東京の夜空に文字が光り、点滅しながら流れていた。その光景をはじめて見たのはいつだっただろうか。まだ都会の生活に慣れていなかった私には、言葉が空から降ってくるような感動があった。その電光掲示板は何かのニュースを伝えていたのだろうが、私はただ、光となって静かに流れている不思議な文字に見とれていた。そして、電光掲示板の文字のように、あれから長い歳月が流れていった。私はいま、液晶画面の光る文字を追いつづけている。日々、小さな感動を味わいながら、パソコンで言葉を綴ることができるのは、はじめて見た電光掲示板の光る文字の感動を、知らないうちに追体験しているのかもしれない。長いあいだ、パソコンを使って仕事をしてきた。当初はフォントも少なく、日本語の変換も容易ではなかった。パソコンで言葉を操作することは、とてもしんどい作業...光る言葉を追いながら