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古希近くからの俳句入門 たくさん作ってたくさん捨てる、ついでに恥もたくさんかく これをずーっと続けています

ブログタイトル
竹とんぼ
ブログURL
https://blog.goo.ne.jp/take10nbo
ブログ紹介文
先達の秀句を味わいながら<br>自得の一句を求めて多作多捨です<br>古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です<br>
更新頻度(1年)

297回 / 365日(平均5.7回/週)

ブログ村参加:2019/03/30

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ハンドル名
小林たけしさん
ブログタイトル
竹とんぼ
更新頻度
297回 / 365日(平均5.7回/週)
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竹とんぼ

小林たけしさんの新着記事

1件〜30件

  • 河豚食うて佛陀の巨体見にゆかん 飯田龍太

    河豚食うて佛陀の巨体見にゆかん飯田龍太殺生と信仰鍋を食って温まって寒風の中へ句意には既知もある龍太俳句には珍しい生活感のある日常も作品だ(小林たけし)【河豚汁】ふぐじる◇「ふぐと汁」◇「ふぐの宿」◇「てっちり」◇「河豚ちり」◇「てっさ」◇「河豚鍋」(ふぐなべ)河豚には猛毒が含まれるが、これを除けばほとんどが食べられる。冬を代表する高級食材であるる。河豚を「鉄砲」呼んだことから、ちり鍋にしたものを「てっちり」という。江戸初期からの調理方法とされる。例句作品てのひらのいとしきいのち放ちふぐ滝口みのるふぐ刺身絵皿となりて白光す小林萬二郎フグ釣れて戦艦ムツの忌の日なり岩下四十雀人事と思ひし河豚に中りたる稲畑汀子寒風に吊し干せる河豚の皮鈴木恵美子捨てし河豚小石を噛んでいたるなり中村和弘河豚入れて土鍋大きくふくらみぬ石川利...河豚食うて佛陀の巨体見にゆかん飯田龍太

  • 小雪の箸ひとひらの千枚漬 長谷川かな女

    小雪の箸ひとひらの千枚漬長谷川かな女小雪の箸ひとひらの千枚漬二行詩のような表意に納得余計な言葉、説明はいっさいないのが良い(小林たけし)小雪(しょうせつ、せうせつ)初冬【解説】二十四節気の一つ。陰暦十月の節。陽暦では十一月二十二日頃にあたる。降雪が見られることもあるが、まだ大雪にはならない。例句作者小雪や実の紅の葉におよび鷹羽狩行小雪のいただき以下を略す富士細川洋子海の音一日遠き小春かな暁台小雪の朱を極めたる実南天富安風生小雪やいよいよ白き竹の節安部紀与子小雪や月の夜干しの白野菜細木芒角星小雪の箸ひとひらの千枚漬長谷川かな女

  • かくれんぼ三つかぞえて冬となる 寺山修司

    かくれんぼ三つかぞえて冬となる寺山修司修司ならではの句といえようか三つ数えている間に冬になったしらぬまに季節、生活、環境が変わっているその変容はみな怖いものばかりとまどいと焦燥、悲哀までもが読み取れる(小林たけし)季語冬本格的な冬は一月二月でしょうが十一月も終わる頃、気温も下がり、野の草木の枯れが目立つようになります冬単独を季語として読むことは難しそうだ例句作者*蝋燭のぢりぢり冬の吾亦紅藤城一江Uターンしてから冬の広がれり山口木浦木「冬の貨車は重い」機關士夜を徹す鈴木六林男いまごろになって恋する冬林檎田付賢一かくれんぼ三つかぞえて冬となる寺山修司くづれずにくづるるばかり冬薔薇加藤瑠璃子くらがりに歳月を負ふ冬帽子石原八束くらやみ坂おいはぎ坂も冬の貌野木桃花くりからもんもん冬の金魚は逆立ちに穴井太こいんろっかーのよ...かくれんぼ三つかぞえて冬となる寺山修司

  • 健忘症なれど物知り生身魂 たけし

    健忘症なれど物知り生身魂たけし朝日新聞栃木俳壇石倉夏生先生の選をいただきましたじじいじは何でも知っている孫たちにこう思われていたこともあったが最近は大丈夫?と怪訝な顔をされることもある生身魂賞味期限切れの老獪を認めるほかはない川柳ぽくなってしまったが偽りのない心境だ健忘症は精いっぱいの矜持、認知症とは言いたくない健忘症なれど物知り生身魂たけし

  • 一茶忌や父を限りの小百姓 石田波郷

    一茶忌や父を限りの小百姓石田波郷ひなびた日本の原風景をこよなく愛した一茶作者の前に広がる田園この先祖から受け継いだ田園も父の代で終わるしみじみと述懐する(小林たけし)【一茶忌】いっさき陰暦11月19日。俳人小林一茶の忌日。1827年没。享年65歳。俗語・方言を多用した作品により庶民的人気を得ている。『おらが春』『七番日記』等がある。例句作者一茶忌やふかぶか掘りし葱の畝安住敦焼栗の爆ぜて一茶忌近うせり吉田鴻司一茶忌を忘れずゐたる葛湯かな森澄雄お手玉からこぼれる小豆一茶の忌山崎冨美子かけ違ふぼたん直すや一茶の忌関和子一茶忌やいつもの雀路地に来る大友渓水一茶忌や朝の蜘蛛の子見逃しぬ岡林三枝子一茶忌や窪みもどらぬ旅しとね澁谷道人生に紆余曲折のあり一茶の忌関和子一茶忌や父を限りの小百姓石田波郷

  • 鬪はぬ安らぎがあり冬の蜂 丸茂ひろ子

    鬪はぬ安らぎがあり冬の蜂丸茂ひろ子冬蜂は闘わないと作者は断定している生きることそのものが闘いというのだろう人も同じだ余生をおくる我らの安らぎはもう闘わないところにある(小林たけし)【冬の蜂】ふゆのはち◇「冬蜂」◇「凍蜂」蜂は交尾後、雄は死んで、雌のみが越冬する。暖かな日差に誘われて、花などに来ているのを見ることもある。瘠せて弱々しく歩いている。それが冬の蜂である。例句作者名こときれる冬蜂ひとつまみの火薬守谷茂泰ふわふわの黄金であり冬の蜂高野ムツオ冬の蜂ころび無傷の空のこす大中祥生冬蜂に琥珀の日向ありにけり守谷茂泰冬蜂の死にどころなく歩きけり村上鬼城和讃額ひそみていたり冬の蜂佐藤裟千子欲望の芯のささくれ冬の蜂田中亜美白壁に冬蜂われらは印象派足利屋篤鬪はぬ安らぎがあり冬の蜂丸茂ひろ子

  • 煮凝は太古の呻き洩らしけり 杉田桂

    煮凝は太古の呻き洩らしけり杉田桂なんとも大仰なと思ったが何億年もの歳月を経て進化してきた魚類である生殺与奪の果て骨の髄までしゃぶられる呻きともまた歓喜の雄たけびとも(小林たけし)【煮凝】にこごり◇「煮凍」(にこごり)魚肉を細かくして、寒天やゼラチンを加え固めた料理。本来は寒気により魚などが煮汁とともに固まったものをいう。例句作品とばつちりとは煮凝りのなかの氣泡金子野生にこごりは両性具有とよ他言すな金原まさ子別品の鯛の煮凝り鞆の浦大田康夫十分に大事にされたか煮凝前田弘煮こごりや魚の泪を閉ぢ込めて岡本久一煮凝に島のどんぞこゆうらゆら松澤昭煮凝に老いの繰り言聞き流す田口青江煮凝やいつも胸には風の音石原八束煮凝は太古の呻き洩らしけり杉田桂

  • 炉びらきや雪中庵の霰酒 蕪村

    炉びらきや雪中庵の霰酒蕪村俳人服部雪中の庵を訪ねた蕪村の句霰酒をふるまわれたのだろう雪の夜何を語ったのか、絵になるような光景だ(小林たけし)霰酒とはあられ餅を、焼酎 (しょうちゅう) につけて干すことを数回繰り返してから、みりんの中に入れて密封・熟成させた酒。奈良の特産。みぞれ酒。《季冬》「炉びらきや雪中庵の―/蕪村」炉開(ろびらき)初冬【子季語】囲炉裡開く【解説】冬になってはじめて炉を使うこと。茶道では風炉の名残の茶会のあと、陰暦十月初旬の亥の日を選び風炉を閉じて炉を開く。例句作者炉開きや左官老いゆく鬢の霜芭蕉「韻塞」炉開きやまだ新宅のみなと紙許六「俳諧曾我」炉びらきや雪中庵の霰酒蕪村「蕪村句集」炉開に一日雇ふ大工かな正岡子規「子規句集」名聞をうとみて大炉開きけり日野草城「花氷」炉開けば遥かに春意あるに似たり...炉びらきや雪中庵の霰酒蕪村

  • 鰤起し月の転げる日本海 たけし

    鰤起し月の転げる日本海たけし第5回NHK誌上俳句大会(2020.11.02)題詠「本」部門夏井いつき先生の選をいただきました雪見吟行で新潟寺泊へ行った際のホテルから眺めた夜の日本海波間に月が大きく揺れていました冬期の月と風そして海を詠みたかったのですが「鰤起こし」の季語を知り一句になりました鰤起し月の転げる日本海たけし

  • 荒うちわ子の正論の丁寧語 たけし

    荒うちわ子の正論の丁寧語たけし第5回NHK誌上俳句大会(2020.11.02)掲句が岩岡中正先生、夏井いつき先生の選をいただいたいずれも佳作で秀作には届かなかったが6人の選者のうち2人の選をいただいたのは嬉しい子供が生意気にも親に意見する反論できない正論である論旨に異論はないのだが何故か素直になれないいつもと違う言葉遣いも気になる手にした団扇の音が早く激しいのは何故だ荒うちわ子の正論の丁寧語たけし

  • 窯出しの振り向くたびに花八手 花房八重子

    窯出しの振り向くたびに花八手花房八重子こおした句意も表現も平明な俳句に出会うとこころが和んでくる作者の心の高ぶりまで迫って感じられる花八手の取り合わせはきっと実景だろうと思う(小林たけし)八手の花(やつでのはな)初冬【子季語】花八手、天狗の羽団扇【解説】ウコギ科の常緑低木。暖地に自生するが、庭木としても植えられる。初冬、小さくて細かい黄白色の花を鞠状にたくさんつける。一見地味な花だが天狗の団扇のような葉ともあいまって、力強さも感じられる。例句作者たくましく八手は花に成にけり尚白「孤松」花咲いて不調法なる八手かな三津人「発句題叢」タンカーに糞神ありや花八つ手河野輝暉窯出しの振り向くたびに花八手花房八重子窯出しの振り向くたびに花八手花房八重子

  • 間合い良くときに独唱百の虫 たけし

    間合い良くときに独唱百の虫たけし朝日新聞栃木俳壇石倉夏生先生の選をいただきました投稿は1ケ月ほど前なので虫の声がほとんど夜通し聞こえていましたコンダクターのタクトのあるごとく時に絶妙な間合いで独唱があります合唱も悪くはないが耳をそばたてて聞きほれます間合い良くときに独唱百の虫たけし

  • 空気にも起伏のありて尾花かな 小宅容義

    空気にも起伏のありて尾花かな小宅容義作者は芒の穂が揺れるのをみて空気の絶え間ない流れを空気の起伏のためだとととらえた(小林たけし)【枯芒】かれすすき◇「枯尾花」◇「尾花枯る」◇「枯萱」(かれかや)◇「萱枯る」◇「芒枯る」◇「冬芒」◇「枯薄」木枯らしの吹く頃、ススキの穂から次々と穂絮が散って舞う。残った立ち枯れのススキは、あちこちで寒風に曝され、哀れでわびしいものがある。例句作者枯れ枯れて光を放つ尾花かな几菫美しく芒の枯るる仔細かな富安風生冬芒日は断崖にとどまれり岡田日郎水際の日に日に遠し枯尾花暁台枯すすき海はこれより雲の色平畑静塔枯すすき風吹けば子ら顕はるる高橋沐石わが頬にふれてあたたか枯芒山口青邨茅枯れてみづがき山は蒼天に入る前田普羅空気にも起伏のありて尾花かな小宅容義空気にも起伏のありて尾花かな小宅容義

  • 三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ 正岡子規

    三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ正岡子規閲はえつまたはけむ数える、読むの意子規にはたしかに「柿」を題材にした句が多いそこを俳句にしてしまうのも技か(小林たけし)干柿】ほしがき◇「串柿」◇「吊し柿」◇「柿すだれ」◇「柿襖」(かきぶすま)◇「柿干す」◇「枯露柿」(ころがき)渋柿の皮を剥いて日に干したもの。日に干すとだんだん白い粉を噴いて甘くなる。例句作者あとみよそわかつるりと逃げる柿の種鈴木雅子こだわりは一つでよろし木守柿勝村茂美ころがりてあかあか父の富有柿和知喜八そはつまり柿の音色と申します山下久代たわわなる柿の実にある倦怠期川辺幸一つり鐘の蔕(へた)のところが渋かりき正岡子規どこまでが夢の渋柿ころがりぬ中村武男ははが来る明き灯火に柿剥けば江中真弓べたべたの柿食べ夕日落ちし空櫻井博道ほめられて渋柿甘くなりました赤堀...三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ正岡子規

  • サンバに乳ゆれて難波(なんば)や文化の日 竹岡一郎

    サンバに乳ゆれて難波(なんば)や文化の日竹岡一郎サンバカーニバル半裸も文化と作者のニヒルな笑顔が見える(小林たけし)【文化の日】ぶんかのひ(・・クワ・・)◇「文化祭」◇「明治節」(めいじせつ)11月3日。国民の祝日。戦前は明治節とされたが、戦後、自由と平和を愛し、文化を進める日とされた。学校ではこの日を中心に文化祭行事がある。「明治節」は明治天皇の誕生日で昭和23年に文化の日となったが、戦前の人々にとっては特別に懐かしい日である。例句作者つつがなく目鼻耳口文化の日隈元拓夫イグアナの散歩をさせる文化の日本杉康寿ゴム毬に昔へそあり文化の日横坂けんじサンバに乳ゆれて難波(なんば)や文化の日竹岡一郎一条を一茶と読めり文化の日金子野生兄弟の理系文系文化の日石田香枝子児童画に元気を貰う文化の日安澤節子地下街に鮮魚鮮菜文化の...サンバに乳ゆれて難波(なんば)や文化の日竹岡一郎

  • 寄り道も我が道なりし酉の市 長谷川栄子

    寄り道も我が道なりし酉の市長谷川栄子酉の市往年の賑わいはなくなったが客と金をかきあつめるという縁起物の熊手を売手とと客が大声で値段を交渉する交渉成立では周囲の群衆も巻き込んで為政の良い手拍子が鳴り渡る三の酉まである年は火事が多いとされていた(小林たけし)酉の市】とりのいち◇「お酉さま」◇「一の酉」◇「二の酉」◇「三の酉」◇「酉の町」◇「熊手市」◇「おかめ市」◇「頭の芋」(とうのいも)◇「熊手」(くまで)11月の酉の日に行われる鷲(大鳥)神社の祭礼。最初の酉の市を一の酉、次が二の酉、そして三の酉と呼び、三の酉まである年は火事が多いとされる。東京浅草の鷲神社の酉の市は特に有名で、「江戸にて今日を‘酉の町’と号し、鷲大明神に群詣す」(『守貞漫稿』)と言われるほどの賑わいを見せる。参道には福をかき寄せる熊手などの縁起物...寄り道も我が道なりし酉の市長谷川栄子

  • スクワットもうワンセット秋高し たけし

    スクワットもうワンセット秋高したけし朝日新聞栃木俳壇石倉夏生先生の選を頂きました秋天のもと爽やかな大気のなかスクワットをしている今日は30回ワンセットをもうワンセットなんとも心身が爽やかだスクワットもうワンセット秋高したけし

  • ゆく秋のこれが吾とや水鏡 加茂達彌

    ゆく秋のこれが吾とや水鏡加茂達彌秋も深まり冬がそこまで来ているようなふと池にうつった我が影をみる「これが私」まさかこれが自分思ってもみなかったその変貌に驚く自分時間の余りにも早い速度にも驚く(小林たけし)【行く秋】ゆくあき◇「秋の果」◇「残る秋」◇「去る秋」◇「秋の別れ」◇「秋の行方」◇「秋去る」◇「秋過ぐ」秋の季節が終わること。秋を惜しむ感慨もおのずからこもっている。後ろ髪をひかれる気持ちが込められている語。例句作者たましいに遅れて杖の行く秋の橋本直ゆく秋のわが恋唄は朱鷺挽歌齊藤美規ゆく秋や流れのごとく帯を解き河野多希女ペンキ屋の行く秋を塗る作業小屋松原藤吉征く秋の君描く時間が五分ある濱田桐花秋がゆく画鋲の痕をふりまいて渋川京子秋行きて胸の空洞埋められず大谷房代行く秋の吐く息くちびるよりぬくし池田澄子ゆく秋のこれが吾とや水鏡加茂達彌

  • こざつぱり上りてゐたる十三夜 近藤栄治

    こざつぱり上りてゐたる十三夜近藤栄治十五夜とちがって迎える我らも上る月もそれほど構えずに小ざっぱり(小林たけし)【十三夜】じゅうさんや◇「後の月」(のちのつき)◇「豆名月」(まめめいげつ)◇「栗名月」(くりめいげつ)◇「名残の月」(なごりのつき)◇「女名月」(おんなめいげつ)陰暦九月十三日の月。陰暦八月十五日の仲秋の名月に対して「後の月」ともいい、月見の行事が行われる。枝豆、栗などを月に供えて祭るので、「豆名月」「栗名月」の名がある。また、最後の名月なので「名残の月」ともいう。醍醐天皇の月の宴からとも、宇多法皇がこの夜の月を無双と賞したことからとも言われる。例句作品うつ伏せに魚籠の乾きし十三夜志水ついひつそりと鎖骨見せあふ十三夜松下カロ十三夜みごもらぬ妻したがへて志摩芳次郎十三夜わたくしに呼ばれたような種村祐子...こざつぱり上りてゐたる十三夜近藤栄治

  • 山深くもの言ふ水に秋の星 石原舟月

    山深くもの言ふ水に秋の星石原舟月山深い湖、あるいは河畔の景か秋も暮れに近くなんとも静か自分もひとりふとさざめきもない水面が何かを訴えているように思えるその水面には冷たく清しい秋の星が(小林たけし)【秋の星】あきのほし◇「白鳥座」◇「ペガサス」◇「秋北斗」◇「碇星」(いかりぼし)◇「カシオペア」よく晴れた秋の夜は空が澄むので、星の美しさがきわだつ。その光澄む星をいう。また「カシオペア」のことを「碇星」と呼ぶ。これは星がWの形に並んでいて、船の碇のように見えるからである。北斗七星と共に北極星を見つけ出す目印となる星座である。晩秋には北の天頂近くに見られる。例句作者カシオペアまだ眠り神参られず松本扇々子吊したる箒に秋の星ちかく波多野爽波定置網の浮標引きあへりカシオペア手繰直美秋の星遠くしづみぬ桑畑飯田蛇笏山深くもの言ふ水に秋の星石原舟月

  • 一つ濃く一つはあはれ秋燈 山口青邨

    一つ濃く一つはあはれ秋燈山口青邨灯のひとつひとつが語っているその家だけの喜び、悲しみ作者は旅の途中だろうか己の心中をも吐露しているような余剰も伺える(小林たけし)【秋の灯】あきのひ◇「秋の燈」◇「秋燈」(しゅうとう)◇「秋燈」(あきともし)秋の夜は大気が澄んでおり、灯も清明な感じが強い。静けさ、人懐かしさがある。秋の灯に照らされるのは花の淡いは、枯芝生などでわびしさが漂う。例句作者秋の燈の遠くかたまるかなしさよ富安風生秋の灯にひらがなばかり母の文倉田紘文夫旅にある夜秋燈をひきよせて山口波津女秋の燈のいつものひとつともりたる木下夕爾秋燈の許に座職の座を円く佐々木光子急行通過駅の秋灯に石蹴りを菊地龍三秋の燈に母老いしかば吾も老ゆ相馬遷子秋の燈の糸瓜の尻に映りけり正岡子規秋の燈やゆかしき奈良の道具市蕪村五十八階全階の...一つ濃く一つはあはれ秋燈山口青邨

  • 秋耕のいちまいの田をうらがへす 長谷川素逝

    rong>秋耕のいちまいの田をうらがへす長谷川素逝{いちまいの田}が何を意味するのか作者は読み手にその解を投げかけて売る一枚だけになった田なのか体力的にいちまいより耕せなくなったのか家人にもう止めよと言われての一枚か秋耕の季語がその解を幾重にもひろげる(小林たけし)【秋耕】しゅうこう(シウカウ)秋の収穫の終わった畑や稲を刈った後の田の土を鋤き返しておくこと。翌年の作業を容易にするためであったり、裏作のためであったりする。例句作者秋耕のつぶさに移る日影かな松村蒼石潮騒にまぎれて僧の秋耕す心山義明離宮裏秋耕もまたしづかなり丸山哲郎焼石を谷に投げては秋耕す長谷川かな女秋耕や芋づるもやす傍に高浜虚子牛もろとも崖に影して秋耕す大野林火小鳥くる秋耕のわが休むたび宇井十間秋耕のわれにひろごる空の蒼雲戸喜代秋耕の畝が入りくる家...秋耕のいちまいの田をうらがへす長谷川素逝

  • 初燕谷中に古き煎餅屋 たけし

    初燕谷中に古き煎餅屋たけし俳人協会主催の第59回全国俳句大会に掲句は入選有馬朗人先生の選を頂いた総応募数12.520句予選通過句2051句入選740句入選率は5.9%なかなかの関門といえそうだ自分の目指す俳句がまだおぼろの状態なので入選すれば佳句とおもってしまう孫娘の絵画の展覧会への途中いあった煎餅屋の燕を見た実景をそのまま詠んだもの工夫もひねりも措辞の新しさもないこれを評価されるのだから俳句は難しい、面白い、そして分からない初燕谷中に古き煎餅屋たけし

  • カタコトの嫁の日本語豊の秋 たけし

    カタコトの嫁の日本語豊の秋たけし2020/10/23朝日新聞栃木俳壇石倉夏生先生の選をいただきました第1席は相当以前だったので華人がよろこんでくれました先生の過分な選評もいただきました今秋は納得のいく俳句が出来ていなかったので救われた感じです俳句は常に秀句が生まれることはない秀句は100に一つもあれば上等と分ってはいても空振りがつづくと消沈する立ち直れる兆しだと信じることにするカタコトの嫁の日本語豊の秋たけし

  • 廃校の鉄棒に稲掛けてあり 井澤秀峰

    廃校の鉄棒に稲掛けてあり井澤秀峰農村に子供が消えている農家に若い親たちが消えてから廃校は毎年、増加の一途である本来、刈り取りを終えた賑やかしい笑顔の飛び交う季節なのだが作者の冷静な写実眼はこの景をものがさない(小林たけし)稲架】はざ◇「はさ」◇「稲干す」◇「稲掛」◇「掛稲」◇「稲木」(いなぎ)◇「稲架」(いなか)◇「稲城」(いなき)◇「田母木」(たもぎ)◇「稲棒」(ぼっち)刈った稲を掛けて乾燥させるもの。竹や木で組み、田の中や畦に長く続いている。地方によっていろいろな組み方があり、ふつうは一段だが、北陸・出雲地方ではたいそう段数の多いものもある。干して乾燥させることを「稲干」といい、稲架に掛けることだけでなく、田の面や畦に並べることも含める。例句作者今日立ちし稲架の匂へる夜の雨森山夕樹傾きて立ちたる駅や稲架日和...廃校の鉄棒に稲掛けてあり井澤秀峰

  • 手足あることの暗さを衣被 塩野谷仁

    手足あることの暗さを衣被塩野谷仁難解句と思ったが上中の12音をまず解けば納得する人、それも己にひきつければ誰もが納得する手足はなくてはならないものだが、時に邪魔であったり間違いを起こしたりするそして下5の季語は手足からあまりにも遠いところの存在だ作者はおそらく「衣被」からの発想だろう(小林たけし)【衣被】きぬかつぎ里芋のこぶりなものを皮のまま塩味でゆでたもの。名月に欠かすことができない。主として関東の風習で、茶店に用意してある。例句作者東京に何の負ひ目ぞ衣被亀田蒼石母の忌の一男六女衣被伊藤保子衣かつぎが好きで抜けない国訛佐々木栄子衣かつぎ盛られ小石の顔となる高桑婦美子衣被つるりと今日の終りかな山口伸衣被ほこほことある妻の膝松本詩葉子衣被我とおぼしき夜さりの老武田伸一衣被月には被きしままがよし荻野千枝衣被見栄捨て...手足あることの暗さを衣被塩野谷仁

  • 南縁の焦げんばかりの菊日和 松本たかし

    南縁の焦げんばかりの菊日和松本たかし句意は明解秋日の強い縁側がその日を照り返している久の秋日和なのだろうか作者はそれを「焦げんばかり」と表意し加えて「菊日和」とも好天の一日をこれ以上には表せそうもない(小林たけし)【菊日和】きくびより菊が盛りの11月頃の秋晴れをいう。大小にかかわらず茎がすくっと伸びて多くの花びらをつける菊の花は秋の青空によく似合う。例句作者廓外に楽市楽座菊日和多々良敬子花嫁が来しと駈けだす菊日和永方裕子老いたるが寫し寫され菊の晴板垣鋭太郎菊日和拍手の中に男ゐる菅原鬨也船つくる音のなかなる菊日和飯田龍太日に酔うてひとまどろみも菊日和福田蓼汀御空より発止と鵙や菊日和川端茅舎南縁の焦げんばかりの菊日和松本たかし

  • 東京の空にペンギン鰯雲 たけし

    東京の空にペンギン鰯雲たけし2020/10/16朝日新聞栃木俳壇石倉夏生先生の選をいただきました池袋のサンシャインの屋上の空飛ぶペンギン空には鰯雲いるはずの無い鰯を追っているような南極と東京空と海ありえない現実のおもしろさを詠んでみました東京の空にペンギン鰯雲たけし

  • コスモスのゆらゆら私の自由席 和田浩一

    コスモスのゆらゆら私の自由席和田浩一一面に広がる花野にはコスモスの群生爽やかな風を私はコスモス「と「共有すr否定るコスモスになった私なんという至福の自由席だろう(小林たけし)【コスモス】◇「秋桜」(あきざくら)キク科の一年草。成長力が強く、野川の畔や路傍に乱れ咲く。葉は羽状にいくつにも裂ける。細長い茎を分枝して、枝端に淡紅紫色や白色の美しい花を開く。例句作者コスモスの彼方の夜が誘ひゐし松澤昭コスモスの押しよせてゐる廚口清崎敏郎コスモスの暗がりに足入れている近恵コスモスの百万本が御辞儀する野木桃花コスモスの花あそびをる虚空かな高浜虚子コスモスの薙ぎ倒されてより不屈松本詩葉子コスモスの視線を逸らす仁左衛門川本美恵子コスモスの迷路より児の燥ぐ声安保美恵子コスモスの野に小さかり父の夢小野元夫コスモスの風に吹かれて素直な...コスモスのゆらゆら私の自由席和田浩一

  • 夜なべせる老妻糸を切る歯あり 皆吉爽雨

    夜なべせる老妻糸を切る歯あり皆吉爽雨表意は平明だが句意は深い作者の妻への感謝と労わりを十分に感じさせる糸を切る歯この写実に全てが業種記されている思えばつい先ごろまでは母や妻が夜なべで繕い物をしていたものだった(小林たけし)【夜なべ】よなべ◇「夜業」(やぎょう)◇「夜仕事」秋の夜長にいつまでも起きて働くこと。農家では冬物の繕いや藁仕事で過ごしたが、今日では減少した。例句作者また一つ闇へ夜業の灯を落す二橋満璃星の深さに二階屋低し夜業終ゆ足立雅泉髪ふるるまでにつり下げ夜なべの灯山口千種大部屋の一角灯る夜業かな小松誠一明日のもの煮てゐて妻の夜なべかな星野閑子人信じ難き夜なべを励みけり松本澄江お六櫛つくる夜なべや月もよく山口青邨土間失われゆくばかり夜なべの灯宇咲冬男夜なべせる老妻糸を切る歯あり皆吉爽雨

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