、大谷のような昭和の女優の方がよく似合う気がする。監督は、大映出身の富本壮吉と松竹出身の番匠義彰だから映画的なところもあるが、脚本は、柴英三郎、田上雄、鶴島...『黒革の手帖』(日本映画専門チャンネル)