貴重な一日です
国破れて山河あり 城春にして草木深し 時に感じては花にも涙をそそぎ 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす 烽火(ほうか)山月に連なり 家書万金にあたる 白頭掻けば更に短く すべて簪(しん)に耐えざらんと欲す (春望 杜甫)[簪とは、かんざしのこと] 余に問ふ 何の意ありて碧山(へきざん)に棲むと 笑って答えず 心自ずから閑なり桃花流水 窈(よう)然(ぜん)として去り 別に天地の人間(じんかん)に非(あら)ざるあり (山中問答 李白) 〔心はゆったりとのどかで、桃の花が川面に浮かんで流れていく、人の世とは異なる時間が流れています〕 ふらんすへ行きたしと思えども ふらんすはあまりに遠し せめて新しき背広を着てきままなる旅にいでてみん。汽車が山道をいくとき みづいろの窓によりかかりて われひとりうれしきことをおもはむ 五月の朝のしののめ うら若草のもえいづる心まかせに。 (旅上 萩原朔...
2024/02/29 07:08