chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • カバカバ本。

    2年近く、旅行らしい旅行をしていない。もともとインドア派で、出かけないのはそう苦にならないが、県境はおろか、市境も越えない生活が、息苦しくなってきたのだろうか。ふと気づけば、旅行記のたぐいを手にしている。感動の絶景や、立派なテーマなど要らない。フラリと思い立ってひとり出かけ、目的らしい目的もない、はかない旅に惹かれる。先日手にしたのがこの本。桜散るあなたも河馬になりなさいカバの連作で知られる俳人が...

  • がらがら話。

    平日のショッピングモールは、予想より混んでいた。人の少ないところを選んで歩き、なんとかかんとかトイレにたどり着く。個室に入ってマスクをとり、呼気に蒸れた顔を冷ます、ホッとするひと時。…ガラガラ…隣の個室から、紙を引く音が聞こえる。…ガラガラガラガラガラガラガラガラ…なっげえな!あたりをはばかることもなく、延々と引き出される紙の音の、あまりの大きさにもしかして私、紙の使用量少なすぎ?逆に不安になりだした...

  • くどくの話。

    日曜朝のニュースショー。画面では、コメンテーターが昨今の情勢について、雄弁に語っている。終始大マジメに番組が進む中、なぜかテレビの前で薄笑いになるのはクドクの人だ…思い出してしまうからだ。ゲスト席にご立派におさまりかえっているこの人が、まだ若かった頃。それは10年余も昔になるだろうが、出始めたばかりのテレビで…その クドクテンを…口走ったのを聞いて、最初は何のことか、分からなかった。口説く店?功徳天...

  • うりいえ話。

    最寄り駅に着いたときは、もう暗くなっていた。昼は暑さ厳しいけれど、吹き渡る風はもう真夏のものではない。暗闇がヒンヤリ湿り気を含んで、虫の声がそこここに聞こえる。飲みに行くことも無くなって、この時刻に出歩くのも久しぶりだ。夜遊び気分で、家までの道を歩く。街路樹が吐き出す夜気に混じって、どこからか木の香が漂ってきた。樹木ではない。木材の匂いである。ああ、あそこかな…なんとなく心当たりがあった。初夏に泡...

  • つらいよ話。

    テレビっ子のわりに、サスペンスの再放送を除き、ドラマはほとんど見ない。筋を追うのがめんどくさいのだ。特にキライなのは、欠点のある主人公が、にもかかわらず、あるいはそれゆえに、周囲にむやみに愛される話である。そういう人はだいたい、性懲りもなく同じ過ちを繰り返す。(→ろーらの話。)今日してしまった失敗を、明日に生かす。弱点を克服できないまでも、反省し、改善に努める。人生って、生きるって、そういうことじ...

  • すいはん話。

    ゲリラ豪雨の話をしていたときのことえ?今 何てった?調子よく話していたのに、急に聞き返された。は?だから あわてて炊飯器を って…だからなんで 炊飯器と夕立に関係あるわけ?あーごめんごめん うち、ベランダでゴハン炊いてんだよねそうなのだ。ご飯を炊くと、湯気が出る。冬ならいいが、この季節高温の蒸気が、部屋に溜まるのはつらい。いったん溜まった熱気を追い払うのは、またひと苦労なのだ。だから延長コードで ...

  • めんくい話。

    少しだけ暑さが引いた日のお昼。お湯を沸かすのもイヤで、食べる気がしなかったインスタントラーメンを、久しぶりに作ろう。バリバリと袋を開け、スープの小袋を取り出してから、鍋に麺を入れる。煮えるまでの間に、冷蔵庫に首を突っ込み何か入れるもん… ラーメンに入れるもん…モヤシや焼豚はないけど、ハムとネギがあった。収穫を手にコンロ前に戻ると、調理台に点々と、白いものが落ちている。麺のカケラだ。鍋に入れる時、袋を...

  • せんてい話。

    髪が伸びて、ボウボウになってきた。カチューシャで上げたり、ゴムで結わいたりしてきたが、もはやごまかしきれない。感染者が過去最高を更新する中、気が進まないが、いよいよ切らねばならないようだ。最小限の移動と時間で済ませるため、いつぞやのカット専門店(→かっとの話。)に行こう。清潔で広い店内、券売機で支払を済ませ、キッチリ仕切られたブースに入れば、世間話もなく仕事に入る美容師さん。以前なら味気なく感じた...

  • おくらの話。

    朝のワイドショー、人気の漫才師が、旬の野菜料理を紹介するコーナーの…オクラやないか!…そしたらオクラやないかあ…今日の野菜はオクラ。そういえば、今年はまだ、オクラを食べていない。安いし、栄養はあるし、調理は簡単だし、私のために生えているような野菜なのに、すっかり存在を忘れていた。忘れた理由は、おばーちゃんが去年まで、庭に植えていたからではないか、と思う。植えたことがある方はご存知だろうが、オクラの花...

  • メイジン本。

    歴史の本を読んでいると、時代を担った人たちの若さに驚く。もとより、30代で国を変えた維新の英傑に、自分をなぞらえるつもりはないが、若いなあ!と、感慨を覚えることはたまにある。はじめてそれを感じたのは、日曜洋画劇場で見た「ロミオとジュリエット」。ジュリエットを演じた女優が、当時15歳だと知った時、何とも言えない気持ちになった。あの感情は何だったんだろう。ハリウッド女優と田舎の高校生じゃ、およそかけ離...

  • ちゅうどん話。

    今日も今日とて、腹ペコで帰宅。何か…なにか食べるもの…もはや一刻の猶予もならぬ。ゴハンが炊けてないので、レトルトカレーというわけにもいかない。絶望的な気分で食品庫を探ると、こんなものがあった。揚げた麺と、スープの素がセットになった、長崎皿うどん。野菜とお肉などを炒め、添付のスープで味付けするだけで、パリパリの麺がすぐ食べられる。しかし、今日はその「炒めるだけ」ができそうにない。どうする私…30年の料...

  • しおみず話。

    5月中にいち早く、2度のワクチン接種を終えたおばーちゃん(→くるくる話。)。予想した副反応もなく、ひと安心のはずなのだが…心配なのよねまた、なんだか雲行きが怪しい。どうしたのよ マルヤマさんも フクオカさんも 副反応、けっこうあったらしいワマルヤマさん、フクオカさんは、おばーちゃんの友だちである。こんなご時世で会うこともままならないが、電話やLINEで頻繁に情報交換している。腕が腫れたり 微熱が出たり…...

  • たんでむ話。

    今日はバイクの日、らしい。8・1・9でバ・イ・ク。安易だ。しかし最近はあんまりバイクを見ない。ムスメやムスコの友達にも、バイクに乗る子はいない。たまに大型バイクを見かけても、乗っているのは中高年ライダーである。昔の男の子は、免許を取れる年齢になるのを待ちかねるようにしてバイクを手に入れた。そして、昔の女の子は、自分が乗らなくっても、何となくバイクに詳しくなった。私は大学の女子寮にいたが、部屋にいて...

  • ちこくの話。

    ひー!遅刻!チコク…昨夜遅く、ひさしぶりに帰ってきたムスメ。今朝は寝坊をしたらしく、なにごとか呪いながら、朝食もソコソコに飛び出していった。若い人は大変だねエ… へへへ…見送る私はと言えば、5時前には自然に目が覚め、それなのに午前中の予定の無い、気楽な身の上である。今年、仕事をひとつ辞めた。2人の子供の学資に追われ、かけもちで働いてきたが、この春ムスコも大学を出た。職業生活の整理を考え始め、ヘタなソ...

  • よやくの話。

    どうやらワクチンの接種予約に乗り遅れたらしい。おばーちゃんの時は、予約開始1時間前にパソコン前に陣取り、首尾よく希望の日時、場所を押さえた(→くるくる話。)。しかし、こと自分になると緊張感を欠くものだ。50代の予約が始まっていたのに、ついボンヤリしていて、ハッと気づいてサイトを見たら、もう満杯になっていた。(ぜんぜんラクラクではなかった)まあいいや。できる時になればできるでしょう。何の気なしにそのこ...

  • びしょぬれ話。

    朝からの雨がやんで、雲に隙間ができている。そうだ、今のうちに買物に出よう。手提にサイフを入れて、ツッカケ履きで飛び出した。スーパーまでの道みち、カサ 持ってくればよかったかな…思い浮かばなかったわけではない。しかし、サッサと行って帰りたい、という気持が勝り、引き返せば引き返せる距離は過ぎた。あんのじょう、帰りには雲行きが怪しくなり、やがてパラパラと雨粒。やや早足になりつつ、荷物もあり、全力疾走とい...

  • のこぎり話。

    雨続きで湿っぽくて、洗ったマナイタが、スッキリ乾かない。タワシでゴシゴシ洗っても、手触りがぬめる気がする。こりゃーヤスリだな!道具箱からヤスリを出して、洗っても取れない汚れをこすり落とす。新鮮な木の香がして、いつの間にか黒ずんだ木口が、みるみる本来の年輪を見せはじめた。木はやっぱりいいな。私は大工仕事が、わりに好きである。今は家の中も整っているから、大したことはやらないが、家具の組立くらいは気軽に...

  • ちびっと話。

    朝は冷たいコーヒー。すぐに朝食をとる気になれなくて、冷蔵庫を開けたら、銀紙に包んだソフトチーズがあった。コレなあ… 美味しんだけどなあ…味は好きだし、だからこそ買ってあるわけだけど、躊躇するには理由がある。今はとっても便利になっていて、赤いタブをつまんで引くだけで、くるりと銀紙がむける。問題はここだ。銀紙のミゾに、細く残るチーズのカケラ。残したくないけど、手では取れないし、歯でこそぎ取ろうとすると銀...

  • ようこそ話。

    ここのところ、根を詰める仕事が続く。冬場の肩こりは、首筋を温めて治してしまうが、この季節、温めるのはちょっとツラい。左手でこわばった右肩をモミモミしながら、ふと実家に何かあるかも、と思いついた。おかーさーん 肩こり治すモノある?電話で問い合わせるとあるよモノを買ってはお蔵入りさせるのが得意な母、即答である。仏間の健康器具の墓場にあったのは電気刺激で筋肉をほぐす治療器具らしい。使用中動けないマッサー...

  • きせいの話。

    もしかして …のご出身ですか?つい尋ねたのは、初めて話した彼の、ちょっとした語尾の癖に気づいたからだ。それは今、ムスコの住む地方のアクセント。わかりますか、と頭を掻くしぐさが若々しい。聞けばこの町の大学に通って、そのまま就職したのだというからちょうどうちのムスコと逆ですね言うと、そうなんですか、と目を丸くしている。こんなんじゃ なかなかご実家にも帰れないでしょう?ついオバサンが顔を出した。2年連続...

  • ほしずな話。

    昨年中止になった高校野球が、今年は様々な制限を設けて開催されるようだ。…恒例となっている甲子園の土の持ち帰りについては 新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から 今年はご遠慮いただきたいとの意向を…へえ~!思わず声に出したのは、そこまでやるか!という気持ではなくまだやってたのか!という驚きである。スポーツ全般に興味の無い私も、学生時代はなんとなく、高校野球を見ていた。どこを応援するとかではなく、自...

  • ななねん話。

    今朝もセミの声で起こされた。起きた、ではなく起こされた、なのは、ムカつく気持の表れである。セミの声ってなぜあんなに暑苦しいんだろう。もっと爽やかに、涼しげに鳴いては、いけないわけでもあるのだろうか。(→なきごえ話。)暑い夏の朝、あの声で目覚めると、1日を損した気がする。道端で、息も絶え絶えなセミを見ても、声が憎らしいあまり、憐れむ気持も湧きにくい。人目が無ければ蹴飛ばしたいくらいだ。…てな話をしてい...

  • いぼ○の話。

    駅前の駐輪場。朝から停めてあった愛車青嵐号に乗ったとたん、思わずあちっ!焦茶のサドルが、夏の日差しに半日炙られて、熱々になっていた。こりゃー いぼ○が…つい小声で言いかけて、慌てて周囲を見回す。亡き父は、長年の大ぢ主であった。お酒を飲んだ翌朝など、うつぶせに横たわり、うんうん唸っていた。根本治療を決断したこともあるようだが、お父さん、手術の前の日に「引っ込んだ」って… よっぽど怖かったのね母は今でも...

  • いらない話。

    洗面台の抽斗に、引っかかるものがある。なんだコレ…ごとごと揺すって中身を動かしたら、なんとか開けることができた。あ…化粧ポーチである。身だしなみのための小物を、バッグに入れて持ち歩く化粧ポーチが、なぜこんなとこにあるのか。話は数日前に遡る。私は冬より夏のほうが荷物が多い。汗っかきなので、ハンドタオルは2枚。時節柄、マスクと除菌シートは欠かせないし、忘れてならない水分補給には、冷たいお茶の水筒。ことの...

  • みてみて話。

    夕方4時を過ぎても日差しは強いが、さっき降った雨のおかげか、風が気持いい。見上げると、刷毛で掃いたような薄いのから、お団子のようなの、小柄な入道雲まで、ごたごたとまとまりなく、雲が散らかっている。台風が近いのだ。信号で止まって、開けた空をまた眺めたら!!!雲で途切れながら、ビックリするほど大きな虹が、中天にかかっているではないか。誰かに教えたいのに、虹を見つける時って、どうしていつも1人なのだろう...

  • しきいの話。

    午後までの仕事が、思いもかけず早く終わった。次の予定まで、3時間。こんな時でなければ、街歩きを楽しむところだが、やっぱりそんな気持ちにはなれない。どこか空いた喫茶店の片隅で、カバンの中の文庫本でも読み、静かに時間をつぶそう。歩きだしたら、見慣れた看板にぶつかった。以前来ていた美容院。気取らない雰囲気と確かな技術が気に入って、電車で2駅の距離を、月に1度通っていた。すっかりご無沙汰になってしまったの...

  • ぜんごの話。

    …あ…っつー!自分の声で目覚めた朝。外は炎天に、割れんばかりのセミの声。今日もロクなことがない、そんな不吉な予感がする。寝ていたいのに疎ましい、相反する気分で、寝汗にしけったフトンから、身体を引きはがした。せめて好きな服を着て出かけようと、マリンブルーのブラウスを取り出してガッカリ。お腹のあたりに、切腹でもしたような、大きな横ジワができているではないか。なんかもう、どうでもいい。服にシワがあるから、...

  • ぐるっと話。

    ギフトショップの前に バス停ありますよ教えてくださったのは、徒歩でここに来た私が、ユデダコみたいに暑そうだったからだろう。ご親切に応えて、帰りはバスにしよう。自動ドアを出ると、たちまちムッとした外気に包まれる。待つのはユウウツだなと思っていたら、着くや着かずのいいタイミングで、派手なカラーリングの小さなバスがやってきた。渡りに船とはこういうことだ。ホイホイと乗り込んだ車内には先客もなく、最後尾の座...

  • めいめい話。

    昨夜の雨がやんで、緑濃い遊歩道。風が涼しくて、スイスイ歩けそうだけれど、足元が気になるのは〰こいつらのせいである。ミミズがなぜ、降っても照っても路上に現れ、集団自殺の様相を呈するのか、理由は分からない。(→ミミズノ本。)この道に、路面で干からびているにょろにょろが多いのは、植込の土の中に、豊富に生息しているためだろう。う…ヤバイ…つぶやいたのは、踏んづけそうになったからではない。名前を思いつきそうだ...

  • おしらせ話。

    通知とは、連絡のために、事実や意思を表立って知らせることである。法律用語としては、特定または不特定多数の人に対し、特定の事項を知らしめる行政庁の行為で、一定の法律効果が付されている。いきなり何をとお思いであろう。わざわざ辞書を引いたのはこんなメールが来たからである。読みたい本を探して、図書館の書架の間をブラブラする楽しみも、今はお預け。ホームページで検索、予約して、届いたらそそくさと取りに行く。ち...

  • おおとろ話。

    週末だというのに仕事。うだるような暑さの中、帰りの駅にようようたどり着いたときには、お腹もペコペコだった。券売機に向かって歩いていたら、改札の脇に新しい店ができている。持帰り専門の寿司店のようだ。しかも閉店が近いため、全品20%引のプレートが出ているではないか。これはもう、今日はお寿司にしなさい、という神のお告げであろう。(何の神だ)品薄の棚の中からも、好みのパックを選んで、ウキウキとレジに向かう...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、ぢょん・でんばあさんをフォローしませんか?

ハンドル名
ぢょん・でんばあさん
ブログタイトル
okkanabikkuring
フォロー
okkanabikkuring

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用