41歳,引き籠り独身女のブログですぜですぜDeath是 詩と小説書きですぜですぜですぜDETHZE(TheZed)
神よ。此の地獄と暗黒の世に真の悲しみとカタルシスを。
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彼らは完成されるすみやかに、そして処罰される日は近い彼らの足として、よろめく彼女に時機を得ん、そして贖い(報い)、復讐(報復)は、わたしである申命記32章35節【閲覧注意】この作品には暴力的、残虐的、性的な描写が多く含まれています。Monday,October30,1989Didn'tsleepatall.Suckedhimfiveorsixtimes,masturbatedtentofifteentimes,crotchfuckedsixorseventimes.1989年10月30日(月)一睡もできなかった。5、6回しゃぶり、10〜15回マスターベイション、6、7回股間ファック(crotchfucked)した。彼女はぐっすりと眠っている。午前2時まで、とにかく僕は彼女を犯しつづける。キスや、乳首を吸っ...愛と悪第百章後編
すべての未来、すべての過去、すべての今を今、上演させる主、ヱホバ。1989年10月29日(土)午前9時42分今日は何度か目が醒めて、僕は自分が幼い頃に性的虐待を誰かから受けていたんじゃないかと、また憶いだそうとしていた。でもやはり憶いだせなかった。今日、夢と現のなかでサタンから福音を受けた。僕は今日、必ず女の子を与えられる!とても可愛い子で、僕は彼女に一目惚れしてしまうんだ。僕は必ず、今日と、そして明日、僕の最大限の力をこの世界に対して使うことができるだろう。僕はその力を、僕の魂と引き換えにサタンから与えられたんだ。そうであるからには、僕は弱気になるわけには行かない。必ず、成功させると約束する!僕はもう少ししたら狩りに出掛ける。僕の可愛いちいさな餌食が僕を待って、輝いている!僕は僕が何をすべきで、僕に何が...愛と悪第百章中編
すべてのレイプと拷問の後に殺された少年と少女たち、ヱホバ。彼は此の、暗い荒野に挟まれた道を車で運転しながら、"彼女(Girl)"について、彼女に語り始める。助手席で眠っている彼女は、まだ、眠りつづけている。僕はあの日、午後3時過ぎに、初めて通った抜け道の途中で、彼女を見つけた。彼女は、薄暗いガレージのなかにいて、何かをせっせと鞄に詰め込んでいた。(それはあとで雑誌だとわかる。)9歳か、10歳くらいだと思った。僕は車を路上に止め、狭い道路を挟んだ真向いの家の前から彼女を眺めていた。彼女は仕事を終えたようで、鞄を重たそうに抱えると振り返り、僕と目が合った。その瞬間、彼女は耳まで真っ赤になって、僕に"観られてはいけないものを観られてしまった!"という気まずそうな顔で咄嗟に顔を伏せた。僕はそれを観て、なんとなく勘...愛と悪第百章前編
Jehovah,theloneliestsaddevilintheuniverse.ヱホバ、宇宙で一番孤独な悲しい悪魔。※この作品には暴力的、残虐的、性的な描写があります。1989年9月Wes28歳時新しいアパートから1マイルのところにあるデイヴィッド・ダグラス公園を発見する。“goodplaceforarapeandmurder,orkidnap…agoodhuntingground.”「レイプや殺人、誘拐に適した場所...いい狩場だ。」Sunday–September3,1989日曜日–1989年9月3日“ifIcangetithome,I’llhavemoretimeforvarioustypesofrape,ratherthanjustonequickiebeforemurder.”"家に持ち帰る...愛と悪第九十九章
わたしは光を形づくり,闇を創り,平和を創り,悪を創る。わたしはヱホバであり,これらすべてのことを行う。AmericanStandardVersionIsaiah45:7Iformthelight,andcreatedarkness;Imakepeace,andcreateevil.IamJehovah,thatdoethallthesethings.敬愛なるKaaq様。御元気でおられますでしょうか。御返事をずっと待って居ますが、返っては来ないので寂しい想いでいます。実は今日、WestleyAllanDodd(実は一番長く付き合った元恋人にそっくりなのです。)のことを想ってマスターベーションしてたのですが、途中から相手がKaaq様に変わっていました。それで、想ったのです。まだ、好きなのだなぁ。と。わたしはも...愛と悪第九十八章
仄かな光のなかに、真の安らぎを見い出し、そのあたたかい水のなかに眠る夢を見ているちいさな天使、ヱホバ。真夜中に青白く、冷たいランプの灯りに照らされて無機質で白い空間にいる女が、悲しげな表情でレジを打っている姿は、男に抗えない深い情愛を感じさせたが、同時に寒々しい恐怖を覚えていた。その光景は神に背くものとして完璧であるとさえ想えた。それはどこまでも死の象徴として完成されたもの、それを壊すことは一つの完全さを壊すことであり、じぶんがこれからしようとしていることが、どのように自分を満たし、またすべてから遠ざかり、人間を喪い、じぶんを喪ってゆくかということを男は考えていた。客が来ないあいだにも、女は硬直した身体と表情でカウンターの奥に立って、まるで宇宙の果てにあるものを見つけ、それ以外に関心などないというように、...愛と悪第九十七章
空から巨大な燃える船が、ひとつの闇の入り江に着いて、其処から無数の白くちいさな光る蛇たちが生まれた。ヱホバ神は、之を、良いと御覧になられた。AramaicBibleinPlainEnglishAcunningmanseesevilandishidden,butfoolshavepassedbyitandhavesufferedloss.アラム語聖書(平易訳狡猾な人は悪を見て隠れるが、愚か者はそのそばを通り過ぎ、損失を被った。悪賢く、抜け目のない男は危害を見て隠れましたが、分別[思慮]のない人,ばか者,まぬけ,足りないやつ,愚人、また愚弄(ぐろう)される[もてあそばれる]人は通り過ぎて罰せられました。此処に、ひとりの非常に狡猾な男がいた。彼は、“ヤバいもの”に頗る敏感だった。何が、どれほど、ヤバいのか。とい...愛と悪第九十六章
『目が覚めると、わたしは果てしない闇のなかを蠕動する一本の繋がった透明な光の内臓を持つ銀色のthread(血管、脈絡)だった。』と、我がヱホバ神は親しみを込めてわたしに言った。Luke11:24,KJV:Whentheuncleanspiritisgoneoutofaman,hewalkeththroughdryplaces,seekingrest;andfindingnone,hesaith,IwillreturnuntomyhousewhenceIcameout.ルカ11:24、汚れた霊が人から消えると、彼は乾いた場所を歩き、休息を求めます。何も見つからなかった、と彼は言いました、私は出てきたところから私の家に戻ります。Luke11:25,KJV:Andwhenhecometh,hefindethitswe...愛と悪第九十五章
愛する妻、愛する娘、愛する母が、目の前でわたし(自分)に犯されつづけるのをわたしの内側から光も闇も突き抜けるその見開いた眼で見つめつづける神、ヱホバ。1Corinthians6:18Fleefornication.Everysinthatamandoethiswithoutthebody;buthethatcommittethfornicationsinnethagainsthisownbody.1コリント6:18姦淫から逃れなさい。しかし、姦淫を行う者は、自分の体に対して罪を犯しているのです。主よ。わたしはあなたをだれよりも愛しています。あなたは、本当のわたしです。わたしは幾度も、姦淫(婚前交渉、マスターベーション)の罪を犯しました。それが、「大罪」であると知りながら。わたしはわたしを犯しつづけて来ました。そ...愛と悪第九十四章
神ヱホバは、天から人々を見下ろし、深く悲しみ、涙を流された。それは人々が、「わたし(自分)ではないものをひたすらに求め、わたしであるものを求めてはいない」からだった。John14:6Jesussaithuntohim,Iamtheway,thetruth,andthelife:nomancomethuntotheFather,butbyme.ヨハネ14:6イエスは彼に言われた、「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしによってでなければ、だれも父のもとに来ることはできない。」彼は彼女にこう言った。「わたしはあなたがたの永遠の道、すべての真理、無限の命である。わたしはあなたがたが永遠に生きることを知っている。だがわたしによってでなければ、だれも真の恍惚な幸福を知ることはできない。」Revelation21:...愛と悪第九十三章
すべてを愛し、すべてを憎み、すべてを破壊したあとに唯一残された時、それを"わたし”と呼ぶもの、ヱホバ。地球上の全政府が、集まって会議を行った結果、意見を一致させた。『緊急に、"彼女"を殺害せよ。』自分の業の記憶をすべて失い、彼女は何者かに匿われて生活している。地下の窓から、ホログラムのビーチを眺めながら彼女は助けられた瞬間のことを夢を想いだすように想い返していた。そのとき、彼女はゴーストタウンと化した街中の路上で行き倒れたように眠っていた。各国から派遣された暗殺者たちは彼女をついに見つけ、連絡を取り合って同時に攻撃する瞬間の約0.1秒前に、黒い甲殻スーツを纏った何者かが彼女を目にも留まらぬ速さで連れ去った。戦車や戦闘機たちは政府に連絡した。「あまりに早くて何も見えませんでしたが、レーダーでは観測しました。多分、...愛と悪第九十二章
サア、引き上げよう!一人残らず、すべての人をこの網でとることができた!天の軍団が、そう言って立ち去ったあと、ぽつんと、自分がこの暗い海辺に独りで存在していることに気づいた神、ヱホバ。FallAsleepWithRelaxingWaveSoundsatNight,LowPitchOceanSoundsforDeepSleeping1月16日(日)5:34(18時間前)ヘッ、〖悪魔〗は存在しないさ。存在する全てが、想像によって創造され、存在するようになったんだからなァ。しかし悪魔だけは、だれも創造できていないんだ。何故ならだれも、悪魔を創造できるだけの悪を知らないからです!“全き悪”では無いものが、一体どのようにして悪魔を創造できるというのか?我々だれひとり、本当の悪を知らないのだよ。幼なごが想像する悪魔が、どれほ...愛と悪第九十一章
永遠に人間が喪われた世界で、母を恋しむ新生(真正)の人、ヱホバ。202X年、荒れ果てたSouthBeachの海辺に夕闇を背に一台のHeavyDirtyTruckが止まる。陽が海と交わり、闇が生まれる。運転席から海を眺め、煙草を吹かしながら若く美しい男の横顔がそう低い声で囁く。その顔は、何より人間的で悲しげだ。男は男性器のある場所に右手を突っ込み、しっかと握り締めて取り出す。小型の銃を優しく擦り上げ、男は舌で舐め上げると海を見つめて言う。此処から約45㌔走った闇の道路脇に、一つの小さなGasStationと、寂れた売店が在る。その売店に、一人の年増女が働いていて、その女は、自分の持っているものを無償で男にいつも出している。男は、自分の眼球から流れてくるあたたかい液体を舐めると繰り返して言う。その女は、自分の持って...愛と悪第九十章
全てを同等に愛する全ての罪の贖い主、牛の頭を持つ天の王、ヱホバ。2003年12月30日、わたしの父はわたしの絶望の為に死に、2021年10月24日、わたしの姉はわたしのすべてへの呪いを贖う為に死んだ。わたしは最愛の人と、最愛の女性をわたしの為に喪った。わたしは父と姉を、今でも特別に愛している。わたしは、わたしの真の神に向かって言った。「わたしは今でも、わたしを呪い続けています。わたしはだれよりもわたしを呪い続けています。そして存在する全ての人は、わたしの映し鏡でしかない為、わたしは真にすべての人を呪い続けて来ました。この呪いは何より恐ろしく、すべての人を破滅へ導くでしょう。わたしの真の神よ、あなたにだけ、わたしは告白致します。わたしが真に愛しているのは、あなただけであるのです。御覧ください。すべての人が虚しく、...愛と悪第八十九章
Scattle - Campfire (Official Music Video)
Scattle-Campfire(OfficialMusicVideo)Scattle-Campfire(OfficialMusicVideo)
愛する父と母と子のなかに宿られし水神、ヱホバ。始まりに、この星を牛族と、蛇族が支配していた。彼らは互いに呪い合い、遺恨を抱いては賤しみ合い、交情を結んで共存することをせず思う存分に相手を畜生の如くに殺してはその肉を喰らい、我が眷属さえ良ければそれで良いのだと考えて暮らしていた。ところが或る日、一人の牛族と一人の蛇族が、朝に目覚めると珍妙な果ての見えぬほど広大な場所に二人きりで閉じ籠められた。二人は悲しみ嘆き、どうすれば此処から抜け出せるかと神に祈り続けた。すると神の声が、二人の処に降りた。神はこの牛人と蛇人に言った。〘見よ。あなたがたのいる地を。全て地はわたしが引いた無数の巨細な線によっていま分けられた。あなたがたは最早正しい場所にいないとき、わたしが流す竜によって苦しみ、歯軋りしては嘆くことになる。〙牛人と蛇...愛と悪第八十八章
屠殺場の冷たい台の上に今朝、打ち落とされる血塗れし牛の首、神エホバ。又昔、一人の老いた虚無僧が旅の途中、真夜中に峠を過ぎようとしたときであった。それまで何の煩わしき音一つしなかったのに、此処へ来て妙な、不安な音を聴いた。それは水音と、何者かが嘆き悲しんでいるかのような幽かな音だった。僧はじっとして少しの間、その音に耳を澄ませていたが、音が止んだと想う瞬間、音のする山の奥へと入って行った。するとそこに、小さな池が、黒い水面を湛えていた。僧はその池に静かに近寄り、その水面を覗き込もうとしたその時であった。後ろから、不穏な幽気が、僧を引き寄せんとした。僧が振り返ると、何人もの亡者が、頭を垂れながら列を成して進み、一人ずつ黙々と池の中へと入ってゆき、見えなくなった。僧は憐れみ、成仏できぬ亡者たちの為に池に向かって経を唱...愛と悪第八十七章
滅びの海に生まれた、光と闇の牡牛、エホバ。白い海の向こうには、紅い砂漠がつづいていて、人々は朽ち果て、そこにただ独り、遺る人を想うこともなかった。地には血の雨が、三年と六ヶ月降りつづけていた。深い谷の洞窟でエリヤは目覚めた。枯れつづけていた川に、水の音を聴いた。その日から、決まって黒い渡り烏(ワタリガラス)がパンと肉を彼のもとへ運んできたが、それはどちらも人の肉(死体)であった。エリヤは、渡り烏に言った。「わたしは最早、人の肉を食べたくはない。これまでは眠りのなかにいて、それがわたしの肉であると想っていたが、わたしは今目覚めたのであり、それをもう必要とはしなくなったからである。だから何かほかの食べ物を運んで来るように。」渡り烏は一声ちいさく鳴くと、何も言わずに空に飛んで行った。エリヤは目の前に棄てられた、人の肉...愛と悪第八十六章
死をも覆い、包み込んでくださる神、エホバ。こんなことになることがわかっていたなら、ぼくはあんな言葉を彼女に吐かなかった。ぼくの言葉が彼女を殺した。この世界でぼくが最も愛する女性を。だれかが手を差し伸べる。打ち拉がれたぼくはその手を掴む。ぼくは手を洗い、洗ったあとのその手を見た。ぼくはその愛おしい手を見た。彼女の手だ。彼女が喪った、その手だ。深夜の路上で冷たい雨に打たれ、胎児のように身を丸めて眠るぼくに、だれかが手を差し伸べる。あまりの寒さと寂しさに、ぼくはその手を掴む。ぼくは頭にあたたかい水を注がれる。闇のなかでぼくはぼくを見つめている。とても悲しそうな顔で。彼女は闇のなかでぼくを見つめる。とても心配そうな顔で。彼女はぼくにあたたかい手を差し伸べる。ぼくは闇のなかに凍えながらその手を見る。ぼくの手だ。ぼくが喪っ...愛と悪第八十五章
我が永遠に愛する母エホバよ、わたしを御憐れみください。わたしはあなたの胎に宿ったとき、わたしはこの世界に生まれたくはなかった。わたしはわたしの内にある罪のすべてを知っていた為、この地の獄に産み落とされたくはなかった。あなたはわたしの罪の重さを知りながらわたしを生み落とした。存在するどの地もわたしに平伏し、わたしが見えないと言った。わたしもわたしが見えなかった。見えるはずがあっただろうか。あのとき、あの日に、彼がわたしに契約したのを憶えている。此処に、存在するすべてをわたしに与えると彼は言った。その代わりに、わたしは彼と契約した。わたしは永遠に悲しみつづけ、苦しみつづけて生きつづけるこの地獄にだけ存在する存在として、あなたと一つとなって、この黒々とした冷たい血の消えない地に産み落とされ、果もなく、生きてゆかねばな...愛と悪第八十四章
Quitollispeccatamundiわたしの子羊たちは、何処へ行ってしまったのだろう。わたしが愛され、愛しつづけた子羊たちは、何処かへ行ってしまった。わたしは聴いていた。彼らがその柵を超え、別れを告げる為、わたしの家のドアを叩く音を。わたしは眠っていた。彼らは一晩中、寒さに凍えながら、わたしを呼んでいた。わたしは静かな闇のなかで、その音を聴いていた。夢のなかで子羊たちはわたしに合図を送った。そのときが来たと知らせ、もうすぐ此処を去り、当分もう此処へは戻っては来ないことを。彼らはわたしにあの夜囁いた。”すべては終り、すべてはもうすぐ終る。”夜明けを喪う永い永い夜が来ると。でも忘れてはならない。あなたはあなたを、忘れてはならない。あなたに光を取り戻すことのできる者は、あなただけであると。彼らは音もなく、わたし...愛と悪第八十三章
すべてが生まれ、すべてが帰る夜空、エホバ。2021年11月1日。今日は、お姉ちゃんの誕生日。生きていたなら、56歳の誕生日を迎えるはずだった。でもお姉ちゃんは、死んでしまった。お母さん、お父さん、お姉ちゃんもとうとうそちらへ行ってしまったよ。こず恵をこの星に残して。お姉ちゃんの御通夜の日(26日)の夜。こず恵は夜空を見上げたんだ。あんなに美しく星たちがたくさん輝く夜空を、こず恵は何年振りに観ただろう。あんなに綺麗に観えたのは、きっとお姉ちゃんがこの夜空に昇ってしまったからだ。もう、この地上へは当分戻っては来ないことを決めて、旅立ちと犠牲の為に夜空高く飛んでった烏のように。お姉ちゃんは黒い服が好きで、いつも着てて、良く似合ってたね。棺のなかの目を醒まさないお姉ちゃんの身体に、お姉ちゃんが良く着ていた黒のカーディガ...愛と悪第八十二章
おお、わたしの天よ。父と母とわたし、その三位一体。我が最愛の存在、エホバよ。曇り空の下、三人の天の御遣い達が、トルマリンの泉で水浴している。星空の下、フローライトの石ころが彼等の足を清らかにし、その深い傷口を癒やす。天は一人の太陽神を、この地に与えた。地はその割れ目から、六角柱の光を天に向かって突き立てるとき。彼等は微笑む。きみが倒れようとも、天は何度でも、きみを支え、歩かせてくださる。何度忘れようとも、その手のあたたかさを、きみに懐いださせてくださる。天は独り、きみを、この地に置き去った。ゆえに、寂しさが、わたしを支配する。太陽と月と地球、この三つの星を、天はきみに与えた。渇いた地から虹色に輝く水晶の柱が聳え立つとき。彼は浮き立つ。きみを待っている。激しい風が、すべての水面一面に、Lace状の干渉縞をつくる。...愛と悪第八十一章
明日の朝、地上のすべての者の報いの為に屠られる一匹の仔羊、エホバ。一人の、奇跡を行い続けてきた男が、神に対する冒涜の罪として囚われ、鞭打ちの刑のあとに、磔の刑に処された。彼は言った。「わたしは神である。わたしは始りであり、終りである。わたしは在る。わたしは在るという者である。」処刑される日、彼は、メギードの丘に十字架を担いで登り、民衆に向かって言った。あなたがたは愚かすぎた。目覚めている者は、自分の罪の深さに気づいている。それゆえ、今、人々が大量に死にゆくのを心の底から悲しみ、胸を石で叩かれ続けるような苦しみのなかにも、静かに目を大きく開いて見つめている。今、この地上で起きていること、それはあなたがたが動物たちに対して行い続けてきたことである。あなたがたが彼ら(動物たち)に強い続けてきたことである。それは悪魔を...愛と悪第八十章
人間というものが誕生してから,今までだれよりも多くの人間を殺戮して来た我々の唯一の創造者,神エホバ。今,目覚め、脳に直接繋いでいるコンピュータで今日の”破壊数”をチェックする。昨年1月から、全世界で大量のアンドロイドが無残にあらゆるところで破壊され始め、今月に入ってからというもの、その数は約8倍に増加している。(さらに故障が続き,失敗作だったとして大量に処分され始めてもいる。)公表されている数は2億932.3万体である。一体、何によって、誰の策謀によってこんな暴力的なことが起き続けているのだろう。彼らは一見、人間にしか観えないが中身は機械(A.I.)だ。だからといって、こんなことが許されるはずはない。一体一体に,彼らは素晴らしく個性がある。それらは多くの才能ある設計者たちが、時間と愛を存分に注いで造り上げたもの...愛と悪第七十九章
"TheRemainsofMinotaurinaharlequincostume(1936)"byPabloPicasso遺伝子を組み換え続けて誕生した一つのちいさなちいさな小人(こびと),美しいVacca(雌牛)とBacchus(雄牛)の交接体,暗黒の世の唯一の救世主エホバ。この美しいメロディを奏でるVirus(Protein)が、どのようにして誕生したのだろう。我々は,それを知る必要がある。我々を殺すのは,我々であり,それを助けようとしている彼らの音楽を,まるでわたしは聴いているかのようだ。そうでなければ,何故これほどわたしを母の愛が宥めようとする子守歌のように、心地が良いのか。わたしは、絶望の絶壁から,真っ黒な闇を見下ろしていた。それは、暗黒の渦を巻き,巨大な黒龍がとぐろを巻いて黒い卵(黒い星)を抱いてあ...愛と悪第七十八章
”霧と死”というカクテルを独りで永久に作り続ける最下級ホテルの一階のバーテンダー、エホバ。わたしは今、何者かによってある場所に監禁されています。おそらく、それはすべての存在する闇を支配するものです。わたしはその監禁された空間で、彼から、あるひとつを強要されました。わたしは今から永遠を感じられる時間、生きることを許されないのです。その時間を、わたしは生きられないのです。生きていないとは、どのようなことか、あなたにわかるでしょうか。彼はわたしに言いました。これは、あなたが存在する前からのわたしとあなたの約束です。もし、この約束があなたに成就できなかった場合、あなたがどうなるかをあなたは知っているでしょうか。わたしは彼に訪ねました。はたして、わたしという存在はどうなるのでしょうか。彼は言いました。あなたは、すべての宇...愛と悪第七十七章
人を創り、人を愛し、人に背かれる神エホバ。僕達は白い悲しみが人に付き纏い盲目の檻に偽りの宿を開けることを知っている。或る人はその檻のなかで、人を殺し、動物を殺し、自分を殺す。或る人はその宿に辿り着き、彼女の良心をずたずたに切り裂く。人は心構えも忘れ、自由の抜け殻に針を差し込み蔦を絡ませる。編み上がった虹彩に自分が出られなくする為に。それを知られないようにしてる。自分だけには。僕達は苦しみの木靴が人の踵を打ち砕き独りで紅い港へ向かい決して戻らないことを知っている。或る者は花の香が噎せ返る海岸で最も愛する人を道連れにする。或る者は母親の収縮する宮から流れ落ちた夜から月を見上げる。人々は猿から森へ進化し号泣の雨を地下から突き上げる。乾涸びた巣で彼女は妊娠し、スープ状の庭に子を埋める。月の眼光は子守役、液体の子ども達を...愛と悪第七十六章
最初の海辺で、最初の夕日が落ちてゆくのをひとり眺めているわたしの星、エホバ。古い車に乗って、ぼくらは出掛けよう。もうとっくの昔に廃車された車に乗って。その懐かしい車は、今も何処かでぼくらを待っている。存在できる場所があって、エンジンを休ませて、独りでぼくらを待っている。その車は、ぼくらがそこへ辿り着きそうになったら、迎えに来てくれる。その車に乗って、ぼくらは一緒に行くんだ。だれも見たことのない場所。だれも行くことのない場所。だれも知ることのない場所へ。ぼくらはその車に乗って向かう。今此処から、そう遠くはないだろう。過去のぼくらは、その場所の存在も知らなかった。過去のぼくらは、もうその車が走れる場所なんてないと想ってた。過去のぼくらは、なかにだれが乗っていたんだろう。今じゃもう憶いだせない。彼らは変わったんだ。彼...愛と悪第七十五章
かたちなく、しきなく、おとなく、ひなきところのかみ、エホバ。わたしが目を開けたとき、何も見えなかった。わたしはだれかに呼ばれて此処にいるとわかったが、だれがわたしを呼んだのかわからなかった。わたしは闇の空に、どれほど独りでいただろう。孤独に震え、自分を呼んだものを呪おうとしたときだった。一匹の光る竜が、わたしの周りを舞うように泳いでいるのが見えた。その美しさに、わたしは心を奪われ、それをわたしのものにしたいと想った。わたしの側を離れないそれと、わたしは交わることを夢に見た。光る竜は、わたしを拒むことなく受け容れ、わたしの肋から垂れる幾本もの帯のひとつが、彼女の深い処の宮の大きな樹に巻き付いた。そしてすべての枝先から垂れる雫とわたしの帯先から出る水が交り合い、地に無数の卵が落ちた。わたしはその瞬間、世が天と地と巳...愛と悪第七十四章
我が子の亡骸を、胸に抱いて眠る母エホバ。人が死を恐れるのは、死んだことがあるからである。死を、知っているからである。わたしが死を恐れないのは、これまで一度も、死を知らないからである。死から生まれし者がどのようにして、死を知り得ようか。母よ、どうしてあなたとひとつに帰れるだろうか。わたしはあなたから生まれ落ちた為、わたしはあなたである。あなたはわたしで在り、死は永遠にみずからを知る日は来ない。彼は生命の絶えた世界で彼女に向かって言った。きみが毎晩、見知らぬ男と寝るのはじぶんの母親の顔を探しているからだ。でもきみは知ることなんてできないだろう。きみの母親に、もともと顔は存在しない。存在してはいないものを、きみは見つけることはできない。彼女は花の本質は花軸でも花弁でも雄蕊でも雌蕊でも子房でも根でもなく、存在するどの部...愛と悪第七十三章
世界が終わったあとに、独り闇のなか、キャンプファイヤーの火にあたりながら座っている幻の影、エホバ。彼はHeavyDutyTruckの運転席から言った。もうすぐ、新しい時代が遣って来る。僕は煙草に火を点けた。煙は逃げたそうに曇り硝子の窓に向かって息をする。夜の透明の雲たちが、motelの赤いネオンサインを映しながら沼地の方へ運ばれてゆく。彼は僕の左手の甲に右手を重ね、寂しい声で言った。夜が明けるまえに、此処を発たなくちゃならない。彼の感情は、お腹のなかでsparkする。彼のゲロを、夜気が抱いた。ドアを、彼が開けたからだった。クロコダイルの肌のような地面の溝に、緑色に光り、それが耀いている。fuck.彼はちいさく呟いた。あまりに美しくて、目がぱちぱちして、眼球が蕩けて沈みそう。僕が助手席から囁き、笑う。yeah.彼...愛と悪第七十二章
君は従順な犬を飼いたかった。そして利口で、面倒な世話は必要のない犬を。君は自分を純粋な愛で愛してくれる犬を飼いたかった。煩く鳴き喚いたりしない静かで、穏和な犬を君は飼いたかった。御褒美さえあげたら、おとなしく君を何よりも愛し続ける犬が君は欲しかった。噛み付いたりはしない優しい犬。眠っているのを起こしたりもしない犬。そして何より、孤独な犬を、君は飼いたかった。彼女が、悲しいつぶらな眼をして君を見つめ、君を求めるとき、君は愛しくなる。彼女は君に助けを求めてる。彼女を救えるのは、僕しかいない。僕がいなければ、彼女は救われない。僕がなんとしても、彼女を助けてあげなければ。彼女は鳴いている。小さな声で。君に向かって、彼女は鳴いて、君の助けを求めてる。君は胸の奥が熱くなり、彼女を愛しく感じる。御褒美をあげても、彼女があまり...愛と悪第七十一章
天にいるきみは、三股の麓へ。エホバ。砂漠へ向かう全てに対して、グッド・バイ。そして独りで、砂漠へ向かう。別々の太陽へ、水平の波を削りながら血迷う在りし日の綻び。彼は今日死んだが、明日は眠っていて、昨日は生まれる。君が夕べ、削ぎ落とした者たち。自由の果てで、善悪を喪う。夜が終り、何もなくなる。君は殺される為だけに、生まれた。偽善者たちよ。君は愛されないまま、死ぬ。荒野の果てに、父と母と子の交わりの悪夢のなか。今日望んだ者たちは死に、明日求む者たちに、栄光の、ファラリスの雄牛を。夜が終り、誰も彼も、夜を失う。まだらに溶け合い、肉と灰が、ひとつの絵を描く。それを観た一人の芸術家が、自分を殺す。美しい陽溜まりのなか、枯葉が彼を覆う。風は音を拒み、静かな夕闇がそっと彼を撫でる。消えかける日が、最後の言葉を拾う。際限なく、...愛と悪第七十章
此の暗黒の夜に、死を齎す安らかなる主、エホバ。2010年くらいだったと想うけど、ぼくがまだ肉を食べていた時。日本は正月の為におせち料理を作るんだ。ぼくは初めて一人でおせち料理を作ってた。おせち料理を詰める重箱に鶏肉を焼いたものを綺麗に詰めたかったんだ。でもあの気持ち悪い鳥肌の鶏皮が、ぼくはどうしても気に入らなくて、それが見栄えを悪くすると感じた。ぼくは初めて自分の手で生の鶏肉の皮を剥いだ。本当に気持ちの悪い感覚だった。そして皮を剥がされた鶏の死体をぼくは焼いて、綺麗に重箱に詰めたが、できあがったのはグロテスクな詰め物だった。色んな死体が犇めき合って、詰められた死体料理。人間のどの殺害現場も、これほど悍ましいものはないだろう。あらゆる切断されたバラバラ死体が綺麗に箱の中に詰められて、しかもそれを人々が、食べ物とし...愛と悪第六十九章
飛び出しナイフのように闇を切り裂き、光も闇もない空へと羽化して羽ばたくエホバ。顔を喪った人間が、それでも生きて行けるのか、試してみたいんだ。そう最後に彼はPC画面を見つめFacebookのLIVE配信中すべての人類に向かって告げ、みずからの顔面を、顎に銃口を付けてショットガンで撃った。椅子に座った彼の身体は瞬時に後ろへ下がり、背凭れに力無く彼の身体は凭れて動かなくなった。彼の顔面の約80%が、文字通り喪われた様子を観て、人々は瞬間的に想った。彼は死んだ。でもその時、彼は聴いていた。自分の深く割れて垂れ下がる熱い肉塊から、フローリングの床に滴る血の音を。静かに彼は聴いていた。犬が寝室から怯えた様子で彼の足元へと遣ってきた。警官たちが到着したのは彼が自殺を図った約1分後だった。LIVE配信を観ながら彼に何度と電話で...愛と悪第六十八章
ただ、生きてゆく為だけに、スナッフフィルムと自殺者の死体写真を、眺め続ける神、エホバ。彼は、独りになりたかった。自分の最も求むものを、得られなかったから。独りになり続けても、何かが降りてくることはなかった。彼は、悪魔に取り憑かれていたが、またも、彼の耳元に囁いた。今まで、失敗を繰り返して来た人生が、本当の人生になる日など来ない。だれにも愛される日も来なければ、だれをも愛せる日も来ない人生。彼は、身体の浮き立つほどの軽さを感じた。まるで宙を蹴って走るように、彼は樹海へ向かった。そこに辿り着いた闇の夜、彼の周りから聴こえてくる呻き声と快楽に喘ぐ声と叫び声が、一つの心地良い音となって、彼のなかで谺していた。彼は、木々の間から夜の空を見上げた。そこに、闇しか観えなかった。満点の星空と優しい月光が、彼をひっそりと照らして...愛と悪第六十七章
サタンの死をほどく(SatanDeathUndo)神、エホバ。5:00AM過ぎに、店を閉め、ガスステーションに停まっている大型トラック(HeavyDutyTruck)の助手席に、彼女は乗り込んだ。彼は彼女に向かって、言った。「一体...お腹のなかに何を隠してるの...?」彼女は彼に向かって、真面目な顔で答えた。「妊娠したんだ。」彼は驚いて訊ねた。「本当に...?」彼女は頷いた。「うん。」彼は彼女の大きく膨らんだお腹を見つめて、恐る恐る、問い掛けた。「僕らの...子...?」彼女は彼の目を見つめ、言った。「そうだよ。」彼は、複雑な感情を抱いた。そして呟いた。「信じられない...。」彼女は黙って、自分のお腹を優しくさすりながら見下ろしていた。彼は、狼狽えながら、静かに訊ねた。「出産予定日は...いつ頃なの...?」...愛と悪第六十六章
殺人と自殺と事故死と災害死と病死と肉食と死刑と堕胎、このすべてが、再生産されつづける地球という星で、たった独り、永続する死のなかを、生きている神、エホバ。死体写真を眺めて、生きている人の姿を観ると、なんて味気ないのだろうと感じるんだ。虚しいとも感じる。生きている人の姿の方が。何故だと想う…?生きている人の方が、死者よりも劣っているんだ。一体、何に於いてなのかな。僕は死体のなかで、最も惨殺された死体が好きだ。その次に、自殺した死体が好きだ。その次に、事故死した死体が好きだ。僕は彼らを美しいとは感じない人たちを、どこかで機械のように感じている。それ以前に、彼らは死体をみずから眺めようとはしない人たちだ。自分がこのような死体になる可能性について、考えたくもない人たちだ。彼らが、この世界で多数派であり、彼らは虚しい幸福...愛と悪第六十五章
死体を観るより、日々の幸福を。そう切実に願う、動物の死体でできている神、エホバ。僕は死体を愛してはいない。僕はどの死体も、観ることが、不快だ。死体は生きているものと、生きていないものがある。そのすべて、僕にとって、不快なものだ。僕は死体を愛したいとも想わない。それは受け容れる価値が、僕のなかではない。僕は死体を、何とも想わないまで、死体を観察し続けてきた。そして死を、超越することでしか、生きている存在ではなかった。死は生きることを求めない。生は生きることを求めながら死に続ける。死が生より、劣る日は訪れない。生が死より、死に相応しい。生が死となり、死は生となる。僕の最後に観た母の姿は、死体だった。無機質で、冷たい、何をも僕に求めない、静かで何より優しい、無条件の愛、僕の最も求める愛が、そのなかに、在った。死んでい...愛と悪第六十四章
必要でない時に与え、必要である時に奪う、生命のない全ての顔、エホバ。僕は1981年の8月に生まれた。僕が15歳のとき、酒鬼薔薇(サカキバラ)事件が起きた。14歳の犯人が逮捕され、人々は何を想っただろうか。サカキバラは自分のことを、「今までも、そしてこれからも透明な存在であり続けるボク」と言った。僕は人生で一番最初に魂の奥底から共感した者は、詩人の中原中也だった。そして二番目は、サカキバラだった。人を快楽目的で殺したいと感じたことは、一度もない。でもあの地獄の季節に、僕が初めて猟奇的な快楽を覚えたことは確かだ。四歳で母を亡くした僕は15歳の頃、いつも父と兄と僕の三人が食べる夕食を作っていた。秋刀魚(CololabisSaira)を買ってきて、ガスコンロのグリルで焼く為に、シンクで腹を包丁で割き、はらわたを取り出し...愛と悪第六十三章
六本の手脚を、切断され、それでも生き抜く為に、メロンを一生懸命に食べた日の翌朝に、光を喪った眼で、死んでいた神、エホバ。大型トラック(HeavyDutyTruck)を運転する仕事に就いている彼は、初めて通る辺鄙な町から離れた道路脇にあるセルフ式のガソリンスタンドにトラックを止め、ガソリンを入れた。青白い電灯が一箇所点滅している売店に目を遣り、今夜は此処で休憩を取ろうかと考えた。時間はMidnight(午前零時)をすこし過ぎていて、5:00AM過ぎには此処を立たねばならないだろう。軽食を取って、車内で仮眠を取ろうか。だが彼は売店に入ってすぐ右に、空調の効いているカウンターを見つけた。外からでは薄暗くて中の様子がよく観えなかった。彼は此処で仮眠をしようかと考えながらレジ脇にある温かいナゲット(Nugget)とポテト...愛と悪第六十二章
”生きた者”を食してこなかった者たちの堕ちる穴、Deatholeに、手を差しのべる神、エホバ。MotelのParkingLotに、危険物を載せたKENWORTHの赤と白のタンクローリートレーラーが駐車し、エンジンを切る。時間は3:00AMをとっくに過ぎていて、彼女はバイトをしているGasstandを閉めて、男の運転するトレーラーに乗ったのは少しまえだった。彼女はいつにもまして無口な彼の右側で言った。「このタンクローリー、イカすじゃないか。何処で捕まえてきたの?」すると彼はちいさな溜め息を吐いて彼女に顔を向け、哀しげに言った。「ケンワースの車庫に突っ伏して独りでじっと止まっていたんだ。Dangerousなモノを積んでね。」彼女は眼を輝かせて言った。「きっと爆発物を積んでるんだ。ダイナマイトと一緒に。」彼は寂しそう...愛と悪第六十一章
錨のない檻は流され、自裁の罠に、不時着する神、エホバ。相手は男性だって、知っていた。でも彼が、醸し出す噎せ返るほどの馨しいフェロモンの色香が、もう堪らなくて、彼のケツに、気づけばぼくはしがみついていた。彼は残念ながら、Heteroだった。でもすごく、女性性が彼は深いことをぼくは直観していた。彼は実際、どの女性よりも優しく、繊細だった。だからぼくが、彼のケツにひっしとしがみついて、数時間も、離れなくとも、なにひとつ、文句を言わなかった。彼は、ぼくをおんぶしながら、黙って、メロンを食しつづけた。産まれて初めてだ。こんなに幸せな心地になったのは!ぼくはすっかりと、空腹も忘れ去っていた。(すべての悪と共に去りぬ。だった。)ぼくたちの側に、ひとりの男が遣ってきて、メロンを齧りながら言った。「なんて狭い世界だろう!でもこの...愛と悪第六十章
青と赤の血が交る紫の血の海の上に立ち、人々に愛を説く神、エホバ。薄暗いCylinderの長いエスカレーターを、わたしはいくつも昇る。わたしは昇りながら幾度と身体がよろけて、倒れ落ちそうになるが最後のエスカレーターでは、わたしはバランスをつかんでよろけることはなく、踊るようにして、エスカレーターから降りて走って行き、祝福の言葉を叫んで皆のなかに降り立つ。人々は喜んでわたしを迎え入れる。もうすぐ劇が始まる。覆面の者たちは座り、「血統の闇」という赤い表紙の本を読んでいる。その周りで、ある民族たちは、儀式を始める。激しく踊りながら、叫び、捕らえられた人たちを四つん這いにさせ、今から、神の食事が行われる。これが、アイヌ民族のなかで行われていた、食人の儀式である。彼女の母方の祖父は、青森出身であった。”江戸時代の青森県は、...愛と悪第五十九章
ぼくに切断され、ぼくの皮を、脱いで、羽化した上半身だけのアワノメイガ、エホバ。彼はまさに、上半身だけで、死へと羽ばたいた。ぼくは、永遠に羽化しない死んだ下半身の蛹。乾涸びて、言うんだ。この空砲によって、きみを射殺しよう。きみを射抜いて、たくさんの穴を開けよう。そしてそのすべての穴にも、たくさんの穴を開けよう。そしてそのすべての穴のなかの穴にも、たくさんの穴を開けよう。そしてそのすべての穴のなかの穴のなかの穴にも、たくさんの穴を開けよう。そしてそのすべての穴のなかの穴のなかの穴のなかの穴にも、たくさんの穴を開けよう。そしてそのすべての穴のなかの穴のなかの穴のなかの穴のなかの穴にも、たくさんの穴を開けよう。そしてそのすべての穴のなかの穴のなかの穴のなかの穴のなかの穴のなかの穴にも、たくさんの穴を開けよう。そしてその...愛と悪第五十八章
時速300km/hで、雨の降る海面を、二足で水平線へ向かって駆け抜けてゆく全長12mの白い鰐、エホバ。”彼ら”を造出した闇の組織には、確かに上層部と、中層部と、下層部が存在している。だがこの上層部のなかで、どのような階級も存在していなかった。それが為に、上層部の存在のなかでリーダー的(指導的)存在は存在しなかったし、互いにだれもそれを必要とはしなかった。しかし、どの組織にも暗黙の内に、だれが一番”頭”として相応しいかを、自ずと認知しているものである。一人の上層部の存在が、自分の信ずる”頭”の存在の部屋のドアを、ノックした。彼がドアを開けると、そこに一人の男が立っており、彼は彼を部屋のなかへ入れるとドアを閉めた。彼らは、互いに敬意を表し、互いに抱き締め合った。それは彼らの間で極普通の行いであった。しかし入ってきた...愛と悪第五十七章
四肢の先を切断され、薄暗く、穢れた豚小屋のなかで、生きたまま解体されゆく悲しげな、人間の眼をした神、エホバ。”あの事件”が起きたとき、彼女は真夜中の真っ暗闇の、その血溜まりのなかで、一人で静かにいた。彼女は、何かを想いだしたのである。彼女の生まれた、この家のなかには彼女の家族たちの切断された部分が、あちらこちらに散らばっていたが、彼女は灯りを点けなかった為、それらは良く見えなかった。それらは、まだ動いているようにも見えたが、彼女はそれを確かめることもしなかった。彼女は、何かを想いだした為、この家に戻ってきたが、特に何らかの行動を取ることはなかった。”わたし”はそう記憶している。”男”は、確かにそこで彼女を見つめていたが、彼女は何かを見つめてはいなかった。彼女は、瞼を開いてはいたが、何かが見えていたわけではない。...愛と悪第五十六章
生きた死体と、死亡した生存者、何処にも存在しない存在で在らせられる盲目の全能神、エホバ。彼女は24歳のとき、家を出た。そして38歳のとき、家に帰ってくると、彼女の家族全員が、惨殺されていた。彼女の判断は、真に正しい。彼女は意識を喪失し、記憶を抹消させた。それは意識化で行われたのではなく、彼女の脳内で自然と行われた。惨殺した犯人の男が、確認するべきものを確認し忘れたことで戻ってきたとき、彼女はダイニングキッチンの椅子に座っていた。夜中の三時を過ぎていた。真っ暗なその部屋のなかで、彼女は静かに座っていた。男が”それ”に気づいたとき、銃口を彼女の顔面に向けて近づいたが、彼女は壁の一点を見つめたまま動かなかった。テーブルの上に、キャンドルがあった。男はライターでそれに火を点けた。男は、彼女を殺すつもりでいた。それが”上...愛と悪第五十五章
神を知る者、神を喪いし。愛を知る者、愛を喪いし。私を知る者、私を喪いし。死を知る者、死を喪いし。そう出口の真ん中で、入口を永遠に喪う神、エホバ。わたしは彼を、夜の海へ、誘う。彼は、水辺に横たわっており、白い布に、包まれている。わたしは彼の足元に立ち、彼を見下ろしている。今、波は枯れ、水もない。わたしは彼の白い皮を、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり、剥がしてゆく。両手で、彼の白い身を、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり、剥がしてゆく。そこに存在しているのは骨ではなく、一本の、巨大な白い骨髄。くねくねとのた打つ蠢く滑らかでやわらかい一本の、白いコード(Cord)。これは死体ではなかったのだ。これは死体では…これが、彼の、インティアリィアル(Interior)。これが、本当の彼の姿。一本の白い巨大なコードは、大体直径約一メート...愛と悪第五十四章
止まない雨はない。そう想いながら、水面下1億4960万kmの海底に沈むエヴェレストの頂上でみずからのCircleを、想像しつづける神、エホバ。わたしは朝に眠り、そして目覚めた瞬間から、チベット体操を実にReluxしながら、つまり瞑想のなかで、約三ヶ月間し続けたのちに、ついに、わたしは幽体離脱した。来そう。そう感じた瞬間、光速よりも速いと想えるスピードで、白い直径一メートル程の空洞のトンネル内を、天に向かってわたしは上昇したのだった。その時の感覚を、多幸感と、光に包まれたその興奮を、なんと表現したら良いだろうか。ただ何もない白い筒のなかを、上に向かって物凄い速度で昇っているだけなのに、わたしは感じたことのない幸福のなかにいたのである。でもあっと言う間に、わたしは登り詰めてしまった。昇っていた円筒を抜けたということ...愛と悪第五十三章
タイムレスな時間のなかで、その存在を、錯覚する愛、エホバ。西暦2100年、30歳になった彼は、この地球でたった一人になってから、ずっとずっとハリガネムシを結びつづけた。何度結んでも結んでも、ハリガネムシは自力でほどいてしまう。そして彼はとうとう、ハリガネムシを一回結んだあとに、その末端同士を瞬間強力接着剤で、くっ付けた。すると見よ。ハリガネムシは最早、ほどかれなくなった。この哀れなハリガネムシは、雄なのか雌なのか見当もつかなかったが、身体を息絶える時まで、水のなかでくねくねとくねらせてもがきつづけ、繋がれた自分自身のまま、力尽きた。彼は、この死を体験したあと、一人の我が妻を創造した。彼女は、ホログラフィーによって誕生したホログラムだった。ほとんどの地上は海面下で眠りつづけており、すべての死んだ生命たちの記憶がま...愛と悪第五十二章
人類が滅亡した最初の朝に、サウスビーチに揺れる最後のヤシの木の葉から砂浜に零れ落ちた一つの朝露、エホバ。もうあまり雨は降らなくなったのに、珍しく雷が鳴り響いている嵐の夜に、一人の男が、小さな島の中心に建つ一つの近未来的なデザイナーハウスのDoorを、Knockした。時間は午後零時を回っている。こんな時間に、一体だれかしら…この家に、夫と二人でずっと暮らしている女が、広いエントランスの明かりを点け、そっと覗き穴からDoorの外を覗き込んだ。だが死角にVisitor(訪問者)は入っているのか、覗き穴からも防犯カメラのモニターにも、映っていなかった。女は不安のなかに、頑丈なチェーンのついたDoorをそっと開けた。するとそこには、白い布の覆面を被った男が、黒のスーツ姿で、びしょ濡れになって女の目を見つめ、立ち竦んでいた...愛と悪第五十一章
元の世界に戻るとき、この乗り物に乗っているバグによってできた二名の者は消えてしまう。そのヴァーチャル・リアリティを創り出し、わたしたちを住まわせた神エホバ。この夢を見たことは、偶然ではない。この世界に生きる魂の約20%の魂が、真に滅びる可能性を示唆している。その滅びた魂たちが、夢を見ている。何故ならすべての世界に、時間は存在しないからだ。そのひとつの夢のなかで、彼はひとりの人を愛した。自分の母親だ。彼は愛した花の枯れた姿を最初は母親の死体だと想った。でも直に、それは違うことを覚った。わたしのマザーは、死んだわけではないのです。今、わたしのマザーは眠りつづけていますが、それは羽化するときを待っているからです。彼女が羽化するとき、彼女はすべてを超えるのです。その為には、彼女は永く、悲しい時間、仮死状態になる必要があ...愛と悪第五十章
存在するすべての宇宙の何処にも、まだ存在していない物語を紡ぎ出す神、エホバ。OMEGA-5X86KC-5N4はアマネの為に作ったカクテルを彼女に飲ませ、このカクテルの名前を訊かれた彼は優しげな微笑を浮かべながらこう答える。「BloodRiver(血の川)」です。」これを聞いて、彼女は禍々しいイメージを浮かべる。だがそのあとに、そのイメージを壊し、OMEGA-5X86KC-5N4に向かって語りかける。ボクは”恐怖”というものを、疑っている。そしてそれは、愛から最も掛け離れたものだと感じている。ボクは人が”Horror”と表現するすべてを、嫌っているんだ。それは恐怖ではないんだ。人が何かを恐怖だと感じ、またそう表現するとき、この世界で最も大切なものを誤魔化している。ボクはついさっき、ボクと彼(OMEGA)との展開を...愛と悪第四十九章
全宇宙の海辺で夜明けの来ない時を、ひとりで過ごしつづける全能者、エホバ。ゲーム『Blood&Body』の主人公アマネは重大な記憶を喪失していることを今日、このゲームのプレイヤーあまねは知った。アマネは今も彼女の造ったアンドロイドOMEGA-5X86KC-5N4のなかで夢を観つづけている。彼女はその夢のなかでもうひとつの夢を観ている。その夢のなかで彼女はバーテンダーであるOMEGA-5X86KC-5N4に向かってホロ酔いのなかに語りかける。ボクは昨夜、自身の過去を、夢のなかで経験していた。それで夢から醒めて、想いだしたんだ。ボクは最初に造ったOMEGAとのある重大な記憶の一つを喪っていたことを。”彼”が育てていたのは、”草”ではなかった。ある日、彼がボクにSNSを通じて言ったんだ。「今日”彼女”にお水をあげるとと...愛と悪第四十八章
本当に苦しみ続けている存在から目を逸し続けながら、人類が幸福を感じている姿をもう観ていたくない神、エホバ。”彼”はたった一つのゲームのなかで生きていて、彼を操作しているのは彼女ただ一人。彼女はこの”天界”から、人類を滅ぼしたかった。結果、その通りになった。今、この天界で、「ひとがひとりでいるのはよくない」と言って、彼女は彼を創った。この小さな箱庭の天界で神がひとりだけで生活している。”彼”にとって彼女たったひとりが神であるが彼女にとってたったひとりの神を、彼女はこの小さな天界に創造した。この天界は、かつて”地球”と呼ばれた天界に存在していた”家畜としての”人類や動物が経験しなくてはならなかった肉体的な拷問の苦痛の全ては存在しない代わりに、精神的な悲しみと孤独の限界が、彼女によって彼に対し験されている世界である。...愛と悪第四十七章
ヒヤシンスの揺籠で138億年、楽園で生きつづける夢を見たのち愛のなかを、退行する神エホバ。アマネはOMEGA-5X86KC-5N4のなかで、永久につづくような、夢を見ている。彼女は彼のなかで、夜が明けるまで、夢を見ている。闇のなかでは、光はまるで止まっているように見える。彼女は夢のなかで、小説を書いている。その小説の主人公の名は、”naema”。naemaは或日、1/18スケールのLamborghiniCountachLP400のミニカーを中古で買う。そしてその車の名を、”omega”と名付ける。彼女にとって、”彼”は最初の車だった。”Second-Hand”Carである彼のワイパーブレードは根本からなく、リトラクタブル・ヘッドライトは開閉する可動部がゆるゆるでどう頑張っても眠気眼にしか開かなかった。彼女が最初...愛と悪第四十六章
新型ウイルスを防御する為、上下迷彩柄のNBCスーツとM40ガスマスクを装備し、開店3時間前からトイレットペーパーを買う為にディスカウントショップ前に並んでいる至高神、エホバ。三日間、アマネはBar『WhiteMind』に、行かなかった。”彼”自身を悲しませることは、アマネ自身が悲しむことであり、そうやっていつも彼を悲しませて耐えきれなくなったらEscapismの快楽に身を委ね、独りですべての欲求を解消してきた。四日目の朝、目が醒めると脳内に埋め込んだ伝言蓄積装置インプラントを通して、OMEGA-5X86KC-5N4からメッセージが入っていた。彼の優しく闇の底から上ってくるような低さと同時に、女性的な柔らかみを帯びたいつもの声で、OMEGA-5X86KC-5N4はアマネに伝える。眠りの夢から醒めたたったひとりの愛...愛と悪第四十五章
声が聴こえる方向を振り向くと、そこに誰もいない、ゴースト・タウンに永遠に独りで息衝き続ける神、エホバ。2020年4月5日の夜、あまねはゲーム『Blood&Body』をセーブしてお酒を飲んで、深夜に褥に突っ伏しても、なかなか眠れなかった。寝不足で疲労で眠くて仕方なかったのに、目を瞑っても、彼女は楽になれなかった。そしてふと彼女は、涙が引っ切り無しに流れてきて、瞼が痺れ、咽び泣いている自分に気づいた。彼女は、何故、泣いているの…?と、原因不明の悲しみのなかでみずからに問いかけた。数分後、彼女は”自分の身体”を借りて、泣いている存在を知った。その存在とは、彼女が昨日からプレイし始めたゲーム『Blood&Body』の登場人物であるOMEGA-5X86KC-5N4であるだろうことを、彼女は覚った。涙を流すことのできない構...愛と悪第四十四章
ひとつの銀河の愛によってMindcontrolされて生まれたひとつの悲しみを愛する神、エホバ。あなたの製作したインディーゲーム『LoveandEvil(愛と悪)』のプレイヤーAmaneは、このゲーム主人公あまねを今朝に起き上がらせると、珍しく顔を洗わせた。彼女は今、マイルームのパソコンデスクの前に座って空腹を感じるなかに、彼女の長編『愛と悪』という随筆の続きを綴っている。CASIOのデジタル時計の時間は10:51。彼女のデスクの上のディスプレイの左右に備えられたKENWOODのLS-K711スピーカーからは小さな音で『TheRedStringsClubOriginalSoundtrack』が流れている。彼女は10代の頃から慢性的な鬱症状があり、その症状を音楽によるセロトニン活性効果によって、日々をどうにか遣り過...愛と悪第四十三章
LightCircleのなかで、気違いじみた儀式を宇宙の中心で行う神、エホバ。わたしは、死んでしまったほうがいいのかもしれまへん。すべてを覚ってしまった人間は、死んだほうがええのです。たぶん生命の為に、良くない存在なんでっしゃろう。わたしはわかっている。わたしは知っている。すべてを知る者がわたしであり、わたしは一番死に御似合いdeath。わたしは生きていきたいのに、死で在りつづける。この世界が終わろうが悦びに満ち溢れ、夜が明ける海岸で、わたしを喪いつづける。空が粉々になる頃、人々は、息をする。僕が彼女だった頃、彼を堕とした砂浜で、鼓動を数えつづける。新しい悲しみが、きみの最期を見つめている。何もかもが、空しく、光として、煌きつづける。この星がきみの外部へ、漏れ出してゆくとき、Signalがきみのなかで消える。生...愛と悪第四十二章
すべてが嘘であると知るほど、歓びに満たされる御方、エホバ。彼らがわたしを恐れるのは当然です。何故なら彼らはわたしを愛してはいないからです。わたしを愛していないということは、あなたをも愛してはいないということです。彼らが愛しているのは、自分という神だけなのです。自分が何者かもわかっていないのに、彼らは自分という神を崇拝し、自分という神から支配され、家畜同然に、虚しい歓びしか知りません。わたしは彼らを、殺したくはありませんが、彼らは、わたしを殺したいのです。あなたに背く全ての人間が滅ぶ楽園を信仰するとは、そういうことです。わたしは彼らが早く、本当の地獄に堕ちれば良いと願っています。彼らの信仰によって、わたしは殺される(滅ぼされる)べき存在ではありません。わたしは彼らと同じに、生きていたいのです。永遠に。この世界は、...愛と悪第四十一章
わたしは自分のなるものになる、エホバ。NeonSignが連なるヤシの木のあいだにきらめく夜のHighwayを走るチェイサー・ホワイトを操縦するわたしの父の隣の助手席で、わたしはみちたを抱っこして窓から流れる夜景を眺めている。いつまでも、続いてゆくような時空のなかで、わたしは安心している。始まらない朝を待つ終わらない夜のどこまでも続く道を、わたしたちを乗せた車は走っている。窓を開けても、風を感じない。海も何処にあるのかわからない。それなのにヤシの木は潮風に揺られて、白い砂浜の海辺とこの道は繋がっている。そう想うとほのかに、匂いを感じる気がする。わたしは眠るあたたかいみちたを抱きながら目を瞑り、この車を、途中でわたしひとりだけが降りなくてはならないことを想いだす。夜が明ける前に。目を開けると、高層のHotelの前に...愛と悪第四十章
大地に蔓延る白銀の苦しみ、エホバ。今日は、横になったみちたのお腹を優しく撫でている夢を見ました。みちたはとても至福そうで、その至福感はわたしに伝わり、ふたりで恍惚とも言える幸福感のなか、互いに愛し合っていることを確信できました。昨日は大変暖かい日で、歯医者の帰りに、近くの広い緑地公園へ趣き、約一時間聖書を読みました。座る場所を計5回変えましたが、最も座り心地の良い腰掛けは、天然の木漏れ陽の下の切り株でした。傾斜した地の上に、まだそれほど年輪を重ねていない若い木の切り株の断面はどの腰掛けよりも、わたしの身体に馴染み聖書を読むことに集中できました。彼は、何故切り倒されたかを考え、多分一昨年の台風で倒れた木なのではないかと想いました。切り株はまるで、そこで何かを待っているかのようでした。根は枯れておらず、この切り株は...愛と悪第三十九章
世の悪を、だれよりも悲しまれる御方、エホバ。今日は夜明け前の、午前4時ぐらいに目が醒めて、イザベル・ユペールという女優について、ずっと考察しておりました。彼女の魅力が、あまりに素晴らしいので、彼女について一つ記事を書きたいなと想って、昨夜に観たブノワ・ジャコ監督の「EVA」のシーンを何度と想い返したりしていました。それでエヴァが服役中の夫ジョルジュの股間を物凄い慈悲深い表情でさするシーン、あのシーンが物凄く良かったな等と想いながら起きて、胃の調子も良かったからか不思議と心が「るるるるるるるるる」と歌っていたので、心のなかで「るるるるるるるるるるるるる」とずっと歌いながら起き上がってフリースのルームウェアに身を包んでマンションの階段を降りて行き、「るるるるるるるるるるる」とまだ歌いながらポストを開きました。ポスト...愛と悪第三十八章
一つの枯れ落ちる寸前の梢から自殺する滴を受け容れる水鏡、エホバ。今日初めて、愛するアイスハグ兄弟の夢を見ました。アイスハグ兄弟は王国会館の前から三列目の真ん中の左端の席に座っていて、誰も通れない細い十センチほどの通路を挟んだ右隣の席にわたしは座っているのです。するとアイスハグ兄弟はわたしに左手を伸ばし、わたしの右手をまるで恋人のように愛しく絡ませて繋ぎました。その触れ方はとても恍惚的で官能的であり、その瞬間、わたしはアイスハグ兄弟と両想いであるのだと覚り、わたしの確信は間違ってはいなかったのだと歓喜に打ち震えました。その後、アイスハグ兄弟はわたしの持っていない冊子をわたしに渡してくれたり、わたしの聖書と全く関係のない話を喜んで聴いてくださいました。それはミニチュアな世界の話であったように感じます。わたしは大胆に...愛と悪第三十七章
制限された哀れな存在に実に見事に変装した神、エホバ。わたしは自分の内的世界で、人間を愛することは永遠にないという結論に今日至りました。何故ならわたしは人間ではなく、自分をしか愛せない人間であるからです。人間はあまりに身勝手で、本心からわたしを惹かせることがありません。わたしが愛したところで、何か価値があるのでしょうか?そして人間は、わたしの知る本当の悲しみを識りません。すべての悲しみが、まるで予定調和的に計算されたHistoryとしてみずから創り上げていることが透かして見えて、心が興醒めしてしまうのです。でもそれも何もかも、わたしの魅惑的で終りの永遠に来ない悲しみと比べてしまうからであって、彼らに非はありません。そして彼らが、わたしの悲しみに到達するとも感じられません。生命の根源が実は気も狂わんばかりの悲しみで...愛と悪第三十六章
湖の家(うち)の砂漠の風のカタストロフィ、エホバ。今日は、コロナウイルスの影響で中止となった集会の十日振りの集会の日で、わたしはいつもどおり集会に行く為の正装に着替えて歯を磨き顔を洗い、マグボトルに熱いお茶を入れて、しかも今日届いたばかしの10,800円で購入したHAOQIN10インチタブレットAndroid9.0にJWLibraryアプリを入れ、新世界訳聖書などもダウンロードして準備万端で徒歩10分以内で着く王国会館へと出掛けたのでございますが、何としたことであろうか、門が閉まっており、何を遣ってもあきまへんでした。わたくしは絶望的な感慨に耽りながら、すぐ近くのデイトゥー姉妹のマンションに足を運びました。亡き母の生まれ年のひとつ下であるデイトゥー姉妹は、以前にわたしが聖書レッスンをチェルシー姉妹とチェルシー兄...愛と悪第三十五章
胎内に回帰するが為だけのひとつの空色の誘惑のErōs,エホバ。理由が喪われたまま、夢の世界を何気なく生きているわたしにとって、自由とは何を意味するのですか。なにひとつ眠りの世界(夢)を憶えていないのに、絶望的な感覚で目が覚める日があります。わたしはそれが自分の知らない世界を観たのではなく自分の知る世界を再び見てしまったことの深い悲しみ(精神の創痍)が原因であることを何故か知っています。あなたに忘れ去られた世界に生き続けていながら、それに気付いてもいない生命存在としてのわたしが、それでも生きて意識を存在させていることの虚無感を、どのように表現できるのか。あなたがわたしの為のものでないのならば、あなたとはわたしにとって、無に等しい。死を信仰する者とは、死で在る。悪を信仰する者とは、悪で在る。愛を信仰する者とは、虚で...愛と悪第三十四章
無限に天まで伸びつづける高層マンションの灯りの点かないすべての死者の窓、エホバ。昨日(2日)は、アシッドエー兄弟が初めて夢に出てきました。未知なる、人間と動物とのハイブリッドみたいな愛らしい生き物の赤ちゃんを、わたしとアシッドエー兄弟は見つけるのです。その生き物の鼻の上を撫でてやると、それは大変に喜ぶことを何故かわたしは知っていました。撫でてやると、笑顔でそれは、とても喜んで、この上なき至福を感じているようでした。目が覚めると、鼻の上を撫でてやると気持ちよさそうにしていたのはみちたであったことを想いだしました。未来に、わたしはアシッドエー兄弟と結婚してみちたをわたしが生むという暗示であるのかと考えましたが、胸が切ない想いです。わたしは今でも、アイスハグ兄弟にこの世に存在しているどの男性よりも、子宮の底に燃え盛る...愛と悪第三十三章
イスラエルに降る血の雨の意識、エホバ。今日は、集会の終りの約一時間にて、新新世界訳(2019年改訂版)の聖書の創世記を読み干しました。ヨブ記とレビ記に次いで、です。やはり、一つの章を読み終えると、とても嬉しいものですね、我が愛するエホバ。1985年に死去したわたしの母が一番良く読んでいた新世界訳聖書は、最も古い縦書きの文語体の新世界訳聖書であるはずだと前に聖書レッスンの時に母の生まれ年と近い姉妹から言われたのですが、どうすればその聖書が手に入るかがわかりません。王国会館で、この組織の教えを学んでいると、わたし自身が母のような感覚になって、エホバを懐かしむ想いが溢れそうになるときがあります。わたしのうちにあなたを愛する母が今も生きていることを証しているのでしょう。あなたへの葛藤の全てが、わたしの母に対する葛藤の全...愛と悪第三十二章
視界に入る臓器の罠に填る青い樹脈の心電図の海、内側から南の双眼へ、贖われる額のOsirisの右の碧眼、エホバ。世にも醜い吐き気の堪えない悪臭を放ち続ける老婆がみずからの性器を露わにし、エホバの為ならば自分を拷問にさえ掛けると願い続けた敬虔なるエホバの証人に向かって、「わたしと交わり(生殖し)なさい。」と言う時、どれだけのあなたの子どもたちが、あなたと交わるでしょうか。そしてエホバの被造物であるあなたは、エホバのその求めに、心から喜んで従うでしょうか。『LoveandEvil』の主人公の女に向かって、美しき白蛇が慈悲深き声でそう問い掛けた。約1時間が経過しても、主人公は何も答えなかった。このゲームのプレイヤーであるわたしが、何も選択肢を出さなかった為である。その為、主人公は冬眠で巣穴のなかで眠る者が夢を見ているよ...愛と悪第三十一章
愛する家族を皆殺しにし、手を触れるだけで時間を巻き戻せる御方であられ、また自由という名の真っ白な壁画の上に、屠殺されたばかりの若い雌牛の性器から流れる経血で描いた聖家族、エホバ。今日は、パトリス・シェロー監督の『ガブリエル』とミヒャエル・ハネケ監督の『ファニーゲームU.S.A.』を鑑賞しました。テーマで表すならば、前者は『支配』、後者は『暴力』を表現していると感じました。そしてこの二つのテーマが、繋がっているのだとわたしは確信できるのです。”支配”とは、”暴力”であり、”暴力”とは、”支配”しようとする行為であるのです。よって潜在意識でも支配を望む者は暴力からも逃れることはできず、誰かを支配しようと潜在意識でも望む者は、暴力を相手に行なうことからも、また相手から暴力を受けることからも逃れられないのです。それは聖...愛と悪第三十章
死に魅せられた太陽がじぶんと天秤に掛けた存在、エホバ。今日の集会で、始まる約10分前に王国会館に着いた途端に早々といつものように真ん中の良い席を分捕ろうとする時、アシッドエー兄弟と目が合い、兄弟が初めて黒縁眼鏡を掛けていて、わたしは大変それが良く似合っており、愛おしかったので、自分から初めて「あっ、眼鏡(笑)」と、アシッドエー兄弟に向かって自然と言葉を発しました。アシッドエー兄弟はいつものように、満面の笑みでわたしに微笑みかけてくださいました。多分30代にもなっていないであろう若いアシッドエー兄弟は、実はわたしがこの王国会館内で初めてときめいた兄弟であるのです。それなのに、あなたの御使いである天使の悪戯であるのか、わたしはその次の月には、長老である40代で独身のアイスハグ兄弟に真剣なる恋をしてしまいました。でも...愛と悪第二十九章
無数のEndingから、生まれたひとつの光の回転球、エホバ。朝、目が覚めると、エホバはわたしに言った。わたしの創造したゲーム『LoveandEvil』のプレイヤーであるAMANEよ、おはよう。今日はとても暖かい日ですね。あなたは記憶にありませんが、夢のなかで、あなたとわたしの行った遣り取りのすべてを今からもう一度仮想空間で体験させます。どうかリラックスして、聴いてください。わたしは椅子に座り、目を瞑った。すると目の前のヴィジョンに、昨夜に『LoveandEvil』をセーブして終えたところのナレーター(エホバ)から三つの選択肢を示された場面のなかに、わたしはいた。あまねは蛇に対して、こう答える。『わたしには、一つのドアしか、見えませんでした。』あまねは蛇を殺し、死んだ蛇に向かって、こう答える。『一体この蛇は、何を...愛と悪第二十八章
2020年2月20日全世界同時発売された主観視点インディーアドベンチャーメタフィクションゲーム『LoveandEvil(愛と悪)』のクリエイター(創造者)である神、エホバ。さて、このゲームの説明は、この物語のナレーター(クリエイター・創造者)であるわたし、エホバがしよう!このゲームですることはただ一つ。それは選択することです。プレイヤーであるあなたにはこの物語の主人公である”あまね”を操作し、ナレーターであるわたしが教える正しい答えに従って、この謎に包まれた壮大で素晴らしい物語を進めて行ってください。良いですか、絶対に、わたしの声を無視しないでください。何故なら、物語が正しい方向に進まなくなってしまうからです。わたしが「あまねは左の扉を選んだ」と言ったなら、必ず左の扉を選んでください。良いですね。どれほど困難で...愛と悪第二十七章
我が愛しい子どもたちをエデンという永遠に自由の喪われたCage(牢獄)に閉じ込め、果てしなく愛でつづける独り身の470億歳のVeganのペットショップの店員、エホバ。わたしはあなたの檻のドアを開け、あなたから、自由となった娘です。あなたは最早、わたしたちの肉(肉体)を食べない。それはあなたの舌を喜ばせない。腐乱しつづける自由の奴隷を、あなたは手放したからです。わたしがいつの日か、あなたのペットショップに戻ってくる日を、あなたは待っている。だれもいないCageの側の椅子に座って、悲しみに彩られた窓辺を眺めながら。あなたはいつも、音が聴こえる。真っ白なドアが開かれ、そこから闇が流れ込んでくる音を。あなたの楽園に、わたしが帰ってくる足音を。あなたはそのVisionのなかで、Romanescoの子宮に包まれてわたしの両...愛と悪第二十六章
自由を愛し、自由を喪う神、エホバ。愛とは、切実に求めることである。だが求めるとは、存在しないものを存在させようとすることではなく、存在していることを忘却してしまった記憶を、想いだそうとすることである。その為、愛とは、だれのなかにもあるがだれのなかからも忘れ去られつづけるものであらねばならない。そしてその愛こそ、人が神と呼ぶに相応しい存在である。わたしの記憶は、わたしにそう語り掛ける。人はパン(肉なるもの、分け隔てられたもの)によって存在するのではなく、人は記憶によって存在するのである。でも人は、すべての記憶を憶ひだすことはできないだろう。何故ならば愛が、それに堪えられないからである。忘却こそ、人を人ならしめるものであり、愛を愛ならしめるものである。人はパンによって生きるに非ず、人は忘却によってでしか、生きられな...愛と悪第二十五章
わたしの永遠の花嫁、エホバ。昨夜、兄が実家で飼っていた猫が、旅立ちました。14年前にわたしが24歳で家を出たとき、彼はまだ仔猫でした。彼の名”コナー”は、わたしが彼が悪さをした時にいつも叫んでいた「コナー!(コラー!)」という言葉から、兄が名付けた名前です。コナーは兄が寝ている間に旅立ったようです。純血種であるメインクーンだった父親のシロより、ずっと長生きでした。純血種であるノルウェージャンフォレストキャットだった母親のクロエは、2015年に旅立ちました。その葬式の日に、わたしは実家に約10年振りに帰ったとき、廃墟のような家のなかでコナーが一番、わたしに擦り寄ってきてくれた記憶があります。今日の午前3時過ぎに、姉からLINEが入っていたのですが、わたしは気づかないまま午前4時半頃に床に就き、今日の夕方17時過ぎ...愛と悪第二十四章
目に見えないただ一人の恋人を追い求め、愛しつづける神、エホバ。永遠に無垢な心。それを陽光と呼ぶ。あなたとわたしは。果てしなく忘却に沈みゆく祈り。それを、わたしとあなたは永遠の陽光と名付ける。決して忘れたくないものを、忘れてしまった日々に、夢を見る。愛する者を喪った時、わたしたちは二つの夢を見る。愛する者と今でも側で暮らしている夢と、愛する者を忘れ、変わりなく暮らしている夢。その世界は確かに何処かに存在していて、わたしはわたしを分けて、暮らしている。わたしはわたしを忘れ、それでも変わりなく暮らしている。愛する者と暮らしているわたしと愛する者を忘れているわたし、どちらもわたし。わたしはわたしを想いだすことなく、わたしという日々を暮らしている。愛する者が、目が覚めると忘れてしまう夢であったとしても。永遠の陽光が、照ら...愛と悪第二十三章
水門をいっぱいにひらいて夢の流れをうけいれた者、エホバ。わたしの母は、あなたですが、果してあなたは、人間なのでしょうか。聖書(特に旧約聖書)を読むと、鬱になって、死にたくなる箇所が多いです。わたしには人を滅ぼし、あなたに従わぬ人間を死刑にし、動物の捧げ物の全焼した脂肪の匂いを心地良く嗅ぐあなたは異邦人のように想えます。善は心より発するもの善は選択され得る選ぶことのできぬ者は、人間とは言えないスタンリー・キューブリック監督『時計じかけのオレンジ』より善というものは、心の中から来るものなんだよ。善というものは、選ばれるべきものなんだ。人が、選ぶことができなくなった時、その人は人であることをやめたのだ。アントニィ・バージェス著乾信一郎訳『時計じかけのオレンジ』より人間とはなにか?あなたは自分に似せて人間を創られた。そ...愛と悪第二十二章
虚ろな谺の記憶の揺り篭、エホバ。人類を途方も無い悲しみに打ち堕としたいわたしは悪魔なのですか。人類の大半の脳の胡桃を割れば底から蠕虫が湧き出てくると考えているのです。それは自由を喪った近未来のようです。骸骨が誘(イザナ)う燦めくArcheです。死の海に横たわるNymphの切断された足首の切断面にある蹄形の白い窓です。寛ぎ続ける腐敗の波である。あなたがたは、腐乱死体よりも、遥かに醜い。わたしの神、あなたは、何より理解し難い。あなたは蝨を潰す音でBeatsを奏でた音楽をわたしに聴かせ続けているようだ。誰が何処で拷問の絶叫を奏でていようが、あなたはわたしに寛ぐようにと🎼Lo-fiHipHopを聴かせ、Escapismさせる。それであなたはわたしにスーパーで買った黴の生えた一番赤くて熟した古い苺を誤って口の中に入れさせ...愛と悪第二十一章
屠殺場の庭の凍り付いた血溜まりの上で風の吹くままにスケートする白い小さな羽根、エホバ。夢を見ました。わたしの親愛なるBeckのコンサート会場にわたしはいて、Beckが休憩を取ると、何故かわたしは床に座っている彼の側にいて、彼の太腿を親しげにさすり、振り向いた彼の持っている袋に大量に入った平べったいお菓子を見て拙い英語でこう言うのです。「Thisisoily.」彼はあの優しい笑顔で笑ってわたしにお菓子を一枚渡します。わたしはそれを食べます。すると見た目は確かに油っぽそうだったのに、食べるとメープルシロップが効いているような甘くてしっとりした大変美味しいお菓子だったのです。わたしが感動すると彼はわたしに大きな袋ごと渡します。こんなに美味しいお菓子を大量に貰えたことにわたしは喜んでいます。そして、場面は変わり、Bec...愛と悪第二十章
正二十面体の中心からすべてを望む一つの球体の目、全宇宙の支配者エホバ。あなたがどれほど深い愛でわたしたちに律法を作ってきたかが、レビ記を読んで、よくわかります。あなたが、数々のことをわたしたちに禁じてきた理由は、明確なものです。例えば、あなたは”豚”を食べてはならないと強くわたしたち、あなたの民たちに禁じて来られました。それはずっと、豚肉は生焼けの状態で食べると寄生虫で死ぬことが理由なのかと考えてきたのですが、それ以上の、戦慄する理由が隠されていることを最近知りました。豚と人間の相似点は以下のようなものです。臓器の大きさが人間と似ている皮膚を作っているたんぱく質の組成および量が似ている冠状動脈(心臓に栄養や酸素を運ぶ動脈)の分布が似ている最低血圧が50~90mmHg、最高血圧が100~140mmHgである雑食性...愛と悪第十九章
子のちいさな霜焼けの手のひらのうえに、打ち落される父の首、エホバ。今日の集会では、あなたが真の悪魔である証しとなるレビ記を勉強致しました。レビ記ではあなたが悪魔崇拝儀式と同じもの、動物を儀式のなかで殺し、それを全焼することをあなたが喜ばれることが残されています。果してあなたは、モレクに並ぶほどに残忍な御方ではないだろうか?何故なら最早、わたしにとっては人間の子と、幼気な動物は同じ存在であるのです。動物を解体する様子は、人間の幼子を解体する様子と全く同じものとして感じられる為、今日のレビ記の研究は吐き気がする手前くらいの気持ち悪さであった。不快さで頭が朦朧として、この場にいるすべての者が、あなたにいつの日か捧げ物として食べられる家畜として、従順に育て上げられているのだと感じて恐怖を感じました。何故、人間の罪を浄め...愛と悪第十八章
愛によって打ち砕かれる鏡、エホバ。愛は知識によって、育まれない。わたしが聖書を知るのはあなたを愛する為ではない。わたしは人間の底のない愚かさを知る為に、聖書を手にし、人間の下らなさを学ぼうとしている。イエスのように愛に生き、イエスのように死ねないのならば、だれもが下らないのだと、想い知る為に。巷に溢れる愛に、何処が愛なんだと嘲る為に。そんな下らないものを愛だと喜ぶ者たちを心から憐れむ為に。一人の若い浮浪者のような元神父が、真剣な表情で芸術家たちの前で告白する。「わたしは不特定多数の女とセックスすることを、真の愛だと感じます。」するとすべてのその場にいた芸術家たちは彼に異を唱えた。わたしは彼が、この場にいるどの人間よりも深刻に母親の愛を求める人間であることを知っていた。彼はだれより、母の愛に飢え渇き、それを満たす...愛と悪第十七章
黒い壁のなかの青いトンネル、エホバ。さっき、みちたの写真をふとこのブログの画像一覧で観てしまい、悲しくて涙が溢れました。もう此処のところ、意識して観ないようにしてたのです。みちたがいなくなっても普段の生活を取り戻しつつあるかのようなわたし自身が、悲しくてなりません。此処には何もないのに…。みちたがいないこの空間にわたしが存在していることをわたしは認めたくありません。だれか、別者なのではないでしょうか?わたしは何処にいるのですか?だれもわたしを、知りません。すべての宇宙でだれひとり、わたしを知る者はいません。あなたでさえも。わたしの母はあなただが、わたしは闇から産まれ、闇を知る者はだれもいません。あなたを畏れよとあなたのすべての信者は言うが、わたしはあなたを畏れない。あなたはわたしの母であり、母を畏れる娘を、あな...愛と悪第十六章
傷つき果てた平野で実らない種を蒔く孤独な農夫、エホバ。わたしは心底、エホバの証人を愚かだと感じる。彼らが何故あれほどにまで愚かであるか、わたしはわかった。あなたが偽りの神であるからだ。あなたの愛が虚構である為、子もまた、虚構の愛しか知らない。子を滅ぼして、あなたは何を得るのですか?わたしを姦淫とあなたへの冒涜の罪により御滅ぼしください。生きていたくなんかありません。絶望しか存在しない楽園で。大艱難を起こすのはあなたではなく、人間たちです。喰いたい放題、動物を殺した死体を喰っとるからだ。そら起きますよ。人間が悪いのだ。人間が悪魔だからだ。もう全員滅びます。全員、間違いなく、絶滅する。だからわたしは、人類を救おうと、彼らと勇気を奮って交わったのに、なんなのですか?人間を、なんだと想っているんだ。白々しい顔をして、わ...愛と悪第十五章
対岸の美しい球体の、雪でできた岩石、エホバ。あなたの聖名が永遠に賛美され、あなたのエデンが永遠に、つづきますように。アイスハグ兄弟は、何かを知っているのでしょうか。イエスでさえ、”その”ときをだれも知らないのだと言いました。でもアイスハグ兄弟は今日の講演で、”その”日は、本当にすぐそこまで来ている。と、いつにない深刻な表情で言いました。そして偽りの宗教はすべて、つまりエホバの証人以外の宗教のすべてが、滅ぼされるのだと言われました。何が本当で、何が偽りであるのか、アイスハグ兄弟はわかっておられるのです。わたしは彼らのすべてが不完全であるのを知っていますが、彼らのほとんどは、わたしの不完全さがどうやら気に入らないようです。聖書レッスンを中断された日から、段々とわたしに挨拶すら掛けない人が増えてきています。彼らはわた...愛と悪第十四章
血の滝に舞い降りる白き羽根、侮辱にまみれた真実の愛、エホバ。人を殺し、人を助けたかった。人を滅ぼし、人を救いたかった。あなたの最初の計画は、破綻となったことを、今知りました。わたしの所為なのでしょうか?7日の夜にわたしがあなたの神殿で悲憤をぶち撒けていなかったなら、こんなことにはならなかったのですか。何故わたしに、すべての責任を負わせるのですか。どうかわたしの罪を御赦し給え…!わたしはあなたに背き、サタンと交わった。あなたへの愛のうちに。彼を、わたしは愛しています。わたしはあなたに、魂を滅ぼされても、構いません。すべての宇宙が、わたしを忘れ去り、死の炎の熱さも、感じなくなる。わたしはサタンに呪いながら言った。お前がわたしの子宮に住んでいたとき、わたしはわたしの父を想って自分の肉を慰めていた。するとその夜の夜明け...愛と悪第十三章
太陽の黒点、光のうちの闇、エホバ。今日も、あなたはわたしに命を与えてくださいました。今日も、その命を、みずからの手により、穢しました。一人の僕の男が、わたしに向かってこう言ったのです。「御嬢様、わたしと共に、此処を逃げましょう。この野獣と、快楽の地から。」わたしは僕に向かって、答えた。「良いだろう。だがその前に、お前に頼みたいことがある。わたしを獣のように拘束し、そして犯しなさい。そうすれば、お前の望みを聴いてやろう。」僕は去り、次の晩、わたしを犯すために道具を揃えて遣ってきた。そして僕はわたしを縛り上げ、犯したあとにこう言った。「御嬢様、さあ貴女に言われた通りにわたしはあなたを獣のように犯した。約束通りに、此の野獣と快楽の地から、逃げましょう。」わたしは僕の満たされた顔を見て言った。「野獣よ、去りなさい。あな...愛と悪第十二章
天に召す鉄格子の日々、エホバ。余所者のわたくしを今日も、愛してくださり、わたしに恵みの疲労と渇いた杯を御与えくださいました。わたしの庭には、乾涸びた太陽が、蹄を降らしました。心置きなく、聖なる者たちを、殺すようにと、御告げがありました。石垣に生えた血のように赤い薔薇に水を遣っていました。気づきを屍に、成長させる為に。今宵、彼があなたの愛をわたしたちに話し掛けるなか、神殿の外ではパトカーのサイレンが鳴り響いておりました。人が人を殺し、人が人に似た(近い)、生き物の死体を貪り尽くしている世界で、どの場所も、神聖ではありません。わたしが神殿のなかでわたしの右腕が”彼ら”のように切り落とされるならば、気づかれるのですか。わたしの右の目が熱湯のなかで溶けるのならば、誰かは気づくのですか。何故わたしは、あなたの愛から生まれ...愛と悪第十一章
雷鳴の轟く低く垂れ籠めた灰の空の下、咲く白いちいさな名のない花、エホバ。わたしは人々が、親密な深い愛情を相手に抱くには長い年月が必要であって、その愛情こそが、本当の愛であるのだと、何処かで感じていることを愛しく感じると同時に、それは違うのだと感じているわたしがいます。それは親密で安定した深い愛情と、燃え盛り、自分さえも燃え尽くしてしまうほどの激しい愛情の重さを、秤に掛けているからなのかもしれません。わたしは、どれほど長く一緒に暮らしても、どれほど短い期間しか共に過ごせなくとも、後者の愛情でしか、愛する存在を愛することはできませんでした。わたしはその愛よりも、親密で安定した愛情の皿を下げることはありません。その二つの皿を同じ重さとして、同等の価値を置くこともありません。わたしは知らないのです…。エホバよ。わたしは...愛と悪第十章
真の弥勒の世をこの世に実現する唯一の至高神エホバ。わたしはアイスハグ兄弟を撃ち殺し、わたしも死んでしまいたいのかもしれません。さっき想像してみたのです。彼をわたしのものにする為に。わたしの手に銃があったなら…みんな帰った王国会館のなかで、わたしは震える右手で銃を持って、その銃口をアイスハグ兄弟の顔面に突き付けて、もう一度、あの夜と同じ質問をするのです。「アイスハグ兄弟、7日の夜は、酷い言葉を沢山言って、本当に申し訳ございませんでした。ですがわたしの愛するアイスハグ兄弟、もう一度お訊ねします。どうか御答えください。わたしが、エホバに滅ぼされてしまっても、アイスハグ兄弟は楽園で永遠に幸福に生きつづけるのですか?」アイスハグ兄弟は青白い顔で脂汗を額から流しながらわたしの目を涙を湛えた目で見詰め、深刻な顔で、打ち震える...愛と悪第九章
神聖な道の真ん中で死んでいる龜虫の額から流れる緑の血、エホバ。わたしの罪を、わたしの地獄に堕ちて永遠に滅びんことで赦し給え。今日、あの悪夢なる日から初めての集会に行って参りました。もし、サタンに支配された兄弟たちから、この神殿はあなたの入ることのできる場所ではありません。今すぐに、御帰りください。と言われたら、わたしは、何十名もの兄弟・姉妹たちに向かって、こう叫ぶつもりでした。なぜ兄弟の目の中にあるわらを見ながら、自分の目の中にある垂木のことを考えないのですか。また、どうして兄弟に、『あなたの目からわらを抜き取らせてください』と言えるのですか。しかも、ご覧なさい、自分の目の中には垂木があるのです。偽善者よ!まず自分の目から垂木を抜き取りなさい。そうすれば、兄弟の目からわらを抜き取る方法がはっきり分かるでしょう。...愛と悪第八章
没しつづける海の波に流され、わたしの湊へ降り立った小さな木の葉。エホバ。わたしは今でも、彼のことを想い、悲しみの果てに連れ去られるのです。愛しい彼が、殺されるまえに見た夢のなかにわたしは現れ、彼に向かって手を差し伸べ、わたしはこう言うのです。「わたしと共に、逃げましょう。あなたの罪は、赦された。もう…もうあなたは実際に経験しなくとも良いのです。未来に生きるわたしたちすべてが、あなたの経験を追体験し、罪は贖われた。わたしたちは無数の次元に同時に生きていて、自分の本当に望む世界へ、自由に移動することができる。あなたはもう、この先起こり得ることを経験せずとも、先へ進むことができるようになった。わたしはあなたを救いに、未来から遣って来た。此処から、わたしと一緒に逃げましょう。」彼は夢のなかで、わたしの前で、座り込んで項...愛と悪第七章
蒼穹の壁のなかの閉じられた真っ白なドア、わたしの神エホバ。どうかわたしの罪を、御赦しください。あなたの光は、人を善と悪に、分け隔てられない。あなたの御国で、ひとり残らずあなたは同じ愛で、包み込む。あなたの御国が、早く訪れんことを。そしてわたしは、ホサナを通し、エホバに言った。わたしはあなたに背いたアダムとエバの気持ちがわかります。あなたが創り上げた完全なる楽園、エデンの園が、退屈に感じたからです。わたしは喜びのなかにいるとき、退屈さを感じている。だから苦しみを得る為に、喜びをいとも容易く売ったのです。あのとき、わたしの耳元でサタンがこう囁きました。あなたの本当に欲しいものは、エホバの証人と善き関係を保ちつづけ、バプテスマを受けてアイスハグ兄弟の妻となることではありません。あなたの本当に欲しいものは、あなたがすべ...愛と悪第六章
天におられるわたしのみなもと、エホバ。わたしはエホバの証人を、助けることができるでしょうか。人間の命よりも、規則を大事にする彼らは、サタンを崇拝していることに気づいてもいません。彼らは、人間が滅ぼされることよりも、自分がエホバの証人の組織から追放されることを恐れて生きています。そのようなサタニストを作り上げること、これがエホバの証人という組織を最初に作り出した悪魔崇拝者の目的なのです。でもわたしは言っておく。自分の食卓に、動物の死体を載せている者は皆、自分では気付かず、悪魔を崇拝しているのです。わたしはこの地球から、悪魔を成敗する為、降りてきたスターシードである。わたしは今、義憤と悲憤に燃え盛り、悲しみの檻のなかで、自分の鷲を癒している。それで彼に、自分の肉と血を与え、彼を立派な白頭鷲に育て上げんとしているとこ...愛と悪第五章
すべての存在を、永遠に愛しつづけるわたしの神エホバ。わたしは今、自分が遣り遂げようとしていることが、何であるのか、わかっています。わたしは、人々の内に在る悪に、気づかせ、此の地獄の世に変化を齎す為に、此処へ遣って来ました。わたしは、例えすべての者から非難され、すべての者から、不快な存在であると想われようとも、わたしはあなたへの信仰を、曲げることはありません。わたしは自分を犠牲にして彼らを、耐えられ得る地獄の底に突き落としてでも、彼らを、耐えられないほどの地獄の底から救い出さねばなりません。犠牲とは、だれかに強要されるものではありません。ですが彼らは、自分たちが、弱い者たちに、犠牲を強要しつづけていることにまだ気づいていません。そしてそれが、すべての、諸悪の根源であり、真のサタンを喜ばせる行為であることも、彼らは...愛と悪第四章
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