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よも 言葉のアトリエ http://apismos.blog.fc2.com/

言葉で描くみえないこころ。 縦横高さ、時間軸、いつか 見えてくるでしょうか? 拙いながらの一綴り、ジャンルは絵のように…詩や小説の創作物を載せています。 どうぞお気軽にお立ち寄りください。

上遠野世方
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2020/06/20

1件〜100件

  • 灰になった書物

    かつて思想は地上にあって憎しみの岩場を水のように流れ欲望の雲を風のように過ぎ死の夜を星のように飾った今は知性を弄ぶ机上の論理と化し図書館の中にでも並んでいる一歩外に踏み出せば思想が息できるほど呼吸は深くない思想が根付くほど意志は強くない内なる火に従った預言者は   耳元でひとこと訊ねて歩む「お前は充分に強いか」憎しみの戦場は今も業火の中にあって欲望の濁流は知識の植林をなぎ払う死の壁にはいたずらに幻...

  • 水色の町

    石畳の道はくねくねと松の並木を見上げて続く街は幻想の中にたち雨の道は煙っている間もなく雨は降る道の上に雨は降る 街の底に雨は降る僕の上に降る雨に僕は仮の宿を求め宿で請求を受けている昨日も今日も、明日も明後日も風の塊りが樫の体を叩いたお前は眠っているときみはキット旅の空ぼくもキット旅の空眠りに就いた現実を見る一生の映像を夢見ているあの古ぼけた映写機のあの遠いアルバムを石の坂はごつごつと桜やモミジの天...

  • ふたいろの惑星 四、umbra sartura(カゲヌイ)の草原ー2

     カゲヌイの動きは緩慢だった。お互いにはまったく興味がなさそうに見えた。同じ波長で支配されているのか、一人の行動は全員の行動になっている。たぶんそれは名前が一つだけだからだろう。彼らは四体いても一つの名前、一つの人格なのだ。それぞれが捕獲したターゲットから名をいただくまでは。…ということはターゲットを見つければ彼らは同じような行動をとるということだ。「なあ、カナ。モノリスの数だけど、六列並んでいる...

  • 紫陽花の頃

    ぼくの手がきみの手を引いて紫陽花の坂道をのぼるどこへ行くというよりも今を共有するために、ここそこと歩く少し濡れた梅雨の合間にそっと息づくのは紫陽花だけではない空に焦がれた露草、静かに佇むネジバナ風の息づかい、夏雲の吐息振り返っても過去はなく坂を見上げても先はなくただ広がる今の中にぼくらは息をつき空と海を見ていた空を吸い込んで夢を吐いたぼくの手はきみの手を引いて島へ続く橋を渡る二人の橋というよりも思...

  • 時わたる雲の歌

    頬打つ風の後先にうつろう季節の歌声はぼくを起こす風の歌町も季節も一緒になって命を乗せて過ぎてゆく見たまえ この時の爆風を目の前に今日が訪れるのは離れる岸を忘れないためあらゆる事物が足早に去るのは世界が虚しいほどの空っぽさゆえに風の歌は刷新を望み、無常の残り香を愛した地上のぬくもりの艶模様眼差しにこもる歌声はぼくを掘り起こす光の声地下に眠る種や根たち無心の魂に光は届く見たまえ この意識の発現を頭上に...

  • ふたいろの惑星 四、umbra sartura(カゲヌイ)の草原ー1

    「逃げろ!」コウがカナの手を引っ張ってぐんぐん走り出す。「森に隠れるぞ!」まるで野生の獣のようだ。引っ張られたカナもまた先導する巧コウの脇を負けず劣らず走っている。すごい勢いだ。草原の草が後方へ飛んで行くと、森がぐんと二人に近づいてきた。走りながらカナは何度もコウを見た。三本重なった樹の陰に身を隠す。腰程もある草がこんもりと繁っていて丁度いい。一息ついて思い出すと急に震えがきた。あれは人間に似てい...

  • 尾を噛む惑星

    陽炎のように炎立つ現実は砂漠のように乾き不毛の砂が一面を覆い尽くしている生命溢れるオアシスは空中に消えたここは滑稽な収容惑星、誰もがウロボロスのように自分を喰らっている自分が夢見た快楽も、絶望も、恐怖も、憎しみも過去に、そして未来に今もこの惑星の隅々で起きているまるで惑星ソラリスのように人の夢見る天国と地獄をこの星は出現させる僕たちは永遠に傷ついた被害者で呪わしい加害者だ自らの尾を噛み、その痛みに...

  • 昼と夜のモノローグ

    楡の葉の鱗のようにひらめく下を行きて帰りて道は続く営みの振幅が心を振り切ろうとも独楽のような一日は回り続ける黄昏のランプは赤々と街を包み今日もまた日は落ちぬ表象の風の世界の右左何処より来りて、何処へと到る手の届く現実も時には底すら見えず得体も知れぬ不可思議さ筋肉の経験、また肌の印象よりも血流は心臓の寿命を縮めたモノクロのエピローグモノローグとダイアローグの昼と夜月の見下ろすタールの夜は一面の漆黒に...

  • 日常

    人は商品のように流される手から手へ、檻から檻へあなたは何になりました堂々巡りもいいところでしょうそうやって働くのも税金を払うためなんです本当に封建政治も賢くなりました年貢が税金に変わるなんて税金もいつかは嗜好品に変わるでしょう抜け目なく、際限なく心理に寄り添って人生に意味を見つけるのですモノに意味を付加するのです人は商品のように廃棄される福祉国家などと言いますが言葉が化生して誤魔化すばかり本質では...

  • ギフト

    死の闇がぼくを包み込むその時こよなく愛したあたりまえの世界が地上に過ぎているように営みも生態も大気の頃もに包まれて揺りかごのように揺られている家路は遠い我が胸の中雲が口笛を吹いて空が笑っているその下ですべてのひとときが光に満ち輝いているように死の闇は世界をいっそう美しく染め上げる憎しみよりも強く 暴力よりも深く突き刺さる杭の底で夢見た明日は今日の空の下で別れを告げるただ一度に燃え盛り西方浄土に沈む...

  • 夜の虹

    墨絵の空に星もなくうねるような筆使い宇宙はさらに墨を吐き夜の底は排気炎夜を抜けて、夜へと至る昼の儚さ、淡き虹ぼくは夢を見ていたようなぼくは過去を追っていたような明かりはそこらにあるけれど今はどこぞと知れぬ場所ぼくは何処を走るのか何時から走っているのかすべてが歪む四次元時空妖しき虹は環をなしぼくは走るぐるぐると終わりなき時空連続体一つに連なった空の下をあぶくのようなビルの影黒く並んで勢揃い風切るカー...

  •  バンシーが泣いている

    白壁赤々と燃え急ぐ深く静かに忍び寄る森の息に、道走る遠吠え市庁舎前の広場の足早の人々アコーディオン弾きはもういない噴水の周りを走った子らはどこへ行ったもう… 花の色も数えられないほら! 聞こえる?バンシーが泣いているもう夜警の歌も聴こえてきたよいそいで家まで走ろうバンシーが飛び回るその前に家の玄関に飛び込もう追いかけられないうちに連れ去られないうちに見つかったら終わりだよ彼女は家にもやってくる闇を...

  • 道の真ん中で想像する

    道の真ん中で想像する想像する時はいつも頭のスイッチを入れる誰かさんのようだねと きみはいったでもその誰かさんのことは知らない知っているのはせいぜい両手で数えられるくらいそこから先は想像なんだって…ときどき思い出す顔も人が呼び合う名前も想像だけだったら問題はないだからいっぱいを過ぎたら想像するきみは想像じゃない十一番目で覚えたきみはおじさんがいなくなったから十番目だ人はいなくなると想像になるぼくのキ...

  • ふたいろ惑星 三、Beyond reality(彼方に)- 2

     墓は一基だけではなく何十とあった。…いや何百かもしれない。横並びに六列あって、その六列を基にして後ろに延々と続いている。その奥は見えない。凄い数だ。ここに住んでいた者たちが亡くなったのだろうか。いまは誰もいないのだろうか。見回してみても人影らしきものはない。右手には小高い丘が連なり、ブッシュはあるが大きな木の影はなく、左手にはあの奇妙な細い木が森をなしている。ちなみに背後には切り立つ崖と山々があ...

  • 僕たちの季節

    きみにはきみの生と死があり僕には僕の生と死がある会社には会社の、国には国の興亡がある陸には陸の 山には山の 惑星には惑星のはじまりと終わり 合成と分解 そして愛と孤独とがある愛を怖れるのは死ゆえに愛に執着するのもまた死ゆえに僕らは重力の揺りかごに揺られた立てない赤子歩けない老人気持ちだけが未来を走っている、いつか時間の渦に飛び込んでいく過去の祝祭の時間にあるいは呪われた時間に未来には老獪な死が待ち...

  • 晴れ上がった空を渡る

    晴れ上がった空を歩いていこう明日に嵐が待っていようと先に道が失われていようとぼくはぼくの生と死と一体だ今日に生き、明日に死ぬその素晴らしい昼に踊りその素晴らしい夜に眠るぼくは野生の鳥風に乗って飛び、落下するように死す褥はこの大地、体は地球に返してしまおうぼくは名を変え、姿を変えてずっと旅してきた人間になる前も、その後も遠い時間を旅をする繰り返される同じ旅でもたぶん経験によって理解によってきっと違っ...

  • 足下に落ちる影

    忍びよる目覚めの皮膚のその下でひときわ熱く心の臓は動いている無心に、ただ正直にここにある意識は日常と苦しくとも 虚しくとも自己と格闘しているのに道に立つ陽炎は夏の誘惑激しく 切なく短い時間に向かい合っている……のに幾多の挫折に行き詰まり落つる葉は焼ける思いに焼ける悔いに焼ける社会に焼き爛れ煙となって立ち昇るビルの上から見た世界靴音高く今日を踏むどこまでも…響きあって心ハ遠ク置キ去リノ河原ニ積ンダ石ノ...

  • ふたいろの惑星 三、Beyond reality(彼方に)- 1

     「カナ、どうかした。今日変だよ。いつもの輝きがない。なんか元に戻った感じがするけどわたしの勘違い?」晴海にそう言われたのは登校時の挨拶を交わした後「えっ、いつもと変わりないよ」と言ってはみたものの、クラスでは美織に同じようなことを言われた。「あら、もう恋も終わり。まあ短い間だったわね。あたしはね…」話の続きを聞いていなかった。その日の朝は目覚めた時から変だった。身体は気味が悪いほどうつろで、生ぬ...

  • sounds in the evening

    太陽のhornが白壁に反響し鳥達を東の空へと吹き飛ばす耳を澄ませば群衆のpercussion 車のtrumpet胸に響くは bass drum夕風に旗がひらめく下をビルのデッキからお前は地に降り立つ昼の船が西へ下る前に自分自身と共有するこのひととき耳に囁く evening song静かに醒めて美しく黄昏の街には光の矢が刺さっている見えぬ棘が疼いている血の流れる内側で盲目の瞳は闇をさ迷っているこの現実に光を探っている昼も夜も 寝ても醒めてもb...

  • ふたいろの惑星 二、Lovers (親愛)  ー 3

     「あら、今日はおひとり」ヒルダ夫人はにっこりと微笑んで現われた。伽奈子は意味もなくほっとする自分に驚いた。ここへ来ることには少なからず葛藤があった。晴海にナイショで来たこともそうだが、カラコンを外すことを決心したこともそのひとつ。ヒルダ夫人と直にありのままの姿で語りたいと思ったのだ。不思議なことにわたしの分身である巧も落ち着きがない。いや、これはわたしに落ち着きがないということか。「どうもいやだ...

  • ふたいろの惑星 二、Lovers (親愛)  ー 2

     「あなたは悪い妖精かなにか?もう目を閉じるから帰りなさい!」冷静さをよそおいながらも、少し震える声で伽奈子は夢に命じた。しかし巧が消えることはなかった。巧はいつも目の前にいた。第一のハードルは母だったが、それはハードルでもなかった。母には見えないのだ。見えないばかりではなく、巧の声が聞こえてもいないようである。この現実を受け入れるとしても、伽奈子にとってはやはり夢であり、他者にしたらあきらかに非...

  • Back yard

    するりと伸びたヤマボウシ梢に群がる白蝶の花庭に下りたらParsleyを摘んで香るMintも二三枚頭上の空は突き抜けて山稜に白雲の踊る午後に「Lost And Found」の響きに浸りフライパン片手にキッチンに立ったきっと今日は明日に生きて昨日の弱音を取り払う明日の疲れを慰める光と水と大地の命をそっともらった緑の手からもっと大きなものをもらったから赤く色づくユスラ梅プリムローズの薄紅の花樫の木陰でBerryを摘んでついでにPeri...

  • ふたいろの惑星 二、Lovers (親愛)  ー 1

     瞳のヘーゼルの太陽を覗いていると、向こうの世界が見えるような気がする。横たわる萌黄色の地面から青緑の空が見える。かさかさと冬枯れから目覚めた新葉が風に揺れるのが見える。春が来たかのように冬枯れの木々が変わったのも、多分巧がいるから、巧が見ている世界だからだ。伽奈子は自分の左目に親し気に語りかけた。「そっちはネバーランドのような世界なの?」草原だけじゃない、きっと山も海も島もある。萌黄色の絨毯が広...

  • ふたいろの惑星 一、Star Eyes(虹彩異色症の瞳) ー5

     伽奈子が左目に名前をつけようと思ったのは夢のせいである。筋書きのない、場所もわからぬところに伽奈子はぽつんと一人でいる。大勢の人間?が辺りにたむろしているようだが、ときおり大勢の中の一人が伽奈子の前に来る。あるいは前を通り過ぎる。姿はあるがぼんやりとしている。顔の判別もつかないありさまで、一様にぼやけ闇に消されていく。何度目のことだろう。夢の中の誰かが話しかけてきた。どこから話しかけてくるのかは...

  • 夏のカゲロウ

    愚かに若きことをぼくは恥じたが要らぬ知識で動きの取れぬ老獪さも遠ざけたい肉体につながれた欲求に踊らされることもまたぼくに必要なのは澄んだ大気細く長い一呼吸がずっと続きぼくの中の何かが空へと抜けて行くその軽やかさ愛は共振の中にあった遠くにあるあなたへの愛は目覚めへの警句内なる春を謳歌するために魂の緯度は太陽に顔を向ける「何故太陽に・・とお前は聞くだろう私は答える内なる諸元素にそれは隠されている とそ...

  • ふたいろの惑星 一、Star Eyes(虹彩異色症の瞳) ー4

     ヒルダ夫人こと緒方佐知枝さんは、伽奈子がイメージしている占い師とは似つかわしくない容姿で降りて来た。まず丸い眼鏡をかけている。まあそんな占い師もいるだろうけど。中背中肉でふくよかな顔立ちをしている。服装はシックなパープル色が強いワインド・アップ。服はどちらかといえば占い師に近い。ただその服の色をあでやかに際立たせるともいうべき貴金属類にいたっては、真珠のネックレス以外何も身に着けておらず、イヤリ...

  • ふたいろの惑星 一、Star Eyes(虹彩異色症の瞳) ー3

     初夏もいよいよ色を濃くしていったある日。伽奈子が学校帰りの坂の途中で立ち止まり、ふかぶかと深呼吸をはじめかけた時のこと。ほら見える…と左目に語り始めたそのとき。「かなちゃん。今日もまっすぐ帰るの」と突然話しかけられた。胸でつぶやいた言葉にもかかわらず、話しかけられたことに驚いてごくりと言葉をのみこんだ。伽奈子が後ろを振り向くと同じクラスの宮瀬晴海(みやせはるみ)が立っている。「知ってる?占いの舘...

  • 月ほど知らず 風ほど語らず

    きょうの遊びももうすこし釣瓶落としに日は暮れて星の冴える幕間に命も忘れて影と消え家路を急いだ子供等はさらなる夢を見るだろか夢にふたたび遊ぶのか昨日の道は山向こう明日の道は海向こうぼくは道から逸れたのかぼくの遊びは過ぎたのか月ほど知らず風ほど語らず灯台は暗黒の海を照らしている気持ちはなぜを探している夢の遊びはまだ遠く波間に踊る一葉の船は座礁の岩で風を待つ痛さを恐れ弱さに惑う故郷仰いだ空と海はぼくに憧...

  • ふたいろの惑星 一、Star Eyes(虹彩異色症の瞳) ー2

     伽奈子が居心地の悪さを感じるようになったのは、左目の疼きを覚えてからのことである。これまでと変わらぬものが見えながら、しかし、フレームが一枚追加されたような、カラコンが熱を帯びたような、奇妙な違和感。「カナ。左目充血してるよ。大丈夫?」そうクラスメイトにいわれ出してから時々鏡をのぞくようになった。鏡の中で目は確かに赤い。カラコンが浮いたような、あるいは二重になったような感覚。とにかく、目に乾きと...

  • ふたいろの惑星 一、Star Eyes(虹彩異色症の瞳) ー1 

    これは左右の目の色が異なる虹彩異色症の少女、伽奈子のお話。ある日、レイリー散乱を放つ左目から伽奈子の分身がやってくる。分身は惑星から来たというが、なんのために現れたのか?父を事故で亡くした伽奈子はどうするのか? わたしは自分の左目が好き!伽奈子は鏡を覗くたびにそう言う。しかし…幼い頃だと少し違う。鏡を覗くたびに目をそらした。周りの子供たちからはストレートな差別言葉を何度も投げかけられてきた。たとえ...

  • これまでと、これから

    ある日この心を脱ぎ捨ててぼくはきみのことに心を砕くだろうきみの生の一欠けら一欠けらがぼくに反映しきみの頼りなげな表情も泣き顔もくいしばる意地もきっとこの世界に溶け込み不可思議な親和力に守られて本来の笑顔を取り戻すことをぼくは知っているあるがままにぼくは不安に根を下ろし微かな知恵を養分として枝を張る切られても切られても贈る詩を心に秘めて生い茂るぼくはいまだ小さな樫の樹きみの背丈をこえて傘のようにひと...

  • 優しさは、なんて

    とてもおおきな陽だまりの中に大好きな町はあって日陰になった公園のベンチにぼくはいるさわやかでどこか優しい風が枝を揺らし建物のすきまをぬって吹いてくるするとそのかくれた冷たさにぼくはおどろき日当たりを見上げ、ふときみを思う優しさはときにとてもさびしくなる優しいきみをみているととても悲しくなるなぜだろうと考えながら空を見上げる日々高くおおきくなる町を見上げていつか空が小さくなってしまうのではないかと心...

  • 意石の抜け殻

    笑っているひとときの叫んでいる一瞬のこの内なる悲しさを誰が知るだろう僕のいない町は今日も動き君のいない道に夏草は繁る曲がり角にはいつも唐突に雨が降る立ち止まった交差点の空は青く透き通り 透き通り 現実は今を後にする残っていたのは粉塵のような散らけた思い出と後悔たち琥珀の映像の陽だまり光は主に祈る永久に届かない今を捧げて耳を澄ますひとときの歌っている一瞬の密やかな大気の振動を誰が知るだろう大気に隠れ...

  • A A´

    カルナッキスのカーブを速度五十マイルで突っ切ればあとはゆるやかなムーン・ロード南十字星に向ってまっすぐにプラターヌ・ストリートは延びているペリエは二本足で踏ん張って戦士の像を見上げたマーブルの戦士の指は北剣は東のプロポジション(命題)アキシオム(公理)の公道は工事中ですスター・ブレードの流れる空の下そそり立つスカイタワーのイルミネーションクレイのビルは造成中レンジのビルは加熱中デルタに広がるシティ...

  • ぼくらの距離

    君は僕からはなれ僕は昨日からはなれ昨日は明日からはなれる留め置くことが叶わぬ大きな過程(プロセス)が静かな嵐のように吹き荒れる心がいくら追いかけようと新しい時間が波のようにすべてを洗い流す誕生する輝く存在と時間過ぎて行く褪せた存在と時間僕の心を動揺させる矛盾時と場所の不思議君と僕の不思議この場所で、この時に僕らは語り合い今を作り出すそして離れていく時と場所嬉しかったよ! 楽しかったよ!でもそれ以上に...

  • まぼろし

    降りたプラットフォームから見ていたものあれはただの町の灯りであったろうか?夕空に瞬いた星あれは一番星ではなかったろうか?希望の町に彷徨って人の間に彷徨って 愛にも傷つく探し回ったもの走り回った地図求めぬいたマボロシ胸に輝いていた星あれはただの思い過ごしであったろうか?あの遠い道程は昼と夜の道程は誰が僕に教えられるだろう情熱を隠したもの それは不条理偏見に冷え 矛盾に燻ぶる消えても 過ぎても憤りは自...

  • サヨナラ ワタシ

    君の軌跡はもう過ぎたことさよなら言葉 君の言葉は雲となりさよなら心臓 君の時はせっかちな短針手と足は 時空に溶けた空間のデザインおつかれさまでした ほんとうに夢のようでした胸のエンジンがうなりを上げ足は行きたいところへ向かい手は取りたいものを取り汽笛代わりに言葉を蒸気する航路には文字を走らせるそんな日々に…サヨウナラ君の思いは飛散してさよなら今日 君の時空の一点を閉じて さよなら記憶 もう不具合な...

  • うち出でて見れば空も海

    白く流れる虚無の河僕はどうして渡りましょう?形而上学をひも解いて素足で奇跡を起こしましょうか!赤く流れる因果の河僕はどうして渡りましょう?無心に血などを投げうって遺伝子(ひも)の結びを改めましょうか!青く輝く高熱の星は塵も影も光となって十方金剛 闇を照らして弥勒のように微笑むのでしょうか?ふねにおちたこがねのほしはくだけてさきんもきらきららしぶきをあげたマーメイドくものすせいざにみせられてさきんをま...

  • 耳のせかい

    降りしきる雨の音がきこえる空へ昇る雨の子供たちが見える旅する雲の音が ささやく 伝える頓頓頓 品品品 比喩ン比喩ン 弾く 跳ねる 飛ぶ 連弾の調べよきみのこころを吹き抜ける風の音がきこえる鳴るきみの願いが きこえるどんなに離れようと…どこにいようときこえている きいている誰が? 誰でも きいている きこえている地に育ち 大気を震わしたすべての遺伝子の紐の震え 距離の分割に鳴る高音域 低音域の調べた...

  • 紀の夢

    起きて夢見て時間は過ぎる暗い過去にさまざまに現実は海 とても広くて深いのです島影などは彼方まで見えないのですだからこの地が沈むまでここを国と呼ぶのです始めた過去がいつであれ進んだ経緯がどうであれささやかな行為が無為に勝るとは思えず人と一緒に歩いても水平線は高くなるばかり大陸も生きているのですから星座に道を問うことも必要です舟と櫂がひとつずつ足元の波を騒がせず 静かに慌てず太陽と星の道へと漕ぎ出すと...

  • 死のごとく美しき

    今は遠いブルゴーニュの空に血糊に似た粘液質な雲が動きもせず浮かんでいて、それは頽廃した一日の無念の死から流れた血であろうかなどと考えていると、いつしかミズキの街路樹に差し掛かり膨らむ蕾に春の時刻が季節の九時を指している。春か!と思えばどこからかぷーんと鼻にまとわりつく洋風肉汁の香り、甘くかぐわしき香りと感じるものならそれこそワインやチーズを思い浮かべ、今日の収穫と利益を思い浮かべ、異性との目眩くソ...

  • 采女の玉 十一、サイキック 1

     1 「これが斗鬼一族の独鈷杵だ」そう言って父は日枝神社の隅にある小さな宝仏殿の中から、桐箱を取り出して開いた。中を覗くと模様の入った三日月に似た短刀らしきものが見える。「二鈷杵といって斗鬼一族に残されたものは仏教のものとは少し違う。名前は昇月鉾。上弦と下弦、二つの月が合わさる。これをお前に渡す日が来るとは思ってもいなかった。本当なら美了から手ほどきを受けて渡されるはずだったからな。だが…いや、ま...

  • 采女の玉 十、ご神体

     ニニギの計らいで夏生はかろうじてその場を離れた。まわりには日常が戻ってきている。夏生の脳裏を去来したのは父のことである。父は母のことをしっていたのだろうか。疑問がくすぶった煙を上げたのを感じると行く先が決まった。夏生は携帯を手にしながら駅に向かった。最寄駅から夏生は走った。携帯には何も返事がない。家が近づくとサイレンの音が聞こえた。急に高くなるサイレンとともに、騒がしい喧騒音や叫び声が聞こえてく...

  • 波間の情景・色

      一、航海寄せては返す波頭の翼光のシャボンの大小の白と青の航海士雲と風のマエストロ波に消えては歌になり潮に溶けては道となり船出は静かな空模様海鳥のflow flow と鳴くにつれ船は沖へと漕ぎ出した雲の島影の群青の魚影の走るその先を空に消えては風となり海に消えては潮となり岸は夢幻の線となった  二、貝の歌小さな小瓶で小貝がささやく貝のささやきは砂のささやきひたひたと寄せてくる波のささやき浜の石はいつも貝を...

  • Moonlight walk

    ある月夜のこと。星屑運河を散歩と洒落て「おとしもの坂」を下っていく。口寂しいときにはハーバルシガー(香草煙草)。ちょいとふかしてリングをひとつ。月に向かって放りながら、インフレーション曲線を描く坂を慎重に下っていく。今日は空気までもミッドナイトスープ。ビルや建物はペンキも乾かない三次元デコで描かれた二次元世界。樹も街灯も、山も雲も、電波塔も、ナイトビロードの空の向こうには黄色い照明があって、今日の月...

  • 導火線を伝う春

    わたしの足を重力が引き寄せ髪を太陽が巻き上げる緑の炎が私の罪を焼く招かれた春の時に血はみどり萌え立つ草むらの空はあお風は透明なヒカリそれをいつまでも覚えておこう足はもうどこへも動かない心臓はどこに目は先端に言葉は指先の見る群青のひかりに捧ぐ春のキーわたしは一本の樹喜びを内に地を歌い憧れを力に立ち上がる『緑の導火線』を昇る赤き戦慄が空へ放てと血潮を開くわたしがわたしである足元は地球の上から一歩も動か...

  • 生まれたてのさようなら

    きらきらと輝く光の矢で生まれたての町が輝き生まれたての人々が過ぎてゆく陽炎のように優しい幻のように生まれたての風が耳へと囁く生まれてくることは さようなら生まれてきたことは さようならいつかおとずれることが今日おとずれて今日の一瞬一瞬が過ぎて行くさよならすることもなく砂時計はいつひっくり返されるのか川の始まりと終わりは同時なのかそれとも別々の過程と見るべきか生まれたての希望はその輝きゆえに足下の影...

  • 雨の土曜は、今度

    雨の土曜はお掃除をしましょうコトコトポットは蒸気を上げてきみは白いティカップを置いた雨の土曜は音楽を聴きましょう背と背をもたれて本を開いてクッキーで感想を述べたりもして今週末は雨の予報ですそして今日は朝からの曇り空雨はところかまわずに落ちています予定は立てていなかったのですができたらドライブなどをして春の空を 黄緑萌える道を茜空の時刻を共に過ごしたいとソウ オモッタヨ 過去にはきみの読んでいる「り...

  • 天使 戯れて

    海が空を見上げる昼戯れに伸ばした腕が風をとらえた進化の記憶を縛れる地に安住することなく視覚の幻に踊らされることなく光の無数の足跡は西へ西へと歩む今日の形を追求することなく明日の永続を願うことなく足場の無い地球は重力の曲面を滑る大きな旅人 小さな旅人夢を見る 天使、戯れに…針先に瞑想する太陽の塊りは地に落ちていくつものいくつもの陽だまり膝まで光に濡れて跳ねていく 走っていくこころまで濡れて今日一日が...

  • 采女の玉 九、秘密

     自分の喉がゴクリと鳴ったことに、夏生は今更ながら驚いた。得体のしれない緊張に手足が硬直する。…わたしは、澪を、怖れている?…目前にたたずむ澪の体もいくぶん大きくなったような気がする。それだけではない。その存在自体に身体が圧倒されている。どうやら彼女はわたしが知っている澪ではない。手足の緊張がさらに高まった。「ねえ、夏生。この世界にはいくつの顔があると思う。世界って一層に見える多層の世界。現実だって...

  • 吸い込む一欠けらの酸素

    わたしの現実は閉塞している時間は切り刻まれている習慣が亡霊のように背中をはなれず思いやりはどこかを旅している大きく一息、全感覚を込めてわたしは目を見張るこの現実の見えない通路その扉を見定めるためにわたしの意思は曲がっているこの場所はゴミに浮かんでいる精神は朽ちた廃墟のようにたたずみ命は気まぐれに置かれているおお うるわしの大気お前は海のように世界を巡りすべての細胞がお前を呼吸するすべての息吹が胸一...

  • 雲立ち、風走る町に

    春が来ると冬はあっという間に去っていく冷たく暗い日々がどこへ消えたのか探しまわる糸間もなく太陽に大地は目覚め 木々は芽吹き生きもの達がそこかしこに姿を見せ始めるそれこそが…きみは春 僕は溶けさる雪の下で胸の音を聴く朝が来ると夜はあっという間に消えていく時間が止まるほど重く感じた意識も白々と醒めてくる視覚も海馬の秒針を加速させ 呼吸をよみがえらす鳥の囀りとともに音が一斉に目覚める誰かとしてでなく 誰...

  • 光降る丘

    海に降る光の柱を眺めヒースの丘から彼方を想った雲の果て、荒れ狂う波濤のその向こう燃える砂塵と荒野の果てを運命の女神たちが憩う深い森のハンノキのその下を刻々と姿を現す世界に目を奪われ刻々と退いてゆく王族の城下にはいつの世も貪欲な商人が目を光らせ金と銀を漁って旅人を睨んでいた彼らの心が廃るほどに光を金銀に求めて私は収穫を待てなかった農夫夏の嵐で折れた枝洪水でえぐられた畑千の灯を吹き消された闇恐ろしい冬...

  • 朝の荒野から

    輝く風に目を開く左手には君が右手には臆病なコヨーテがいる そして圧倒的な荒野に敵を前にして奮い立つ全細胞までもが目覚める朝僕は夢を見た切れ切れの現実パーツだけの存在卑小な欲望に無益な力やがて死すべきものならば自己は試されねばならないどこかの誰かの現実にではなく自分の現実を生む行為に自分で納得できるならばすべてのことはそれでよい遠い体験の一端を担うのか頭脳で作り出したフィクションなのかそれはわからな...

  • 言葉の先の春の逍遥

    青空に五線譜を引くようにして少し垂れた電線は雪の短調の調べと違い季節は長調の調べも軽やかに脈打つ波長を宙に放つと聴く小鳥たちはそらへとなめらかなスロープを描きながら枝先の歌い手に呼び止められることしばし舞い降りた枝の表皮に爪を食い込ませ歌い手は光降る空に春の歌を歌った。ペルルルルリルリペジデシオデヌヌイギラグジテクトクキタイハピホミシルグスシルレジオン…とそしてあくる日には光浴の風が遠洋の大気を抱...

  • なんでもない一瞬

    きみはショッピングへ行き食事をし、映画へ行き、本屋へ行き通ったどの道でもふたりは出会うことなく歳も違っていて 環境も違っていて友達だってまったく違っていて恋人だっていたかもしれないそのどれにも当てはまらなくても出会いが運命になることは ある?なんでもないこと それはいつでも日常の素顔当たり前の偶然 それはいつでもあきらめのわざその中の小さな波が心にネガのように焼きついて運命となることが ときにはあ...

  • 呼・吸する

    息を吐く 気を吐く苦しくなって息を吸う 空を吸う色の無い空はあたたかさもなければつめたさもなく色ははねかえる地球のひかりわたしの自我地球の昼と夜は表と裏の顔は太陽でつくられたひかりを吸収と反発で染め上げてゆがんだ顔のこころとゆがんだ鏡になる息を吸う 息を吐くただ通り過ぎてゆく時間通り過ぎてゆく経験通り過ぎてゆくいのち通り過ぎてゆく …ただ、通り過ぎてゆくたぶん …行いとは自分を消していく行為でたぶん...

  • ただひかりを望んだ

    たとえ記憶が悲しみに彩られようと追憶のきみは微笑んでいる色あせることなく微笑んでいる時間が今も続いているようにすべての激しさが記憶の印画紙にひかりのインクを跳ねる過ぎ去る時をこころに映して静かに黙す このときをいまのままで このままでずっと ずっと ずっと淋しき夜には星が一面に月は南天に孤独に温もりを手向けている放たれし光陰の矢尻は早く記憶のページを開く指は夢と守られている僕は そう……夜に明かりを...

  • 秋のステップ

    トウモロコシ畑のぼうれいやハギゆれる風の通りみちさわ さわ さわ 鳴る葉おとのだいだい色のそらに浮かんでふわりとてふのように飛んでいったスサビの秋の一日の空一面のななめの譜は野辺の草葉にかくれて泣いた若かりしきみの蒼きまなこも無心にギーチョンのはたを織るのはキリギリス揺れているのは秋桜のうすくれないのまぼろしは木陰に散った徒花は手を振るように 頷くようにそらに伸ばした腕を支えきみはせいいっぱいに立...

  • 恋しい

    海辺を見下ろす部屋にいる昼には青い海が夜には黒い海 なんだかこわい波の音も違う聴いていると飲み込まれそうな気がする飲み込まれたらどうなるのだろう?魚のようには泳げない少し不安になる部屋の明かりを振り返り街灯や町の明かりを見つめるまぶしすぎる昼の太陽には目をそらすけど夜の明かりにはとても引きよせられる暗いから? それだけじゃあない気がする街灯に沿って町の明かりを見るそれにうるさい車のライトさえ夜には...

  • 抱きしめた君の名残り

    いつでも時は帰ることのない僕らの姿を映したそして僕らはいとも簡単に気づく間もなくこの一瞬と分かれる君の存在と離れ離れになるこの一瞬になによりも大切な消えていく命を手放すたとえ明日彼岸に渡ることがあろうとこの岸を手放すことに恐れを抱かぬように不安に苛まれないように君の存在ごと今を抱きしめる それが今の僕ができるすべてだとしても迷いのない心を伝える術が僕にはまだわからない愚かにも、ずっと信じてきた 明...

  • 斗鬼の舞ー夏生のヴリクシャ  八、舞と武

     采女の声が空から降ってくる。『さあ、舞うのですよ!』そう言って采女は夏生を促した。夏生の内側から暖かい風が吹いて来る。その風に沿いながらするするすると回転すると、夏生は黒い獣の近くへと忍び寄っていった。『怖れることはありません。古来舞踏は武術の精髄なのです。呼吸を乱さず、引力に縛られず、血の流るるままお前を解放するのです』采女の声が空間に響き渡る。『さあ!一緒に!』夏生はその声のまま、空に舞う采...

  • 斗鬼の舞ー夏生のヴリクシャ  七、狩りの本質

     そのとき。年配の男性が境内から出ていくのと交互して二人の男女が入って来るのがわかった。その姿を内なる目で見もした。プネーが取り憑いた男子大学生と女性である。女性の歳の頃は男子大学生と同じぐらいだがいつ一緒になったのか。待ち合わせでもしていた恋人だろうか。それともプネーに操つられた獲物だろうか。夏生は呼吸を悟られぬように細い息を長く吸っていた。ニニギは訪れるであろう好機に糸を張っている。プネーが襲...

  • 斗鬼の舞ー夏生のヴリクシャ  六、狩りの設計

    二       与えられたことがら、すなわち事実とは、いくつかの事態の成立                     にほかならぬ。二・0一   事態は対象の結合である。二・0一一 事態の構成要素となりうるということは、物にとつて本質的であ       る。       「論理哲学論考」 ウィトゲンシュタイン  ニニギの金色の眼で見つめられると緊張で身がすくむ。ましてこれまで体験したことのないことを...

  • 斗鬼の舞ー夏生のヴリクシャ  五、狩りの準備

     「ヤツを良く見ていろ!」火の男の近くにも常世海月が近づいている。男はぶるっと肩を震わしたように見えた。黒い靄、あれは…何?背中から手が出てきた。手はするすると鎌首をもたげ一匹の海月を摑まえそのまま口に入れた。男は空を見上げた。男の喉元を海月がごくりと通り過ぎたのが見えたような気がした。「まずいよ。叉鬼の眼になる」「心配はいらない。プネーがユフを食べるとしばらく眼を奪われる。その間に俺たちの狩りを...

  • 斗鬼の舞ー夏生のヴリクシャ  四、カグチの火

    そんな…溜息とともに夏生が手を伸ばすと、その手に少し小さくなったユフが乗る。重くはない。ふわふわとしていて、例えるならすぐに溶け出す冷凍保存の上品なお菓子のようだ。とは言えニニギを見るとこのままで収まりがつきそうにない。「また触手が生まれてくるぞ!」触手…この生き物を…食べる?いっそのこと本当にお菓子と思えば。口に持ってくると、つん、と花のような香りが鼻腔をくすぐった。それで何とか決心がついた。ひと...

  • 斗鬼の舞ー夏生のヴリクシャ  三、叉鬼の眼

     まるで雪…海中のプランクトンのようだわ。眼鏡をかけ直した夏生が美しい幻想に浸っていると、どこからか声がした。「血を浴びたな」確かにそう聞こえた。夏生はきょろきょろと辺りを窺ってみたが誰もいない。空耳だったのか、幻覚だったのか、空を見上げるとやはりアレが舞っている。…ユフとか言ったな。「見えるようだ。はて!声も聞こえるな」「誰?」と恐る恐る声をかけた。「やはり…そうか…」驚きから落胆、そして諦めが声か...

  • 斗鬼の舞ー夏生のヴリクシャ  二、常世海月

    冷たい風の吹くテラスに人影はなかった。肩をすくめながら、夏生は風に向かって振り向くと二つに割れた空を見上げた。暗鬱な冬の空が北に張り出し、まだ薄青い春の空が南にあって、境界には峻烈な雲がまるで戦国絵巻の軍勢ように向かい合っている。季節と季節が対峙して南北戦争の真っ最中に見えるのだ。そんな自分の想像をくすっと笑い、空を見上げながら深呼吸すると、第一次世界大戦がヴィトゲンシュタインに与えた影響を想像し...

  • 斗鬼の舞ー夏生のヴリクシャ 一、射すくめられて

     ああ、本当に、言った通りね。久良舞夏生が空を見上げてため息をついたのは、まだ早春になりかけの頃で、雲が空を南北に分けた日のことだった。冬の太陽「論考」もいよいよ北に遠ざかっていくのね。でも…彼のギラギラした瞳は私をこれから一年も苦しめることになる。夏生が卒業論文のテーマに取り上げたのはヴィトゲンシュタインの「論考」だったが、確かな理由があったワケではない。不確かにも彼の写真に惹かれたからだ。「論...

  • 秋への遊歩

    久々の更新である。いろんなことが起きた夏だった…三日月仰いで散歩に出る。風は甘くスィートで、夜にはミントのバブルが浮かんでいる。スーッと一台の車。「やあ。ピクニックかね?」と話しかけられた。見るとレトロなアメ車である。中には粋な山高帽の紳士が一人。なぜか肌色も成金である。目の前を通り過ぎたかと思うと、アスファルトから浮かんでいる。目の錯覚かと思っていると、黒いアスファルトは、灰色のはアストラルベル...

  • 遠心力と求心力

    石柱をぐるぐると回って僕らは平原に飛び出した帰らぬ友を思い 空に願いを描き夏草揺らすハヤテを追って走った夏を疾走する生きものと同じで太陽に操られていると思えた何もかもが僕らの胸にしまってあった何かで夏は内から流行病のようにやってきた狂い鳴く蝉のように限りある時を歌い夕べにはアスファルトに転がったその骸は濡れた君のシューズのように重く僕の手紙のように黒くにじんで書けない文字を煙突は吐き出した僕らは思...

  • 半身

    文字と文字の行間のごとく時間と時間の不連続のごとく現実から空想へ続く論理を飛躍していたるところに橋と断崖と暗黒を見る現実はいつも向こう側、   ここではないどこかここと同じように時が過ぎ分かれた肉片が散らばるきみはここではない場所で声を上げている自らの手を伸ばし目を瞑り自己を探っている現実の相の鮮やかさと深さをここではないどこかで僕はきみと出会いきみは幼くして逝った正と負が拮抗するこの心吹き荒れる...

  • きみを連れていくよ

    いつかきみを連れて行くよリリーの花咲くポアレの道にゆるやかに道は登り小麦の穂のさざ波が奏でる丘の向こうに一匹の老犬を連れてゆっくりと空よりも青い海原と滑らかに白い港町へ道草しながら歩いて行こう時間をかけて歩いて行こういつかきみと夜を明かそう焚き火のそばでギターを弾いてときに火の周りを踊ってみよう月の刃に裂かれぬようにまあるく手をつないだ輪舞はくるりくるりと風車のようにひらりひらりと国旗のように星の...

  • ぼくらは未来へ帰る

    時は戻らないかもしれないけれど未来へ続くきみとの約束はいつも懐かしい何をしていても何処をさ迷っていても世界も、時も、未来へと向かっている僕らが描こうとした場所へきみが求めた時間へ沈黙のまま時は進んでいる出会えた今日にただ「ありがとう!」といつか、そう言えるように心でそっとつぶやくよきみには聞こえているだろうけどぼくが隠した弱音もきみは帰ってこないかもしれないけれど過去のきみが今日の僕を支えていて明...

  • 空への落下

    あなたがいなくなったなら屋根に上って見送るわたしは初夏の空を見上げるわたしは積乱雲に想い躍らせあなたの気持ちを推し量るでしょう「わたしがいなくなったなら黄色のパステルをどうぞ海へと投げてくださいわたしのこころを」ああ、そうともきみは黄色の魔術師だった小皿の水が空っぽになって餌が殻の山になったなら空いた窓から木を見上げ風をいっぱいに吸い込んで体に流れる気流になって肩甲骨に風を感じてさよならを告げるの...

  • 夏の憧憬

    静かに寄せくる波の手と心に寄せる潮騒の忘れもしない夏の日は砕けた鏡もきらきらと見渡す限りの波模様文を運ぶ風の郵便は屋根の上をくるくると坂の道をひらひらと空へ誘われ舞い上がる海へ誘われ流れ飛ぶ夏の陽炎はここそこに過ぎて戻って失われ泣いて笑って洗われてきみの時は止まったままでわたしの時は流れるばかり空に浮かぶは雲ひとつ瞼に浮かぶは笑みひとつ至る歳月の時雨どき見返す浜は夏の幽玄(ゆめ) 廻る季節は夏の羽...

  • わたしはもう…

    わたしはもう…そういって消えたきみのことをぼくはずっと考えていたカーテンに届いた光は今日の町を照らしているにちがいない出勤の人たちが一番電車に急ぎ道へと踏み出している頃ぼくは温もりから起き出しカーテンを開く一台の車が向かいの道路を走り去る走り去る走り去る町が、空が、人が、時間が圧倒的な過去になるわたしはもう…、きみの言葉は後ろからやってくるそして心臓の中にとどまる深く重くわたしはもう…笑ってそう言う...

  • 私とワタシの出会い

    別れは多くあるけれど出会いはただひとつだけ私とワタシが出会うことひとは心の状況をつくるためにやってくる好きと嫌いが立ち替わり愛と憎しみ私があなたに出会ったとき私はワタシと出会っている私があなたを愛したとき私はワタシの愛を見つめている心よ 動くでない   私はワタシを生きるためにやって来たのだから想いは消えてゆくけれど記憶はどこかで整理され永久に漂う時空もある偽りのない生こそが失ったものを元へと還す...

  • 埋められぬもの

    ぼくの胸にはすき間がある楽しみも、悲しみも、笑いも涙も、そのすき間へ引き込まれていく日々大きく口を開いてぼくに求めてくる何かを達成しようと誰かに傷つこうともった先から手のすき間に落ちるどんどん どんどん 落ちていく落ちた先にはあるものは?残ったぼくは時を止めた幽霊?生い立ちも、知り合いも、自分の名前さえぼくの中からすっぽりと抜け落ちこの現実から、社会から、世界から取り残されて中身のなくなった空蝉は...

  • new world

    目標を達成して賞賛されるそれがお前の求めていること?選ばれたポストや報酬に預かるそれがお前の求めていること?自然はあるがままの道を行く人間の賞賛もポストも報酬もない地球も太陽も摂理の中を行く自分自身であることに輝き自分自身であることに前向きに強く また儚い命のように絶妙な結びつきに自らを顕す人間にだけ栄光があるわけではない人種による国は確かに多い…けれど地球は宇宙に浮かぶひとつの国 ひとつの社会 ...

  • 日暮れの櫂

    静かな日暮れの眼差しが遠い空から降りてきて町いっぱいに降りてきてこころに隠したさまざまを東の海へと連れ去った影の尾っぽは するりする切り絵の浜の影芝居こころに灯火を当てたなら身体を透かして覗いたら今日は軽くなるだろか?こころは軽くなるだろか?色のにじんだ風の川街はりゅうりゅうと流れている海色の大気に浮かんでいる海で過ごした過去世にしぶきも鳴き声上げているいつか忘れ去る今日の日を遠い未来から思い出し...

  • ぐるりめぐる、ゆるりかこむ

    はなのかすみのさらさらとおしろいなでる風の手はラマンの熱きもどり橋見下ろす水面は日暮れ空昨日も今日も また、あすも初恋の月を待っているぐるり 巡るぐるり 囲むぐるり ぐるりあなたはわたしの指を取るばかりもたれる胸もなく木立のならいはずきずきとあかねにささる釣り針は口唇も妖しきシェイプオブ見上げた夕闇の砂浜はあすも明後日も また、いまも初夜の星を溶かしているふるり 震えてふるり 疼いてゆるり ゆるり...

  • まっすぐ帰っていく

    いつも待っているポーチを灯台に変えて明かりを灯しているたとえ 疲れを引きずっていてもたとえ 惑いの泥に沈んでいても今日一日とは瞬間を重ねる心の技きみの待つホームへとざわめき 空渡る鳥の群れのように踊る翼を夕空にはためかせてぼくは今日も帰っていくひかりはきみのモノローグかげはぼくのダイアローグうかんで うかんでながれて ながれてなまえも過去もすっかりきえて命のほのおは夕陽と燃え尽きる夕闇のとびらのそ...

  • 一輪の花は

    一輪の花は土に育てられている一輪の花は太陽に育てられている大気を全身で取り込み襲い来る風に根を鍛え芽を叩く雨の中を泳ぎその顔を上げ その手を伸ばし夜を生き抜き 昼をたたかい生きる姿勢に守られ何よりも一輪の花は自分に育てられている自分自身の生命力が思いが 光りを感じる芽が繊細なまでの毛根に育てられている感受性の豊かさと成長の紆余曲折を辿り花は花に生まれた自分へと育つ見えぬこころを尽くし語らぬことばを...

  • 今日も陽は暮れる

    今日も陽は暮れていく何ができただろう?何をしようとしたのだろう?小さなちからを信じて小さな一歩を信じて今日も陽が暮れていくまたあしたまたあしたきみに届くかな…生きることは時に辛くて為すことが悲しくなって何をしているのかを誰かに尋ねたくて誰かを信じたくて命の電池は今日も切れていくまたあしたまたあしたきみの前に立てるかな…今も明日を思っている明日には何ができるだろう?日々を受け止めるだけなのに小さな思い...

  • 死の行進

    創造の天から 楽園から すべてのものがただ落下する夢の絶壁から 現実の突端から落下する僕はレミング無意識の力に先導されて仲間と共にひた走る 集団で坂を一気に下る足元が無くなるその時まで夢中で公道を走っている時間に急ぎ 生に急ぎ 死に急ぐさようなら さようなら 現実とは一瞬の別れです永久の別れです世界に魅せられたときから決別はすでにあった愛がある理由とともに さらには希望を持つ理由とともに太陽は遠く...

  • 花霞 Mirage Cloud

     桜の季節。早朝のこと。町一面が靄の湖に沈んだようになる時がある。ビルの三階以上や高木の梢がぽっかりと靄の上に浮かんでいるのを目にする。とても神秘的な風景。私の好きな朝だ。でも、満月の日の朝に限っては不可解きわまりない現象に出会うのだという。昔からこの町ではMissing day、いわゆる神隠しの日として知られている。まだ人伝てにしか聞いたことがないが、毎年誰かがいなくなる。去年は三人だそうだ。そう聞いた。...

  • 海亡き

    浜通りの道を歩いていると、海鳴りにまぎれて泣き声が聴こえてきた。最初は猫でもいるのか、あるいは海鳥の声かとも思えたがどうも違うようだ。私の聞き間違えでなければ人間の声なのである。はて、どこから聴こえるのだろうと耳を澄ますと、泣き声はひとつだけではない。あちらこちらから重なって、また増幅され、まるで海全体が泣いているように思えてくる。立ち止まって海を臨むと泣き声はさらに高まってきた。おおぉーん。おお...

  • 夏游 妖精辞典余話

     ずいぶん久しぶりに祖父の家を訪れた夏の日のことである。祖父は数年前に亡くなっているが、祖母はいたって元気である。姫神村という名前のせいか女性はみんな長生きをしている。田舎の空気を吸いたくなって何年ぶりかの夏期休暇をとった。気分転換に最適だと思って訪れた矢先、夜のひやりとした大気に一晩で夏風邪をひいてしまった。澄み切った大気に風邪をひくとはだいぶ都会で汚れちまったようだと我が身を笑ったが、祖母は驚...

  • 風魂 ビート

    「お前の出席は無駄に皆勤賞なんだがな」教師はそう言って俺の頭を叩いた。小学生の時だった。以来、高校生になるまで一度たりとも学校を休んだことはない。でも遅刻はしょっちゅうだ。必ずといっていいほど電車乗り遅れる。「なんでそう覚えが悪い。直す気がないのか?」そういわれても、なんで時間どおりに動かなくてはならないのか、と逆に思ってしまう。遅れることにはその「時間」というやつがかかわっている。俺の家は父の時...

  • 今日は美しい風

    今日はきっと素晴らしい日季節の陽光(ひかり)が私の背を押して歩く地面を撫で陽空に泳ぐあなたたち わたしたち明日に嵐が待っていようと先に道が失くなっていようと今日に生き 明日に死ぬその素晴らしい昼の高さに飛びその素晴らしい夜の深さに眠る私は私の生と死とひとつのもの地球に立つ人、樹のように今日は私が太陽に見つけられた日風に触れられた日雨に話しかけられた日陽光を交差するあなたたち わたしたち過去の汚れを洗...

  • オリヒメ

    わたしの手には一本の生糸がある。生糸は空中から手に降りていて、どこにいようとずっとそこにある。母の子宮にいるときからあったのかもしれない。と考える。誕生した後は臍の緒は切られてしまうけれど、糸を切る者はいなかったのだろうか、と思う。でも見えているのは自分だけと知ったのは何歳の頃だったろうか。きらきらと光に反射する糸はどこか遠い空からわたしの目の前に降りている。「この子は泣かない子だね」父がそう言っ...

  • 雨上がりの空へ

    1993年土曜。九月も遅い週末の四時前だろうか。仁輪加町の東区にある公園に差し掛かった頃のこと。それまで晴天だった空から急な夕立雲が張り出した。直後!一瞬、あたり一面が淡い水色のドームに包まれると、そこら中を走り回る雨人の靴音が聞こえた。耳を澄ますとどうも靴だけではなさそうだ。シューズにサンダル、長靴の音も聞こえる。雨の一粒には遠洋だけではないどこかの町の日常風景の一コマが詰まっている。色も匂いも、音...

  • 水瓶座の暁―四、コードチェンジ

     透けた足下に波が何度も寄せる。振り返ると町だったものが子供のおもちゃ箱のように散らかり、ビルも数々の家々も、白い病院も傾いている。これはまぼろしか?……現実は体内にあった。現実は内側深くに玲那の歌が聞こえていることだ。足元に寄せてくる波に触れると一層強く聴こえる。自分を呼んでいるだけではない。玲那は近づいてきている。これは誘いの歌だ。セイレーンの歌だ。海へ向かって一歩踏み出したとき、似た波しぶきの...

  • 水瓶座の暁―三、啓示

     いいかいエラ。キリストさまが象徴だった魚座の世紀は過ぎてしまった。今は水瓶座の世紀さ。水瓶座の世紀は空も、海も、大地も、もちろん人間も動植物も、大きな一つの水瓶の中にあって混沌とした波の中にいるようなもの。ひとつになった全体の中にね。そういう世紀だ。世界全体の立てる音が揺れ動き、動きそのものが干渉し合い、さらに無限の波を生む。ありとあらゆるものが境界をなくし浸透し合っている。人は過剰な欲望の好き...

  • 水瓶座の暁―二、よみがえり

    世界中に洪水の神話伝説がある。同じように大陸移動が緩慢な時期と、短い周期で急激に変化する時期がある。先カンブリア時代からデボン紀に巨大な面積を南半球に誇っていたゴンドワナ大陸が、恐竜時代の三畳紀には北半球にも広がりパンゲア大陸となった。そしてつづく中生代のジェラ紀にはパンゲア大陸はゴンドワナとローラシア大陸分裂し様々な島が出来上がった。そうした島々では動植物の同種交配による独自の進化が生まれ、白亜...

  • 水瓶座の暁―一、黎明

    「こわいよ。こわいよ」「エラ。どうした」「氷が溶けたら出てくるよ。悪いものが出てきちゃうよ」氷だって……この永久凍土の下に何があるって言うんだ。確かに温暖化で氷は溶け出し、凍土の泥の中からは骨が発見される。その回収と調査が済めば開拓する土地も増える。それは喜ばしいことだ。村の者達も新たな開墾地を求めている。温暖化もここに暮す者にとっては歓迎されている。かつての渡り鳥のような生活は今ではもう出来ない。...

  • 金の風と銀の川

    ひとしきり雨粒落ちて跳ねた光は風の中陽の差す金の風の中浮かぶ風船は屋根の上転がる先から屋根の端鳥につつかれ葉の舟に人魚に引かれ金の水面を泳いで なぞって 文字を書きあなたの声は静かです今日も明日も静かですそれはこころが静かだから欲望に無関心だからむなしく輝きを放つからです希望がです 未来がです 人生がです時間が光を放つのです雨上がる道は銀の川歩くよりは泳ぐように泳ぐよりは流れるように流れるよりは浮...

  • 祭りの夜  「石読祭」紗夜の刻

     …紗夜さんは静かに紅を差す。真白な肌に紅を引く。眉間に紅の印を入れて、結い上げた髪を簪(かんざし)ならぬ護符の札でとめる。左右に晴明紋が入った黒地の紋付を羽織り、白色の足袋を履いた。紗夜さんの凛とした佇まいはどこかしら人形を思わせる。それとも血の気のない死人であろうか。見ていると、ああ、こころのどこから沸き上がってくるというのか、戦慄の底から何やらぬるりとした冷たいもの這い上がってくる。畳に落ちて...

  • 祭りの夜 「石読祭」前夜

    『鳥居出てにはかに暗し火縄振る (日野草城)』 生まれ育った庚申町にはある祭りがある。石読祭というのだが月読から来ている。と聞いた。調石(つき)神社にまつわる祭りだが、ちょうど中秋の名月の頃に開かれる。ただし、そう聞いているだけで祭りの本当の姿というものは生まれてこのかた一度も見たことがない。あの日までは。とはいうもののやはり祭りである。祭りには形式的に出店が出る。子供の頃には夜店に友達と出かけたもの...

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