ドナルド・サザーランドの出演映画 1970年代2『カサノバ』
『カサノバ』(76)(1981.1.12.有楽町スバル座)何ともフェリーニらしく、ひっちゃかめっちゃかで退廃的で支離滅裂なのに最後はちゃんと余韻を残す。『甘い生活』(60)や『サテリコン』(69)のさらに上を行った感じがした。全編にわたって、主人公カサノバ(ドナルド・サザーランド)の女性遍歴を描いているのだが、まずセットの豪華さが目を引く。冒頭の祭りのシーン、貴族の館、劇場、シャンデリア…。そして次から次へと登場する女性たちも、貴族、大道芸人、女優、そして人形と、実に多彩でこちらにも目を奪われる。その中で、カサノバが時には滑稽に見えたり、哀れに見えたりもするのだが、それを見ている自分もとりとめが付かなくなり、何本も映画を見たような疲れを感じた。ラスト近くで急に老けて惨めな姿をさらすカサノバ。若い頃の彼があ...ドナルド・サザーランドの出演映画1970年代2『カサノバ』
2024/06/21 22:04