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よも 言葉のアトリエ http://apismos.blog.fc2.com/

言葉で描くみえないこころ。 縦横高さ、時間軸、いつか 見えてくるでしょうか? 拙いながらの一綴り、ジャンルは絵のように…詩や小説の創作物を載せています。 どうぞお気軽にお立ち寄りください。

上遠野世方
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2020/06/20

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  • 六、別世界の現実で起きること

    六.別世界の現実は?マンションの外は別世界だった。そこは古びた昭和の町か大正の町が脈々と鎮座していた。これって何?と振り返ると現代のマンションが建っている。そのちぐはぐさ、まるで映画のセットに迷い込んだような眩暈すら覚える。そんななか夏穂突き放したミタマが道に飛び降りた瞳が不思議な光を帯びている。見上げると月も同じように輝いている。コッチと聞こえた。ミタマが発しているのか。月の光を受けながら夏穂を...

  • 五、庚申の塔は三シの虫を封じたか

    五、庚申の塔は三尸の虫を封じたか「夏穂大丈夫?こんなことされて。一体誰がしたの?」夏穂を縛っていた紐が解かれた途端に夕夏が言った。「大丈夫ですか?」と少年が訊いてくる。ああ、夕夏が「彼が従兄。比古村享」と成り行きで紹介した。「まことです」と少年は繰り返し続けてこうつぶやいた。「危害を加えるつもりはなかったようですね」「危害を加えるつもりはないって、これって十分危害だよ。覚えていることない夏穂?」紗...

  • 四、廃校は錆びれた漆喰の臭いがする

    四、廃校は寂れた漆喰の匂いがする 夏穂は思いついたことを整理した。すると眠れなくなって、その場所に早くいかなければと朝を迎えていた。もっとも馬鹿な考えだ。親にも内緒にしておきたかった。そっと、そしてすばやく制服に着替え部屋を出た。マンションはまだ夜でエレベータには誰も乗り込んでこなかった。気づいたのは飼っている玉藻ぐらいだった。「ミャォ」と小さな声を上げてベッドに飛び乗ってきた。夏穂は顔を近づけ静...

  • 三、炎の魔力が夏穂を呼ぶ

    三…炎の魔力が夏穂を呼ぶ 不謹慎にも、夏穂は火事を待っている。火は昔から人間のたましいを惹きつけて来た。動物にしだってそうかもしれない。火を怖れるということはそういうことだ。炎には不思議な魅力がある。特に、夜の炎は別格だ。何かを呼び寄せているように夏穂には見える。たとえば何だろう?夜の闇からさまよいだして来る何かである。今の夏穂にとっては記憶だろうか。それとも郷土史の幻惑だろうか。夏穂はこれ...

  • 二、よもやま話がやって来た

    二、…よもやま話がやって来た 五月に入ってからというもの、ここ水尾出市では立て続けに三件のボヤ騒ぎと一件の全焼が起きた。水曜日のプラゴミ集積所から始まったそれは、翌週火曜日になると隣町の離れた燃えるゴミ集積所へと移り、そこかすぐ近くの車庫の自転車が黒焦げになり、ついには住宅の庭で炎があがった。段ボールなどが燃えていたらしいが、町民の不安をかき立てるに十分の効果があった。いつか家に火が、と誰もが案じ...

  • 一、火事の尻尾はおいでおいでする

    一、火事の尻尾はおいでおいでするこの町のお稲荷様は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を祀ったものなのだろうか?それとも、鬼夜叉のような吒枳尼天(だきにてん)を祀ったものなのだろうか? 暮林夏穂は誰かの張り付くような視線を感じていた。でも何だろう。この視線は空から感じるのだ。下校時になると特に感じる。最初は気の迷いとも思ったが、段々と視野の外で動く影のようなものを感じるようになった。「なに?なにかい...

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