この記事は、 前記事『同一律、無矛盾律、排中律、この悩ましき論理学の三大格律』の続編になる。 とはいえ、単独で読んでもわかるように述べてみたい。【三段論法】 ほとんどの人は知っていると思われるが、これも論理学の基本である。 "種類分類わけ"した階層構
ひきもり生活の改善と社会復帰を目指して、自分探しをしています。
かつて鬱病で引き篭もっていたオヤジの独白ノートです。時系列にそった自分史を書きあげ。今は適当に日々を生きている、オヤジの心の日記です。
三段論法、論理命題の変形、集合論(無限公理)、アブダクション推論、現代的な論理学
この記事は、 前記事『同一律、無矛盾律、排中律、この悩ましき論理学の三大格律』の続編になる。 とはいえ、単独で読んでもわかるように述べてみたい。【三段論法】 ほとんどの人は知っていると思われるが、これも論理学の基本である。 "種類分類わけ"した階層構
このタイトルの内容、実は厳密であろうとすると、滅茶苦茶に難しい。 かくいう私も理解していたようで、出来てなかった。 だから、今一度まとめておこうと思った。【同一律】 ①AはAである、ないしは、Aは非Aである、または、Aは非Aであることはない。 これは、
244/300頁まで読み進めた。 第三部の残り3章と「マサリクとの沈黙――『対話』はどのようにしてできたのか?」が残っている。だが、ここで一旦、マサリクの思想をまとめておこうかと。 とはいえ、それは一筋縄ではないので、ここ数日どう纏めようかと随分と思索した
思考のコツは「メタ認知」と「仮決着の技術」を知っているかだ。 【問題を「考え続けてしまう脳」の性質】 脳は未解決の問題に「フックをかけっぱなし」にする傾向がある。これを心理学では「ツァイガルニク効果(Zeigarnik effect)」と呼ぶ。 未完了の課題 →
サン=テグジュペリの『戦う操縦士』を読んで、とても感動した場面がある。 毎晩母のような愛情をそそいで発条(ゼンマイ)を巻いてきたタイム・ウォッチを〔命令は絶対という軍隊のもつ厳格さをもってしても〕渡させることは出来ないのである。人達の挙動を見ただけで、
カントは人間のア・プリオリの認識形式として時間と空間をあげているが、これはもはや現代の理論からしても、古代の神話からしても通用しないと思っている。 現代の視点でいうなら、相対性理論をあげれば十分だろう。 では古代はどうかというと、ヘシオドスの『神統記
「人が狂わずに生きる」ための知の構造:DMN・TPN・そして学問
1. 人間の脳には二つの認知モードがあるDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)→ 答えの出ない問いをめぐる「内省的精神活動」モード。哲学・宗教・夢想・内省など。→ 行きすぎると 不安・神経症・妄想 に陥る。TPN(タスク・ポジティブ・ネットワーク)→ 答えを
全三部のうち第二部まで読み終え、第三部に入った。ということで、ここまでの感想(1,2時間思索しChatGPTとやり取りしたものをAIで纏めた文章をば。今の時代、個性や独創性を気にして自力で無理に文章を編み、文法、筋立て、語彙や語句の選択が崩壊した文章を提供するより
マサリクはチェコスロバキアの初代大統領であり、哲学者・社会思想家としても非常に優れた人物である。1917年のロシア革命の混乱期にあって、彼は白軍の支援を受けながら祖国の独立を導いた。ヨーロッパの小国が帝国から抜け出し、独立国家を形成するという極めて困難な時
では、立法に適するのはどんな人民なのか? 起源、利害、または約束のなんらかの一致によって、すでに結ばれているが、法の真のクビキはまだつけられていない人民、しっかり根をはった慣習も迷信ももたない人民、突然の侵入によっておしつぶされるおそれはなく、またその
市民は成立しうるか──「グランドデザインなき国」の末路と再生への試練
【 日本における「市民」の不在】 戦後日本には、市民という言葉こそ使われるが、政治的な主体性を持つ「市民」は一度も根付いていない。 市民とは何か。それは国家や既得権益から距離を取り、「自律した個人」として政治的意思を持ち、社会の構造を変える責任を自覚する
「再生の道」とは"市民の成立"の道である──グランドデザインなき日本の末路と、その突破口
私たちはいま、日本という国が根幹から崩れていくのを目撃している。 少子高齢化や財政破綻の危機、都市と地方の格差、企業の空洞化、教育の形骸化、政治の劣化。 これらはバラバラの問題ではない。 本質的には、この国には「グランドデザイン」が存在してこなかった
寄木細工の浮き雲が 夕陽を浴びて 小恋路(オレンジ)に煌々と輝いた 白銀の印画紙に 浮かんだ若き日の母 節くれ雲に父の手の甲 愛し愛されし人らの 穏やかな笑顔が浮かんでは 銀幕に彩り灯らせる 夕暮れのひとときに見し
色々考え急遽再読することにした。というのは、本作が近代以降の個人主義を考えるうえで、決して避けて通れない問題を描いていると気づいたからだ。とはいえ、本作のテーマを読み解こうと思うなら、『門』『行人』『こゝろ』の流れを見渡す必要がある。テーマはズバリ、個
子ども心の夜を明らめた燈火(ランプ)で 幼馴染の三人はたがいを照らしあった 一輪の花、一茎の草、榲桲(マルメロ)の木、床の染み、壁の剥がれ 目に、耳に、指に触れるのはみな聖堂だった 時は巡り聖女は習俗に嫁いだ 僕たちは天に憧れたまま空
『星の王子さま』にある「飼いならす(apprivoiser)」の意味
「apprivoiser(アプリヴォワゼ)」の訳が難しいって話、確かに多くの訳者が苦労したところだよね。辞書的には「飼いならす」って出てくるけど、それだけだと結局、支配とかコントロールみたいなニュアンスが強すぎる。でも、実際にはその言葉には、もっと深い人間的な関わ
愛を探して歩いたが 都会の迷宮は方角すら掴めない あの人の宮殿は遠かった 緑の丘に白い高殿はあった あの人は北を見つめていた 死神に誘惑されるまま 水晶は砕け、ガラス玉へと 二人は塩辛い飴玉を嘗める 逃げゆく愛を追いかけて
世に呼ばれし名は完全なる兵士(パーフェクト・ソルジャー) 遺伝子操作が生んだ悲劇の虜 戦うことを宿命づけられ 勝つことを目的とする悲しみ 神に決して触れられぬ者 "Y(イプシロン)" 勝利なき戦いと知らずに銃をとり 金髪は血に塗(まみ
この戦いは三十万年も続いている この先にまだ百年は続くのだろう 蠅は木の実を食べ草べを喰(は)う 満たされずに肉に喰(く)らいつく 燕は空と海を駆け地に降りる 切れた尾羽根は迷いを消す旗 蝿は群れをなして正しいと喚く 小さな声
瑞希よ、わが眼前を歩みゆく乙女よ 幾度も通りすぎては振り返りもせず 思い出の貴女(あなた)とは違う誘惑顔をして 黒い綾編み(レース)の礼服(スーツ)に黒い網タイツを履き 剥き出しの素肌、その両腕は寒々しい 頑なで、鋼のようで柔らかげな
『夜間飛行』を読み終えた。現実に手が震えるほど感動した。本作は、一言で言えば「理想の上司」「使命感を背負った理想の人間」の物語である。もちろんそれは主人公リヴィエールを指す(この名前は、他の川に流れ込む川という意味であり、海に注ぐ川ではない)。 彼を
暗黒のなかを黒い鳥が走って翔ぶ 姿も見えず、有り様もわからず あたかも沈黙に潜む沈黙にも似て 現(うつつ)と想(おもい)を見つめる両目に啓示の兆し 人類は科学とともに著しく進歩した 粗黒(マット)に塗られた黒い怪鳥は姿を見せた 音
星ひとつ見えない夜空に 上弦の月が浮かんでいる ぽっかり何も囁きもせず 夜の帳に包まれた道々に 光の彩が花と咲いている 通り過ぎる前照灯(ヘッドライト)、尾灯(テールライト) 花壇を照らす電灯は温かく 頬を撫でる一陣の風を感じ
汝(なれ)が神だというのか? この草も木も、やがて散る この雫を友とする紫苑(シオン)の花も ――それすら神だというのか? 殴られし、沈黙の痛み 滴り落つ、血の苦しみ 笑いと涙、歓喜の川 愉楽の饗宴――それすらも、汝か? 汝
【歩格とはなにか?】 これを単純化して語るのは難しい。 まず大別すると、二種類に分けられる。長短(短長)と強弱(弱強)である。 長短とは、長い音と短い音を組み合わせてリズムを作る格である。 強弱とは、強い音と弱い音を組み合わせてリズムを作る格である。
英国風の庭園で過ごした 懐かしき思い出が蘇る 君は金髪を風にまかせる 稀有な親しき友だった 古びたテーブルに二杯の紅茶 黄赤紅(きあかべに)から盛んに、澄んだ 湯気の精が立ち香っていた 彼女は伏し目がちに口にした 「私たち、
あーした、こーした あれよー、これよー あーした、こーした あれよー、これよー あーこれ、ちょー格 短はー、こうよー あーこれ、ちょー格 短はー、こうよー こんなにするとね 長短と短長は とっても、わっかり、やーすい
あなたは生を求めに求めた そして神聖な火が 大地の奥処(おくか)から湧き起り 赫灼と照り輝いた。 おののきふるえる渇望のままに あなたは身を投じた エトナの焔の中に。 このように 女王の傲りは 酒杯の中に真珠を溶かした その傲りはさも
いつかの暑い夏に啼き誇った 一匹の見も知らぬ蝉よ 今も網戸に抜殻を遺すお前よ 白く柔らかい体を伸ばし 雄々しく空へと羽ばたき 短い命を燃やしたお前よ その抜殻はまだなおも 時雨に打たれたまま黙し 琥珀色の殻陀(からだ)は朝日
ひと繋がりに並ぶ街路灯に 白い火が灯った夜の街で 赤信号に行く手を阻まれ 振り仰ぐと、満開の桜花 ぼんやりと、くっきりと 霊気に照らされた妖精たちが 浮かび上がり迫ってくる 奈落からの使者のように 恐懼と不安、勇猛と安心
さて、本書が無意識の世界を描き、かつシュールアリスム批判の作品という解釈はすでに述べたが、ここでそれを証明する部分を作中から引用しておこうと思う。 「『部屋の精霊』が開幕を知らすのであった。くり返して言うが、この劇場の主役たちは誰一人として見物人の役目
愛する兄弟(はらから)よ! 思うに我らの芸術(わざ)は 若人にひとしく 長らく泡立ち沸き返り やがて美の静けさへと熱するのだ ひたすら心虔(つつま)しくあれ ギリシャびとのように! 神々を愛し 死すべき人の身にこまやかな思いを寄せよ!
華やかで啓(ひら)けたまっすぐの路(みち) 舗装され平らに広がる路 春霞(かすみ)で先が見えなくとも 風と香りに誘われて歩く 草おい茂る曲がりくねった径(みち) 小石だらけのでこぼこした土の径 秋霧(きり)で先が見えなくとも 露
「カップ麺でも食べるかな」 水垢のついた蛇口を捻って ケトルに水を注ぎ火にかける 換気扇の紐を引き汽笛を待つ ピューウーキューと蒸気が昇る とくとくと、お湯を注いで待つ 「やることないなー」と暇になり 何を思ったか、電気を消した
ここは、眩しく美しい世界? 手足には元気がみなぎって 無心にぶんぶん振り回しちゃう でも眠いので、寝ちゃいましょう なにやら、お口が勝手に動くよ これは何? 合言葉? それとも宇宙語? ずりはいしたり、はいはいしたり つかまっ
地底からまっかな岩漿(マグマ)に導かれ 湧きあがってくる気配がある モグラがいっぴき、モグラがにひき ぴょこぴょこと、顔のぞかせる あらこんにちはモグラさん でもあんまり好き勝手しないでね モグラがさんびき、モグラがじゅっぴき
【作詩】翔ぶ日に――Old goggles tell anymore…
「翔ぶ日に――」 ある漫画のタイトル 軍装品の骨董品屋からか 手にいれた古い防塵眼鏡(ゴーグル) ゴムバンドは歴史を語る 罅(ひび)われ、固く縮んでいる 戦いの証、こびりついた黒い染み 血痕を思わせる悲しみ 持ち主の男が聞い
ああ、ああ、降ってくる、降ってくる いまだ言葉にならない混沌が降ってくる 豪雨のように、いや雪のよに 白い結晶が溶けて身体(からだ)に染み込み 消えゆきながら結ばれる 見たこともない偏(へん)と旁(つくり)があわさって 律動(リズ
解説を少し読み進めた。そして多くの人が朔太郎の詩について、身勝手な印象をもつ理由がわかった。朔太郎の詩はある時期以降、非常に哲学的だといえるからだ。解説に書かれている哲学者らの名前を見て、「え、この顔ぶれの哲学者らの思想を全部ちゃんと理解してる人なんて
わたしは懇々と云つた 「それはこういうことなの!」 あなたは渋々と云つた 「それはそういうことなの?」 なんでこの人、云つてること 理解できないのかしらと? わたしは怪ぶみ項垂れる わかるだろうと察したけど? ちゃんと話した
朽ちかけた東屋(あずまや)に一人の老婆 庭ではマルメロの木が見守る 穀雨(こくう)に濡れ薄桃色の花咲けば 老婆は恍惚としては眺めやる 立冬の風に吹かれ果実おちても 老婆は泰然としジャムも作らず 東屋の賃料はますます滞れども 老婆
運命の輪が苦くも廻(めぐ)る 親潮に翻弄(あそ)ばれるように 運命の輪が甘くも薫る 緑風(りょくふう)に煽られるように 死を願つても死ねぬは 悲劇の騎士トリスタンか 死すべき者を生かすは 慈愛の天使イゾルデか 天秤は波風に激
【詩とはなにか?】 まず、物事を論じる場合、必ず大前提を措定する必要がある。 したがって、詩を論じるにあたっては、「詩とは何か」を考える必要がある。ところが、これがとても難しい問題なのである。大前提は必ず正しくなくてはならない、というのは論理学の基本で
「仮名序」 倭歌(やまとうた)は、人の心を種(たね)として、よろづの言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に、思ふことを、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり。花に鳴く鶯、水に住むかわづの声をきけば、生きとし生け
じつと座りて目を閉じる あるいは閉じずただ見つめ 息の流れを感じつつ 吸うては吐いて吸うては吐いて 鼻を抜けゆく風の音 その音ひとつただ聴いて 胸も腹もて動けども それもまたただ流れゆく ひたすら呼吸ただそれを みつめる
我が名はエルザ、貞淑なるエルザ! その名声は芸術の国(ブラバント)と謳われし 緑豊かなベルギーとともにあり 今は父王、崩御の悲しみに沈みし 木漏れ日の森で愛弟(おとと)を喪(うしな)いし その悲劇につけいりし後見人 テルラムント伯
歩いてね、また歩いてね、歩いてね 手を振りて、また手を振りて、手を振りて 右足が、つぎ左足、右足が、つぎ左足 てくたくと、てくたくと、歩きまして 赤信号で止まつたら、考える――自動車のタイヤと舗装路が擦れる摩擦音を聞きながら僕らは時間と
汝の思う清燈な理想郷(アルカディア)を描け 現実の歴史に遥かな夢を見よ ヒッタイトの朧げな伝説を手に 古代ギリシャの神話を歌いあげ 現実の鉄槌に打ちのめされるな 天使の舞う、一葉の天景を描け 風の聖騎士、光の聖王女の姿
官能と肉欲(ヴィーナスブルグ)の女王に 愛されし者、タンホイザーよ 肉欲と快楽に溺れし者よ 苦痛を退け、陶酔の淵に沈み 貞淑なる聖処女を見いだせ! エリザベートのもとへ帰れ! そしてその見いだせし心を歌え いざや、歌合戦の幕を開
にくしみを人にぶつける ん? それは良くないね! げんばくみたいな人間がいる? んーん? 恐い、恐いね! がおーって唸ってるライオン お前さんのが可愛いカモン! わんこ、もといイッヌなら こいぬが一番可愛いんだな! んこネタ
帆柱を高く掲げて船よ征け 波を切ってどこまでも征け 警笛のような風音を恐れずに 海図も羅針盤なきを恐れずに 中継の寄港地などなくとも 雲間の星灯(ほしあかり)が頼りなくとも 岩礁と挫傷を避けて舵を廻せ 沖天から太陽の灼熱に焼かれ
綺羅びやかな陽光を撫で 陶酔という名の雨浴びて 大地に分厚い絨毯を積み そこに根を張る、花、花、花 とっても綺麗に咲きました どんな品種もございます とっても美麗な花びらで うらないをしましょう 好き、好き、好き! 大好
わたしは青く深い湖に憩う一匹の魚 遥かな想いを無言で歌いかける魚 潮流に乗って浮き沈みの旅をする魚 葦原に囲まれた湖で生を終える魚 一匹の魚は鱗(うろこ)の奥に冷たさを感じ 時折、太陽を求め湖上へ舞う 一匹の魚は鰭(ひれ
軽合金の翼が飛翔する 遥かな成層圏めざして 蒼い、蒼い世界に憑かれ 赤い血に汚れた心を抱いて 翼に黒い鉄十字の記章 濃緑色(ドゥンケルゲルプ)に塗り込められ 全身を喘がせ羽ばたく鷲 機種に欧羅巴コマドリ(ロトキエッシェン)の姿
"The Charge of the Light Brigade" By Alfred, Lord Tennyson
随分がんばって詩のお勉強をしたが、これには衝撃を受けた。 ということで紹介しておく。 日本語だとタイトルは『光の旅団の突撃』。作者はアルフレッド・テニスン。 この詩はクリミア戦争のときに、命令の不行き届きなどから、無謀な突撃をして凄惨な状況になった
あれは夢か現実なのか 明かりの消えた部屋で 眠れぬ夜に魘(うな)されては 独り寒さに震えて見た 鮮明な光景が瞼に蘇る 大理石のアテーナーの彫像 青銅のオーディーンの彫像 頭に一羽ずつの烏(カラス)が留まり じっとこちらを見つ
「自由ってのはいいもんだ!」 クライドは言った 「そうよ、最高のディナーよ!」 ボニーは黙ってウインクした 二人は迷わず羽を伸ばした 「ハニー、自由の味はどうだい?」 クライドは訊いた 「ダーリン、ちょっと足りないわ!」 ボ
星も見えない夜 俺はお前を撃ち殺した 44マグナム握りしめ ズドンと一発ぶち込んだ 鉛の弾丸(たま)をぶち打ち込んだ お前は死んだ 赤い血溜まりのなか そして、俺も死んだ 黒い死病に冒されて 医者は一体何してた? 新月の
あるひの あるよる あるばしょ あなたと あたしは であった あかい あいを あいし あった あなたは あたしを あいして あたしは あなたを あいした あいが あいより あかく あかい あいは あかより あかく あかあかした あい
美しく咲く薔薇の花がある それを見ている僕がいる 花と僕は向きあっているのか 薔薇を見つめる僕がいて 僕に見つめられる薔薇がある 僕も薔薇も意識が創る幻想 じゃあ、意識ってなに? 秒針がカチコチと鳴っている 刻と刻が向きあっ
牛頭人身の晦(くら)き怪物 ミーノータウロス 醒めぬ欲火に身を焦がし 性欲の火炎を吐く者 雷霆(ゼウス)との約束を違えたミーノース王 その報復をうけた后から生まれ 堅固な大迷宮(ラビュリントス)に封じ込められた 罪なき、哀れにし
詩人は真実を歌う 明けの金星に誘われて 青い光が降り注ぐ梢で 一羽の告天子になる 雲雀は妄言を歌う 「昨夜に見た夢は 最高だった!」と でも告天子は―― 陶酔に溺れない 詩人は気軽に話しだす 仲間と心を通わそうと
赤――! 愛と憎悪の炎 地獄の劫火、愛のサラマンダー 橙――! 活力が湧く源泉 電灯の竹芯(フィラメント)の温くもり 黄――! 裏切りと不信、嘘 ユダに隠されし貧しき心 緑――! 天を一途にめざす葦の
目前に迫るのは三叉路だ 右か、左か? あるは 来た道をまた戻るのか? 最高の人生はそのまま 傾かないのがヤジロベイ! English version Yajirobei Before me looms a fork in the road, Right or left? Or back to my load
1分33秒 詩人のためのソネット くぁzwsぇdcrfvtあ yhぬjみk,おl.p;え pl,お
運命に抗える天津風(あまつかぜ)の乙女よ 一枚絹のペプロスの衣を纏いて 長い髪を編みあげ、孔雀の飾りも艶やかな 高貴なるイーピゲメイアよ 雷霆(ゼウス)を掲ぐる神々が下す運命も 梟雄(きょうゆう)の王が恣意(ほしいまま)に下せし酷命も
短い午睡から目醒めると ほんのり、雨の匂いがする 耳をツンとそばだてても 鈴葉の音ゝ(おとと)は聞こえない 湯気に曇ったような窓 銀白色のひといろ染(そめ)で 雨滴の可愛い足跡もない 土の小太鼓、知らん顔 けれど、雨の匂いが
汝、太古より狩猟の民を守護(まも)り 神秘なる光は夜の闇を明(あか)らめ 獲物もとめる獣の息を白(しら)ませ 逆立つ獣毛(じゅうもう)を光らせし 汝、古(いにしえ)には苗を植える刻(とき)を教え 満ちて欠ける月灯りは仄影(そくえい)を
ある都市をめぐって、神々の戦いがおきた その守護神は、どちらの神が相応しいのか そういう選手権である。――関取入場! 西の横綱、ポセイドーン! 対しましては 東の横綱、アテーナー! ――行司は 市民代表のみなさんです 「生活に役立
愛ある理想を希(のぞ)める者よ 穢(あい)なき大理石を彫(ほ)む者よ 万物の至高、心魂(こころ)の美を求む者よ 神と人の似姿(にすがた)を刻む者よ 汝、ピュグマリオーン なぜ、衣(ころも)を纏わせしや 汝、一
【抄訳詩】"Ode on a Grecian Urn" John Keats
"Ode on a Grecian Urn" John Keats ギリシャの壺への頌歌(甘味なる永遠)―抄訳 ジョン・キーツ おまえは穢れなき、静けさの花嫁、 おまえは静寂と、ゆるやかな時の養子、 森の歴史家よ、誰に出来るのか、
勝敗の別れめたるスカイア門に 遥かに見ゆ隅櫓(すみやぐら)に立つ妻は 戦場(いくさば)の狂気に満ちた瘴気を吸い 風に煽られ神懸かれば そぞろ気(げ)に求むるは愛する夫(ひと) ようやく無事に逢えたるは スカイア門の影、懐(ふところ
トロイアの王女、カッサンドラーよ 汝、なんのために、この世に生まれ来しか 神に恋われ、金の聖花を咲かせし乙女よ 悲しき予知夢に、赤い口唇(くちびる)が震えている 「そちの予言は誰も信じぬ」 太陽神(アポローン)の愛は、呪いの言葉となり
土と水をまぜまぜして はい出来上がりました これが人間です 男です アダムじゃありません 作ったるは 神の怒りもなんのその 人間に火を与えた プロメーテウスさん 一応は神々の一員です ところでちょっと聞きますが 「
潮騒が奏でるは、嘆きか 愛撫か、慰めの楽(がく)の音(ね)か 川の瀬音、せせらぎの歌 滝壺へ落ちては、蘇るは 愛しく人を思うゆへ 毒牙に翻弄(あそ)ばれ、踵を噛まれ 死んだ妻、ヱウリュディケーを 苦しく思うゆへ、嘆くゆへ 竪
詩人は脚韻を踏む 神秘を求めて 終わりの言葉は木霊となり やがて我が胸に還ってくる 憤懣の詩歌(うた)は殷々と響いて やがて我が胸に還ってくる あんたなんて、大っ嫌い! いや、違う、嫌っていたのは—— 私、この私自身 私
文学は死んだ! 読み手はもちろん 書き手も死んでいる 死屍累々の荒野(あれの)には マナの雫(しずく)は潤わない 「わたしは山田太郎 17歳の高校生です」 禁じ手の書き出し 意味不明な会話文 表現を棄てた擬音語の羅列 ラ
「愛は全部キモい」と 有罪判決を下し 十三階段を登らせ 愛を絞首刑に処す人 愛を知らない裁判官 人類史も思想も 宗教すら知らずに 恣意的な愛を呟く 愛もさまざま エロス――性愛 人と人の間で フィリア――友愛
さあ、さあ 炎の中へ手を突っこめ 理由(わけ)を、理由を 向いた先で力に会って 今度は、今度は 真っ白く恐ろしい感覚 引いて、引いて 極からまた別の極 夏から春へ 山から空へ サマリア人から罪(シン)へ そしてそれは
太陽を背に飛翔している 君の表情は逆光で翳のなか だけど気持ちは汲みとれる ――用意はいい? と微笑む悪戯の女神なのさ 二人、密な編隊(フォーメイション)を崩さずに 天空めざして駆け昇ってゆく 唐突な目配せ(サイン)のあとに
【作詩】ライの国の七つの海――Seven seas of Rhye
丘の墓地から見える海 波濤をかき乱しながら 渦潮が海鳴りをあげて 歌う声が聞こえてくる 旋律は砕けてはまた結ばれる 風が吹き抜け、海鳴が舞い戻る 生と死の行進を織りなしながら 父から子へ、子から孫へ 祖母から母へ、母から子
昇る太陽に小躍りしてごらん 愛する人などいなくても 沈む夕陽を寂しがってごらん 愛する人と一緒にいても いつでも、どこでも 愛は魅了する不思議な光 綺麗なビーズみたいな 小粒な愛にしがみつき 沢山の人を傷つけて 傷ついて
【作詩】黒き女王の行進曲―― The march of the back queen
母からもらった贈物 白き女王への純真さ いつかある日の気づき 宝箱にしまった心… それがどうしたの? 満月がどれほど強く蠱惑するか 知りもせずに愛だなんてね いいから、こっちへいらっしゃい さあ、この行進に参列せよ! わ
君と僕が出逢ったのは 階段を降りたさきだった 漆黒の扉が誘(いざな)う理想郷(アルカディア) 赫灼(かくやく)たる永遠の時の川 唇が黄金(こがね)色の麦酒(コロナ)に濡れ 接吻はライムの香りがした 心はテキサスの黄色い薔薇(イエロ
【作詩】妖精「樵」の巧技――The Fairy Feller's Master-Stroke
アイルランドの妖精すら 逢ってみたいと噂しあう 伝説の精がいるという その名は通称、妖精「樵」(フェアリー・フェラー) 性別はまるで不明瞭 男(フィル)の姿といわれるが 嘘か真(まこと)か知る者はない 性別なんてないんだとも
今は昔、昔は今 老いて白髪になった 俺の話を黙して聞け! 口を閉じて聞くんだ 狂宴は終わったと懶(ろう)するな 占いが大吉だからと 有頂天になんかなるな 美酒に酔って自惚れるな ハメルーンの笛吹き男に 気をゆるして油断する
【作詩】遂には敗残者――The loser in the end
「子どもじみた遊びは いい加減に辞めなさい」 母の口癖が突き刺さる 意思を奪う悪魔の槍が 僕の心に子宮(ヒス)が住みついて 毒蛇がとぐろを巻くように コブラはチャンスを窺う ――いつか見ていろ! 「ねえ、ハンコ貸して」
本当の気持ちを 打ち明けたことはあるかい? いつかある日 そんな日が来るかもしれない 部活が終わった僕の後ろから 君は声をかけたっけ 「先輩、一緒に帰りましょう 方向どっちですか? 同じだといいんですけど」 紺色の制服の
あの人に出会った日は もう思い出せない 白い霧と雨に霞んで 哀しみの涙で見えない お別れの日に 忘れないでと手渡した 帆布(カンバス)にはソルジィの絵が 桜が蕾をつけはじめた 春かぜ香る卒業式の日 貴女は近寄りがたい
ぼくが父から引き継いだもの 二重螺旋の糸車、DNA いうなれば、ぼくは父のコピペ よくできた あるいは、できそこないの焼き増し ある人は屈託なく言った 「後ろ姿がそっくりね」 その背中を追うように 父が愛した映画をなぞり 抜
沈黙の風に吹かれて歩いている 前を往く人の背中を見つめて 後ろにつづく人びとも ただ背中を見つめて歩いている ヒタという足音すらなく 行列は粛々と進んでゆく 霞んで見えない先頭 後尾も靄の向こうだ 周囲には健気な動物たち
妖精はおとぎの国で嘘をつく よくあることであたりまえ 陽気な声で法螺うたってる ライライ、ラララ、ライ、ライヤー 妖精はまた真実も語ります どれがほんとかわかりません 玉虫いろの歌で酔わせる ジェンジェン、ジェジェジェ、ジェ
雁が秋の空を飛んでゆく あのご婦人の笑顔 朗らかさと健やかさ どこにも陰がない光 ぼくには眩しかった 手の届かない憧れだった あどけない子どもたちも また貴方に似ていた だけどそれは突然に壊れた 病に伏せたあなたは 鳴
力自慢の太っちょ兄さん 布袋腹には金貨が詰まり お尻の穴から紙幣もだせる おしっこは黒い燃える水 兄貴の掲げる旗印は 自由と平等、開拓精神 観光旅行が大好きで ブランド集めが無類の趣味 旅先で怪訝な空気を嗅ぎとると とた
閃光と爆煙の花が咲き 砲口から霧が流れる 対岸に見える女戦士 それは突撃の合図か 「警戒せよ!」と口笛ふけば 草原の蒼空に鶴の歌 それは世界を守る歌 女戦士はカチューシャに似て ああ歌よ、口笛よ 飛んでゆけ、塹壕に隠れて
アポローンの馬車が丘駆けのぼる 目をこする眠くて眩しい朝がきた とこ、とこ、と常歩(なみあし)は穏やかで 洗顔、朝餉(げ)にお茶の香(かおり) 月桂樹の黄花の足並みタンゴを踊る 両手をふって上をむいて歩きだす とっこ、とっこ、速足(
鍛鋼(たんこう)の鎧きた勇者 ドン・キホーテが闘い挑む 理性の剣を突きだして 感情の盾、怯まず守る 攻撃は激しくて 盾は防戦するばかりかと 渾身の盾打ちで ここぞとばかり反撃が飛ぶ ドン騎士はよろめいた 耳奥からはスパルタ
Ⅰ それが、何世紀前におこったか誰も知らない。 ただ、この物語を残した者が、確かに人間だったことが記録から読みとれる。そして今、この物語に耳を傾ける者が、確かに人間であるか誰も知らない。 漆黒の宇宙空間に浮かぶ、自律AI万能型人工
黄緑いろの芽がでたよ にょきにょきと茎が伸びては 蕾は青空めざすのさ 一面に電子の花が咲きまして あら美しき満開の薔薇 幻視の棘は優しくて 指を刺すなどありません 匂やかでデジタルなLa Vie en rose(バラ色の人生) ある学者さ
街はぐるりと壁に囲まれ 鈍色で赤錆びて垢まみれ 楼閣みたく暗雲さして 兎角(とかく)すれども果て見えなくて 捻れ歪(いびつ)で醜くて 俺の歌が歪曲される 悪魔の蹄(つめ)が鳴りだして 厭らしき笛の音が胸を苛(さいな)む 「お
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この記事は、 前記事『同一律、無矛盾律、排中律、この悩ましき論理学の三大格律』の続編になる。 とはいえ、単独で読んでもわかるように述べてみたい。【三段論法】 ほとんどの人は知っていると思われるが、これも論理学の基本である。 "種類分類わけ"した階層構
このタイトルの内容、実は厳密であろうとすると、滅茶苦茶に難しい。 かくいう私も理解していたようで、出来てなかった。 だから、今一度まとめておこうと思った。【同一律】 ①AはAである、ないしは、Aは非Aである、または、Aは非Aであることはない。 これは、
244/300頁まで読み進めた。 第三部の残り3章と「マサリクとの沈黙――『対話』はどのようにしてできたのか?」が残っている。だが、ここで一旦、マサリクの思想をまとめておこうかと。 とはいえ、それは一筋縄ではないので、ここ数日どう纏めようかと随分と思索した
思考のコツは「メタ認知」と「仮決着の技術」を知っているかだ。 【問題を「考え続けてしまう脳」の性質】 脳は未解決の問題に「フックをかけっぱなし」にする傾向がある。これを心理学では「ツァイガルニク効果(Zeigarnik effect)」と呼ぶ。 未完了の課題 →
サン=テグジュペリの『戦う操縦士』を読んで、とても感動した場面がある。 毎晩母のような愛情をそそいで発条(ゼンマイ)を巻いてきたタイム・ウォッチを〔命令は絶対という軍隊のもつ厳格さをもってしても〕渡させることは出来ないのである。人達の挙動を見ただけで、
カントは人間のア・プリオリの認識形式として時間と空間をあげているが、これはもはや現代の理論からしても、古代の神話からしても通用しないと思っている。 現代の視点でいうなら、相対性理論をあげれば十分だろう。 では古代はどうかというと、ヘシオドスの『神統記
1. 人間の脳には二つの認知モードがあるDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)→ 答えの出ない問いをめぐる「内省的精神活動」モード。哲学・宗教・夢想・内省など。→ 行きすぎると 不安・神経症・妄想 に陥る。TPN(タスク・ポジティブ・ネットワーク)→ 答えを
全三部のうち第二部まで読み終え、第三部に入った。ということで、ここまでの感想(1,2時間思索しChatGPTとやり取りしたものをAIで纏めた文章をば。今の時代、個性や独創性を気にして自力で無理に文章を編み、文法、筋立て、語彙や語句の選択が崩壊した文章を提供するより
マサリクはチェコスロバキアの初代大統領であり、哲学者・社会思想家としても非常に優れた人物である。1917年のロシア革命の混乱期にあって、彼は白軍の支援を受けながら祖国の独立を導いた。ヨーロッパの小国が帝国から抜け出し、独立国家を形成するという極めて困難な時
では、立法に適するのはどんな人民なのか? 起源、利害、または約束のなんらかの一致によって、すでに結ばれているが、法の真のクビキはまだつけられていない人民、しっかり根をはった慣習も迷信ももたない人民、突然の侵入によっておしつぶされるおそれはなく、またその
【 日本における「市民」の不在】 戦後日本には、市民という言葉こそ使われるが、政治的な主体性を持つ「市民」は一度も根付いていない。 市民とは何か。それは国家や既得権益から距離を取り、「自律した個人」として政治的意思を持ち、社会の構造を変える責任を自覚する
私たちはいま、日本という国が根幹から崩れていくのを目撃している。 少子高齢化や財政破綻の危機、都市と地方の格差、企業の空洞化、教育の形骸化、政治の劣化。 これらはバラバラの問題ではない。 本質的には、この国には「グランドデザイン」が存在してこなかった
寄木細工の浮き雲が 夕陽を浴びて 小恋路(オレンジ)に煌々と輝いた 白銀の印画紙に 浮かんだ若き日の母 節くれ雲に父の手の甲 愛し愛されし人らの 穏やかな笑顔が浮かんでは 銀幕に彩り灯らせる 夕暮れのひとときに見し
色々考え急遽再読することにした。というのは、本作が近代以降の個人主義を考えるうえで、決して避けて通れない問題を描いていると気づいたからだ。とはいえ、本作のテーマを読み解こうと思うなら、『門』『行人』『こゝろ』の流れを見渡す必要がある。テーマはズバリ、個
子ども心の夜を明らめた燈火(ランプ)で 幼馴染の三人はたがいを照らしあった 一輪の花、一茎の草、榲桲(マルメロ)の木、床の染み、壁の剥がれ 目に、耳に、指に触れるのはみな聖堂だった 時は巡り聖女は習俗に嫁いだ 僕たちは天に憧れたまま空
「apprivoiser(アプリヴォワゼ)」の訳が難しいって話、確かに多くの訳者が苦労したところだよね。辞書的には「飼いならす」って出てくるけど、それだけだと結局、支配とかコントロールみたいなニュアンスが強すぎる。でも、実際にはその言葉には、もっと深い人間的な関わ
愛を探して歩いたが 都会の迷宮は方角すら掴めない あの人の宮殿は遠かった 緑の丘に白い高殿はあった あの人は北を見つめていた 死神に誘惑されるまま 水晶は砕け、ガラス玉へと 二人は塩辛い飴玉を嘗める 逃げゆく愛を追いかけて
世に呼ばれし名は完全なる兵士(パーフェクト・ソルジャー) 遺伝子操作が生んだ悲劇の虜 戦うことを宿命づけられ 勝つことを目的とする悲しみ 神に決して触れられぬ者 "Y(イプシロン)" 勝利なき戦いと知らずに銃をとり 金髪は血に塗(まみ
この戦いは三十万年も続いている この先にまだ百年は続くのだろう 蠅は木の実を食べ草べを喰(は)う 満たされずに肉に喰(く)らいつく 燕は空と海を駆け地に降りる 切れた尾羽根は迷いを消す旗 蝿は群れをなして正しいと喚く 小さな声
瑞希よ、わが眼前を歩みゆく乙女よ 幾度も通りすぎては振り返りもせず 思い出の貴女(あなた)とは違う誘惑顔をして 黒い綾編み(レース)の礼服(スーツ)に黒い網タイツを履き 剥き出しの素肌、その両腕は寒々しい 頑なで、鋼のようで柔らかげな
つぎにどのメディアに出演されるのかと楽しみにしていたら、予想を覆して「一月万冊」に出るとは! と正直驚いてしまった。 一月万冊の清水氏、本間氏、安冨氏は、石丸氏のことをよく調べもせずに適当なことを言っていたので、正直まったく期待していなかった(そう
(13:00くらいから) 否定的な部分だけ取り上げ、肯定的な部分は報道しない。 これがメディアの傾向性。 人間は危機管理的に否定的な情報に敏感なのは仕方ない面があるが、それだからこそ、メディアは意識して是々非々の報道をするべきであるのだ。でもそれが全般
具体的な政策の話はほとんどなし。 反自民、非小池という立場での批判だけという内容。 そして、ぼんやりして曖昧かつ抽象的な内容。出馬会見だから仕方ないといえば仕方ないが……。 時間も30分なので、足りていないと思えるが、参議院議員ゆえいろいろスケジュー
東京都知事選に出馬表明した石丸氏のXのポストが若干炎上していいるが、多くの人は誤解して彼を批判している。 この会見はメディアに向けた記者会見で、メディアの種類も限定しています。よって、第40条の出だしから該当しないという理解です。親切な方がいらっしゃるよ
広島・安芸高田市長が出馬表明 東京都知事選 Pay it forward の話もすれば漫画にある名言の話もする。 天動説から地動説の話には説得力がある。けど、すごく長い時間がかかる。人間は前の世代の慣習を受け継いでいくから。しかし、それでも種を蒔くしかない。蒔き
リルケにロダンを語った美しい文章がありますが、その中でリルケは、私の読み方が正しいならば、こういう意味のことを言っている。芸術家は、美について考えやしない、考えられぬものなど考える筈がない。「美」を作り出そうなどと考えている芸術家は、美学の影響を受けた
素晴らしい動画だ。 能登半島地震のときにも、ボランティアで現地に入った人を叩いたりといったことがあった。 そもそも、人を叩くというのは、相手を自分の思い通りに支配したい、あるいは自己承認を得たいという自分勝手で傲慢な優越感なのだ。 すごく昔に、寄
本著は非常に優れた著作といえる。 しかし、残念な点もいくつかある。それは、著者のフラーがイギリス人であることから、英米から見た視点でしか語られていない点である。より斜めに見るなら本著の主目的は、政治の目的を理解せず、戦争の目的は勝利であると勘違いした、
現代の国民国家の礎を、ほとんど一人で作り上げたといって過言はないナポレオン史だけに、読み応え十分であった(上下巻で1200ページ)。 ナポレオンといえば戦争という印象だが、むしろそこより、ホッブスが『リヴァイアサン』で述べた、「万人の万人に対する闘争」とい
第四幕と第五幕のあらすじが必要な向きは wiki をどうぞ。 さて、「第四幕・第五幕」について考察するまえに、『ファウスト』の主命題をもういちど確認しておきたい。それは、ゲーテ自身の言葉にある、以下の内容といっていいだろう。 合一しているものを二分し、二
ほんの少し前、読書メーターでこのタイトルに関する会話をした。 だけれども、残念なことに「あなたの理解、間違ってるんじゃない」というような返事をされて、酷くがっかりした。 ちょっと昔であれば、「いや、そういうんじゃなくて、説明したかったのはこういうこと
「第三幕」は、ゲーテの残した言葉によると、「主要な仕事の頂点」を描いたものとされている。 ゆえに、「第三幕」はゲーテが残した真髄が結晶化した部分といえるのだそうだ。 さてでは、彼はこの「第三幕」で、何を語っているのだろうか? しかし、これに簡単に答え
「第二幕」のあらすじは、以下の通りである。 古代ギリシャ世界の「原初」である、混沌のその向こうにある「母たち(無)」へと赴き、絶世の美男美女パーリスとへーレナを皇帝のために連れてきたファウストではあった。だが、彼は「母たち」へ行ったときに使った、金の鍵(
さて、「第二部 第一幕」である。 が、その前に「第一部」と「第二部」の関係性を再度かえりみて、『ファウスト』全体の構造を見ておきたい。 「第一部」は「幕」構成がない。ということは、『ファウスト』が二部構成であるとするなら、第一部は「序幕」ということ
「第一部」は一般庶民、いわゆる平民の世界を描いたものだが、「第二部」は、がらりと変わり、王侯貴族たちの世界が描かれてゆく。 しかし、その前に、ファウストが「グレートヘンの悲劇」からうけた傷を、自然のもつ力で癒される「風趣のある土地」の場面が描かれる。
以下、読書メーターに投稿した感想。 第一部はグレートヘンの悲劇が描れる。物語のあらすじは複雑ではないが、そこにある思想や暗喩を読みとるにはそれなりの思索力がいる。とはいえ、そこは訳注が非常に役立つ。主題は、生命を対象化する(=知識の獲得)ではなく、生
すべては虚しい。 自分が学び得たことを 惜しげなく与えようとしても 嫌われるのが人世だから。 言葉は虚しい。 発された表面だけをおい 奥に秘められた心を 見つめられないから。 思考は虚しい。 光か影かだけに スポットをあて そこしか照らし出
「舞台の前曲」は、本編に入る前に、「戯曲(Drama)」の果たすべき役割や社会的意味を提示した章といっていい。 その構造はゲーテの特徴といえる三位一体的であり、「座長」「道化師」「座付詩人」の会話となっている。 それぞれ「座長=快楽主義」「道化師=実利(な
ゲーテ『ファウスト』全編の個人的考察を行っていこうかと。 (最後までできる自信は毛頭ないけれど……) まずは「献(ささ)ぐることば」から。 この「献ぐることば」は、ゲーテが『ファウスト』を書きはじめてから長い中断の時期をへて、シラーの勧めがあって再
いやあ、面白かった! と、またしても小学生なみの感想から記事をはじめてしまったが、本当に面白かったのだから仕方がない。 それはさておき、本作の原題は「Much Ado About Nothing」である。 お気づきの方はお気づきだろうが、韻が踏まれているので、タイトル