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生かされるまま生きる http://blog.livedoor.jp/ipsilon/

ひきもり生活の改善と社会復帰を目指して、自分探しをしています。

かつて鬱病で引き篭もっていたオヤジの独白ノートです。時系列にそった自分史を書きあげ。今は適当に日々を生きている、オヤジの心の日記です。

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2010/05/19

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  • わたしは何を知れるのか?

    タイトルにした問いは、古今東西にわたって人類が長年考えてき問いである。 古代ギリシャを尋ねれば、デルポイの信託に「汝自身を知れ(グノーティ・セァウトン)」という言葉にぶつかる。 16世紀に生きたモンテーニュが長大な『エセー』を書いた動機は「私は何を知る

  • いまどき宿業論を信じる馬鹿らしさ

    「仏教的には地震や津波の犠牲者も過去世の業が原因なのか?」という問題がしばし炎上しますが、仏典とその註釈を注意深く読む限り「その可能性が高い」と言う外ないです。 こういう見解は顰蹙を買うかもですが、これは私の意見ではなくて、仏典と注釈にそう書いてある

  • 真実を語ること

    仏典には真実を語るには4つの特徴があると説く。 その心は、以下のとおりである。「立派な人々は説いた――〔ⅰ〕最上の善いことばで語れ。〔これが第一である。〕〔ⅱ〕正しい理(ことわり)を語れ。道理に反することを語るな。これが第二である。〔ⅲ〕好ましい言葉

  • 出家と在家

    『サンユッタ・二カーヤⅡ(「悪魔との対話」中村元訳)』を読んでいて、つくづく思ったのである。 出家と在家は価値観が相当違うな、と。同列で語ることはできないし、ある部分では価値観が対立している、と。 しかし、その価値観の違いが、時代の進展とともに綯い交

  • 初期仏教が説いた「真」とは、いったい何だろうか? これを正確に言葉でいいあらわすことは絶対に不可能だ。 なぜなら、仏教によって説かれた「真」、つまり真理は「何も説いていない」ということだからだ。 経典にはこうある。 仏には、「説く」ということがな

  • 初期仏教における布施と布教

    もう何年前になるか忘れたが、日蓮遺文を読んでいて疑問に思ったことがあった。 それは布施(供養)に関する内容であった。 日蓮が信徒から物品の布施を受けた返信はこんな感じであった。「これとあれとそれという(物品の)供養、ありがたく受け取りました。本来供

  • 他者と他人

    この問題は非常に深いのである。 なぜなら、哲学がいわゆる「他者」について深く考察するようになったのは、フッサール現象学(わたしが現象学という場合、ほとんどフッサール現象学のことを指す)が現れてからなのだから。 したがって、哲学において真摯に「他者」が

  • フッサール現象学における今

    フッサール現象学については、これまで自分なりにまとめてみようという気持ちはあった。だが、それをしようとすると説明が複雑になり、余計に現象学への理解を妨げると思ってきた。 ゆえに、何度か記事にしてみようとしたことはあるのだが、いつも途中で投げ出してきたの

  • 無始無終〔永遠〕の生命にあるカラクリ

    大乗仏教はとにかく「無限」というのが好きである。 それは、現代人も同じで、人間は「無限」とか「永遠」といった、量ることのできない概念が大好きなのだ。 君には、無限の可能性がある! 一般に、こういう言葉は人に希望を持たせる。多くの人が無限という言葉に好

  • どの本尊に功徳があるのか問題

    答えは明瞭、どの本尊にも功徳はある。 じゃあなぜ、創価学会と日蓮正宗はああも口汚く本尊論を中心にして互いを罵り合っているのか? この答えも簡単。 それは、社会倫理というものがあるからだ。 破門された教団が、破門してきた教団が奉じている本尊を認める

  • 仏教はなに主義か?

    この問いに答えるのはなかなか難しい。 キリスト教のように唯一絶対の神なる存在があるとするなら、「絶対主義」だと簡単に判別できるし、神や宇宙の法則などといった絶対的な存在は無くすべては異なる存在であり、その意味でいうなら世界は相対的であるとするなら、

  • 曼荼羅本尊に拘る愚かな人たち

    創価学会と日蓮正宗、というか日蓮系の教団というのは、どうしてああも本尊に拘り、不毛で無意味かつ骨肉の争いを続けるのだろうか。 真面目に関わる気など、もはやもとより持ってはいないが、あまりの愚かさに思わず助言してしまいたくなる。 というのが今回の記事(

  • 五蘊からみる「空」

    「色かたちと、感受作用と、表象作用と、識別作用と、形成されたものと、――わたしはこれではない。またこれは、わたしに属するものではない。このように観じて、わたしはそれらについての執着を離れる。このような執着を離れて、安穏に達し、一切の束縛を超えている者を

  • 破邪顕正

    最近知ったのだが、この「破邪顕正」という仏教用語は、もともとは三論宗の根本教義であったのだそうだ。 したがって、破邪顕正の本来の意味は、現代の一般的な意味「邪道をうちやぶり、正しい道理を世の中にあらわし広めること」という意味ではない。 ではどういう

  • 意志について

    欲望や欲求という言葉は、一般的でわかりやすいのだが、哲学といのは面倒くさいもので、欲求・欲望・欲得などといった欲を含む概念をまとめて「意志」などとたて分ける。 こういうのは本当に面倒くさいなと思うのだが、欲にも色々な種類があってそれらを一括して表現す

  • カントの三批判書について

    さて、前に2つの記事を書きながら考えたのは、体系的に哲学を語るとにはどうすればいいかだったのだが、結果、カントの三批判書とその内容を明証する傍証を語ればよいと気づいたので、記事にしてみることにした。 カントの三批判書は端的に言えば、以下のような内容に

  • 宗教とは?

    宗教とはなにか? これはなかなか壮大な問いである。しかし、この問いに答える術はある。 つらつらと宗教史を見ていけばいいのである。そもそも論から宗教の変遷を知れば、宗教がいかなるものかは、大体わかるからである。 さて、そのような視点をもって見るなら、宗

  • 美的判断の重要性

    ここ数ヶ月、自分のなかにある哲学を体系的にまとめようと、いろいろと思索している。 なのだが、なかなか纏まらないでいる。 なので、今日の記事は備忘録程度のものになる。 美とはなにか? 大きく分けると、これは2つになるだろう。 1)好ましい、美しいと

  • 近代における「正義」とは?

    ちょっと長い動画だが、非常に勉強になった。 もちろん、西洋における「正義」や東洋における「義」など「正しさ」というものを定義するのは容易なことではない。 だが、この動画を見ておけば、近代における「正義」とはいかなるものかは理解できるだろう。 すな

  • 「格言」とは?

    格言の定義など、あまり考えたことがなかった。 だが、アリストテレス『弁論術』を読んでいて、そのことが語られていてㇵッとさせられた。 アリストテレス曰く「格言とは、前提条件や結論が省略された形で語られた論理」なのだそうだ。 思わずなるほど、と唸ってし

  • テオプラストス『人さまざま(性格論)』より「悪態」の抜粋

    あんまり面白く的確な表現だったのでおすそ分け程度に本文を抜粋しておいてみる。 「悪態」 悪態とは、なにを口にしても、悪口になってしまう心の性癖である。 あんまり語りたくもない話だが、ある時、読書メーターでいきなり絡まれて「悪態」をつかれまくった

  • 悲劇と喜劇

    案外と勘違いされているのが、この「悲劇」と「喜劇」の定義であろう。 しかし、その勘違いは、ある意味では無理もないものと言えるかも知れない。 なぜなら、「悲劇」「喜劇」の意味がきちんと定義されたのは、大体アリストテレスの時代といっていいからだ。 すな

  • 睡眠は重要

    次期ノーベル賞候補×成田悠輔 「寝不足だと嫌な奴になる?」「ほとんどの日本人の脳は低パフォーマンス状態?」数々の睡眠の落とし穴に成田絶句!世界的権威柳沢正史教授が語る快眠術とは?睡眠が重要なのは知っていたけど、ここまでとはと思わされた。前編、中編、後

  • 死について

    世の中、某宗教団体の名誉会長の訃報でいささか騒がしい。 しかし、死とはそんなに騒ぐようなものではないだろう。 誰かが死ぬと、慟哭する者たちよ。 なぜ死んだのだと天に問い続ける者たちよ。 死を最大の災厄のように思う者たちよ。 人間が死ぬのはまったく不

  • 自分自身に生きる

    倚りかからずもはやできあいの思想に倚りかかりたくないもはやできあいの宗教には倚りかかりたくないもはやできあいの学問には倚りかかりたくないもはやいかなる権威にも倚りかかりたくないながく生きて心底まなんだのはそれぐらいじぶんの耳目じぶんの二本足の

  • 戦争の大義のために宗教を利用するな! と言いたい。

    空爆で大けが負った少女「妹が死んだけどうれしいです」…どうして??戦争では、よくあることです。~「戦争、見えていますか」(2015年戦後70年企画)【DIGドキュメント×TBS】Civil War / Guns N' Roses

  • Give Peace A Chance !!

    戦争、戦争、戦争ばかりしている人類に心の底から吐き気がする。 悲惨な画像や映像がどんなに流れようと、ウクライナがどうのロシアがどうたら、イスラエルがどうのハマス(パレスチナ)がどうたらと、生半可にかじり知った知識を振りかざす評論家気取りの馬鹿ども

  • 「弁論術」に対する誤解が酷い

    そもそも、弁論術とはいかなるものかと問うたなら、以下が正しい答えであろう。 弁論の狙いが説得にある以上、そのための方法を考察することは弁論術本来の任務である。ただし、これは、あくまでも説得が現実に達成されることを目的にするという意味ではない。もし、説

  • 「アブダクション」スゲー! ってなる動画

    帰納推論と演繹推論はもちろん知っていたが、アブダクション(逆行推論)ってのはそこまで知ってなかったことに気づかされた。 でも、人間の知性において重要なのは逆行推論なのだと思わされた。 動画中でいろいろ語られているが、アブダクションによって提示された

  • 「存在」とは?

    「存在」というのは案外とややこしいものだと気づいた。英語で考えるとわかりやすい。英語で存在は3通りの言い方がある。existence, Presence, beingと。existenceは絶対的存在。主体者(わたし)がいようがいまいが、主体者が観察したり認識せずともある存在。Presenceは

  • 牧野富太郎生誕160年講演会「愛すべき天才の情熱」朝井まかて

    ボタニカ朝井まかて祥伝社2022-01-20 『ボタニカ』は未読ですが、牧野さんのことを知ったのは池波正太郎『武士(おとこ)の紋章』だったりする。 2013年頃のことだが、ものすごく感動した記憶はいまでも鮮明だったりする。 牧野富太郎の「 赭鞭一撻 」15か条 素晴

  • 文章作法の乱れについて

    最近の日本人の書く文章は酷いものである。 文章の基本がわかっていない人が多すぎるのだ。一文一意を心がける。複数の修飾語を用いず、的確な語句を選びにえらんで修飾する簡潔さを心がける。難解すぎる語句の使用を避けて、誰が読んでもわかる平易さを心がける。誰がよ

  • 福沢諭吉翁のことば

    一身独立して一国独立す シンプルな言葉というのは、含蓄があって案外と正しく解釈することが難しい。 ここで言われている「一身独立」というのは個人主義のことではない。 もちろん「自己責任」という意味でもない。 言うなれば「自己超克」のことなのだが、こ

  • Eric Clapton / Jeff Beck - Moon River

    歌詞の意味をじっくり味わってから聞くと、 クラプトンらしいジェフ・ベックへの追悼だと感慨深いものがあった。 僕たちは広い川を流れる二艘の筏みたいなもの。 そこからは、互いに違う景色しかみれないけど、 同じように世界をみたいと夢見て川を流れてゆく。

  • 恐るべき、プロパガンダ

    そしてテレビは“戦争”を煽った。 動画中にある「オデッサ騒乱」のあたりは、必見であろう。 「妊婦が殺された」と事実と異なる言説がネット上で独り歩きし、そうした嘘が沢山の人の憎悪をかきたて、戦地に向かわせてしまった……。 かたや、民族や言葉の違いを超

  • 因果律はまちがったものの見方である

    結局、あらゆる苦や不幸の原因は、人間がものごとや出来事を「因果関係」で思考し認識していることにある。 線的思考が危険であるから回帰的思考が望ましいのではい。 それ以前に、ものごとを因果律で見ていることによって、間違ったものの見方をしているのである。

  • 乱暴な線的思考の否定

    安冨さんの思想というのは、とにかく極端でステレオタイプなんだと最近、はっきり認識した。そしてわたしはそういう思想を気持ち悪く思うようになった。 ・自力を否定し他力だけを肯定する。 ・直接的アプローチを否定して間接的アプローチだけを肯定する。 ・政治

  • 無明とは

    無明とは、そもそも人間存在は「無常・苦・非我・不浄」だということを知らない状態をいう。 さらに、無明である状態でありながら、人間存在は本来、「常・楽・我・浄」であると勘違いしている「四転倒」の状態も無明である。 あるいはまた、無明を破る悟りの道がある

  • ロシア・ウクライナ戦争の原因

    そもそもの原因はウクライナのだらし無い政治にあると思うのだが、とにかくも日本のメディアはロシア、プーチンを悪だとする偏向報道しかしない。 マイダン革命のような死者がでる暴力革命が起こってしまう政治的堕落があったことなど、もはや誰も顧みていない。ウクラ

  • 奇妙な夢

    今朝、奇妙な夢を見た。 バスタオルを巻いただけの華奢な少女が身売りするという夢だ。 少女は管理人らしき人にいわれるままに振る舞っていた。 そして、彼女は身売りするために上り道になった杣道を歩いてゆく。 両手には管理人から渡された透明なグラスを胸に抱

  • 感覚と論理

    安冨さん、一月万冊で「ラッセルのパラドックス」を何度ももちだして繰り返し説明していたが、あの動画を見て氏の伝えたいことを理解できた人が、どれくらいいるのだろうかと考えてみると、なんだか切ない気持ちになった。 なぜなら、ほとんどの人はラッセルのパラドッ

  • Wishing Well/Free

    帽子を脱ぎ捨て、靴も蹴り脱いじまえよ。どうせどこにも行けやしないんだから。街をぶらついて、お前のブルースを歌うんだ。どうせどこにも行けやしないんだから。お前はいつだっていい友達さ。だけど、お前はいつも「さようなら」と言う。そんなお前が満足するのは

  • 線形的思考と回帰的思考

    さて、もう少し安冨さんの論理を批判しておこう(笑) そもそも氏は、線形的思考は危険で、回帰的思考のほうが優れていると言っているが、その件はすでに「輪廻」的な苦しみを生むとして批判しておいた。 というよりも、氏がもうひとつ上げている曼荼羅的思考から見

  • リデル・ハートの間接的アプローチ――「戦略論」

    安冨さんの言う「リデル・ハートの間接的アプローチ」を政治や社会問題に応用できるという理論には無理がありすぎると思う。 なぜなら、戦争と政治社会問題への対応法の前提が、そもそも異なるからだ。 戦争は基本どんな暴力も可とするが、政治社会問題はどんな暴力も

  • マルティン・ブーバー『対話』「しるし」より抜粋

    しるしはたえず生じている。生きていることは、語りかけられていることであり、われわれはただこのしるしに立ち向かい、これに耳を傾けることだけが必要である。しかしこの冒険はわれわれにとって非常に危険なものである。音のない雷は、われわれに破滅の威嚇をなずごとく

  • 今さら輪廻を持ち出すとは……

    安冨さんの思想、マジで終わってるな。 線形思考は危険なので、回帰的思考をしながら、回転の法則を変えることを勧めているが、その回帰的思考というのは、仏教的に見れば「輪廻」であり、いうなれば無限地獄への門に招待しているということに気づいていないのだから……

  • 論理的であるということ

    日本人というか、日本で捉えられているロジカルというものは物凄く勘違いされ、しかもビジネスのためのツールという感覚である場合がほとんどだと思う。 つまり、多くのというよりもほとんどの日本人は、論理的であるということがどういうことかを、間違って解釈している

  • 統制的理念はどのようにして生まれるのか?

    カント哲学における「統制的理念」はどうようにして生まれるのか? 多分、こう考えればしっくりするのだろう。 純粋理性の範囲における理性が正しく働くためには、基本的には自我の範疇に限定されている必要がある。 言い換えるなら、純粋理性における「構成的理念

  • 成田悠輔氏の思想は極めてラディカル

    まあ、まずは動画を再生して欲しい。 宮台真司氏の加速主義をはじめて知ったときは結構な衝撃を受けたが、成田さんは、それよりもさらにラディカルで、話を聞いて思わず爆笑してしまった。 でも、彼が言ってることは本質を突いていると思う。 日本における加速主

  • 一月万冊は完全にオワコン

    安冨さんの思想は、もう少しまともな方向に進むかと思っていたが、どうもそうはならないようだ。 一月万冊自体、随分と見なくなったが、時折、興味を惹くサムネがあると、なんとなく見ていた。 しかし、三浦瑠麗氏とその夫の件をとりあげ、愚痴と文句と批判ばかりやっ

  • 『判断力批判』について

    さて、カントの『純粋理性批判』と『実践理性批判』についての記事を書いたのだから、当然、彼の三批判書で触れていない『判断力批判』について、触れずにおくわけにはいかないだろう。 では、『判断力批判』のざっくりとした内容はといえば、こうなる。 基本的に芸

  • カントの『実践理性批判』を思索する重要性

    カントの『純粋理性批判』のざっくりとした内容は、すこし前に『「真善美」と「美利善」』という記事にしてみた。 したがって、次には『実践理性批判』を考える必要がある。 さてここで、復習がてらに『純粋理性批判』を見直しておくと、簡単に言うなら、純粋理性(以下

  • 『Cats』――Memory

    知らなかったなぁ……。 ミュージカル『キャッツ』の物語と楽曲の「メモリー」が、こんなに素晴らしかったとは。 「メモリー」を歌うのは、老娼婦。 猫生のほとんどは、彼女にとって辛く悲しく、苦しいものばかりだった。 しかし、そうした沢山の辛い思い出のな

  • 「真善美」と「美利善」

    哲学の世界には、カントが提示した「真善美」という概念がある。 そして、この概念から思索を行うことは、「人間は、いかに生きるべきか?」という回答への早道といえるだろう。 カント哲学に曰く、「真」とは―― その人がもつ認識形式、認識範囲によって捉えられ

  • ChatGPTを使ってみた

    使ってみた率直な感想は、「辞書よりかなり便利な辞書的なもの」という感じ。 大学の論文を書くのに、ChatGPTはアリか? なしか? で、世界各国で規制の動きが見られているが、はっきり言ってこのような肯定/否定の二元論に陥ることが、まず馬鹿げていると思う。

  • libenter homines id quod volunt credunt

    カエサルの『ガリア戦記』にある、有名な一節だ。 訳としては塩野七生による「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない」が有名だが、これは意訳であって、逐語訳なら國原吉之介による「願わしいもの

  • 例の「集団自決」発言にある真意

    言葉の自動機械となったバカな人たちが、成田悠輔氏の「集団自決」発言を批判し炎上したが、彼がその言葉にこめた真意は明快である。 ようするに、人間という存在も生物である以上は、アポトーシスから逃れられないのである。 したがって、人間の作る社会もまたア

  • 小説短編『ティエラとアーデ――ポストモダンな宇宙』

    1「それで、作業の進捗具合に異常はないはね?」 ティエラはそう言いながら、同僚であるアーデの顔を覗きこんだ。「もちろん、ぬかりはないは。慣れた作業なんだから。少々力を使うのが珠に傷というところだけど」 アーデの作業着から伸びた二の腕の上

  • 2022年12月 読書メーターまとめ

    昨年12月は4冊と、昔に比べれば非常に少ない読了数。だが、量より質の読書を目指しているので、まったく不安感はない。 読了したタイトルからしても、流し読みできるものとはいえないので、満足している。 特に、山口一郎『現象学ことはじめ』の再読は、ゆっくり反

  • 世界はつながっている

    脱構築といえばデリダ、デリダといえば脱構築というくらいに両者は切り離せないものとされている。しかし、脱構築の手法の源泉を哲学に取り入れたのは、デリダが脱構築で批判したフッサールのほうが先である。フッサールは発生的現象学(どのようにして意識が発生するのか

  • アリストテレス『政治学』

    共同体は、〔その他の共同体にくらべて〕最も熱心に善きものを、しかも凡ての善きもののうち至高のものを目指していることは明らかである。そしてその至高のものというのが、世に謂う国、或は国的共同体なのである。 ふつう、「人間は本性上ポリス的動物である」と語ら

  • 2022年11月 読書メーターまとめ

    読んだ冊数は少ないが、学んだことの多かった月だった。 例えば現代が「反哲学」の時代であることとか。 サーンキヤ哲学が、意外なほど現象学の考え方に近いとか。 だけれども、そういうことを簡単に解説するのに無理がある状態。 解説しようと思えば出来るように

  • 映画『ディストピア パンドラの少女(The Girl with All the Gifts)』

    なかなか心揺さぶられる映画に出会うのはむずかしいのだが、出会ったので紹介しておきたい。 『ディストピア パンドラの少女(The Girl with All the Gifts)』 2022年12月2日(金) 23:59まで無料配信中。 いわゆるゾンビ映画なので、期待しないで観たのだが、大

  • 現象学における「受動的綜合」とは?

    現象学は共通了解や合意形成のための哲学であると、つぶやいてきたが、これは非常に雑ないいかたである。なぜなら、現象学における共通了解や合意形成は、実は無意識的な部分でなされてこそ意味をなすからだ。いわゆる用語における「受動的総合」がそれである。しかしこの

  • 現象学の必要性

    アリストテレスの『政治学』を読みはじめた。初めのほうで、彼は奴隷制を肯定している。が、これには理由がある。議論するにあたっての前提条件というものがあるからだ。で、彼の据えた条件は自然はすべて合目的性を持つというもの。だから、その前提にそって合理的に判断

  • 人生に似ている?

    見ていて何ともいえない気持ちになった。 最終的には自分の力に頼るしかない。 自然の掟の厳しさも感じたけど、それにめげずになんど滑り落ちても、登ることを諦めない子グマちゃん! 手足が短くて、まだ丸っこい子グマが、ズルズルと落ちてるのが溜まらなく可愛

  • 哲学する感動―自分を知るための哲学入門

    「哲学する感動―自分を知るための哲学入門」 さすがは竹田青嗣さん。 めっちゃ解りやすい説明! わたしは、彼の思想に強い共鳴をするばかりだ。 ついでに、「現象学研究会」のHPもリンクしておこう。

  • 22世紀の哲学が向かうべきベクトル

    竹田青嗣さんと苫野一徳さんの対談が素晴らしいのリンクしておく。 長いけどね。 「自由」になるための哲学~ヘーゲルから社会構想まで~ 最近は真面目に記事を書く気にならないくらい、世間に辟易しているので、こんな記事が増えるかもしれない。 わたしが語る

  • 2022年10月 読書メーターまとめ

    10月の読書メーター読んだ本の数:6読んだページ数:1937ナイス数:721リルケ詩抄 (岩波文庫)の感想『リルケ詩抄』と銘うたれているが、実質は訳者「茅野蕭々選詩集」といっていい。選詩の中心軸にはリルケが求め、また茅野が求めた「物自体」への憧れ、あるいはまた神との邂

  • 沖縄基地問題

    ひろゆき氏のツイートで炎上した件で、宮台さんがツイッターで紹介していた動画。 実に宮台さんらしい冷静でまともな視座の提示だと思う。 リベラルの反対運動が非常に暴力的であることは、ひろゆき氏と話していた山城博治氏で、検索すればそういう事実はゴロゴロ出て

  • 明石市長、泉房穂氏の辞任について

    この件についての意見、感想、批評などを、ひととおり見てみたが、本当に日本と日本人というのは残念だなと感じた。 そしてそうした意見のほとんどは、政治は「結果責任」という論理。 どんな政策をしたかが大事であって、暴言という暴力は、ある程度は擁護すべきでは

  • 法律論

    さて、一月万冊についての批判がつづくが、次は法律に関する安冨さんの発言。 彼女は「近代法は、中世神学が基盤にある」とざっくり言ったが、これもまた認識が雑すぎるて、ミスリードになりかねないという話。 なぜなら、法律の根源を探ると、プラトン『国家』『法律

  • 一月万冊は酷いミスリードをしている

    この動画のタイトルはこう。 「マルチは違法では無い?れいわ新選組山本太郎氏が仮想通貨詐欺問題の宮城氏の離党届を受理。この騒動に日本の政治の地獄を見た」 で、問題になるのは清水氏が自分勝手にジュビリーエ-スの事件を「詐欺」と認定しているということ

  • 議論の次元が低すぎる

    安冨さんの言わんとしてることは理解できなくもないが、結局どうすればいいかは何も言ってない。 言うなれば清水氏の意見に引っ張られて、曖昧模糊としたことを言ってるだけ。 というか清水氏の言ってることの次元が低すぎて、お話にならない。 例えば、刑法199条

  • れいわ新撰組、宮城ちえ氏の件について

    ほんと、日本人て「責任」という言葉の意味を取り違えてる人が多いし、極端な白黒思考をして、他人を裁いて快楽に浸る人ばかりだなと、つくづく辟易する。 マルチ商法をやったような人は議員になる資格はないとか、どうしてそこまで極端な思考になるのか、わたしには全

  • 2022年9月 読書メーターまとめ

    9月はなかなか充実した読書ができた。 なによりも、ソローの『森の生活』が素晴らしかった。だが、それへの感想などとても語り尽くせないし、ソローの言わんとしていることを伝えることも困難なのが辛いのである。 とにかく読んで欲しいとは言えるが、それでソローが訴

  • H・D・ソロー『森の生活』を読了

    ソローは森の生活を通して「Nature」から何を得たのだろうか。その一点を読み取れるか否かで本著に対するイメージは二分することだろう。「Nature」の意味はふつう自然とされるが、英語ではもっと広い意味がある、自然力、本質、そして、人知が及ばない力(働き)といった

  • H・D・ソロー『森の生活』「より高き法則(Higher Laws)」より

    すべての人間は純粋に自分自身のやり方に従って自分が崇拝する神のための神殿、それは自分の肉体と称せられているが、その神殿の建造者なのである。そういうことをせずに大理石を槌で打つだけで事を逃れることは出来ないのである。われわれすべての者は彫刻家であり、画家

  • H・D・ソロー『森の生活』「村(The Village)」より

    どんな人間も眠りや放心状態のいずれから目醒めるにしろ、そのたびに羅針盤の示す方角をじっくりと、あらためて、確かめねばならぬ。迷ってみてはじめて、言葉を換えれば、世界を見失ってみてはじめて、われわれは自分というものを見つけ始める。一体自分たちがどこにいる

  • ダンマパダ第17章「怒り」第7節

    アトゥラよ。これは昔にも言うことであり、いまに始まることでもない。沈黙している者も非難され、多く語る者も非難され、すこしく語る者も非難される。世に非難されない者はない。 比較的、良く知られている一節であろう。 しかし、この節には背景があるので、ブッダ

  • 輪廻

    サーンキャ哲学の概略は掴めたのだが、インド哲学を学ぶにあって避けられない問いに直面している。輪廻、である。サーンキャ哲学にある輪廻はおおよそ仏教にある輪廻観と相似しているのだが、自性が保存される魂の存在の点で、意見がわかれているのだ。当然、仏教は魂の存

  • 瑜伽の起源

    文献学で、ヨーガとはかくかくしかじかのものと、しっかり定義されているのは『カタ・ウパニシャッド』であるそうだ。ということで、該当部分を再読してみた。最も明瞭なのは第二編にある以下の部分。「五つの知覚器官が意とともにその活動を停止し、覚知もまた動かざる時

  • 竹田青嗣×苫野一徳、師弟対談

    とにかく素晴らしい動画。 なのだが、内容に納得できると、現在の世界が向かっている、相対主義と反哲学という方向性に絶望感が強まる面がある。 ルソー、カント、フッサール。なぜこの流れが哲学の正当な流れだと理解されないのか。 現代における哲学の入門書は

  • 超越論的現象学

    西さんも、説明に苦労してるなァ……。それはそうだろうなァ……。 まず、すべては主観(意識)であるということを説明して納得してもらうだけで、大変な時間と粘り強い対話が必要なのだから(動画でも、そこまで説明するのに、1時間以上を要している)。 で、

  • 憐れみはという共通感情――普遍性――は、どこから生まれてくるのか?

    人類に普遍性はあるのか? という問いを最近、随分まじめに考えている。 そして、山口一郎『現象学ことはじめ』から大きなヒントを得た。 まずは、その部分を引用したい。 フッサールは、乳幼児が喃語を発すると、母親がそれをまねるということを指摘して、それを

  • 2022年8月 読書メーターまとめ

    8月は、随分と真面目に戦争関係の本を読み、いろいろと考えたひと月だった。 白眉は『沖縄戦―民衆の眼でとらえる「戦争」』であった。 反戦運動と呼ばれるものが、皮相的なものにならず、人間とはなにか? という根源性に視点が向くことが大事であると再確認もでき

  • 「暗黙の次元・ポランニー」から、わかること

    暗黙知については、埋め込んだ動画を見てもらうしかない。 要約するなら、ある種の知は、暗黙知という「作動」を通して、身体性によって得るものであるから、そのような知(体験・経験による知=ア・ポステリオリの知)は、主観的であり、個人的であり、他者と共感しあ

  • 真理とは合意である

    いい言葉だな。 しかし合意を形成するためには、絶対的に他者の存在が不可欠だということでもある。 そして、そこにこそ、そわれわれ人間が人間として生きる意味や目的があるのだろう。 長かった。実に長かった。 この結論にたどり着くまでの道は。 そもそも、

  • 本当にイライラする……

    何にって、最近の日本人の文章力の低さにだ。 そもそも、文章の書き方がわかっておらず、思ったことをそのまま話すように書いているから、とにかく意味がわかりづらい。そして繋がりも良くなくて、結論として何がいいたいのかもわからない。 そういう悪文だらけなのだ

  • 【白井聡 ニッポンの正体】~明治維新77年・戦後77年~ コミックで考える「日本のいちばん長い日」「沖縄戦」「原爆ドーム」

    もしも、他人の痛みを自分の痛みとして感受できる想像力がともなわないならば、まかりまちがって、ゲームの論理で戦史をもてあそぶことになりかねない。一般の戦史研究家や軍事評論家とわれわれ平和教育にたずさわる者の立場の相違はこの点にある。 平和教育が教師

  • 低俗化が加速する世界

    最近のネットを中心とする言論空間を見ていると、辟易しかない。 旧統一教会と政治家の繋がりを批判している人たちを見ると、その辟易は最高潮に達する。 批判も当然必要だ。 しかし、猫も杓子も批判、批判、批判という今の言論空間のありようは異常だと思う。 日

  • 2022.7.10.参院選――既得権を守ることしか考えていない大企業と官僚と政治家の癒着というシステムをぶち壊せ!

    権力者が定期的に選ばれるようになると、政治は必然的に利害関係者による運営という形をとる。すなわち、政治生活(つまり政治権力への参加)にとくに関心をもつ比較的少数の人たちが、自由勧誘という方法で部下を調達し、自分や子分を候補者に立て、資金を集め、票集めに

  • 2022.7.10.参院選――國家と個人

    日本の子どもの7人に一人が貧困というデータがある。 貧困、すなわち餓えほど人間性を奪うものはない。 大人が餓えることも悲しいことだが、自分がなぜ餓えなければならないのかを的確に、あるいは政治的に分析できない子どもが、理由もわからずに餓えに苛まれること

  • 2022.7.10.参院選――酷暑の戦い

    ぶっちゃけ、安冨さんの「戦略的投票」を訴えたツィートと炎上で、安冨さんに対する熱が一気に醒めた! 戦略的投票とは、自分が好きな党に投票するのではなく、自分が嫌いな党であっても、与党に対抗するために、当選しそうな野党候補に投票するというようなこと。 別

  • 2022年6月 読書メーター まとめ

    先月は、読んだ冊数こそ少なかったが、充実した読書だった。 最大の収穫は、J.S.ミルの『自由論』。とにかく、この一冊から非常な感銘を受けたのである。 自由にも様々なものがあるが、なかでも表現の自由がどれほど重要であるかを再認識できたことがよかった。自由が

  • 独りになって瞑想し、眠っていた集中力を自分の奥から発見する必要があるのだ。この集中によって、初めて自分が全身で今ここを生きることを実現できるからだ。 そうなった自分こそ、ようやくにして人を愛することができる。というのも、保障になしに行動することこそが愛

  • THE WORLD IS TOO MUCH WITH US.

    THE WORLD IS TOO MUCH WITH US.by William Wordsworth.The world is too much with us; late and soon,Getting and spending, we lay waste our powers;—Little we see in Nature that is ours;We have given our hearts away, a sordid boon!This Sea that bares h

  • I WANDERED LONELY AS A CLOUD William Wordsworth

    I wandered lonely as a cloudThat floats on high o'er vales and hills,When all at once I saw a crowd,A host, of golden daffodils;Beside the lake, beneath the trees,Fluttering and dancing in the breeze.孤独な雲のように彷徨って谷や丘を遥々(ようよう

  • THE TAMING OF THE SHREW William Shakspeare #04

    I want to cotinue wher we left off.前回からの続きをはじめよう。If you play it, it will automatically start around 3 minutes and 26 seconds.再生すれば、自動的に3分26秒あたりからはじまる。Horns winded. Enter a Lord from hunting, with his train角笛

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