猫の子がこのこのと来て住みついた み
猫の子がこのこのと来て住みついた み
出港時刻に戻れずオキザリス み
東風(こち)時化(しけ)て豪華客船も船酔い み
ロマーシカは嗤(わら)う 「勝てば正義だあ」 み
コーンスープの底に澱(とご)る春愁(しゅんしゅう) み
まず投資 それから消費 初給与 か
淡月(たんげつ)や『飲む』と言えば『お酒』ですよ み
自信作、突き返されて春の宵 み
その歌を聴いた記憶に泣く。残花 み
山葵(わさび)擂(す)る。ひとりひとりがマイノリティ み
露天風呂 ボーッとしてたら わっ蜂! み
桜蘂(さくらしべ)が赤くなる。もう散りどき み
プリムラが咲く フーガを練習する み
チューリップ一本だけでは何だか み
八重桜 「おのぼりやす」 「おくだりやす」 み
蒲公英(たんぽぽ)に曖昧さ足す朝日影 み
山笑う、そろそろ歯医者に行くべき み
屋根屋根のブルーシートに春霞 み
薄暗い六畳 掛け花に椿 み
サポートセンタの親切な佐保姫(さほひめ) み
草摘んで尻餅ついてキャアキャアと み
山吹の色の帯なら春驟雨 ま
銀座で迷い、夜桜の写真展 み
幻を愛してしまう花疲れ み
椀の蓋 急がば回せ 蜆汁(しじみじる) み
新入生、人体模型を倒す み
菜の花をコップに挿して遅い昼 み
四月から日曜始まりの手帳 み
地下鉄の2番出口は空に花 み
日めくりの格言の横「四月馬鹿」 み
花見の帰り、電車待つ間の自省 か
コート脱ぎエスカレータにポッと乗る み
指を擦り合わせばスベスベと黄沙(こうさ) み
抽斗(ひきだし)を開けたけど、はて? 春の夢 み
花の陰、席の準備あるが無人 み
勝手に♯(しゃーぷ)を取られた 花の宴♪ み <作曲者の瀧廉太郎の没後、山田耕筰が編曲で♯を削除>
「太陽」を「大腸」と読む春の昼 み
ルールルル 騒ぐ者あり 夜半の春 み
父と歩くつもりだった母の春 み
8時間また齢をとる春の朝 み
ベランダにタオルが飛ぶよ春の雲 み
年度末、社内報は最終号 か
写生中に蝶が群がって邪魔よ み
朝寝して言い訳はダイヤ改正 か
捨てるものが決まれば暖かくなる み
あの橋を渡れば全て麗(うら)らかな み
筋肉痛(きんにくつう)が来る 春の風邪が来る み
約束の「こんど」はいつか、春休み が
部屋着のまま駅へ行く。春の闇に み
水温(みずぬる)む、かと思わせる洗面器 み
石垣を昇って天守、朝雲雀(あさひばり) み
合格のご褒美は自分で買うね が
撫肩(なでがた)の空き瓶に雪(ゆき)の雫(しずく)を み
スポッて筒の中は卒業証書 が
枝垂桜(しだれざくら)を天蓋(てんがい)に寝転(ねころ)がれ み
三椏(みつまた)の花(はな)のブローチを吾妹(わぎも)に み
韮(にら)を洗うと緑が溶け出てきた み
喉元にイガイガがあり雛あられ み
博士(はかせ):「これが『地獄の釜の蓋』じゃっ!」 み
不便だが不幸ではない春の泥 み
平等や公平が好き蕗(ふき)の花(はな) み
請求書が来てすぐに終わる二月 み
春苺(はるいちご)を弁当に入れてやろう み
「トンボの刺身だよ」 「羊羹(ようかん)みたいね」 み
カトレアの証言、覆(くつがえ)すアザミ み
稜線(りょうせん)が朦朧(もうろう)と立つ雪月夜 み
白魚が 透明から 醤油色に み
息白し、いまごろ好きと言われても み
あの坂を登っていくと幣辛夷(しでこぶし) み
ぎこちないプロトコルだね春浅し か
春闘次第なの金融政策 か
必ず5分後に咳が出る社長 か
朝食に出てくる『黒い紙』は? 海苔(のり) み
馬糞(ばふん)を名乗るもヒトに喰われるウニ み
配偶者のを先に 還付申告 み
ボクもキミもクロッカスが好きだった み
ビビるな、たかが三茱臾(さんしゅゆ)の花の下 み
『淡雪』は舌に乗せると無重力 み
『受験生』階級にもう一年か が
右耳を左手で触る霜焼(しもやけ) ま
薄氷(うすらい)に寒波の空が歪(ゆが)み照る み
消炭をヒトの形と炉に並べ み
戸の隙間 朝日の軌跡 蝉氷(せみごおり) み
「初春(はつはる)や…」 無用の用ね、文字の列 み
清流の岩陰や稚魚が春待つ み
どこから剥(は)がれ来た「立春大吉」 み
いつ撒(ま)いた豆かを知らず掃除機の み
地震(ない)の寒(かん)、『かもしれない』の悔(く)いと居(い)る み <能登半島地震から一か月>
隣の子がビャーと走る春隣(はるとなり) み
枯庭の掃出し窓に訪問者 み
機関車の肌はヌルッと暾(とん)に霜 み
空風(からかぜ)の音のせぬ夜は不完全 み
ブチブチと枯桑(かれくわ)が刺す鬱(うつ)の雲 の
割り箸がヘンに割れたぞ、おでん喰う み
望郷の念が燻(くす)ぶる寒落暉(かんらっき) み
母の一歩にのしかかる冬の霧 み
湯々婆(ゆたんぽ)をオシャレに売るの六本木 み
断片化した記憶で嗅ぐ早梅(そうばい) み
焼鳥を5本買う。ちょっと温(あたた)か み
トイレから夜の街へ響け嚏(くしゃみ) み
「ブログリーダー」を活用して、みさんをフォローしませんか?
猫の子がこのこのと来て住みついた み
出港時刻に戻れずオキザリス み
東風(こち)時化(しけ)て豪華客船も船酔い み
ロマーシカは嗤(わら)う 「勝てば正義だあ」 み
コーンスープの底に澱(とご)る春愁(しゅんしゅう) み
まず投資 それから消費 初給与 か
淡月(たんげつ)や『飲む』と言えば『お酒』ですよ み
自信作、突き返されて春の宵 み
その歌を聴いた記憶に泣く。残花 み
山葵(わさび)擂(す)る。ひとりひとりがマイノリティ み
露天風呂 ボーッとしてたら わっ蜂! み
桜蘂(さくらしべ)が赤くなる。もう散りどき み
プリムラが咲く フーガを練習する み
チューリップ一本だけでは何だか み
八重桜 「おのぼりやす」 「おくだりやす」 み
蒲公英(たんぽぽ)に曖昧さ足す朝日影 み
山笑う、そろそろ歯医者に行くべき み
屋根屋根のブルーシートに春霞 み
薄暗い六畳 掛け花に椿 み
サポートセンタの親切な佐保姫(さほひめ) み
直6(ちょくろく)のエンジンフードに陽炎(かげろう) み
亜麻色の髪の乙女と青を踏む み
実家にて遅日(ちじつ)の退屈くつくつ み
その菜の花畑に入っちゃダメよ の
椀(わん)の蓋(ふた)、蜆(しじみ)の殻(から)を積む心理 み
苦しくて光っているの蛍烏賊(ほたるいか) み
初給与、明細メールを転送 か
春夕(しゅんせき)やチェアリングが流行(はや)る理由(りゆう) み
ずるい!子猫だせば視聴率アップ み
春雨や檀香梅(だんこうばい)とすれ違う み
引出しを『開帳』。ぐちゃぐちゃプリント み
春の闇にトランペットの弱音 み
葉桜の陰は毛虫に注意やで み
客船の春灯(しゅんとう) おっとりと離岸 み
春愁(しゅんしゅう)はどんくらいかな泣かないで み
その巣箱、バリが多くて痛そうね み
喰わんとや練乳(れんにゅう)持っていちご狩り み
蓬(よもぎ)に殺菌作用 父の教え み
参道に蜂の群れあり紫雲英(げんげ)咲く み
黄砂来て銀のポルシェにドラえもん み