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子犬ばりに元気な不登校中学生!WISC-IV 知覚推理(PRI) IQ:141/処理速度(PSI)104の凸凹のんびり屋。フォルケホイスコーレで人生を謳歌中!自作のショートショートや絵、写真でへんちくりんな心象風景を刻みます。
「どうも、私、なんの類でもない、『たぐいた・ぐい』でございます」「へえ。本当になんの類でもないの?」僕は何か、ぐいの類を見つけようとした。だが、見つからなかった。ぐいは、本当になんの類でもなかったのだ。「どうも、私、なんの類でもない、『たぐいた・ぶい』でございます」「ううん、君は、『たぐいた・ぐい』の類だ」...
ある日スーパーに行き、バナナを買うと、種が入っていた。バナナの種など初めて見たものだから、小瓶に入れて、飾ることにした。翌日___目を開けると、何か異変を感じた。「んんん・・・?」起き上がって面食らった。部屋中がバナナの木で埋め尽くされていたのだ。まるで熱帯雨林だ。まあでも、バナナの実がたくさんついていることだしちょっと剪定をしてやれば立派な観葉植物になるだろう。そう思ったのだが、うちのとれたてバ...
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あなななしいにににしうぬぬぬしの三兄弟は、とっても仲良しだった。何をするのにも一緒だった。あの日までは。あなななしが、いにににしに変わりいにににしが、うぬぬぬしに変わりうぬぬぬしが、あなななしに変わってしまった日までは。でも、もともと仲の良かった三人だ、結局は入れ替わった三人でも仲良くやっていけた。めでたしめでた・・おっと、かはははしが加わった。まあ結局、四人でも仲良くやっていけたのである。めでた...
六角形がある。五角形がある。四角形もある。三角形もある。二角形はない。一角形もない。だから、作ろうと思う。...
3000年。過去の人と電話ができるようになった時代だ。「私今日は、2024年の人と喋ってくるね」ピンポコピンは、昔の人と話をするのが大好きだった。「・・・もしもし?」「あ、もしもし」「私、ピンポコピン。あなたは?」「あ、僕は、宗太郎」「へえ、変な名前」「そっちこそ」少し打ち解けたところでピンポコピンは聞いた。「ねえ、今何してるの」「ん、アイスクリームを食べているんだけど 最近だんだん暑くなってきて、すぐ溶...
どうも、デジャ部です。デジャ部では、デジャブがなぜ起こるのかを研究しています。初めてのことのはずなのに、なんだか一度体験したかのような感覚に襲われる。それはなぜか。理由は簡単です。遠い遠い宇宙のどこかで、私たちの日常を見ている人たちがいるのです。そして、気に入った場面があると、繰り返し巻き戻すのです。そのため、デジャブが起こるというわけなのです。あ、あ、デジャブだ。宇宙のどこかの誰かさんは、きっと...
くきみんぱは、地球を丸呑みにしてしまおうと考えていた。でも、くきみんぱは冥王星をも飲み込めないような小さな体なのだ。「お前は一日にくじら一億万匹しか食べられないのかよ」「俺なんか、一日に火星一つは食べられるぞ」いじめっ子からはそういびられ、くきみんぱはしゅんとなる。だから、すこうしずつ、訓練を積み重ねてきたのだ。そして今日、くきみんぱは地球をいよいよ飲み込もうとしている。...
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人間の種。そう書かれた商品が出回るようになってから、もう3年ほど経つだろうか。その種を植えると、目が生えてくる。次に歯ができて、そして鼻が咲く!鼻が枯れると、実ができる。その実はグングン大きくなり、ついには人間になるのだ。この人間には、肥料と水を与えるらしい。これは面白いと、人間の種ブームが世間に巻き起こった。今や、自己紹介などの時に、わざわざ「私は種からできた方の人間です」「僕も種からの人間です...
卵を割ると、小さな家が出てきた。小さい家の扉を開け、冷蔵庫の扉を開け、中にある卵を割ると・・・また、さっきとは違う小さな家が。家の扉を開ける。やれやれ、また冷蔵庫を探さなくちゃ。...
「カメムシさんって、とってもかっこいいね!」「しかも、飛ぶのも早いんでしょ?すごいや」...
空には氷が浮いていた。でも、道ゆく人はそれにちっとも気付かずに、氷をすり抜けていく。氷が見えるのは僕だけだろうか。道ゆく人が氷をすり抜けるたびに、氷のまくが人を包んでいく。あ、あの人など、もう氷になりかけている。でも、僕にはわかる。人間は、本当はあたたかい。ほら、あの人の氷が溶けた。あの人のも。...
サンタクロースが、皆が寝静まった夜の街にシャンシャンシャンと降りてきた。「この子には、これ」サンタクロースは早速ぶら下がった靴下にプレゼントを放り込んでいく。「この子には、これ」「この子には、これ」「この子には・・・・ううむ」今にも倒れそうな、ぼろぼろの家の靴下には、穴が空いていた。「これでは、プレゼントがこぼれ出てしまうのう・・」サンタクロースは靴下を新しいものに取り替えてあげた。その真新しい靴...
眠っていると、枕元にきりんが来た。でも、うちはとても天井が低い。首がつっかえないだろうか。そんな心配はいらなかった。そのきりんは、首が短かったのだ。体もなんだかまるっとしていてまるで上から押しつぶされたような形をしていた。それでもきりんだと分かったのだから、自分を褒めるしかない。それはさておき、このままここにいられたら、安眠妨害もいいところだ。「あの、何か御用でしょうか?」僕は恐る恐る聞いてみた。...
皆で登山に行ったら、道中にとても大きいキノコがあった。あまりにも大きいので、びっくりしていると、その横に小さな立て札があった。『山田きのこ』このきのこは、山田きのこというのだろうか。よく見ると、その立て札の『山田きのこ』の後に、何やら小さい文字で文章が書かれている。『むかしむかし、このきのこは世界で一番小さいきのこだったのです。 でも、小さいと踏みつけられたり食べられたり、色々と大変だったので...
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あるところに、五角形の星がいた。五角形の星には悩みがあった。周りを見ると、全部の星が、丸い形をしているのだ。五角形の星は不安になった。どうしよう、5個もトゲがあるのは僕だけだ。でも、五角形の星は、絵本を読んで、安心した。なあんだ、星はみんな、五角形じゃないか。僕は普通なんだ。でも、それから何人も何人も、いろんな者たちがやってきて「うわあ、これが、五角形の星か」「本当にあるんだねえ」「あるわけないで...
野次馬は、やじうまを取り囲んでいた。ねえ、あれ、馬だよね。なんか汚えの。どこどこ。見せて見せて。やじうま・とこりんぷすは野次馬たちに囲まれて、まんざら嫌でもなさそうだった。やじうま、野次馬、やじうま、野次馬。野次馬は、やじうまを敵だと思った。やじうまは、野次馬を仲間だと思った。やじうま、野次馬、やじうま、野次馬。だって、仲間じゃないか。やじうまはそう言うようにヒヒーンと嘶いた。そこにいるのは、ただ...
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5時37分41秒に水道の蛇口を開くと、チミチミムがぞろぞろ出てくる。5時37分42秒に水道の蛇口を開くと、ムミチミチが数人出てくる。それに噛まれると、自分もチミチミムになってしまうらしい。...
世の中には、世界一長いミミズがいる。そいつの全長は、地球の周りほどだという。でもまあそれだけ長ければ、何度も千切れたことだろう。でもそのおかげで、よく見る短いミミズができた。短いミミズは、みんな世界一長いミミズの一部なのだ。おっと、世界一長いゾウの話をしていなかった。鼻はそのままで、耳も、目も、そのまま。でも、胴体だけが・・・・・長長動物園には、とにかく長い動物がたくさんいる。世界一長いゾウや、ミ...
やはり友人の言は当てにならない。無人島なんか行くから、こんなことになるんだ。「おい、おめら、我をじょここ、じょここじゃ」無人島には、くさび色をした毛布を首から下げているカエル人がいた。何か必死の目で訴えかけてくるが、僕はじょここの意味を追求する気にもならなかった。「おい、早く行こうぜ」僕が言うと、友人は「おい、おめ、我はじょここぱー」そう言って何やら嬉しそうである。やられたか、と僕は思った。ちらり...
大きい岩を持てるのは、人間しかいない。だからと言って、アリを見下すんじゃない。地面の細かい砂、それを一粒だけ持てるのは、アリしかいないのだ。...
かえるがこの植物、すなわちオピキ草に飛び乗るとかえるの小さな体はズブズブと吸収されてしまう。そして、完全に吸収された時、葉が一枚増えるのである。そうしてたくさんのカエルを飲み込んだオピキ草が枯れると一斉にかえるの大群が溢れ出してくる。あ、やめなさい、そこは・・・ああ、遅かったか。かえるさん、またオピキ草が枯れるまで、しばしさようなら。...
服のボタンが取れた。代わりに、うちの猫を丸めてくっつけておこう。おかげで仕事中も、うちの可愛い猫の寝息を聞いていられる。と、また服のボタンが取れた。しょうがない、うちの猫を丸めてくっつけておこう。おかげで仕事中も、うちの2匹の可愛い寝息を聞いていられる。と、また服のボタンが取れた。しょうがないしょうがない、うちの猫を・・またボタンが取れた。あ、また。また。ぶち、ぶちぶち。僕はうちの猫たちを、みんな...
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鉛筆、突然むくりと起き上がり、線を描き始めた。すると、消しゴム、むくりと起き上がり、線を描き始めた。しゃーしゃーしゃー、ゴシゴシゴシ。二人は書いて消して書いて消して、まるで追いかけっこのよう。何年も何年も、二人は追いかけっこをしてる。そんなある日、ついに消しゴムが消えた。ケースだけになった消しゴムは、鉛筆が書いた線、消すことはなかった。しゃーしゃーしゃー。しゃーしゃーしゃー。鉛筆、消しゴムが帰って...
僕たちはコンマ虫。昔、この水槽には、僕らの仲間が、溢れ出すくらいにたくさんいたんだ。でも、世界中でコンマが使われるごとに、一匹ずつ減っていくんだ。,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ほら、そうやって無駄にコンマを使うと!みんながどんどん黒ずんでいく。誰かにコンマを使われると、黒くなって、消えるんだ。・・残ったのは僕を入れて二人だけか。...
にんじんを切ろうとしていると、うちの子に声をかけられた。「ねえママ、それ、にんじんじゃないよ」「ええっ」何をいうのだろうか。これはどこからどう見てもにんじんだ。「これはにんじん。いつものにんじんじゃない」「ううん、これ、デカガメの巣。中には卵がたくさんだよ」何かのアニメだろうか。「あのねぇ、これは、に、ん、じ、ん、なーのっ」さあ、にんじんを切ろう。「ザクッ」...
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「私がセロトニンジャです」「ほう、ヒドロキシトリプタミンジャよりも優れているところは?」「はい。あやつ、ヒドジャよりも、俊敏生に長けていると思う所存でございます」「ほうほう。だが、あやつは身を隠すのが上手いぞ」「ええ、ですので、私、水の中で四半時、息を止めていられるようになりました」「ほうほうほう」「どうでしょうか。どうか、師匠の弟子にさせてください!」「ほほっほ。私はな」「?」「トリプトファンジ...
『鳥に羽が来ふふぬ湯』ここは異常な温泉。「わあ、ここが噂の温泉か」「お湯がとっても気持ちいいらしいわよ」「ちょっと!体を洗ってから入らないとじゃない?」「え、別にいいじゃない?」「すごく素敵ね、ここは」「そうね。また来ましょう」「コーヒー牛乳売っているわ」「飲みましょうよ!」ここは異常な温泉。誰もこの看板名を指摘しない。この温泉に入っている間、人間たちの脳は、異常になってしまうのである。...
その珈琲店では、ある決まりがあった。一つ。一人、必ずどこかの国の王を連れて来て、珈琲店で働く王たちの中に加えなければいけない。二つ。自分が連れてきた王の非、短所を、どこか言わなければならない。それをしないと、美味しい 珈琲 はできあがらないのだ。...
太陽電球が発明されました。太陽をえぐりとって、一つの電球を作るのです。それは、いつまでも使えて、普通の電球の何倍も明るいのです。ぜひ、それを世界中の皆さんに一つずつお配りしたいと考えております。ただ、そうなると、太陽はちょうどなくなってしまうのですが。...
ここはどこだ?あたりが真っ白だ。見渡す限り全て真っ白。出口がない。少し歩いてみると、何やら遠くに、小さく赤いものが見える。それの近くに歩いていく。なんだこれ?赤い玉だ。中に浮いている。自分の何倍かほどの大きさの赤い玉が浮いている。そこで僕は、あることに気づく。そうか、ここは日本国旗の中だ。...
「あれは月のじゅうすだね」「月のジュース?」「ううん、月のじゅうす」「何それ」「四角形なんだけど、三角形で、ざらざらしていて滑らかなんだよ」「それが月のジュース?」「ううん、月のじゅうす」...
蠅は、自分の中から一つずつ何かが失われていくような気がした。初めに、楽しいという概念が自分から抜け落ちた。野原を飛び回ったり、素敵な雄蠅を見つけても何も感じなかった。次に、美味しいと言う概念がなくなった。大好物のはずの、地面に落ちたパンも、機械的に咀嚼するだけとなった。そして、飛びたいと思わなくなった。その概念も同じように抜け落ちてしまったのか、それとも。生きたいと思わなくなった。体が動かなくなっ...
どこまでも続く草原、その真ん中に、卵がひとつたたずんでいた。「これは、一年ごとに殻が一枚ずつ割れるのですよ」「殻は一枚ではないのですか?」「ええ、何枚、何十枚、何千枚、もっとたくさんだったでしょうね」「だった、と言うのは?」「はい、大昔、そのまた昔、ここには地球と同じくらいの大きさの卵があったのでした。それが一年ごとにどんどん小さくなっていき、今はこのくらいなのです」サッカーボールほどの大きさの卵...
眠い。眠くて仕方がない。眠いと言うことすら考えられないくらい眠い。そんな時の対処療法をお教えします。まず、「いむくおむくいむくおん」と唱えます。すると脳みそが耳の穴から出てくるので、それを引っ掴んで全てを引きずり出します。脳を空っぽにしたら、耳に蚊の足を3本入れます。すぐに頭の中で蚊が育ち、子を産んで、頭の中は羽音でいっぱいになります。あとは戻すだけです。もう一度「いむくおむくいむくおん」と唱える...
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ぽつりぽつりと本音を漏らす人。そう言う人を、ぽつりぽつり星人は狙います。「実はな、俺な、本当はな・・・ぽつり、ぽつ、ぽつぽつり!」本音を漏らす人の脳みそを食べて生きながらえているぽつりぽつり星人はたちまち人間の脳を占領してしまうのです。「ぽつり、ぽつ、ぽっつり、ぽぽぽつり、ぽつぽぽつ、ぽつり!」そうなるともう、ぽつりぽつり星人は歯止めが効かなくなり脳だけでなく心臓や肺なども蝕んでいきます。「ぽつり...
ぽんぽーん、ぽん、ぽぽぽぽん、ぽんぽぽぽぽ、ぽぽーん、ぽん、ぽぽぽぽん、ぽんぽんぽんぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽぽん、ぽんぽんぽん、ぽぽーんぽぽーーん、ぽんぽん、ぽん、ぽぽっ、ぽん ぽ ぽぽんぽんぽん、ぽぽっ、ぽん、ぽん、ぽぽーーんぽぽーぽぽぽぽっぽんぽぽぽぽぽぽぽ、ぽぽーん、ぽぽーんぽぽーぽ、ぽぽぽぽぽぽ、ぽ、ぽ、ぽ、ぽ、ぽ、ぽぽーぽーぽぽぽぽ、ぽ、ぽ、ぽっ、ぽ、ぽ、...
ほくろでできた人間が生まれた。一年たつごとにそのほくろは一粒ずつ減っていき、50年ほど経つと体の半分からほくろがなくなった。でも、それからほくろは何年経っても一粒も消えることがなかった。仕方なくそのまま生活していると、周りから、新しいファッションと人気者になりほくろを増やす人が続出してきた。居心地が良くなったほくろ人間は、自分のほくろが愛おしくなったのだが。次の日、起きて鏡を見ると体から全てのほくろ...
「人魚姫なんか、絶対にいないよ」「何でそう思うんだい?」「だって、人魚姫なんかおとぎ話にしか出てこないじゃないか」「でも、いつかどこかで人魚姫と会えるかもしれないよ」「だって、僕たち人魚男しか、この世界にはいないじゃないか」「そうだな、やっぱり、人魚姫なんか、おとぎ話なのかもな」...
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その扉は、開けると自分の髪の毛の中に出る。時折毛根につまずきながら、進んでいくと、また扉がある。それを開けると、自分の腸の中に出る。地面のひだに足を取られながら歩くと、胃に出る。そこで半分溶けかかった扉をこじ開けると、オポリン星に出る。なぜか、そこには扉がないのだ。すると、オポリン星人が群がってきて、自分の手足についている吸盤を貸してくれる。それを受け取り、その吸盤で、自分の髪の毛の中を探る。ドア...
アルキョプ粒子というものが集まると、巨大なアルキョプが出来上がるのだ。人間の耳の中から、海の底から、木のほらから、卵の中から。集まれば集まるほど、大きな大きなアルキョプが出来上がる。アルキョプが出来上がったら、それを細かく刻んで、ご飯にかけて食べよう。よだれを垂らす僕の耳の中からも、アルキョプ粒子はどんどん放出されている。...
ある広い原っぱで、太陽がもう少しで消えてしまう時原っぱは真っ赤になる。原っぱの真ん中に一本佇む木は、真っ青になる。その木はとてもとても綺麗だから、じっと見つめてしまう。たちまち真っ青な木に吸い寄せられて、原っぱの真ん中へ歩いていく。そうすると、もう木に触れたくなって、自分の手先が真っ青になっているのにも気づかず。ぺたりと触れる。体の中が、真っ青に染まっていく。染まって染まって、木に吸収される。ゆっ...
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ある日、地球に巨人がやってきた。巨人といっても、「大きい人」というのとは少し違う。全く人の姿ではないのだ。全身が真っ黄色で、口が腹のあたりにある。とにかく、機嫌を損ねたら一発で地球は滅びるだろう。政府は、必死で巨人の機嫌を取った。「なんと美しいお体でございましょう。」「お腹がお空きではありませんでしょうか。」「こんな所にようこそいらっしゃいました。」腹にある口の上の、目らしきものを見ながら、喋りか...
ある、刑務所から逃げ出してきた強盗が、江口博士の家を狙っていた。ドアを蹴破り家に押し入ると、強盗は言った。「おい、俺はたった今ムショから脱獄してきたんだ。逆らうと撃つぞ。」江口博士の家は、いろいろな実験器具がそこらじゅうごちゃごちゃしており、助手らしき青年がいた。「俺はここに当分隠れさせてもらう。お前らは、一人一つ何かを持って、出ていくんだ!」拳銃を向けられた博士と助手は、時計とペンチを持ってすご...
数字の世界には、数字が住む家があります。そして、その住む家も、数字の形をしているのです。例えば、「4」「6」「8」「9」「0」。共通点は何なのかですが、これらは囲われたところがあるのです。そこの空間が、家になるのですね。でも、空間がない数字たちは、面白くありません。例えば、「2」。もう少し頭が長かったら、家になれたのに!「2」の口癖です。ん?8は2個空間があるじゃないかって?そう、8は、シェアハウ...
僕が友達と道を歩いていると、歩道と歩道の間が少し空いていた。僕が構わずまたごうとすると、友達から止められた。「だめだよ!赤信号じゃないか!」赤信号?信号なんてないじゃないか。「下を見てごらんよ」下を見ると、小さい信号機と、小さい横断歩道、そして・・・・「あれはミルピム様だよ。」「ミルピム?あいつらが・・・」「しーっ!ミルピム様に聞こえたらどうするんだよ。あいつらなんて言っちゃだめだ。」ますます分か...
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サビが発生すると、元気のいいサビは歩き出してどこかへいきサビがいつまでも出ないのだが、元気のないサビは、その場から動けないので、たちまちその金属は、錆びてしまうのだ。だからもし、あなたの家に錆びているものがあったら、そのサビたちに元気を与える必要がある。きゅうりやごぼうなどを与えると良いらしい。...
これは最近、世界三代珍味に加わった、とても高価なものだ。そのためこれからは、四代珍味と呼ばれることだろう。これはトキフというものであり、よく考えると今までの三代珍味の頭文字を取っただけのものである。そして味のほうも・・・学者が、トリュフ、キャビア、フォアグラをかけ合わせて作ったのが、トキフなのだ。まあ、結局クローンが作られたというわけだから、倍になって六代珍味となるか、そんな馬鹿げたことをしでかし...
左→右に読みます...
これは、ウキムチュンム共和国の貨幣である。これが銀色に光るほど価値は高く、輝いていないものはほとんど価値はない。心の優しい人のところにこの貨幣が渡ると、銀色にひかり、悪い人の手に渡ると、その輝きを失う。おかげで、ウキムチュンムは、いい人ばかりの国なのだ。...
僕は知ってしまったのです。喉痛の正体は、イガピンという虫。僕はこの痛い喉から、どのようにしてイガピンを引き摺り出すか、考えています。まず、コーヒーを飲んでみた。苦くて出てくるかと思ったんです。次に、レモンをかじってみました。酸っぱくて降参するかと思ったから。それでもダメだったので、うがいを熱心にしてみました。それでも、やはりイガピンを引き摺り出すのは無理だった。そこで、僕はさりげなく、妹に口を開け...
いつも見ている山。それは、全部ラクダなのです。とっても大きいラクダが、地球に張り付いているのです。昼間は暑いので、ラクダは大変だとか。だから、ラクダの活動時間は夜。夜のうちに動いて、朝には元通り。でもたまに、元の場所へ帰らないラクダがいるのです。朝、窓を見たら、いつもの山がなくなっているかもしれませんね。...
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「外の景色は、素晴らしいなあ。」僕は、日光に当たってはいけない病気で、外には出れないんだ。でも、お父さんが作ってくれたこの筒で、外の世界を見ることができる。僕はいつもこの筒を使って外を見ていた。うちには窓もない。日光が入ってきてしまうから。ある日、いつものように筒から外を見ていると、変なものが写っていた。人に似ているが、何か違う。僕は好奇心を抑えきれなくなって、家を飛び出した。後ろで、地空人に捕ま...
時は2070年。世の中にはスパンコールブームが訪れていた。それもかなり大きな。人々は服もバッグも、家も、全部スパンコールでギラギラにした。最初は、納得のいかないお年寄りもいたが、今ではもう、スパンコールに溺れている。街を眺めると、・・いや、眩しくて見ることができないが、どこの家も銀色に輝いている。そんな人たちの、1日の終わりの最大の楽しみ・・それは、夕焼けを見ることだった。そんな人々が、夕焼けなんぞに...
「あ、UFOだ!」誰かの声で、人々は一斉に空へと視線を移した。確かに、そこには、怪しく光る飛行物体があった。人々がUFOの様子を見守っていると空にドアらしき物が見え、中から宇宙人が降りてきた。「ヤア、コンチハ。ボクラハ12ジカンゴトニチキュウヘキテ、ヨウスヲカンサツシテタンダ。」人々はびっくりして、唖然としているばかり。「デモ、モウニンゲンガ、イヤニナッチャッタ。ボクラ、カエリマス。」宇宙人はまた、空にあ...
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男は真冬、ある山奥に来ていた。そこで、喉が渇いたので水を飲もうと、川を見つけると、男は悲鳴を上げた。なんと、川の水が、流れていた状態で固まってしまっていたのだ。「時が止まってしまったに違いない。」男はパニックになり、あたりを見回した。すると、周りの草木も、動物も、虫も、みんな止まってしまっているではないか。「ひゃっ・・!」男は気を失ってしまった。ーー数ヶ月後。「う・・ん・・・」男は目を開けた。「い...
虹が・・虹がどんどん食べられていく!とてもきれいな虹の橋だったのに。一体誰がこんなことを・・・ああ、向こう側は楽しそう。虹を渡ってあっちに行きたかったなあ。ーー「ピッピッピッ」「・・あっ、気がついた」「こ・・ここは・・・」どうやら僕は病院のベッドに寝かされているようだ。「あなたは車にはねられて重体だったんです。 生きるか死ぬかの瀬戸際だったので・・・ 本当は禁止ですが、あなたのワンちゃんも応援に来...
僕はお腹が空いた。空いて空いて、我慢ができなくなり、一番近くにあった食堂へ飛び込んだ。「何かおくれ。」すると、なぜかそこにいたのは大きなしずくではないか。しずくが手足を生やし、エプロンをつけているのだ。「このメニューをご覧になってくださいぽ。ごゆっくりぽ。」色々と突っ込みたいところだが、今はそんなことはどうでもいいくらい空腹だ。「おすすめで!!」しずくは、わかりました、と言って厨房へと消えていった...
十二支駅伝にてまもなく、神舞医院がバトンパスをする頃です。「辰さん・・今年も・・はあはあ。よろしく・・・・」「ああ。うさぎさん、よろしく!」うさぎから辰へとバトンが渡ります。辰は颯爽と、大空を飛んで・・飛んで・・・・あれ?辰は、飛んでいいんだっけ?...