2024年秋秋は果実の季節ていねいにやさしくひとつひとつに袋掛指先にひたすら母心袋掛
先達の秀句を味わいながら<br>自得の一句を求めて多作多捨です<br>古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です<br>
古希近くからの俳句入門 たくさん作ってたくさん捨てる、ついでに恥もたくさんかく これをずーっと続けています
誰もいない深夜の家路への舗道コツコツと乾いた靴音が歩調に遅れがちについてくる他人のように不気味に感じ足早になる星冴ゆる他人のように靴の音丈子
冬の鳶は孤高の怪鳥のようだ怪盗李流伴を連想した冬の鳶怪盗ルパンは黒マント丈子
炉端、火鉢など家族が囲む団欒の一刻炭火を継ぐ間はだれもが沈黙して見守るこの一刻が家族愛炭継ぎの沈黙の間がものを言う丈子
悄然たる気分であったが熱燗をひとえい酌んでると少しだけ頑張れそうな気分になってきた熱燗や頑張れそうな気の少し丈子
家人といても所在なく冬の日向でのひとり時間さびしさはどこにいてもついてまわる冬日向ひとりが好きでさびしくて丈子
第一句集「裂帛」自選大根の器量がなんとも悪い性悪な強情は私に似たのかも性悪な強情ぞろい泥大根丈子
蟷螂が枯色で死んだように眠っているがよく見ると既に死んでいるこんな往生な最高だ枯蟷螂死んだふりしてそのまんま丈子
日本海に面うる寺泊に行ったのは8年前の1月横殴りのの雪の中の市場で熱い酒を飲んだ時の即吟北国に風雪という一人称丈子
冬のあたたかい日差しの中を嬉々とし声をあげて双子さんが通るなんとも可愛い双子用の乳母車である冬あたたか双子じたての乳母車丈子
現代俳句協会インターネット句会2023.11.20〇中の数字は選句された票数☆の文章は選句者の選評32回会員限定投句3句豊の秋胎を蹴る子の自己主張④総合6位☆・米の稔りと胎児の誕生を結びつけた発想がみごと。(無円)無為徒食敬老の日のふた寝入り⓵☆・無職78歳の私の生活です。確り食べ、確り運動し、確り眠りましょう。(芭行(バイク)侘助や他人行儀の慎ましさ⓵40回両句会参加自由フリー句会投句2句空蝉や自画像多き無言舘⑤総合6位タイ☆季語が似合っている。(帆村帆里)律の風行方知れずになる心地②☆言い得て妙。って言いたいのですが、片や、悲しく切ない思いが詰まり心に迫ります。(直井あまね)今回は両句会ともに選が入り無六点句はなかった総得点数も⑬は嬉しいそれぞれの句会で1句が6位タイを記録した現代俳句協会インターネット句会2023.11.20
第15Y結社全国通信句会2023.11.15今回が15回目となるY結社の全国通信句会参加者は18名5句出句の総数90句出句者の互選8句(内特選1句を含む)持ち点は9点高点句⑤以上ベスト10位タイは下記のとうり51山霧を吸って正面から老いる美絵選/910三島忌の切火のような冬の薔薇伶選/972淋しい象啼いて寒月みがきたる葉月選/839荒髪の白鳥守にならなれる公子選/787どの星も砕ける定め日記買うたけし選/7☆浪岡この地球はもとより、おそらくどの星にも最後が来る。人間もしかり。死なない人間はいない。だからこそ、消えて行くものを少しの間でも留めるために、私たちは日記を書き、俳句を作るのかもしれない。何だかそのささやかな行為が愛しく思える。☆川森宇宙的な、あるいは自然法則からすれば当たり前のことを、なにか人倫の...第15Y結社全国通信句会2023.11.15
宿坊の朝真赤な実がいっぱいの万両の庭赤ひげの修行僧が朝の作務に勤しんでいた赤ひげの学僧の作務実万両丈子
今にも雪が降りそうな曇天と寒気音も色も消えて無声映画の待ちのよう雪もよい無声映画のように街丈子
見事に大きな自然薯である山間の野菜直売所にでんと座しているマンモスの小骨かと見まがうほどだマンモスの小骨と紛う山うなぎ丈子
酒の勢いでつい本音を言ってしまう気持ちは分かるがちょっと早すぎる後悔してもしらないぞ熱燗やのぞく本音の早すぎる
手を温めるための懐手だが時にむっくり起き上がる腹の虫をなだめる役目も担う腹の虫起こさぬための懐手丈子
女性だけの家に男ものの履物と傘があるヌッつと思ったが防犯用だと知った役に立つのだろうか花八手女世帯の男下駄丈子
川べりのおでんの屋台寒空に温かいおでんと熱燗ほどよく酔っては客同士の激論勃発どれも正論どれも生煮え正論はどれも生煮えおでん酒丈子
寒気に咲く季節に抗う狂い花その彩が鮮やかなれば重い哀しみ彩あればあるほど哀し狂い花丈子
異常気象も常態化して被災地は対岸というわけではない災害塵に車椅子冬ざるる季節悲痛な哀れが目の当たり冬ざるる災害塵に車椅子丈子
人を待つ駅頭曇天の寒空ゆっくりと流れる時間が重たい駅頭に重たい時間寒の月丈子
大きな声とともに冬の海に石を投げていた青春があった挑む・抗らうそして憤る声ありつたけ冬波に石つぶて丈子
来し方にはたくさんの山谷があったがここまできて振り返れば大凡たいらだくるりと表皮を剥く衣被を取り合わせてみたふりむけば大凡たひら衣被丈子
来し方にはたくさんの恩人がいるがどれもなおざりでどの恩にも報いることはないその罪の咎めが怖い龍渕に潜む旧恩のなおざり丈子
帰燕の巣のある駅のホーム待合のベンチに中学生による小さな座布団がとりどりに並んでいる秋燕や駅のベンチに小座布団丈子
来し方にはたくさんの忘れ物がある物質もあるがそれ以上に野心・純情・闘争心・向学心もう探しても叶わない鰯雲もうさがさない忘れ物丈子
県内では益子焼の陶器市が行われる陶器を束ねてある紐を鎌で切る様子を見た天高し鎌で紐切る陶器市丈子
ファーブルは昆虫博士こおろぎの幼虫が博士の背中ではしゃいでいるファーブルの背中にまわる鉦叩丈子
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2024年秋秋は果実の季節ていねいにやさしくひとつひとつに袋掛指先にひたすら母心袋掛
2024年冬踏切の警笛がなかなか止まない長い貨物列車が轟音と共に通過する行く手にはそれは見事な冬の満月まっしぐら冬満月に貨車の列丈子
2024年冬なにくそと思ったひとことが今は亡き父のひとことをかみしめる寒空にこうこうと満月じわじわと父の父のひとこと冬満月丈子
2024年秋秋の風雨に晒されて無惨な破れ蓮の姿池の辺の老いた己をみる思い敗荷や誰とも会わず口きかず丈子
2024年秋木の実が落ちる晩秋厳しい冬への備えを促すようだ限りある余生にまたひとつの句読点とも木の実降る年ごとに負う句読点丈子
2024年秋三回忌までは月命日の墓参をこころがけている今年家族の不幸があった墓参にさわやかな萩の風をいただいた萩の風月命日がまたひと日丈子
2024年秋謝る相手はもう彼岸手遅れの謝罪は意味がないさがしてる謝るあいて穴惑い丈子
2024年秋人面のように大きい朴の葉が音もなく地に落ちてくるが一枚一枚それぞれの決断で枝を離れるようだころあいと個々の決断朴落葉丈子
2024年秋1室だけの和室の障子を張り替える糊の刷毛の「凹みにほっとする懐かしさを感じる障子張る刷毛に憶えの凹みかな丈子
2024年秋火葬を待つやるせない時間荼毘の白煙が秋雨にけむるのをみている秋雨にほそくかすかに荼毘けむり丈子
2024年秋釈然とはしなかったが否応もなく退院だと言われた固く閉ざされた一文字の口元に笑顔はない退院の口一文字秋の暮丈子
2024年秋丈子産卵のための川下りだが簗は人のエゴの営みいくばくかはそれを逃れ性を全うするいくばくか逃れる鮎も下り簗丈子
2024年秋「今日の菊」は重陽の子季語老いても夫婦は生涯かばいながら二人三脚かばいあう二人三脚今日の菊丈子
2024年秋「今日の月」は重陽の子季語生涯は夫婦の二人三脚老いてもかばいあいながらも生涯は夫婦の二人三脚かばいあう二人三脚今日の菊丈子
2024年秋新酒の前の長広舌は辟易だが店の主の好々爺然の笑顔は諾新走り長広舌の笑い皺丈子
2024年秋失念していた書棚の奥の奇書悪書始末に思案する秋灯下秋灯下家人の知らぬ奇書悪書丈子
2024年秋刺す力はもうないのに寄って来る生き残りの秋の蚊を打つ残り蚊の刺す気のなくて刺す気配丈子
2024年秋空家に目立つ看板ForSale」庭にたくさんのコスモスが咲き乱れている「ForSale」我が物顔のコスモス丈子
2024年秋秋鯖の美味は口説無用説明も講釈も邪魔だまって食わせてくれ口舌無用秋鯖に舌鼓丈子
2024年秋朝の爽やか涼気に深呼吸して四股を踏んでいたさやけしや深呼吸して四股を踏む丈子
2024年夏この長考がが身を助く自然界には生きる知恵がたくさん長考の踏み出す一歩かたつぶり丈子
2024年夏本心の吐露は生涯あらずこんな頑固を容にす捩花の生涯とおす自己欺瞞丈子
2024年夏孫たちの嬌声がなつかしい車庫の片角に三輪車もうごみでしかない三輪車青梅落つごみでしかない三輪車丈子
2024年夏鎌倉建長寺庭園からの新樹の香そこへの床の艶が陽に揺れていた新樹香踏み艶揺るる建長寺丈子
2024年夏古刹の杜に芭蕉翁の句碑がある思わず手でその文字江尾んぞったなぞる手に翁の言霊木下闇丈子
2024年夏気取ったつもりのサングラスほうれい線のよく目立つサングラスあえてくっきりほうれい線丈子
2024年夏八十路ともなれば半分は生身魂来し方に蛇行の軌跡がはっきりとうかぶをちこちに蛇行の軌跡生身魂丈子
2024年夏中年を過ぎると頤に半生が刻まれるこれからの半生が重なっていくおとがいが語る半生半夏雨丈子
2024年秋「ともしび」に入り浸りの少年後期ラストソングの後の帰途空の星を語り合っていた青春二つ星歌声喫茶の青春丈子
2024年夏六足のあめんぼう一足一足にそれぞれの意思とと役割一足に足の意思あめんぼう丈子
2024年夏夏日の大きな南風に吹かれると遠祖のプテラノドンの羽の名残り肩甲骨が落ち着かない大南風(おおみなみ)疼く遠祖の羽の痕丈子
2024年夏横浜中華街夏の賑わい客の呼び声が交錯している汗の呼び声原色の中華街丈子
2024年夏夏山のトレッキング獣道に百選の名水を示す矢印なんたる至福矢印に百選の水雲の峰丈子
2024年夏心太を前にだれもが撫肩元無頼派も例外ではない無頼派もここは撫で肩ところてん丈子
2024年夏蟻地獄の見事な傾斜角が安息角であると知った自然界は人知の及ばぬ天才ぞろい蟻地獄安息角を識る英知丈子
2024年夏鎌倉遊行に海を臨む切通しおりからの黒南風に吠えるような濤声を聴いた黒南風や濤声たかき切通し丈子
3024年夏炎天を逃れて駆け込んだ閻魔堂だったが炎帝は先回りしていたここも暑い炎帝を逃れ入りたる閻魔堂丈子
2024年夏青田からの風が心地良い車椅子にも不自由は感じない青田風もう三年の車椅子丈子
2024年夏少年期に蟇の長い行列を観たその謎がいま解けた冬眠の覚めた蟇蛙が一斉に池へ向かう途中だったリロケーション黙ののそのそ蟇の列丈子
2024年夏首塚の由来は万別だがどれにも固有の恩讐がある首塚の恩讐はるか黒揚羽丈子