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根来戦記の世界 https://negorosenki.hatenablog.com/

 戦国期の根来衆、そして京都についてのブログ。かなり角度の入った分野の日本史ブログですが、楽しんでいただければ幸甚です。

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2022/07/22

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  • 非人について~その③ 祇園社の「犬神人」について

    これまでの記事で言及したように、「非人宿」を管理していたのは「長吏とその配下集団」である。畿内にあったこれら宿の総元締めのひとつが「清水坂宿」であった。そしてこの清水坂宿に住む配下集団は、「犬神人」とも呼ばれていた。(ただ清水宿にいたこの配下集団の、全員が犬神人と同一であったとは断言はできず、議論の分かれるところのようだ) 名に「神人」とあることから分かるように、彼らは寺社に属する存在であった。清水坂における犬神人らは祇園社に従属していたが、京以外の寺社にも犬神人はいた。おなじみ石清水八幡宮や、鎌倉の鶴岡八幡宮、越前の気比社、美濃の南宮社にも、犬神人と呼ばれる存在がいたことが分かっている。 な…

  • 非人について~その② 非人の数と、その分類

    前記事では典型的な「狭義の非人」と称される「宿非人」を取り上げた。では「広義の非人」とは何か。細川涼一氏による「中世非人に関する二、三の論点」という論文がよくまとまっているので、この内容を紹介してみようと思う。 まずは京における非人の数について。1302年のことになるが、後深草法皇の死去に伴い、各種法要が行われている。この法事の際に、京にいる非人に対して非人施行(1人10文ずつ)と温室(入浴療法)料が施された。そして当時の記録に、その数と集住地が残されているのである。下記がその内訳である。まずはAグループから。 ・清水坂―――1000人 ・蓮台野―――170人 ・東悲田院――150人 ・散在―…

  • 非人について~その① そもそも、非人とは何か

    少し前のシリーズで、河原者を取り上げた。今回取り上げるのは、非人である。そもそも非人、とはなんぞや。これは難題で非人の定義によるのだ。過去の記事で述べた通り「河原者は非人の一種である」と捉える研究者もいるわけだから、本当はこのシリーズを先にやるべきであったかもしれない。 さて中世の記録を見ていくと「宿非人(しゅくひにん)」という言葉が出てくる。これは「宿」に住む「非人」ということである。では「宿」とは何か。これは中世において、非人たちが集住していた村のことを指す。 各地にあったこれら「宿」だが、近畿にあったものに関していえば、2つの系統に分けられる。まず大和・伊賀・南山城にあったもの。これらは…

  • 雑記・ブログ開設1周年~その③ 当ブログ記事の分析

    このブログを始めた理由は2つあります。 ひとつは小説を書いた際に、たくさん勉強したわけですが、その全てを小説の中では紹介できず、どこにも表現できなかったことにストレスを感じていたこと。要するに蓄えた知見を、小説以外で発表する場が欲しかったのです。 もうひとつは、小説を書いては見たものの誰も読んでくれなかった、ということ。当たり前ですが、素人の書いた時代小説なぞ、誰も手に取ってくれません。Kindleで発売してはみたものの、1冊も売れない日々が続きます。そこで宣伝を兼ねて日本史のブログを始めてみた、ということになります。 ブログを始めてみたことで、ちょっとだけ売れました――本当に、ちょっとだけで…

  • 雑記・ブログ開設1周年~その② 戦国期の市井の人々を描くのが難しい理由

    時代を遡れば遡るほど、人々の価値観や行動原理は現代とは異なってくるので、戦国期辺りより前の時代の人々を描くのは難しい――室町や鎌倉、平安期の市井の人々の姿を描いた小説は、ファンタジーを除くと殆どないのがその理由のひとつです。 そしてもうひとつ、実際に書いてみて悩んだのが、当時の人々の社会的な立ち位置の不確かさです。例えば江戸期を舞台にした小説なら、「主人公の武士が町中で、通りすがりの町人に話しかけるシーン」を描くのは難しくありません。これが戦国期だとどうなるか。 拙著の主人公、次郎は京近郊にある鳥羽の車借の家の生まれ、という設定です。車借とは、牛車を使って米などの物資を京まで運ぶ運送業者です。…

  • 雑記・ブログ開設1周年~その① 戦国期の人々と、我々現代人との違い

    早いもので、ブログを立ち上げてから1年経ちました。1年であげた記事は100を超えているから、3.5日に1回のペースで記事をUPしたことになります。 (質はともかくとして)内容的にはそれなりに重いものにも関わらず、このペースでUPできているのは、ネタの蓄積があったからです。ブログの説明にもある通り、趣味で時代小説を書いてkindleで出版しています。1巻は戦国時代の京を舞台とした印地打ちを主人公にした話で、2巻は舞台を紀州・根来寺に移し、寺内における武力闘争を描きました。 初めて書いた時代小説ですが、主人公のバックグラウンドや当時の生活様式、考え方や行動原理を描く際には時代背景を知る必要があるの…

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