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地底の声 https://amanekouko.hatenablog.jp/

世の中からズレてる人の書いたもの。詩、エッセイ、日記、小説など。

甚だ異形なる感受 異端の言葉難解と 我も違和感抱きたり 暗い暗いはリアリズム それゆえ望み見えぬとて どうやら我が詩不評なり 然れどままよ筆を執り 刻む足跡いしぶみに 誰ぞ一人と解き放つ

amanekouko
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2017/06/18

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  • 詩:囲う家

    代々結び目をつくる 根の先端のある家で 私は私を組織する 傷の修復 武器の研磨 空腹の解消 ――でも 包み込む布団が 絞め上げたら―― 育んだ土が 生き埋めにしたら―― 緑の源泉が 毒を流し込んだら―― 組織する栄養が 牙を剝いたら―― ――風雪から守る 屋根が あぁ、重い、重い、 ――盗人の侵入を防ぐ 壁が あぁ、きつい、きつい、 地縛霊のように 床板に縫いつけられて 金縛りの夜驚が 厚い壁を震わす あの軽やかな空気を 自在に運んでくる 窓があったら―― 錠の外れた 敷居の跨ぐことのできる 扉があったら――

  • 日記:社会的に作り上げられた「家庭とはこうあるべき」は解体したほうがよいのでは?

    何十年も前から言われてきたことだが、発達障害の子どもを持つ親、とくに母親の苦しみは、想像を絶する凄惨さである。森口奈緒美さんの『自閉女の冒険』を読めば、明らかである。私の母は、知的な困難があるので、そのような葛藤はたまたま免れたものの、父は苦労した。 ひきこもる子どもを持つ親の話を聞くと、誰もが深く傷ついている。子どもの傷はもっと深い。私の見聞によると、死を考えていない人はほとんどいなかった。 個人の特性、学校、会社、病院に至るまで、社会の広範な範囲にわたって、問題は複雑に絡み合っている。こうした社会の矛盾を、家庭は一心に引き受けて、消尽していく。 家庭はあたかも傷口を封印された密室である。社…

  • 詩:考えることが好き

    考えると詩が書けないよ、と 詩を書くひとがいった なるほど考えていると 詩が書けない わたしは欲張りだから 感じたい 考えたい どっちもやりたい どうしよう? 考える 割り切れない 答えは出ない 時間も気力も体力も 消耗する でも巨きな鉱山の 洞窟で 先人の手真似で 誰も見たことのない 金塊が 芋づる式に たくさん採れる ざくざく採れる 結局どういうこと? 黄金長方形にならないけど 輪切りにした断片が つぎつぎに まぶしい産声を上げて きらりと姿を見せる ああ ユリイカ! その燭光 目を見張る財宝 わたしだけの! すべての人の ゴチャマゼはゴチャマゼのまま 仕分けていくと 色や形が顔を出す 滓…

  • 詩:枯れ尾花

    夜がひらき 落下する 瞑目 憩いの黄泉に横たえる 肢体の門に 引転する 幽かな知らせに 識る 探照灯が 浮き、沈み、 沈み、浮き、 浮いて、浮いて、 浮いて、いく 唯識の明滅が 闇夜の溶けた 黎明へ―― 閾の水面から 面を上げれば 地上の墓地 閂の落ちた 霊廟に 屋根の下を 夜毎、夜毎、徘徊する 枯れ尾花の ゆらめく影が―― いる、いない、 いない、いる、 いる、いる、 あぁ、いる、 朧な輪郭で 彷徨している 夜にひらく 昏い朝の 来訪を告げる 識らせが 唯識を 己の座へ 墓地へ 連れ戻していく あぁ、来ないで、 こっちへ、来ないで、 来ないで、来ないで、 あっちへ、行って、 見ないで、見ない…

  • 詩:空孔

    ――空孔ヨ、私ヲ呼ベ 魂鳴りの奥の 重心に居座る カルデラは巨きく 火口を開き 肉厚の ヒタヒタ震える 深淵、爆発の呼気の 発炎筒に 空隙の椅子は 背を待っていた ――空孔ヨ、私ヲ満タセ ある時 君が座ると 日溜まりは注がれ カルデラの口を埋めた 背凭れの形はそのまま 君を嵌め込んだ 糸巻きのような 長い長い日常 ふいと立ち去った君は 手綱を失って浮き上がる 隠匿された空孔を 再び突き出した―― ――空孔ヨ、 ――コレコソ我ガ座 ――君デ満タスナ ――己ヲ乾カシ ――塑像ヲ創レ―― (2022.3.15) * 【ひとこと】 十代の頃から感じていた、根源的な存在不安を書きたかった。 そのイメージ…

  • 詩:祈り

    神よ たとえあなたが見えなくなっても この祈りを許してください 神よ たとえあなたの声が聞こえなくとも この祈りを聞いてください 神よ たとえあなたがいなくなっても この祈りを残してください 神よ たとえあなたがまぼろしであっても この祈りを届けてください (2016.7.15)

  • 詩:回帰

    硬く鋭く 己を掘り出す鑿の刃先は 絶つことによってしか 永遠に 我が骨に到達できないであろう (2016.11.28)

  • 詩:記憶(Voice of the trauma)

    かすかなひび割れの底から地獄が這い出してきた。 平静の裏に押し込めた記憶が悲鳴とともに躍り出て。 塔から見つめる暗闇は彼方まで続いていた。 声にならない唸りを上げて、ぞろぞろと列をなしていたのだ。 ここまできてはいけないよ、時々見張っているけれど、 胸底で燃え、焼け、渦巻き、ヘドロのように沈下して血潮を鈍らせるお前は、 毒に満たされた浅い呼吸を吐くのだから。 ――かつて、わたしはそこを見ていた。 平生は素知らぬ顔で揺られていた。 そこ、ここ、あそこに花畑。 麗しいうたをひらひら降らし、きれいな蝶々を追いかけて。 もはやとどまるまいと一目散に駆け抜けてきたわざわいは、 その輪郭を薄めたかに見えた…

  • 詩:放送禁止用語

    〈ピー〉のなにがわかる? 〈ピー〉のなにを知っている? 〈ピー〉を聞いただけで耳を塞ぐ きみは 〈ピー〉だ 〈ピー〉を書いたひとは 何十年も 〈ピー〉のなかで 〈ピー〉にひっぱり回され 〈ピー〉にひっかき回され 〈ピー〉にひきずり下ろされ 〈ピー〉にひっからまって つまり 〈ピー〉の血まるけになって 〈ピー〉ともみあってきたのだ もはや 〈ピー〉が生活であり 〈ピー〉が人生であり 〈ピー〉がつまり 大地なのだ 〈ピー〉に立つ わたしの足跡! 〈ピー〉よ! 気高く卑猥な! 〈ピー〉を知らない者だけが 〈ピー〉を禁じる それが 〈ピー〉だ とうぜん 〈ピー〉を知っている者など そうそういない 〈ピ…

  • 詩:幻の風船

    壮大な 幻の風船が弾けた 中身は見事に塵芥 残るがらんに赤面の体 そうだ、そうだ、それでいい 流れ着いた終末の明日に弾けていたのでは とっても耐えられるまい、さ…… それでも昏い感傷は 懲りずに夢をみるようにできているらしい とどまるところを知らない狂騒 忘れたのか ありもしないものは だんだんだんだん潰えゆく もう二度と砂塵の塔を描くまいと むしろ息あるうちに 瞼の上の白濁を 取り払わねばならないと…… 壮大な 幻の風船は弾ける そうだ、そうだ、それでいい 流れ着いた終末の明日に弾けていたのでは とっても耐えられるまい、さ…… (2017.6.9)

  • 詩:ゆううつのみち

    くるひもくるひも めらんこりいのかげが のべつまくなし うってゆく このみちのさきにのみ こたえにいたるもんはある わたしはそれを しっている ゆこう ゆこう ゆううつを ときどきは ささえるものが あるまいか ゆううつのうみは とてもしょうもうするから ほんのすこしでも たてるあいだに みのまわりのせいかつを ととのえておこう そうしてふたたび うみにのまれたら しずめるからだを やりすごしながら そのときがくるのを まつがいい あゆみは きざまれている たしかに こころは つむがれている たしかに だから きょうのちいさいりずむを ひとつひとつ ひろいあげながら みえないもんを かなたにみ…

  • 批評:「サミュエルを庵に閉じこめたとき+スティグマ」に寄せて

    橋本正秀「サミュエルを庵に閉じこめたとき+スティグマ」 これはもう一夜の夢のようなお話。竹林の中に忘れ物のように佇んでいる小さな物置でのお話。奔放な竹に囲まれた一隅での物語。 サミュエルを庵に閉じこめたとき 僕に向かって咆哮するだろうか? サミュエルは僕にとって何なのだろうか? 赤色発光し、青色散乱? 喧噪のロウンド、ルフランとク―プレの狂躁の中で死を迎え狂騒の中で蘇る小テーマ? サミュエルと僕との関係は、彷徨える形式のラウンド? その証拠に、サミュエルは、いつもいつもいつも、いつものように? 何かというと僕の顔色をうかがってそう覗きこんだ瞳の奥にどこよりも深い眼差しがあることを忘却させる手練…

  • 「地底の声」へようこそ【ブログ概要】

    「地底の声」へようこそ このサイトは、天寧煌子(あまねこうこ)の書いたもの(詩、エッセイ、日記、批評などの文章)を発表する場です。 「全生命が瞬間にひらききること。それが爆発だ」「その生き方こそが芸術だ」 岡本太郎の言葉に背中を押され、存在の基底に横たわる、深い自己を介さずしては現れない〈自己表現〉を目指したいです。 ただし、ドナ・ウィリアムズのいう〈暴露不安〉もあるので、葛藤の中で、表現の仕方を模索しています。 コミュニケーションとしてのブログでは、〈対応者〉として、コミュニケーションのための自己開示がなされます。 けれども私が〈対応者〉になれば、創造の刃先が鈍ります。 〈自己表現〉したい、…

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