5月9日早朝。 いつものように仕事へ出掛け、いつもと変わらぬ挨拶を交わし、何食わぬ顔して桃の摘果の作業を始める。空を仰げば曇天で、僕の心と同じ色。心身ともにボロボロだ。作業開始から一時間後、大粒の雨が降りだした───今日の作業は、ここまでだ...
5月9日早朝。 いつものように仕事へ出掛け、いつもと変わらぬ挨拶を交わし、何食わぬ顔して桃の摘果の作業を始める。空を仰げば曇天で、僕の心と同じ色。心身ともにボロボロだ。作業開始から一時間後、大粒の雨が降りだした───今日の作業は、ここまでだ...
後ろの席の飛川さん〝014 誕生会の送迎は、事前に連絡を取りましょう〟
五月七日は、ボクの誕生日である。その前日、ゴールデンウィークの最終日。 お昼のうどんを済ませたボクが、部屋で三島文学を満喫しているのは、偶然ではなく必然だった。飛川ひかわさんの邪魔はない。それを見計らったかのように、ボクのマンションのチャイ...
後ろの席の飛川さん〝013 女の子の顔に傷がついたら大変です〟
ボクの同情心などつゆ知らず、声を荒げる飛川ひかわさん。「忍、代わって!」 広瀬さんから手際よくスマホを奪うと、飛川さんはテレビ通話に切り替えた。ボクにも会話が丸聞こえだけれど、気にも留めずに話を始める。「ちょっと、桜木君でしょ? 余計なこと...
───ゴールデンウィーク前日。 放課後の体育館裏で、ボクは三人の男子生徒に囲まれていた。辺りを見渡し、ボクは監視カメラを探すのだが……ない!「ようやく会えたね、黄瀬君。監視カメラがないのが残念だ。さぁ、お兄さんたちと遊ぼうよ」 三年生を意味...
───2025年4月30日(水) 野菜の支柱を竹に切り替えました。というのも、三年使う予定だった支柱がポキポキと折れ始めたからです。百均で購入すればよいのですが、折れた支柱の処分に困るので、山から竹を切って使うことにしました。朽ちた竹を菌ち...
後ろの席の飛川さん〝011 七月に、人類が滅亡するってホントかな?〟
今ボクは、飛川家のダイニングテーブルの前に座っている。ボクの隣にゆきさんが、ボクの前には飛広コンビが座っている。アウェイでプレイするサッカー選手。その心理が、よく分かる。 飛川先生はキッチンで、アジフライを作っている。飛川家では、女子をお姫...
後ろの席の飛川さん〝010 胃袋に魚を入れるまでが釣りだから〟
広瀬さんがこよなく愛する小説家は、広瀬さんの身近な人だった。その衝撃にたゆたう暇を、飛川さんは与えない。 というよりも、さっきから殺気立っている。釣りはもっとこう、のんびりするもの……でもなさそうだ。「きいちゃん、時は来たれり!」 そう言う...
後ろの席の飛川さん〝009 海には保護者同伴で行きましょう〟
ベンツを操るおっぱいゾンビが、広い国道から狭い山道へと進路を変えた。ボクらを乗せた赤いベンツだ。 山道に入った途端、車内がシーンと静まり返った。頑なに、ゾンビを否定するボクだとて、この沈黙には並々ならぬ恐怖を感じる。 あの飛川ひかわさんが、...
───2025年4月24日(木) 前回の畑の近況報告へのアクセスが思いの外よかったので、味を占めてシリーズ化しようと思います。週に一度のペースなら、野菜の成長度合いがよく分かります。サツマイモの収穫時期(十月中旬)くらいまで、記事ネタに困る...
───2025年4月22日(火) 畑のゴミの廃棄の準備で、今日は畑に寄りました。使い終わった、不織布・ビニールシート・マルチや折れた支柱が主なゴミです。小さな畑ですから、ゴミの量は大したものではありません。ですが、数が少ないうちに処理をする...
目の前で繰り広げられる、恋愛ドラマをボクは見た。 デートの誘いを直視するなど、最初で最後の見納めだ。その興奮が冷めやらぬうちに、午後の授業が終わってしまう……。 ボクの後ろの席では、五枚の入会届をニヤニヤ見つめる飛川ひかわさん。如何にも悪代...
後ろの席の飛川ひかわさんが、食事を済ませて席を立つ。「きいちゃん……私。必ず生きて帰るから」 大げさな、死にはしない。職員室でお叱りを受けるだけだ。「飛川さん、御武運を」「うん、月読つくよがんばる!」 大きなリュックを背たろうて、飛川さんは...
───2025年4月18日(金) 畑の近況報告をば。今回は、数が多いのでブログ風で(笑)よつぼし(苺) もうちょい頑張れば、よつぼし苺が食えますなぁ(笑) 気のせいでないのなら、今年は実がたっぷりって予感がします。小さい実を間引きしたとて、...
四月も半ばを過ぎた頃。飛川ひかわさんが事件を起こした。「ねぇ、きいちゃん」 後ろの席の飛川さんは、いつも笑顔で問いかける。「ゾンビの知り合いっている?」 満面の笑みを浮かべる飛川さん。勉強のしすぎで壊れたか?「そうですね、今のところ……いま...
明光めいこう中学に入学してから早いもので、一週間が過ぎ去った。ボクは相変わらずのボッチだけれど、イジメなき世界は素晴らしい。「ねぇ、きいちゃん」 後ろの席の飛川ひかわさんは、いつも笑顔で問いかける。「きいちゃんは、小説を書かないの?」 教え...
───2025年4月10日(木) 夏野菜の準備もひと段落。さりとて、種の発芽が気になって、畑に行くと事件です! アイキャッチ画像でお気づきだろうか? 辻斬つじぎりりに襲われたかのように、ナスの葉っぱが切れてます!───このバラバラ事件の犯人...
───2025年4月8日(火) ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば……もうちょっと、風流に鳴いてくれないか? 山の麓ふもとでせわしなく、カラスとホトトの大合唱。おまけに暴風だって、春何番だよ?……営業妨害も甚だしい(汗) それに加えて玉ねぎ...
後ろの席の飛川ひかわさんは変わり者だ。その表現に問題があるのなら、先駆者せんくしゃと言い換えてもいいだろう。パイオニアだ。「きいちゃん、おはよう」 学校の下駄箱の前。甲高い声で、朝のあいさつをする飛川さん。「飛川さん、おはようございます……...
平岡修斗ひらおかしゅうと君からの助け舟で、便所飯の脅威は免れた。平岡君に吸い込まれるように、ボクは彼の席へと移動する。「まぁ、黄瀬きせ君。ここに座んなよ。にしても、すげぇ~のな。飛川月読ひかわつくよだっけ? 夢が花嫁って、ピュアの申し子って...
2025年4月6日(日) 桜吹雪を眺むれば、そろそろ頃合いの気配を感じた。やっとけ……か? いずれにせよ、今週は夏野菜の定植をしなければならず、どうせなら早く済ませたい。そんなぶらり散歩気分で、スーパー(マルナカ)とホムセン(ダイキ)で、ト...
これから学級委員長の発表だというのに、飛川ひかわさんはネームプレート磨きに精を出し、広瀬さんは時が停止したように、ぴくりとも動かない。 我が明光中学は、ひとクラス三十名の三組編成で、受験テストの順位で振り分けられる。上位の三十名は、ボクが所...
001 悪しき習わし自己紹介 あがり症のボクにとって、自己紹介とは学校の悪しき習わしだ。刹那にボクの顔面が、血の赤に染まるのが分かる……ドクドクと心臓が波打って、焼けるように顔が熱い。ボクの後ろの席から伝わる、背中の振動と相まって、生き地獄...
000 ネームプレートの都市伝説 卒業式の日。ネームプレートを交換したカップルは、将来必ず結ばれる─── 登校初日。小耳に挟んだ情報では、ネームプレートの争奪戦が、今年も盛大に繰り広げられたらしい。ふふふ……ぬるいな。実にぬるい。机上に彫ら...
僕の読書は三冊ワンセット。先ずは文豪読破が先決で、その気持ちがとても強い。というのも……文豪の作品は削られるんですよ、僕のピュアな心を(笑) なんかねぇ~……重いっつーか、しんどいつーか。文豪が生きた時代には、人生の選択肢があまりにも少なく...
「これ、昔から気になってたのぉ~。一年前だったかなぁ~、テレビで見たの。ハルヴァなんとか」 読書中、謎のタッパーがデスクに置かれた。ドスって感じの音がした。同僚ワーちゃん、久々の登場である。どうにかならんか? その、ファブルのヨウコさんみた...
小説家は物事に敏感な生き物で、些細なことにも興味を示す。新人作家、飛川三縁も例外ではない。駅で花音を待つ間、ひとりの老人に目が留まる。本を読む老人の姿が輝いて見えたのだ───〝檸檬〟か……。 誰かのお迎えだろうか? それとも旅行? 老人の表...
本を読む……中々どうして、これが辛い。今だからこそ書けるのだけれど、昨年末。相棒からの書籍が山積みだった。未読の山にため息が漏れた。この冊数……僕の寿命が尽きぬうちに読めるのか? そんな不安が脳裏を掠める。 けれど、おざなりはできない。なお...
今日は、全国的に春分の日である。 自然をたたえ生物をいつくしむ日に、夏野菜の準備をするのもおつなもの。午後から畝にすき込む鶏糞を買いに、最寄りのホムセンへ出掛けたのだが……致命的なミスを僕は犯した───ポッケに入れたはずの財布がないじゃない...
月曜日、本を読んでいると謎のめまいに襲われた。グルグルと天井が回って立ってられない……。ふと〝脳血栓〟の文字が頭に浮かぶ。それを考える年齢でもある。でも、そうでもない気もするのだが?───推しの子か? 推しの子なんだな? 心当たりがあるとす...
2025年3月14日(金)……世間では、ホワイトデーと呼ばれる日であるらしいのだが、特別なことなど何もなく、気になるのは明日からの雨。暖かいのと畑の具合が気になって、仕事終わりに畑に寄ると、ホトケノザが花満開! この世に大切なのは愛し合うこ...
谷崎潤一郎の猫の描写が〝猫あるある〟の連続で。この人、めっちゃ猫好きじゃん!
夏目漱石は、一八六七年生まれって……慶応じゃね? 江戸じゃん! 夏目漱石の生まれ年が、大政奉還と坂本龍馬の近江屋おうみや事件と同年なのも、ついさっき判明して……こしゃぁ、読書どころでは済まないわ……。『通信簿、万年国語2』 これがキャッチフ...
こんなことある? 充電できなくて壊れたはずのKindleが、しれっと復活したのだが?
2021年に購入した、Kindle paperwhiteから充電を拒否られたのは、去年の今頃のことである。何度も何度も果てしなく。Kindleへの充電を試みても、一向に「Kindleを使用する前に充電してください」のメッセージが消えやしない...
外套がいとうとは、防寒防雨のため服上に着用する衣服のこと。 シャーロックホームズや怪盗ルパン。ハリーポッターが制服の上から、冬の野外で着こなす上着。それが、僕の持つイメージである。現代の言葉に言い換えればコートであるが、昔の僕はその意味すら...
ブログに関して、今の僕はナマケモノだ。 のらりくらりと、ブラブラしている。 下書きだけは、富士山ほど書いているけど、読み返せば愚痴ばかり。何ひとつ、ネットに出せる代物じゃない。ブログつーのは、酔ったサラリーマンが愚痴を吐く居酒屋じゃねーんだ...
畑に生えた雑草の種類で、土の状態が分かるらしい……。 畑を始めた2022年。畝以外の土は固く、雑草とは無縁の状態だった。当時は、コロナ禍であり、三密が叫ばれていた。まぁ、普通に人とも会えず、外出することも少ない。軽い運動を兼ねて、せっせと畑...
2025年2月25日(火) 春じゃがいもの植え付けを実施した。じゃがいもの品種はダンシャクである。当初の予定では、月曜日のショート・ショートのシナリオに合わせるつもりだった。 けれど、雪は降るわ、寒いわ、冷えるわで、無理して風邪でもひいたら...
友人が、この世を去って二度目の冬。 今朝は、この冬一番の冷え込みだった。裏を返せば、これから温かくなるだろう───だから、春じゃがを植えようじゃないか。すでに畝の土はできている。あとは種芋を植えるだけ。 種芋を手に持って、畑にしゃがんで作業...
僕の周りの人たちの話では、この冬は、野菜の成長が悪いのだとか……。僕もそれを、自分の畑で感じていたけど、その原因が分からない。幾らこの冬が寒くても、そこまで寒いか? と訊かれたら、そうでもなくて、定期的に雨も降った。野菜がうまく育たない。そ...
インターネットのなかった時代、僕らの通信手段は電話と手紙であった。隅っこに謎の相合傘がちょこっと書かれた、駅の伝言板も含まれる。今回は手紙の話だ。忌まわしき不幸の手紙。その内容は、ネット時代のチェーンメールのようなものだが、詐欺メールのよう...
大変ご無沙汰しております。雉虎です。 執筆中の、のんちゃんのブログ王第三部。何度も変えた題名を決定して、一万文字ほどの原稿を、めでたく相棒にメールしました。毎度ではありますが、新しい世界の書き出しが難産で、ようやっと勢いに乗れそうです。小説...
今日サヨを書き終えたので、次の執筆に入る前に、取りあえず充電します。新作は、まだ一行も書いていません(汗) プロットも、イメージも。頭の中にあるのだけれど、頭の中がスカスカで、何かを見れば思考がブレて、何かを読んでも思考がブレる。それは、当...
今日もサヨリは元気です(笑)を読んでいただき、ありがとうございました。掲載の道中でいただいた、数々の温かいお言葉にも支えられて、ようやく完結することができました。読者の皆さまには、感謝の言葉しかありません。心よりお礼申し上げます。 2024...
この家で暮らし始めてから、数日が経ちました。雨のコンビニで、ボクを助けてくれた男の人は、いつもニコニコしています。そして「お父ちゃんだぞぉ〜」と言って、ボクに高い高いをしてくれます。だからボクは、この人をお父ちゃんと呼んでいます。 高い高い...
034 再会―――空耳じゃない! 愛しい声が聞こえる向こうで、痩せた猫がうずくまっている。額にくっきりMの文字。サヨリと同じキジトラだ。近づくと、猫は俺を見上げて「ア、アっ」 と、鳴いた―――刹那に二十年前の記憶が蘇る。サヨリだ! 俺は、い...
033 転生 生まれてすぐ、ボクは捨てられました。どうやって生きてこれたのかも分かりません。本能のままに仲間を真似て、虫や魚や草を食べました。人間には近づきません。たくさんの不幸を見てきたからです。幸せになった仲間もいたけれど、その数は少な...
032 産神チフユ 人間が忌み嫌う死神は、どうして千の春と書いて〝チハル〟と呼ばれているのか? 魂を現世へ誘う産神は、どうして千の冬と書いて〝チフユ〟と呼ばれているのか? 死と生とを鑑みれば、逆だと感じる名前です。けれども、現世の外側に身を...
031 蛍 もう一度、お父ちゃんと暮らしたい。決断の日、ボクは転生すると決めました。「ボク。転生して、お父ちゃんの所へ行くよ」 トビちゃんは、寂しそうにボクの頭を撫でました。「サヨリさん、無理してない? ここにいても、いいのよ」 トビちゃん...
030 決断 ヨネさんが、小さなため息をつきました。「私はね、便利屋さんが心配なの。あなたと息子が重なるの。余計なお節介なのは承知しているのよ。でも……放っておけないの。これも親心って、いうのかしら」「……いえ」「だって、便利屋さん。笑わな...
029 手紙 ヨネさんの口から出た『トビちゃん』の響きに、トビちゃんがボクをギュッと抱きしめました。ヨネさんはトビちゃんと同じくらい、お父ちゃんのブログを熟知しているようです。「私はね、毎日ブログを読んできたの。だから、それくらい理解してい...
028 告白 お父ちゃんはショックだったのでしょう。お仏壇を見つめて言葉を失くしてしまいました。ヨネさんは、優しい声で真実を語り始めました。「私、便利屋さんに謝らなければいけないの。私……息子が死んでから。便利屋さんのブログを読んでいたのよ...
027 四十八日 ボクが死んでから四十八日目。転生か、天国か、それともここに残るのか?……ボクは明日、それを決断しなければなりません。 十蔵さんの一件で、チョコは転生するって決めたけど。もしも、お父ちゃんに好きな人ができたなら、ボクだってト...
026 求愛 ボクがここへ来てから四十日目の夕暮れ。湖の水面からお父ちゃんを眺めていると、ちょんちょんと、チョコがボクの背中をつつきます。「どうしたの?」「サヨリ兄さん、折り入っての相談があるっす」 チョコらしくもない深刻な目の色に、ボクた...
025 ウエディング ボクがここへ来てから三十五日目の午後。それは幸せに満ちた午後でした。「サヨリ兄さん。サチさんちへ行きましょう!」「うん、そうしよう」 ボクとチョコは、サチさんの所へ遊びに行きました。サチさんのお話が楽しくて。これまでも...
024 読書家 トビちゃんの木には、トビちゃんの胸の高さに、小さな扉がひとつあります。その扉は、天国の図書館と繋がっていて、好きな時に、好きな本を貸してくれる扉です。 ボクはお父ちゃんから聞いて知っています。トビちゃんが読書家だってことを。...
023 青き絶望 ボクがここへ来てから二十二日目の夜。 タロウが守る木の方角で、青色の蛍火が見えました。青い蛍火は、待つ人に忘れ去られたことを意味します。「サヨリ兄さん。タロウちゃん、大丈夫っすか?」 チョコはとても不安げです。でも、猫と同...
022 ハーレム トビちゃん、チョコ。そして、ボク。 十蔵が天国へ召されてから、三人での暮らしが始まりました。チョコは元気そうな素振りだけれど、ちょっとした瞬間に、とても寂しげな目をします。だからできるだけ、ボクはチョコと一緒に過ごします。...
「八時やて言うたけど、十時半な」───なんですと? バディのヤツ。急にお客さんから言われて、声高らかに「分かりましたっ!」と答えたのだろう。お陰でこっちの予定は丸つぶれ……さて、どうしたものかね、二時間もの空き時間?───あっ! 怒りの先で...
021 天国の階段 ここへ来てから十五日目の夜。寂しい事件が起こりました。 十蔵の木の方角から、疾風の如く黒い毛玉が駆けてきます。チョコが血相を変えて、ボクらの所へやってきました。「助けてぇー、サヨリ兄さん! 十蔵ちゃんが、大変なことに!」...
020 タロウ「サヨリ兄さん。自分ちょっと、いいっすか? 放っとけないっす」 チョコは一目散に、木の根元へ駆け出しました。白い子犬の姿が見えます。ボクは帰りが気になったけれど、チョコを置いて帰れません。ボクもチョコの後を追いました。「そこの...
019 サヨ・チョコ探検隊 ここへ来てから十日目の早朝。チョコがボクのところへ遊びに来ました。「サヨリ兄さん。自分とデート、いいっすか?」「え? サヨリさんとチョコちゃんって―――短いうちに、そんなことになっていたんですか?」 トビちゃんが...
今日もサヨリは元気です(笑)ばかりでは「ブログも書けよ」という話にもなります。今日は中休みを入れて、お正月にちょっぴりご紹介した相棒からの〝マイブック〟のレビューです。 結論から申し上げれば、予想以上に使い勝手がよすぎでした(笑) マイブッ...
018 心の仮面 心ちゃんとお父ちゃんは、お腹を膨らませて店を出ました。心ちゃんは満足げ。お父ちゃんは、絶食で胃が小さくなったのでしょう。ちょっと苦しそうに見えました。でも、その表情は明るかったです。「なんか、悪いな。本来ならば、ここは僕が...
017 ココイチ お父ちゃんの好物は、サッポロ一番とココイチのカレーです。それが好きすぎて、何度もブログに書いていました。お父ちゃんがココイチのカウンターに座ると、隣に女の人が座りました。「お邪魔するよぉ~、ぐふぅ」 出たな、おっぱい星人!...
016 小説 今日、心ちゃんが訪問した目的は、ボクにだって分かります。トビちゃんからの手紙を渡すこと。お父ちゃんを元気づけること。そして最も重要なのは、お父ちゃんに食事を取らせること。本丸に見えても、そうじゃない。小説のことは二の次だってこ...
015 心ちゃん 今日はボクの初七日だそうです。ボクが死んでからというもの、お父ちゃんは、一心不乱に何かを書いていて、あまりご飯を食べてません。だからお父ちゃんは、痩せ細ってしまいました。「食べて……誰か……助けて」 不安げにトビちゃんが言...
014 ヨネさん ボクがここへ来てから、三日が過ぎました。トビちゃんと湖の水面みなもを覗くと、ヨネさんちの豪邸でお父ちゃんが庭の掃除をしています。お父ちゃんは便利屋に務めていて、ヨネさんはお父ちゃんをご贔屓ひいきにしてくれるお客さんです。 ...
今日は一息、ブログを書きます(笑) 先ずは何よりも一番に、愛猫へのお話しを読んでいただき厚くお礼申し上げます。皆様の応援で、ここまで辿り着くことができました。ありがとうございます。 お正月も終わり日常が始まって、今日の高松には雪まで降って。...
013 蛍火 ボクがここへ来て、初めての夜が訪れました。電気も街灯も何もないので、明かりはチラホラ見える焚たき火だけです。それにも増して、空に散らばる星々の輝きだけで、うっすらとトビちゃんの横顔が見えました。「ねぇ、トビちゃん。お星さまが動...
012 雷電 ボクはトビちゃんに訊きました。「ねぇ、トビちゃん。お空に飛んでるのはなんですか?」「わたしは雷電らいでん、十蔵さんはヤマト。あれはね、ここに住むひとたちが、生きている時に好きだったものなのよ」 空を見上げると、ラーメンどんぶり...
011 兄さん「サヨリさん、おかえりなさい。チョコちゃんとお友だちになれた?」 散歩から戻ったボクに向かって、トビちゃんが両手を広げます。迷わずボクは、トビちゃんの胸ポッケの中に入りました。この中に入ると、何故だか心が和みます。「サヨリさま...
010 地獄「地獄は辛いところよ。とても辛いところなの。それでも聞きたい?」 ボクとチョコに、サチさんが凄みます。チョコは怖くなったのか、ボクにピッタリとくっつきました。顔が……近い。ボクはサチさんに問いかけます。「虹の橋から、ここへ来る道...
009 大往生 ボクの先達せんだつさんが人間だと知ったチョコは、ボクの前でひれ伏しました。その理由が、ボクにはさっぱり分かりません。「サヨっ……いいえ、サヨリさま。大変なご無礼をお許しください。自分、不器用ですから……」 さっきまでの威勢は...
008 四十九日「はぁ……そこからですか? ほんと、あんたの先達せんだつさんは雑だわぁ」 チョコは、四十九日を知らないボクに、深いため息をつきました。ボクの先達さんは、雑なのだそうです……。「ウチらはね、これからここで、四十九日を過ごすのよ...
007 黒猫 天国の待合所は、地平線の先まで緑の絨毯じゅうたんで覆われていて、所々にお花が咲いていて、巨大な公園のようでした。広い湖を囲うように、所々に白いベンチが置かれています。待合所の人たちは、湖を眺めたり、談笑したり、空を眺めていたり...
006 イケメン 水面みなもに映るボクの顔が、お父ちゃんの姿になりました。段ボール箱の中で眠るボクの頭を、お父ちゃんが撫でています。「ボクはここだよ!」 お父ちゃんに向かって、何度も何度も叫んだけれど、ボクの声は届きません。向こうのボクの頭...
005 天国の待合所 ワシが乗る雷電と、子猫が乗った戦艦ヤマトは、並んで同じ野原に着陸した。どうやらここが、トビちゃんが暮らす場所らしい。 広い野原の真ん中に、大きな湖が広がっている。その水面を覗き込む人の姿もあった。ほとんどが人間じゃった...
004 トビちゃん───死ぬるーぅぅぅ。絶対、死ぬーぅぅぅ!!!! ワシは今、虹の橋のてっぺんから、地の底に向かって落ちておる。チハルは地獄などないと言うておったが、このまま落ちれば地獄じゃろう。もしかすれば、チハルはあの世のペテン師じゃっ...
今日もサヨリは元気です(笑)ー橋のてっぺんー どれくらい走ったじゃろうか? 近いような、遠いような……。この橋のてっぺんから、トビちゃんの名を叫べばよいのじゃな。簡単じゃ。巨大な虹の袂たもとで、ワシは気合を入れ直し、足取りも軽く一気に駆けた...
今日もサヨリは元気です(笑)ー虹の橋ー 月に吸い込まれるように、ワシの体がグングン昇る。それがとても気持ち悪い。それは、若き主あるじが操るマウンテンバイクのようじゃった。リュックの中で、どんなデコボコ山道でも恐るに足んワシじゃったが、老いに...
新年あけましておめでとうございます。 旧年中はお世話になりました。 本年もよろしくお願いいたします(笑) こちら高松は晴天の穏やかな一日でした。 皆様のお正月は如何でしたでしょうか? このお正月には楽しみがありまして、冒頭の本がそれでして、...
今日もサヨリは元気です(笑)ーワシが死んだ日ー つい……うっかり眠っておった。 ワシの名はサヨリという。主あるじとの付き合いも、かれこれ二十年ほどになるのかのう。ワシもすっかり年老いて、今じゃ、立つのもままならぬ。にしても……ワシの体が浮か...
今日もサヨリは元気です(笑) ー出会いと別れー―――猫は飼い主を選んで姿を現す。飼い主に寄り添い、支え、癒やし……その短い生涯を終える。飼い主から、深き愛情を受けた猫は、毛皮を着替えて転生し、再び飼い主の前に現れると言う……。「ア、アっ」 ...
2024年は大詰めで、2025年は目前で。このままじゃ、愛猫サヨリの小説が投稿できないじゃないかという、瀬戸際の大みそか。読者の皆様におきましては、楽しい年末をお過ごしのことだと思います。本年も大変お世話になりました。心より感謝しています。...
人は神様の自分勝手な気まぐれを〝奇跡〟と呼ぶ。 もしも生まれ変わりがあるのなら、猫でよろ……。死に際に老人はそう願い、その人生を終えた。かつて、この老人と暮らした猫がいた。息を引き取るその日まで、自由奔放に暮らした愛猫に、老人は憧れを抱いた...
ようやっと、2024年から解放された。一週間ぶりにキーボードを叩く。ブランクあれど、指は快適に動いている───問題ない。 それはたぶん、パソコン(富士通FM-7)を手に入れた高一の春以降、人生初の体験だった。脳みそを一旦白紙。心のリセットを...
───大変なことになってしまった……。 再々、冬の畑に行くことはないのだが、年内にやらねばならぬことがある。シンジ君だって「僕がエヴァに乗ります!」しなければ、きっと来年、地下から忍び寄る脅威によって、畑がとんでもないことになってしまうのも...
───あら、可愛い。 先日、とあるブログの読者の方からお菓子をいただきました。銀座七福神と七福神あられ。そのパッケージに描かれた七福神のイラストだけで、ほっこりした気分になります。カレンダーは数量限定で貰えるそうで、本来の予定よりも早く購入...
2024年12月12日。 去年の大根は、葉っぱを根こそぎ虫に食われて、それはもう散々でした。葉っぱがないから育ちやしない。この冬も気温の高い日が続きます。つまり、期待値はかなり低くて、それでも、ふたつの畝に大根の種をまきました。きっと虫の餌...
本を開いてふと思う。 読書ってのは、攻めだよなぁ……脳が攻めてなければ、まったく内容が頭に入らなくて。読書が不得手な僕にとって、本を開く瞬間の「読むぞっ!」の気合いは欠かせません。 読書を「攻め」と呼ぶのなら「受け」は動画が相応しい。映画、...
みなさんのメールボックスには、どんなメールが届くのでしょう? 毎日、毎日、飽きもせず。僕のメールボックスには、五十通ほどのメールが届きます……スパムが(汗) 主にAmazonさんからが多いでしょうか? 楽天さんとか、PayPayさんとか、メ...
───今日、本日。 十二月一日(日)は、早川花音はやかわかのんの十九回目の誕生日である。朝早くから、放課後クラブのメンバーたちが、俺の家に集結し、さながら文化祭前夜のような騒ぎになっていた───もちろん、お誕生会の準備である。「おはよう、ツ...
───寒いなぁ……歩こうか。 冬になると、僕には歩き始める習性があるようです。ウォーキングと言えば大げさで、通勤とか買い物とかの移動手段を〝歩く〟に切り替えただけでの話です。コロナの頃まで歩くのは、ダイエットが目的でした。けれど去年から、そ...
同じような作業を繰り返すと、脳がバグってミスをする。たとえば、一桁の足し算をやり続けると、時間に比例してミスが増える。だんだんと、何がなんだか、ワケが分からなくなるものです。それをゲシュタルト崩壊というのだけれど、僕は学者さまでも何でもない...
───11月26日(火) 今日の高松は、愛猫が逝った日と同じような、朝から雨の一日でした。数日もすれば、12月だというのに、サヨリの居ない事務所では、コタツを出すこともありません。出す気配もありません。この季節になるといつだって、僕の膝の上...
───あぁ~ん! ヤレない女と付き合う意味なんて……あんの? デート中に彼氏が言った。それってさ。今、アンタが言うセリフかね? ムカついたから、その場でぶん殴って別れてやった。その後で、メアドも電話番号も全消去。これで、人生初のデートが幕
霜月も後半戦と言えども、さぬきの寒さは厳しくなくて……サヨリの居ない事務所では、未だにコタツすら出していません。多少の肌寒さを感じても、事務所専用防寒着(ワークマンのスゴイ奴)と、貼るカイロが二個もあれば、それで十分。とはいえ冬は、ほかほか
ため池に咲く雨の花。畝うねの上にはマルチの絨毯じゅうたん。この猛暑が嘘のように、日差しも和らぎ、落ち着いた気温にかまけて、十日ほど畑をサボっていました。本音を言えば、友人と愛猫と。想い出たっぷりな畑が、僕の足を遠ざけました。でも、それはそれ
「今日から、お前。オレらのパシリ決定なっ!」 五年生の二学期初日。林はやし君の宣言に、ボクの地獄が始まりました。ボクはイジメの対象になったのです。十月まで我慢して、その我慢が限界を突破して、ボクは不登校になりました。もう、ボクなんて……ど
思い切って自分のブログから広告を外すと、束縛や拘束……呪縛のようなものから開放されたような……なんだかスッキリした気分になったのも、一年以上も昔の話。それまでご法度だった〝ちんこ〟を、俺の勇ましい戦士は……ひとり静かにたたずんでいる……なん
ルックバックに、X(旧ツイッター)がざわついていた。Amazonプライムビデオで配信が始まったからだ。女の子が机に向かう後ろ姿……知ってる。このイラストも、X(旧ツイッター)でバズっていた。いずれ、詳しく調べることになるだろうけれど……現時
「ブログリーダー」を活用して、キジとら・サヨリさんをフォローしませんか?
5月9日早朝。 いつものように仕事へ出掛け、いつもと変わらぬ挨拶を交わし、何食わぬ顔して桃の摘果の作業を始める。空を仰げば曇天で、僕の心と同じ色。心身ともにボロボロだ。作業開始から一時間後、大粒の雨が降りだした───今日の作業は、ここまでだ...
五月七日は、ボクの誕生日である。その前日、ゴールデンウィークの最終日。 お昼のうどんを済ませたボクが、部屋で三島文学を満喫しているのは、偶然ではなく必然だった。飛川ひかわさんの邪魔はない。それを見計らったかのように、ボクのマンションのチャイ...
ボクの同情心などつゆ知らず、声を荒げる飛川ひかわさん。「忍、代わって!」 広瀬さんから手際よくスマホを奪うと、飛川さんはテレビ通話に切り替えた。ボクにも会話が丸聞こえだけれど、気にも留めずに話を始める。「ちょっと、桜木君でしょ? 余計なこと...
───ゴールデンウィーク前日。 放課後の体育館裏で、ボクは三人の男子生徒に囲まれていた。辺りを見渡し、ボクは監視カメラを探すのだが……ない!「ようやく会えたね、黄瀬君。監視カメラがないのが残念だ。さぁ、お兄さんたちと遊ぼうよ」 三年生を意味...
───2025年4月30日(水) 野菜の支柱を竹に切り替えました。というのも、三年使う予定だった支柱がポキポキと折れ始めたからです。百均で購入すればよいのですが、折れた支柱の処分に困るので、山から竹を切って使うことにしました。朽ちた竹を菌ち...
今ボクは、飛川家のダイニングテーブルの前に座っている。ボクの隣にゆきさんが、ボクの前には飛広コンビが座っている。アウェイでプレイするサッカー選手。その心理が、よく分かる。 飛川先生はキッチンで、アジフライを作っている。飛川家では、女子をお姫...
広瀬さんがこよなく愛する小説家は、広瀬さんの身近な人だった。その衝撃にたゆたう暇を、飛川さんは与えない。 というよりも、さっきから殺気立っている。釣りはもっとこう、のんびりするもの……でもなさそうだ。「きいちゃん、時は来たれり!」 そう言う...
ベンツを操るおっぱいゾンビが、広い国道から狭い山道へと進路を変えた。ボクらを乗せた赤いベンツだ。 山道に入った途端、車内がシーンと静まり返った。頑なに、ゾンビを否定するボクだとて、この沈黙には並々ならぬ恐怖を感じる。 あの飛川ひかわさんが、...
───2025年4月24日(木) 前回の畑の近況報告へのアクセスが思いの外よかったので、味を占めてシリーズ化しようと思います。週に一度のペースなら、野菜の成長度合いがよく分かります。サツマイモの収穫時期(十月中旬)くらいまで、記事ネタに困る...
───2025年4月22日(火) 畑のゴミの廃棄の準備で、今日は畑に寄りました。使い終わった、不織布・ビニールシート・マルチや折れた支柱が主なゴミです。小さな畑ですから、ゴミの量は大したものではありません。ですが、数が少ないうちに処理をする...
目の前で繰り広げられる、恋愛ドラマをボクは見た。 デートの誘いを直視するなど、最初で最後の見納めだ。その興奮が冷めやらぬうちに、午後の授業が終わってしまう……。 ボクの後ろの席では、五枚の入会届をニヤニヤ見つめる飛川ひかわさん。如何にも悪代...
後ろの席の飛川ひかわさんが、食事を済ませて席を立つ。「きいちゃん……私。必ず生きて帰るから」 大げさな、死にはしない。職員室でお叱りを受けるだけだ。「飛川さん、御武運を」「うん、月読つくよがんばる!」 大きなリュックを背たろうて、飛川さんは...
───2025年4月18日(金) 畑の近況報告をば。今回は、数が多いのでブログ風で(笑)よつぼし(苺) もうちょい頑張れば、よつぼし苺が食えますなぁ(笑) 気のせいでないのなら、今年は実がたっぷりって予感がします。小さい実を間引きしたとて、...
四月も半ばを過ぎた頃。飛川ひかわさんが事件を起こした。「ねぇ、きいちゃん」 後ろの席の飛川さんは、いつも笑顔で問いかける。「ゾンビの知り合いっている?」 満面の笑みを浮かべる飛川さん。勉強のしすぎで壊れたか?「そうですね、今のところ……いま...
明光めいこう中学に入学してから早いもので、一週間が過ぎ去った。ボクは相変わらずのボッチだけれど、イジメなき世界は素晴らしい。「ねぇ、きいちゃん」 後ろの席の飛川ひかわさんは、いつも笑顔で問いかける。「きいちゃんは、小説を書かないの?」 教え...
───2025年4月10日(木) 夏野菜の準備もひと段落。さりとて、種の発芽が気になって、畑に行くと事件です! アイキャッチ画像でお気づきだろうか? 辻斬つじぎりりに襲われたかのように、ナスの葉っぱが切れてます!───このバラバラ事件の犯人...
───2025年4月8日(火) ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば……もうちょっと、風流に鳴いてくれないか? 山の麓ふもとでせわしなく、カラスとホトトの大合唱。おまけに暴風だって、春何番だよ?……営業妨害も甚だしい(汗) それに加えて玉ねぎ...
後ろの席の飛川ひかわさんは変わり者だ。その表現に問題があるのなら、先駆者せんくしゃと言い換えてもいいだろう。パイオニアだ。「きいちゃん、おはよう」 学校の下駄箱の前。甲高い声で、朝のあいさつをする飛川さん。「飛川さん、おはようございます……...
平岡修斗ひらおかしゅうと君からの助け舟で、便所飯の脅威は免れた。平岡君に吸い込まれるように、ボクは彼の席へと移動する。「まぁ、黄瀬きせ君。ここに座んなよ。にしても、すげぇ~のな。飛川月読ひかわつくよだっけ? 夢が花嫁って、ピュアの申し子って...
2025年4月6日(日) 桜吹雪を眺むれば、そろそろ頃合いの気配を感じた。やっとけ……か? いずれにせよ、今週は夏野菜の定植をしなければならず、どうせなら早く済ませたい。そんなぶらり散歩気分で、スーパー(マルナカ)とホムセン(ダイキ)で、ト...
桜木とオッツー、アケミとゆき、それと俺。 俺たち放課後クラブは、メンバーの誕生日が年中行事に組み込まれていた。転校生の桜木は小学からだけれど、他のメンバーは幼稚園からの幼馴染み。物心ついた時から誕生日祝いは当たり前だ。当然のように、ツク
───2024年夏。うどん県のとある村が一夜にして消滅した。しかし、その真相は政府の手により極秘とされた。調査を重ねた我々が入手した音声データを再生すると、驚愕の証言が記録されていた。これは、その音声を文字に起こしたものである。なお、音声の
金曜日は小説の話。 ───人は文字を読みませんよ(笑) 僕はスマホの向こうに笑って言った。 お前、小説を書いてるくせに何てことを言うんだよ? 何様だ?───読者の皆さんから総ツッコミを受けそうだけれど、ネットショップに限定すれば、これが
木曜日は雑談の日。 ───もう、無理! 限界突破で思考が回らん。 毎日ブログを書いていると、人間だもの。そんな日だってある。ゴールデンウィークの少し前から、ブログスの記事トックが切れてしまった。これが致命傷だった(汗) あれだ……心に余裕
水曜日は猫の話。 桃畑で摘果してると猫の話題で盛り上がった。かつて、猫を九匹も飼っていた勇者がいたからだ(現在三匹と同居中)。愛猫しか知らない僕にとって、興味深い話が飛び出す。その中で、オス猫は甘えん坊という話題に突入した───うちのサヨ
───火曜日はレビューの日。 2024年5月7日(晴) 今期最後の種まきをした───よつぼし苺である。苺はランナーと呼ばれる茎を伸ばして、己の分身をつくり出す。それを太郎さんと呼んでいる。太郎さんから伸びたランナーは次郎さん。次郎さんか
月曜日は畑の話。 ───2024年5月5日(こどもの日) こどもの日は絶好の晴天だった。けれど、明日は雨模様。その確率が90パーセントを超えている。つまり、明日の畑はお休みで、今日もサヨリは元気です(笑) うーん、どうしようか……? 今日
のんと楽しいクリスマスを過ごした翌年。地元大学への入学切符を手に入れた俺の元へ、青葉導人と名乗る人物から手紙が届いた。俺は思った───詐欺かもしれない。とてもじゃないけど、こんなの俺の手に負えない。だから、次の一手は決まってる! 桜木だ。俺
───もぉーーーーダメっ! わたしのストレスが限界だった。ハゲ課長にネチネチ言われるわ、残業は多いわ、給料が上がらないのに物価ばかり上がってさ。OL生活10年目。わたしの堪忍袋の緒が切れた───今日は無断欠勤してやる! 「課長、いつもお若
金曜日は小説の話。 かれこれ、小説を書き始めてから早一年。僕の書き方にもチョットした変化が起こっています。これまでは、ダダーッと書いてから読み返す。書き直してから、そこそこ出来たら相棒に読んでもらって書き直す。その繰り返しだったのだけれど
木曜日は雑談の日。 ───まだ、早いけど……。 自家栽培に着手したコロナ禍と打って変わって、畑へ通うのは困難を極める。毎日となれば神業に近い。そうなると、困った問題が生じ始めた……収穫である。きゅうりもオクラも成長が早い。タイミングを逃す
水曜日は猫の話。 今日は猫の話題を書く日だけれど、猫の研究者でもない僕である。つまり、書くのはサヨリだけ。そうなると、どうなるかって? 老猫は基本、寝て起きて、飯食ってウンコして寝るだけだ。まぁ、普通に書くことがなくなるのだ(汗) それで
火曜日はレビューの日。 三月か四月か少し前、コメダ珈琲でランチを食べた。いつもなら、お昼はうどんで済ませる僕だけど、今日は誕生日だからと背伸びしてみた。だってそうでしょ? コメダがどれだけリーズナブルだと言われても、僕には高級レストラン。
月曜日は畑の話。 ───今日の仕事はネギとニラ! いつだっけ? そうそう、去年の9月の半ばだっけ? 万能ネギとニラの種をまいたのは。でも、思ったように発芽もせずに3月になってやる気を見せた。でも……何かが違う。僕のイメージとはまるで違う。
その日。オッツーは学校帰りに三縁の家でゲームをしていた。オッツーが三縁の家で晩飯を食べる。それは、彼らにとって日常のひとコマでもあった。ただ、オッツー家がシチューの日だけは例外であった。 「悪ぃ~な。俺、これからブログ書くから」 三縁は自
目覚めてすぐにスマホを開く。SNSとメールチェック。それが朝のルーティーン。昨夜は飲みすぎたのだろう……どうも頭がボーっとしている。はっきりとしない意識の中で、いつものように顔を洗い、いつものように歯を磨き、いつものようにスーツに着替える。
金曜日は小説の話。 ───小説を書いています。 それを他人に喋らない。仲良しにも語らない。小説を書く行為に共感する人など見たことないからだ。僕の身の周りは、そんなふうにできている。読む本は漫画だけ! そんな世界で生きてきた。だから、無理し
木曜日は雑談の日。 二日連続で雨が続いた……。 雨が降ろうが槍が降ろうが、バディの日なので畑に行く予定はなかった……そんなにバディは甘くなくて、今日もサヨリは元気です(笑) 二日も降り続いた雨である。水やりする必要はない。でも、今日は
水曜日は猫の話だけど、今宵は、満月だからスイカの話。ちなみに、四月の満月はピンクムーンと呼ばれています。 種をまけども芽が出ない。時期をずらし、場所をずらし、気持ちを込めて、気合いを入れて。結構な数を仕込んでも、スイカの芽が全然出なくて、
火曜日はレビューの日。 さつまいもの芽出しは難しい。だから数で勝負する。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるというヤツで、今日もサヨリは元気です(笑) 9月の収穫で形の悪いのや小さなさつまいも。それは、畑のもみがらの中に埋めて越冬させた。畑での冬