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古希近くからの俳句入門 たくさん作ってたくさん捨てる、ついでに恥もたくさんかく これをずーっと続けています

ブログタイトル
竹とんぼ
ブログURL
https://blog.goo.ne.jp/take10nbo
ブログ紹介文
先達の秀句を味わいながら<br>自得の一句を求めて多作多捨です<br>古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です<br>
更新頻度(1年)

244回 / 365日(平均4.7回/週)

ブログ村参加:2019/03/30

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ハンドル名
小林たけしさん
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竹とんぼ
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竹とんぼ

小林たけしさんの新着記事

1件〜30件

  • 秋彼岸足音ばかり空ばかり あざ蓉子

    秋彼岸足音ばかり空ばかりあざ蓉子春野彼岸と違って空は高く空気は澄んでいて爽秋の墓参掲句はそんな様子がうかがえる感傷的な心情も感じられて好感のもてる句だ(小林たけし)【秋彼岸】あきひがん◇「後の彼岸」(のちのひがん)◇「秋彼岸会」(あきひがんえ)秋分の日(9月23日ごろ)を中日とした1週間。彼岸会として仏事を行うことは春の彼岸と同じ。単に「彼岸」といえば春の彼岸をさす。単に「彼岸」というと春の彼岸なので、「後の彼岸」ともいう。例句作者畑中に火を焚く音の秋彼岸三谷道子いくつかは乳の出る草秋彼岸河村四響それとなく御飯出てくる秋彼岸攝津幸彦一匹の猫を地べたに秋彼岸岩尾美義口むすぶ鯉みて帰る秋彼岸桂信子棕櫚縄の縛る竹垣秋彼岸坪野谷公枝生者には大きなおはぎ秋彼岸平賀節代秋彼岸まだ呼ばないで倶会一処戸沢吉江秋彼岸足音ばかり空ばかりあざ蓉子

  • イエスよりマリアは若し草の絮 大木あまり

    イエスよりマリアは若し草の絮大木あまりなんという断定だろうこうした句に遭遇するとつくずく俳句はなんでもありなのだと納得する取り合わせた季語に妙があるのだと感じる(小林たけし)【草の穂】くさのほ◇「草の絮」(くさのわた)◇「草の穂絮」◇「穂草」秋の雑草から出た穂。イネ科やカヤツリグサ科の雑草(えのころ草、蚊帳吊草など)は、秋に穂花を出す。一見、花も実も区別がつかない。例句作者この先は太平洋ぞ草の絮八木マキ子風に乗るまでの逡巡草の絮佐藤国夫一靡きしたる穂草の力なし高野素十けふはけふのかぎりをとんで草の絮鷹草の絮飛びゆくものの羨まし窪田英治イエスよりマリアは若し草の絮大木あまり

  • あをあをと瀧うらがへる野分かな 角川春樹

    あをあをと瀧うらがへる野分かな角川春樹滝がうらがえる野分を作者独特の語彙で表現あをあをもなかなか言えそうで言えない【野分】のわき◇「野わけ」◇「野分晴」◇「野分後」(のわきあと)雨を伴わない秋の強風。草木を吹き分けるほどの風というのでこの名がおこった。野分のあとはからりと晴れるが、秋草や垣根の倒れた哀れな情景が見られる。「秋の風」より激しく吹く。例句作者いろいろの枕の下を野分かな加藤郁乎なんと云ふさだめぞ山も木も野分細谷源二アフリカの縞馬迷う野分かな田井淑江オリーブは眠れる木なり野分だつ浦川聡子ハルモニの後ろ手に立っていて野分橋本直モンゴルの野分の音か馬頭琴今泉三重子あをあをと瀧うらがへる野分かな角川春樹

  • みないるぞ南洲墓地の虫しぐれ 中尾和夫

    みないるぞ南洲墓地の虫しぐれ中尾和夫西郷南洲の墓所での虫時雨作者は思わず万人に愛された南洲に声をかけてしまった(小林たけし)南洲顕彰館は1977年、西郷隆盛没後100年を記念して建設されました。西郷の生涯・思想・業績などをわかりやすく紹介したジオラマやビデオをはじめ、西郷の衣服や西南戦争に関する資料などを展示しています。その他、西郷を祭った南洲神社や、西南戦争で戦死した2千人以上の人々が埋葬されている南洲墓地が隣接しています。南洲墓地は1955年1月14日に鹿児島県指定史跡に登録されています。【虫】むし◇「虫の声」◇「虫の音」◇「虫時雨」◇「虫の秋」◇「虫の闇」◇「昼の虫」◇「すがれ虫」◇「残る虫」秋鳴くコオロギやキリギリスなどの虫の総称。ただし鳴くのは雄のみ。虫の音色にはそれぞれ風情があり、秋の夜の寂寥を深め...みないるぞ南洲墓地の虫しぐれ中尾和夫

  • 物置で少年倶樂部読む厄日 星野明世

    物置で少年倶樂部読む厄日星野明世少年期の回想だろうか物置に叱られて逃げ込んだのか、閉じ込められたか本人にとってはたまさかの厄日それでも「少年倶楽部」が手元にあるのだから(小林たけし)【二百十日】にひゃくとおか(・・トヲカ)◇「厄日」◇「二百二十日」立春から二百十日目で、9月1日、2日ころ。二百二十日はそれから10日後。この頃は暴風雨に襲われることが多く、また稲の開花期にも当たることからその被害を案じ、農家では厄日としている。例句作者恙なき二百十日の入日かな伊藤松宇移り行く二百二十日の群鴉高浜虚子川波も常の凪なる厄日かな石塚友二高う飛ぶ蜻蛉や二百九日尽松内大隠たゞ鰡の釣れに釣れたる厄日かな河原白朝魚匂う俎板二百二十日過ぐ青木千秋砂濱に藻を焼く煙り厄日過ぐ棚山波朗厄日過ぐ身を締むるものみな外し神田ひろみ物置で少年倶樂部読む厄日星野明世

  • 色鳥とイエスの見える厠かな 谷口慎也

    色鳥とイエスの見える厠かな谷口慎也作者は憚りの最中である小窓から観える景渡ってきたさまざまな渡り鳥をやさしい目で愛でているふとあのイエスがあえあわれたように感じた作者の得たりの顔が浮かぶ(小林たけし)【色鳥】いろどり秋に渡ってくるいろいろの小鳥類。色彩の美しい鳥が多いので総称して色鳥という。人里の木々の葉の間に見え隠れするときの美しさは、秋ならではのものといえる。例句作者色鳥や籠ごと量る赤ん坊美濃部英子色鳥や公園横の帽子店福島壺春色鳥やむしろすがしき朝の飢金子潮色鳥や森は神話の泉抱く宮下翠舟色鳥に枯山水の景緊まる成田昭男雨の庭色鳥しばし映りゐし中村汀女色鳥やナプキン尖る朝の卓橋本栄治色鳥や黒姫よりの雲の帯久米三汀色鳥とイエスの見える厠かな谷口慎也

  • 草ごもる鳥の眼とあふ白露かな 鷲谷七菜子

    草ごもる鳥の眼とあふ白露かな鷲谷七菜子作者は朝のウオーキングだろうか露に濡れた草の中の巣から鳥がゐるとおみったらその鳥と目があった朝の一刻の体験を切り取ったシャッターを切ったような写生だ(小林たけし)【白露】はくろ二十四節気の一つ。秋の陰の気が積もって露を結ぶの意。陽暦の9月7日、8日頃に当たる。同じ「白露」でも「しらつゆ」は草などに結ばれた露の白さを表現するものである(秋・天文)。例句作者かの地主白露に白き鶏放ち久保田慶子ゆつくりと湯呑砕ける白露かな小豆澤裕子二階から声のしてゐる白露の日桂信子白露に薄薔薇色の土龍(もぐら)の掌川端茅舎白露に阿吽(アウン)の旭さしにけり川端茅舎白露の日神父の裳裾宙に泛き桂信子白露の月窓にしみじみ帯を解く河野多希女白露や一匹の虫のわれが佇つ新谷ひろし白露過ぐ鯉に長途のあるごとし戸...草ごもる鳥の眼とあふ白露かな鷲谷七菜子

  • 水平線大きな露と思ひけり 大串章

    水平線大きな露と思ひけり大串章これ以上大きな景はまたとあるまい地球まるごと露にしてしまうちは言葉も無い(小林たけし)【露】つゆ◇「白露」◇「朝露」◇「夜露」◇「露の玉」◇「露けし」◇「露葎」(つゆむぐら)◇「芋の露」夜分、草木や地面が冷えると周りの空気も冷え、水蒸気が凝結して水滴となったもの。秋に最も多いので秋季とする。例句作者漂へるごとくに露の捨箒富安風生無呼吸の鼓動ころころ芋の露川崎益太郎照り昃る信濃つらぬく露軌条桂信子病む母のひらがなことば露の音成田千空白露なり立ち上がるとき息を吸う丸木美津子白露に薄薔薇色の土龍(もぐら)の掌川端茅舎白露に阿吽(アウン)の旭さしにけり川端茅舎白露の日神父の裳裾宙に泛き桂信子白露の日葦ことごとく風に伏し新井秋芳白露の月窓にしみじみ帯を解く河野多希女水平線大きな露と思ひけり大串章

  • 二百十日晴れスクランブル交差点 三苫知夫

    二百十日晴れスクランブル交差点三苫知夫災害や災難は遭遇するまでは他人事予兆も無い皆無のスクランブル交差点にいる自分同じ時間に悲鳴をあげている人と場所がある(小林たけし)【二百十日】にひゃくとおか(・・トヲカ)◇「厄日」◇「二百二十日」立春から二百十日目で、9月1日、2日ころ。二百二十日はそれから10日後。この頃は暴風雨に襲われることが多く、また稲の開花期にも当たることからその被害を案じ、農家では厄日としている。例句作者農暦いまも手許に厄日過ぐ森田かつ子恙なき二百十日の入日かな伊藤松宇風少し鳴らして二百十日かな尾崎紅葉砂濱に藻を焼く煙り厄日過ぐ棚山波朗たゞ鰡の釣れに釣れたる厄日かな河原白朝川波も常の凪なる厄日かな石塚友二ひらひらと猫が乳呑む厄日かな秋元不死男高う飛ぶ蜻蛉や二百九日尽松内大隠移り行く二百二十日の群鴉...二百十日晴れスクランブル交差点三苫知夫

  • 大根蒔く来年も蒔く死ぬまで蒔く 伊藤政美

    大根蒔く来年も蒔く死ぬまで蒔く伊藤政美秋蒔>のんかでも<大根蒔く>は馴染みやすい掲句は巻くを三唱して効果を狙って成功している作者、あるいは作者のモデルの生き様の覚悟を表意して見事といえよう(小林たけし)【秋蒔】あきまき秋に植物の種子を蒔くこと。冬や春に収穫する野菜の種は8月中旬から10月に蒔く。秋に種を蒔くものとして菜種、大根、芥菜、芥子、さらに田の肥料となる紫雲英(れんげ)などがあり、それぞれ「蒔く」の語尾をとり、「菜種蒔く」「大根蒔く」「芥子菜蒔く」「芥子蒔く」「紫雲英蒔く」として季語となっている。例句作者秋蒔きの土にやさしく月さしぬ菅原鬨也うしろから山風来るや菜種蒔く岡本癖三酔大根播く光の粒をこぼすかに西尾玲子黒潮の黒の深まり菜種蒔く延平いくと峡の田にひとりとなりて紫雲英蒔く森戸山茶花菜種蒔くかそかなる音...大根蒔く来年も蒔く死ぬまで蒔く伊藤政美

  • 乳房掠める北から流れてきた鰯 金子兜太

    乳房掠める北から流れてきた鰯金子兜太難解な句で鑑賞のしようもないと思っていたが下記の鑑賞を発見した俳句の一つの分け方として次ぎのようなものがあるかもしれない。1)最初のインパクトが強いが読んでいるうちにだんだん何も無くなっていってしまうもの。2)最初のインパクトは弱いが読んでいるうちにだんだん何かが現れてくるもの。この句などは1)に属するのではないか。「乳房」と「北から流れてきた鰯」との遭遇ということには新鮮な驚きがある。感覚的に新鮮なのである。しかしその状況、例えば、海に入っている男性(作者)の乳房を鰯が掠めていったというような状況、を考えている内に、何だか只事のような気がしてくるのである。逆に昨日の句などは最初のインパクトはこの句ほどは無いが、読んでいるうちにとても気持ちのよい状況が開けてくる。(小林たけし...乳房掠める北から流れてきた鰯金子兜太

  • 日の粒をぽろぽろこぼし零余子採り 遠藤しげる

    日の粒をぽろぽろこぼし零余子採り遠藤しげる零余子を作者は<日の粒>そのものと見たその措辞のフィットさがそのまま句になっているぽろぽろこぼすも共感できる(小林たけし)【零余子】むかご◇「ぬかご」自然薯、長薯などの葉腋に生じる暗緑ないし青褐色の長さ7,8ミリの肉芽。採取してつけ焼きや汁の実にしたり、ご飯に炊き込んだりする。例句作者雨傘にこぼるゝ垣のむかごかな室生犀星触れてこぼれひとりこぼれて零余子かな高野素十二つづつふぐりさがりにむかごかな宮部寸七翁肩越しに山の音くる零余子かな藤木倶子黄葉して隠れ現る零余子蔓高浜虚子零余子摘む女の厄もたうに過ぎ勝又春江となりへもこぼれて風のむかごかな飴山實ゆっくりと曳いて零余子を零したり川辺幸一日の粒をぽろぽろこぼし零余子採り遠藤しげる

  • 馬・牛の外寝うらやむ星月夜 鷹羽狩行

    馬・牛の外寝うらやむ星月夜鷹羽狩行現代俳人の雄である作者にこの句があるとはなんとも救われる気になる難解句から離れて平易な措辞で終始していて安心させられる(小林たけし)【星月夜】ほしづきよ◇「星月夜」(ほしづくよ)◇「星明り」満天の星の光が、月のように明るく地上を照らす夜。空気が乾燥するこの時期の空は清澄で、星夜の美しさが強く感じられる。例句作者かりそめに人に生まれて星月夜室生幸太郎その手摺乗り出しやすく星月夜近恵ほろ酔ひて本音するりと星月夜菊地章子われの星燃えてをるなり星月夜高浜虚子オペレッタは恋の筋書き星月夜尾畑悦子チェロ弾きのめくる譜面の星月夜対馬康子レコードのノイズふつくら星月夜田中亜美馬・牛の外寝うらやむ星月夜鷹羽狩行

  • もう一度生まれる前に桃となる 瀬戸優理子

    もう一度生まれる前に桃となる瀬戸優理子なんという詩因だろう作者の独特な発想の不思議に感心するばかりもう一度生まれる前の自分自身を考えるとはただ脱帽だ(小林たけし)桃】もも◇「桃の実」◇「白桃」(はくとう)◇「水蜜桃」(すいみつとう)◇「ネクタリン」◇「冷し桃」実は大型の球形。香りが高く果汁が多くて甘い。夏から初秋にかけて愛好される果物。種類は多いが、一般に外皮一面に細かい毛が生じている。例句作者とある夜大きな桃を戴きぬ石倉夏生ながいきのできるまで痩せ桃を食う大野忠孜はるばると来し方行方桃さくら和知喜八ふいにまた雑魚寝にしぶく桃の水瀧春樹もぎたての白桃全面にて息す細見綾子ゆるぎなく妻は肥りぬ桃の下石田波郷よく晴れて少しつめたき桃の村平佐悦子わからぬ句好きなわかる句ももすもも富安風生わが影の起き伏し庭に桃散りて桂信...もう一度生まれる前に桃となる瀬戸優理子

  • あちこちに穴のあきたる秋思かな 隈元拓夫

    あちこちに穴のあきたる秋思かな隈元拓夫あちこちは作者の心中のことだろう読み手はそこに共感するぽっかりと胸奥に空いた穴なかなか容易には埋まりそうもない(小林たけし)秋思】しゅうし(シウ・・)◇「秋懐」(しゅうかい)◇「傷秋」(しょうしゅう)◇「秋あわれ」◇「秋淋し」秋の寂しさに誘われる物思い。秋は人生の寂しさに触れることが多い季節である。事に寄せ、物を見て秋を感じること全般をいう。例句作者帯きつく秋思を秘めて末席に進藤紫わが秋思水わたりきし一羽鳩中村草田男開くまで秋思の無音オルゴール鈴木まゆ炉は燃えて秋思さだかに老いきざす鳥谷網生山の湯を出でて化粧ひてより秋思斎藤杏子この秋思五合庵よりつききたる上田五千石やや沖に孤礁秋思の水柱原子公平万華鏡へ秋思とぢこめ旅決意遠藤悦子三つ目の釦穴から逝く秋思白水風子六本木の五十二...あちこちに穴のあきたる秋思かな隈元拓夫

  • 半生を語るおとがい半夏雨 たけし

    半生を語るおとがい半夏雨たけし2021.08.14朝日新聞栃木俳壇石倉夏生先生の選をいただきましたおとがいは人間にのみある部位だというまた幼児期にはないものだと知ったしばらくの人生、その半生をおとがいが主張しているという句そこからの発想による句だったが上五、下五の半の韻にも工夫したつもりなのだが果たして成功したかは未だ自信がない半生を語るおとがい半夏雨たけし

  • 影の数人より多し敗戦忌 渡辺誠一郎

    影の数人より多し敗戦忌渡辺誠一郎影はきっと戦死者のことだろうこの措辞であとは語らないこれ以上何も語らないところが敗戦の悼みを象徴している(小林たけし)【終戦記念日】しゅうせんきねんび◇「終戦日」◇「敗戦忌」◇「敗戦日」◇「八月十五日」8月15日は、昭和20年、日本が連合国側のポツダム宣言を受諾し、第二次世界大戦が終了した日。戦争の根絶と平和を誓い、戦没者を追悼する行事が全国各地で行われる。例句作者生涯の父の号泣敗戦日大橋敦子我泪見て妻笑ふ終戦日岩脇五風終戦の人ら泳げり敗戦日鈴木六林男堪ふることいまは暑のみや終戦日及川貞髪染めて己あざむく終戦日雨宮抱星十五貫五尺七寸敗戦忌山田征司地下鉄に後頭並び敗戦忌森田智子永久凍土という墓あり敗戦忌津根元潮影の数人より多し敗戦忌渡辺誠一郎

  • あきつ舞ふ 野は一面の無重力 井上ひろし

    あきつ舞ふ野は一面の無重力井上ひろし広い秋野であろう空を埋め尽くさんばかりの赤とんぼの大群が追われるように東の空へ移動している作者もいつかその中の一片になった気分一面の無重力はなかなか言えない措辞だ(小林たけし)【赤蜻蛉】あかとんぼ◇「秋茜」(あきあかね)◇「深山茜」(みやまあかね)小形で体色が赤みを帯びた蜻蛉の俗称。雄は赤色、雌は黄褐色である。秋空に群れる赤蜻蛉の姿は、秋の涼気を誘う。爽やかな秋の象徴といえる。例句作者あきつとぶひかり薄れつ夕鳴子西島麦南から松は淋しき木なり赤蜻蛉河東碧梧桐みちのくに輪廻転生赤とんぼ妙田節子わが見しはあきつの群るる湖の虹鈴木詮子アキアカネ親近感とも違う距離堀之内長一アンデルセンの空があるよ赤とんぼ小野露光人の世を辞してそろそろアキアカネ横須賀洋子仮の世を流れ解散秋あかね髙野公一あきつ舞ふ野は一面の無重力井上ひろし

  • 西鶴忌帯を低めによろけ縞 八木ひろ子

    西鶴忌帯を低めによろけ縞八木ひろ子浮世草子の作者、好色ももが有名で西鶴といえば男女の色恋が浮かぶ掲句もそれのたぐい低めによろけ次の仕草は読み手に委ねる(小林たけし)【西鶴忌】さいかくき陰暦8月10日、元禄期の大小説家、井原西鶴(1642-1693)の忌日。「好色一代男」「好色五人女」などの浮世草子の作者。元禄6年没。例句作者おとろえを見せぬ暑さや西鶴忌波切虹洋西鶴忌女の哀れ今もなほ大場美夜子色街に住んで堅気や西鶴忌安村章三上六で道聞かれゐる西鶴忌角光雄西鶴忌うき世の月のひかりかな久保田万太郎朝顔に格子みがかれ西鶴忌加藤かけいくぐり戸を開けて味噌買ふ西鶴忌伊東類今の世も男と女西鶴忌三宅清三郎西鶴忌帯を低めによろけ縞八木ひろ子

  • 柵を脱ぎすててきたなめくじり たけし

    柵を脱ぎすててきたなめくじりたけし2021.08.7朝日新聞栃木俳壇石倉夏生先生の選をいただきました原句「しがらみ」を「柵」と添削していただきました投句の前に悩んだ個所でしたので納得できましたこうしたところで迷わず漢字を当てられないのが未熟ということなのだろう句意は平明だがなめくじりの進化は人間の加齢化になぞらえたつもりだ柵を脱ぎすててきたなめくじりたけし

  • 柵を脱ぎすててきたなめくじり たけし

    柵を脱ぎすててきたなめくじりたけし2021.08.7朝日新聞栃木俳壇石倉夏生先生の選をいただきました原句「しがらみ」を「柵」と添削していただきました投句の前に悩んだ個所でしたので納得できましたこうしたところで迷わず漢字を当てられないのが未熟ということなのだろう句意は平明だがなめくじりの進化は人間の加齢化になぞらえたつもりだ柵を脱ぎすててきたなめくじりたけし

  • 炎天に煌と城壁草田男忌 見市六冬

    炎天に煌と城壁草田男忌見市六冬生命の賛歌の多い草田男に相応しい炎天をも許容する自然人草田男を彷彿させる(小林たけし)【草田男忌】くさたおき(・・ヲ・・)8月5日、俳人中村草田男(本名清一郎)の忌日。東大俳句会に参加し、『ホトトギス』で虚子の指導を受ける。石田波郷や加藤楸邨らと共に人間探求派と呼ばれた。生命賛歌の句も多く、代表句に「万緑の中や吾子の歯生え初むる」。この句により「万緑」が季語として定着した。昭和21年に『万緑』を創刊・主宰。句集『長子』『万緑』『火の島』など。昭和58年、82歳で死去。例句作者夏帽のつばの弱りや草田男忌藤田あけ烏大輪の花火の音や草田男忌今井誠人炎天こそすなはち永遠の草田男忌鍵和田?子(ゆうこ)森に入りひとりの緑酒草田男忌宮脇白夜炎天こそすなはち永遠(とは)の草田男忌鍵和田秞子草田男忌...炎天に煌と城壁草田男忌見市六冬

  • 四次元へ手足あそばす水眼鏡 鈴木良戈

    strong>四次元へ手足あそばす水眼鏡鈴木良戈四次元とは次元が四つあること。ふつう、空間の三次元に時間の一次元を合わせていうのだそうだ水中という異次元であそぶには手足が自由に遊ぶのだと作者が断定したようだ四次元はどらえもんの世界だろう(小林たけし)水中眼鏡】すいちゅうめがね◇「箱眼鏡」◇「硝子箱」水中でも物が見えるようにつける眼鏡。水泳時にも漁にも用いる。「箱眼鏡」は四角い箱の底をガラス張りにし、水面に浮かべて水中を覗き、魚や貝を獲る道具で海女などが使う。「硝子箱」ともいう。例句作者落潮の匂ひこもれる水眼鏡大木あまり箱眼鏡なまこの眠る国のぞく米田一穂この世よりおもしろきかな箱眼鏡藤本安騎生箱眼鏡みどりの中を鮎流れ宇佐美魚目箱眼鏡山下淳の笑い顔永田タヱ子四次元へ手足あそばす水眼鏡鈴木良戈

  • ハンモック少年のように撓うかな 董振華

    ハンモック少年のように撓うかな董振華ハンモックが少年のように撓う句はこれだけを表意しているのだがその言葉には大きな仕掛けがかくされているその仕掛けに読者はそれぞれの来し方を重ねることになる少年心憎い(小林たけし)【ハンモック】◇「吊床」◇「寝網」太い緒で荒く編まれた網で、柱と柱との間や樹陰に吊ってこれに乗り、昼寝や読書などをする。例句作者甲斐駒岳を斜めに仰ぐハンモック宮武章之仏跡を巡り疲れてハンモック広田祝世ゴッホ眠りゴーギャン揺するハンモック堀之内長一ハンモック海の機嫌のいいうちに日置正次山彦のゐてさびしさやハンモツク水原秋櫻子網の目に肉むら詰まりハンモック北村妍二ハンモック少年のように撓うかな董振華

  • 老人の紫煙涼しき東巴文字 森田かずや

    老人の紫煙涼しき東巴文字森田かずや嫌煙の風潮は国中に広まって煙草を好む人は肩身が狭い私は禁煙してそろそろ20年になる掲句はなんとも懐かしく採りあげさせていただいた巴文字の作者の工夫に感心させられた現在ではこの景を<涼し>とは誰も言うまい(小林たけし)【涼し】すずし◇「涼気」◇「朝涼」(あさすず)◇「夕涼」(ゆうすず)◇「晩涼」(ばんりょう)◇「夜涼」(やりょう)夏の暑さの中にあって一服の涼気はことのほか心地よいものである。涼を最も求めるのは夏であることから夏の季語とされる。例句作者晩涼やうぶ毛はえたる長瓢杉田久女花の実の中垣涼し梨子の窓鬼貫髪つめて涼しき妻の車椅子鈴木喜八郎さざめきのなかへ柝の入る涼しさよ矢島久栄思ひきり旅荷小さくして涼し今成志津汽笛涼し川も列車も急カーブ松室美千代イヤリング一つを外す一つ涼小高...老人の紫煙涼しき東巴文字森田かずや

  • 抱かれるごと高階に虹を見る 寺井谷子

    抱かれるごと高階に虹を見る寺井谷子何か期待の予感高階は高層マンションあるいはホテルのような非日常の空間はそうしたところで見る虹はいつもよりずっと近い錯覚に陥ってみえる足が地に着いていない分だけ心身が浮いている作者はそれを抱かれるごとくと表意した(小林たけし)【虹】にじ◇「朝虹」◇「夕虹」◇「二重虹」(ふたえにじ)夏、夕立の後などに特に多く見られることから夏の季語とする。大気中に浮遊している水滴によって太陽光が分散されて生じるもので常に太陽の反対側に見られる。まれにその外側に色の配列が逆の副虹が見えることがある。俗に朝虹は雨、夕虹は晴れと言われる。例句作者新しき家はや虻の八つ当り鷹羽狩行朝の虹ひとり仰げる新樹かな石田波郷残りいる夕べの虹のレクイエム安田詩夏湖水使ひ虹樂します老園丁伊達天潰(く)えし半身虹もて補完せ...抱かれるごと高階に虹を見る寺井谷子

  • 巡礼のように蟻ゆく爆心地 和田浩一

    巡礼のように蟻ゆく爆心地和田浩一作者は戦争を悼む作品を多く発表している掲句もその例だが蟻の列の中にふと作者がゐる幻がみえてくる(小林たけし)例句作者一兵の道あけておる蟻の道後藤岑生一匹の蟻ゐて蟻がどこにも居る三橋鷹女人と蟻居ても立つても居られない吉川葭夫働き蟻兵隊蟻日はかんかんと江中真弓僕に似た蟻穴を出て脱走す前田霧人先頭の蟻を知らない蟻の列栗林浩兵士蟻地面を踏まず急ぎけり菊地乙猪子刺草(いらくさ)に蟻走り入り走り出る津根元潮力行の範たる蟻をつぶしけり相生垣瓜人勤勉が身の破滅にて蟻の列水谷郁夫埋めきれぬ時間大きな黒い蟻が来て福富健男夜の卓に逃亡兵の蟻が来る守谷茂泰夜の蟻迷へるものは弧を描く中村草田男巡礼のように蟻ゆく爆心地和田浩一

  • 少年に滑走路あり大夏野 三木基史

    少年に滑走路あり大夏野三木基史だれにでも記憶にある少年時代の滑走路両手を広げ声を張り上げて野をかけたいつしか心は空をも飛んでいた(小林たけし)【夏野】なつの◇「卯月野」(うづきの)◇「五月野」(さつきの)◇「青野」(あおの)夏草の生い茂る野原。緑濃く、強い日差しを受けた草の茂みからは草いきれが立つ。「卯月野」は陰暦4月の新緑の頃の野、「五月野」は陰暦5月、梅雨の頃の野である。例句作者子を盗ろ子とろ青野の果ての曲馬団山田征司少年の夏野にビラが降っている秋尾敏少年の眉目まっすぐ夏野かな松本弘子年三百日射爆の大地いま青野大岩水太郎怒らぬから青野でしめる友の首島津亮憲法へ水の流れる夏野かな松下カロ棒一本立てて夏野を去りし父池田守一母病む日青野を白く背に残し安西篤沈黙の青野ひろげる村なりき髙尾日出夫少年に滑走路あり大夏野三木基史

  • 水打って失いし日が匂いだす 永井潮

    水打って失いし日が匂いだす永井潮失いし日水を打ってこれを取り戻す今日はきっとあてが外れたような不本意な日だったのであろう気を取り直したような感じが良く解る(小林たけし)【打水】うちみず(・・ミヅ)◇「水打つ」◇「水撒く」(みずまく)例句作者水を打つ思いこみしを払うべく河野胆石水を撒く尾張平野のまんまん中金子ひさし水打ちし庭へ骨箱向けやりぬ豊田まつり水打ちておのれの影を消してゆく横坂けんじ水打ちて夕星ひとつともしけり豊田都峰水打ちて緑化何でも相談所池田冨美水打って影に重さの生れけり高橋和彌水打って末広がりに世を生きる鈴木和代水打つて戸の開いてゐる安寧かな長澤奏子水打つや休憩中の脳細胞富田花舟水打つや昨日の蜂も来ておりぬ平田幸子水打って失いし日が匂いだす永井潮

  • 長身のさびしきことも日の盛り 中井洋子

    長身のさびしきことも日の盛り中井洋子いつもは毅然として活気あふれる長身の友何故か今日はさびしげに見える夏の日盛り、だれもが元気を失う作者はそこを切り取った(小林たけし)【日盛】ひざかり◇「日の盛り」夏の日中の最も熱い盛り。正午過ぎからことに2時、3時頃を指していう。「炎昼」と共に太陽熱の激しさを強調する季語。《炎昼:夏(時候)》例句作者日盛りの紺とたたかふ鳥飼へり石田よし宏日盛りを来てくっきりと押す拇印鈴木砂紅正装の鴉が歩く日の盛名久井清流滾るものあり日盛りの*祷りの木橋爪鶴麿羽根広ぐ孔雀のダンス日の盛り石田敏子腰太き南部日盛農婦かな成田千空象は皺に覆はれてゐる日の盛り岩淵喜代子長身のさびしきことも日の盛り中井洋子

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