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2022/07/14

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  • 炎天

    風受けてをり炎天の川堤真夏の灼けつくような空をいう。外に出ると鳥も飛ばず、猫も歩かず、歩く人もほとんどいない。照りつける太陽に、やりきれない暑さである。炎天のもと川堤を歩いた。だが、風があり、まだ歩くことができた。炎天下昼餉のために出でにけり炎天

  • 土用鰻

    恙なく生きゐて土用鰻かな夏の土用丑の日に食べる鰻をいう。一年中で最も暑い時期で、その時期に夏ばて防止のために食する。一説によると、平賀源内が鰻屋から宣伝を頼まれ、丑の日の鰻は薬になると看板に書いたことに由来するとされる。ふつくらと御飯炊けたり鰻の日土用鰻

  • 青蘆

    青蘆を渡る風音よかりけりイネ科の大型多年草。夏に蘆の葉が青々と茂っているのをいう。春に芽を出した蘆は、芒に似た細く鋭い葉をつけ、夏には二メートルほど成長する。沼や川辺に群生する。青蘆が風に一斉に揺れるさまや水に映る様子は、いかにも夏らしく涼し気である。青蘆を風が吹き渡っていた。その葉の擦れ合う風音がよかった。青蘆や晴れし川面に影落とし青蘆

  • 涼し

    練馬区立牧野記念庭園歩を入れば牧野庭園涼しかり夏の暑さの中にあってこそ感じられる涼気をいう。牧野富太郎博士胸像(手前は寿衛子笹)暑いさなかに吹き渡って行く風や流れる水、木陰などに涼しさを覚える。涼しさは皮膚で感じるだけでなく、風鈴や氷を削る音、金魚などから耳や目で感じる涼しさもある。繇條書屋(ようじょうしょおく)俳句では暑さの中のかすかな涼しさを捉えて夏を表現する。暑い日に、練馬区にある牧野記念庭園を訪れた。中に一歩入ると涼しさを感じた。記念館涼しさや植物図見て庭に出て涼し

  • 川中の岩に鵜のゐて動かざるウ科の水鳥の総称。首は細長く、全身が黒色の羽毛に覆われている。嘴の先は曲がり、水かきがあり、潜水が巧みで、魚を捕らえる。川鵜、海鵜、姫鵜などがある。長良川の鵜飼には海鵜が使われている。川中の岩に鵜が止まって、流れを見ながらじっとして動かなかった。夕空を黙して翔る川鵜かな鵜

  • 青蔦

    青蔦の館如何なる人住むや蔦はブドウ科の落葉蔓性木本。日本、中国、朝鮮半島に自生する。青蔦は青々と成長した夏の蔦をいう。蔦には常緑性と落葉性があり、常緑のものは冬も青いので冬蔦、紅葉して落葉するものを夏蔦と呼ぶ。木の幹、家の塀や壁面などに、巻きひげの先端にある吸盤で張りつく。大きな家の外壁に青蔦がびっしりと覆っていた。この家にはいったいどんな人が住んでいるのだろうかと思った。蔦茂る空家の庭の大木に青蔦

  • 冷索麺

    冷索麵一日の疲れ忘れゐて三輪の虹麺の一種で、最も細い。小麦粉を塩水でこね、ごま油などで細く引き伸ばし、天日で乾燥させる。これを茹でて、冷水または氷で冷やしたものが冷索麺である。これに山葵、葱、茗荷、青紫蘇などの薬味を入れた冷えた麺つゆにつけて食べる。楽しまむ冷索麺にサラダのせ冷索麺

  • 白南風(しろはえ)

    白南風に吹かれ川沿ひ歩きけり梅雨の晴れ間、梅雨明け近くの頃、あるいは梅雨が明け切ったときに、夏空が明るく晴れ渡り、南東方向から吹いてくる季節風をいう。空は明るく輝き、吹く風もまた眩しく感じられる。「黒南風」と対になる言葉であり、先人の知恵のこもった美しい言葉である。抜けるような青空に白南風が吹き渡った。その風に吹かれながら川沿いを歩いた。白南風や帽子抑へて直売所白南風(しろはえ)

  • 灸花

    畑道の通学路なり灸花アカネ科の蔓性多年草。山野の藪や生垣などに自生する。七月頃、鐘状で外側が灰白色、内側が紅紫色の小花をつける。花がお灸のもぐさに似ていることからこの名がある。全体に臭気があり、「ヘクソカズラ」が正式な植物名である。畑道の茶垣の上に灸花が咲いていた。この道は中学生が通る通学路であった。野にありてへくそかずらは好きな花灸花

  • 梅雨明

    梅雨明や浮かぶ白雲見て飽かず梅雨が終わることをいう。「梅雨あがる」「梅雨の後」ともいう。暦の上では入梅(六月十一日頃)から三十日後とされるが、実際には地域やその年の気象状況によって異なる。沖縄では平均六月下旬、東北地方では七月下旬であるから、一か月の差がある。雷鳴が轟くと梅雨が明けるともいわれている。今日、気象庁は「関東甲信と東北南部・東北北部が梅雨明けしたとみられる」と発表した。よく晴れて白雲が沢山浮かんでいたが、見ていて飽きなかった。幼稚園のロッジ風屋根梅雨明けぬ梅雨明

  • 青柿

    通るたび青柿見上げ川堤まだ熟れていない青い柿をいう。梅雨の頃、目立たない淡い黄色い花をつけ、落花の後、青い実が育つ。まだ渋くて食べられない。少し経つと、よく落ちている青柿を見かける。川堤を歩いていると青柿がなっているところがある。そこを通るたび、見上げて青柿の育ち具合を確認するのである。青柿や農家の門の大きくて青柿

  • 揚羽蝶

    ナミアゲハ揚羽二羽睦みて一羽翅広ぐアゲハチョウ科に属する蝶の総称。最も大形の蝶で、翅を広げると一〇センチを超える。アゲハの中には、黄色地に黒の模様のキアゲハ、黒い地色のクロアゲハ、黒地に緑の光沢をもつカラスアゲハ、やや小形のアオスジアゲハなどがある。揚羽蝶が二羽、用水沿いの植え込みにやってきた。触れ合って睦んでいたが、一羽は翅を閉じ、もう一羽は翅を広げたり閉じたりしていた。森抜くる風を楽しも揚羽蝶揚羽蝶

  • 青葡萄

    青葡萄にも表情のありにけり夏の熟する前の青くて硬い葡萄をいう。粒がまだ小さい房だが、青みがかった緑色が美しい。青葡萄は夏らしさを表現する花材としても好まれる。葡萄棚に青葡萄が生っていた。よく見ると、青葡萄にも何か言いたげな表情というものがあった。袋掛なくて今年も青葡萄青葡萄

  • 蜥蜴

    青石に動かぬ蜥蜴何思ふトカゲ科の爬虫類。全長は二〇センチ程度で、尾が長い。夏、庭や石垣の隙間などに生息する。成体は茶褐色であるが、幼体は背が黒色で縦筋が走り、尾は鮮やかな青色をしている。昼行性で、昆虫、蜘蛛、蚯蚓などを捕食する。敵に襲われると自分で尾を切り落として逃げるが、切れた尾は再生する。青い石の上にじっとして動かない蜥蜴がいた。一体何を考えているのだろかと思った。恐竜の末裔らしき蜥蜴かな蜥蜴

  • 百日紅

    百日紅川堤への入口にミソハギ科の落葉高木。中国原産。日本には江戸時代初期に渡来した。庭園に植栽される。七~九月頃、桃、紅、紅紫、白などの小さな六弁花を枝先に円錐状につける。花期が長いため百日紅の漢名がある。また、樹皮がはがれやすく、幹がすべすべしていて猿も滑り落ちるというところから、「猿滑」という和名がつけられた。川堤へと降りる入口に百日紅が咲いていた。いよいよ猛暑となる夏らしい花であった。境内にレンタサイクル百日紅百日紅

  • 青芝

    青芝をジョギングコース囲みけり夏になって一面に青々としてきた芝をいう。庭園、ゴルフ場、公園などの手入れの行き届いた芝は、緑一色の絨毯を敷いたような美しさがある。青芝の上を犬を連れて散歩したり、バドミントンを楽しんだり、寝転んだりして楽しむ。公園にジョギングコースがある。コースは青芝の広場を囲むように走っていた。青芝のベンチにけふは誰もゐず青芝

  • 向日葵

    向日葵の夕日を浴びて濃かりけりキク科の一年草。北アメリカ原産。六月下旬~七月頃、茎頂または枝頭に黄色い大きな頭状花を横向きにつける。周辺は鮮横色の舌状花で、中央には褐色または黄色の管状花が密集する。太陽に向かって向きを変えるといわれるが、実際は蕾が花開くときだけ、太陽の方向を向く。向日葵が夕日を浴びていた。そのため、花の色が濃くなっていた。向日葵や彼の地の戦いつ果てむ向日葵

  • 青無花果

    青無花果下校児童ら声上げてクワ科の落葉小高木。小アジア原産。果実の成熟は年二回で、夏果、秋果がある。夏果は前年についた幼果が越冬して夏熟するもので、その熟する前の新枝に生っている青い卵形の実が青無花果である。秋果は秋熟するもの。「無花果」という字は、花が花托の中に隠れて見えないまま実になるところから当てられた。ある家に青無花果が生っていた。その下を下校の子供たちが大きな声を上げて通って行った。菜園の青無花果を数へけり青無花果

  • 鬼百合

    鬼百合や滑らかに川流れゐてユリ科の多年草。北海道を除く日本各地の野原や田の畦などに自生し、また観賞用や食用に栽培される。七月頃、茎頂付近に、赤黄色で内側に黒紫色の斑点のある花を数個から二〇個内外下向きにつける。葉腋に黒紫色の珠芽(むかご)ができ、地面に落ちてふえる。鱗茎(百合根)は食用になる。川縁に鬼百合が咲いていた。その川は滑らかに流れていた。鬼百合の明るくしたり散策路鬼百合

  • 夏の川

    音を聞くことを楽しみ夏の川暑い夏に流れる涼し気な川をいう。夏の川はさまざまな表情をみせる。盛夏になって水量が減り河原が広くなった川、山峡を涼しく流れる川、子供たちが水浴びをしている川と、趣はさまざま。夏の川の瀬音は涼し気である。その音を聞くために川にきて楽しんだ。夏川を眺めつつ水飲みにけり夏の川

  • グラジオラス

    川に向くグラジオラスや日を浴びてアヤメ科の多年草。南アフリカ原産。日本には明治初年に渡来した。六月頃剣状の葉間から花茎を伸ばし、六弁の漏斗状の花を横向きに多数つける。江戸時代に、オランダ船がもたらしたことから「和蘭菖蒲」といわれた。現在栽培されているのは明治以後の輸入種で、多くの園芸品種がある。川沿いの道に、川に向いてグラジオラスが咲いていた。花は日を浴びて、鮮やかであった。グラジオラス日陰歩きて生き返りグラジオラス

  • 夾竹桃

    夾竹桃強き日差しの似合ひけりキョウチクトウ科の常緑小高木。インド原産。江戸時代に中国より渡来した。公園や緑地帯などに植えられる。六~九月頃、枝先に四~五センチの花を多数つける。花色は淡紅、白、紅、黄など。八重咲きもある。炎暑の頃が最も盛んで、終戦記念日などの苦い記憶につながる花でもある。路傍に夾竹桃が咲いていた。夾竹桃は曇っているときより、カッと夏の強い日が差しているときの方がよく似合う花であると思った。夾竹桃自転車に風生まれけり夾竹桃

  • 夏燕

    人好きか頭上を翔て夏燕夏に見かける燕をいう。四~七月に通常二回産卵し、産卵後一か月余りで巣立つ。各地で軽快に飛翔する姿はいかにも夏らしくすがすがしい。川堤を歩いていると、頭上を夏燕が何度も飛翔していた。もしかして、人間が好きなのかもしれないと思った。夏燕縦横無尽空に描き夏燕

  • アガパンサス

    アガパンサス犬がきよとんと見てゐたりユリ科の多年草。南アフリカ原産。観賞用に植えられ、園芸品種が多い。和名は紫君紫蘭。夏、長い花茎を伸ばし、その頂に白色から濃青紫色の散形花序をつける。まだ季語にはなっていないが、アカンサスよりも庭先によく見かけ、一般的な花になっているので、試しに読んでみた。ある家の前にアガパンサスが咲いていた。そのそばで立話をしている飼い主と一緒にいた犬が、こちらをきょとんとした顔で見ていた。アガパンサス川面きらきらしてゐたりアガパンサス

  • アカンサス

    駅に沿ふ小道ありけりアカンサスキツネノマゴ科の大形多年草。南ヨーロッパ原産。夏、長い花茎を出し、紫褐色の苞をもつ白色の唇形花を下から上へとつける。駅に沿って長い小道があり、その脇にアカンサスが咲いていた。アカンサス人を見しことなき家にアカンサス

  • 軽鳧(かる)の子

    親に蹤くことが命や軽鳧の子も軽鴨は五月頃に産卵し、二十六日ほどで孵る。黄褐色の軽鳧の子は全身綿羽(めんう)に覆われている。しばらくの間は親鳥のあとについてよちよちと歩いたり、泳いだりする。その姿が愛らしくて可愛い。川を軽鳧の子が母親鳥と泳いでいた。どんな時でも親に蹤いて行くことが大事であることを軽鳧の子も知っているようであった。軽鳧の子の時に末広がりの列軽鳧(かる)の子

  • 黒南風

    黒南風や短距離走の選手らに梅雨に入って、長雨の降り続く頃に吹く南風をいう。暗く陰鬱な空模様の時に吹く湿った風である。南に高気圧、北に低気圧が居座る夏型の気圧配置によって、南からの季節風が吹く。この風を「みなみ」や「はえ」と称する。その中で、梅雨をよぶ風を「黒南風」という。もともとは船乗りの言葉とのこと。空がどんよりと曇り、黒南風が吹いていた。トラックで練習中の短距離走の選手らにも吹き渡っていた。黒南風や鳥追ひカイト輪を描いて黒南風

  • 凌霄花

    凌霄を見しより血潮熱かりきノウゼンカズラ科の蔓性落葉樹。中国原産。観賞用に庭に植えられる。六~七月頃、枝先に橙色の漏斗状の花を多数つける。茎は長く伸びて付着紺を出し、他の物に付着して伸びる。凌霄花が高い位置に咲いていた。この橙色の花を見てから、血潮が熱くなった。奥つ城ののうぜんに差す夕日かな凌霄花

  • 竹煮草

    藪残すことも大事や竹煮草ケシ科の大形多年草。本州以西の日当たりのよい山野や空き地などに自生する。六~七月頃、茎の上部に大きな円錐花序を出し、白色や帯紅色の小花を密集してつける。名の由来は、竹と煮ると竹が柔らかくなるから竹煮草、茎が中空で竹に似ているから竹似草など、諸説がある。藪の前に竹煮草が咲いていた。それを見ると、藪を残すことも大事なことであると思った。竹煮草廃アパートの今もあり竹煮草

  • 萱草の花

    野萱草萱草や菜園暮れて二三人藪萱草ユリ科ワスレグサ属の多年草。原野や土手などに自生する。六月頃花茎を伸ばし、鬼百合に似た橙色の花をつける。一日花で昼間だけ咲き、夜はしぼむ。八重のものが藪萱草、一重のものが野萱草。「忘草」は、この草を持っていると憂いを忘れるという中国の言い伝えからきているという。菜園の手前に萱草の花が咲いていた。夕方になっても菜園にはまだ二三人いた。歩くこと続けてゐたし忘草萱草の花

  • 半夏生草

    夕暮の川の眩しや半夏生ドクダミ科の多年草。低地の水辺や湿地に群生する。全草に臭気がある。六~七月頃、茎先の二~三枚が白くなる。それと同時に浅黄色の小花を密生した花穂を出す。名の由来は、七十二候の半夏生(今年は七月二日)の頃、上部の葉が白くなるからとも、また、葉が半分だけ白くなるのを半化粧ととらえたともいわれる。川の近くに半夏生草が咲いていた。夕暮にはその川に夕日が反射して眩しかった。片白草群るや農家の門前に半夏生草

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