色も形も重さも質感も違うてんでバラバラな様々が床に散らばってまばらな所と重なった所散らばり具合いもバラバラが今の僕それをぼんやり眺めているのが今の僕それは無限…
色も形も重さも質感も違うてんでバラバラな様々が床に散らばってまばらな所と重なった所散らばり具合いもバラバラが今の僕それをぼんやり眺めているのが今の僕それは無限…
十年ほど前だったと思う仕事から帰る僕を君はしょっちゅう大通りまで迎えに来てくれて僕は自転車を押しながら飛び跳ねながら歩く君と一緒に帰った僕は迎えに来てくれた嬉…
冬を越したポーチュラカ大好きなポーチュラカ大好きだった人が大好きだったポーチュラカあんなに元気だったのに元気すぎて生き急いであっという間に天国へ行ってそのまま…
あっこんなところにあったんだ長袖Tシャツが欲しいから買いに行こうと思っていたら半年前に買ってあったのがここに居ましたよと出てきた確か一度は着た記憶はあると思い…
交差点でバイバイした小学生の女の子黄色いランドセルカバーをつけているから一年生だ一人はこっちに向って来て何かを見つけたのだろう輝いた瞳で微笑んで走り出したでも…
水たまりに落ち葉はよく似合う水たまりの中の小さな空を落ち葉が泳ぐ小舟のように揺れて行く先知れずまるで僕が生きてきた世界と同じいそいそとやって来た蟻が眼の前の大…
五時に起きてひとりの時間を楽しんでいると六時に妻が起きてきたいつもより30分早い口を開けたばかりの1リットルの牛乳パックを床に落としたような気分風の音がうるさ…
みんなに飴玉を配って人気者になろうとしている人みんなは飴玉は受け取るけど決して距離を縮めないのは絡み付かれて息も出来ないほど密着されるのが分かっているからその…
見たことのない葉っぱが晩ご飯に出てきた肉を巻いて食べるらしい食べると青臭くて苦いその辺に生えている葉っぱをかじればきっとこんな味っていう感じの葉っぱだった「こ…
有給休暇だったのでアラームを切った朝9時間ぐっすり眠っていた昼過ぎまでパジャマで過ごし宅配もその姿で受け取ったそのあとネット配信の映画を観た意味の分からない台…
同僚の友達からの依頼でアクセサリーの修理こんな状態をこの銅線を使って雑な仕上がりだけどこれで許して貰おう拡大眼鏡を使っても小さかったもん完璧を目指さないと決め…
雨が降る前の白黒の世界は静かで朝も息を密めている風はなくシマトネリコの葉が全く動かないまるで時まで止まっていてこの世界に僕ひとり取り残されたよう紙を擦る鉛筆の…
日記はノートに鉛筆で書いていてテーブルの上に何処とはなしに置いている消しゴムがよく消えるきれいに字を消してくれるのじゃなくて消しゴムそのものが消える何かの拍子…
ミニ薔薇が咲いている鼻をくっつけて香りを吸い込む薔薇らしい香りに「薔薇だな」の言葉しか出ない終わった花を切ろうと手を伸ばすと棘が邪魔をするあまりにも薔薇らしく…
新緑を縫う風が穏やかに揺れる朝は珈琲を飲まない僕だけど五月の風に誘われて飲んでみると今日が開いていくのが分かるおはよう今日がいい一日だったのはこの時決まってい…
五月晴れの空に絵に描いたような雲ずっと見ていたいけど帰り道には幾つかの曲がり角と点滅信号がひとつ家に着くと職場で貰った大事な書類が上着のポケットから消えている…
大好きな初雪カズラの世話をしていると背中に聴こえる小鳥のさえずり聴くとは無しに聴いていると確かに鳴いているのに聴こうと思って耳を澄ますと声がぴたりと止んだ量子…
プリンがあった お腹がいっぱいでコーヒーを飲んでいたので体は全く欲してなかったけど少しなら食べられる気がした先ず半分食べて五分後に残りの半分のうちの半分を食べ…
外に出るとつがいのアゲハ蝶が驚いたように散らばって僕の視界を登って消えたお互いを確かめるにはここは騒がし過ぎるから他を探しに行ったに違いない残念だな忍者のよう…
日記を書き始めて三ヶ月経った思っていたのに言えなかったこと言ってしまって後悔したこと今思っていること今感じていること明日したいこと明日やって来ることそれらを毎…
三世代の散歩先頭は弾けるように歩く幼子すぐ後ろの母は時を惜しむように歩き少し離れて祖母は何を思うか後ろで手を組み歩く祖母は来た道を眺め母は幼き歩みに目を細め幼…
レウコフィルムの花が咲いた僕は本当に心配していたんだ僕がいっぱい枝を切って丸裸みたいにしてしまったのに頑張って新芽をいっぱい出して春の陽気をいっぱい吸ってどん…
コーヒー豆売り場でじっと見つめ重さを確かめるように手に取ってパッケージの情報を穴が開くほど読んでいくつもを比べてやっと買って帰っていそいそとお湯を沸かしドリッ…
シナモンパウダーを纏った最後の塊を口に入れるとさすがに食べるのをちょっと我慢していただけあってまるで最初のひと口のようにひろがり溶けていくシナモンの魔法が花火…
ただそこに居るだけでえもいわれぬ存在感忙しくて浮ついた職場をまだ何も始まっていないかのように落ち着かせる安心感遠くの景色の山のように下から支えて引き締めている…
雨上がりの夕暮れは特別で格別広い空いっぱいに鳴り響くカラスの声そんなにところに居たんだだけど違う君ら二人は囁き声で僕には何も聞こえない声の主は反対側の空を右往…
穏やかに晴れた日の夕暮れは強い風が吹くまるで寝床へ帰る鳥たちの背中を押すように今日もいい一日だったろう?とまるで自分のおかげだと言いたげに明日もきっといいこと…
見慣れた森のトンネルだけどいつもと違って見えるのは早起きしたせいかトンネルの行先は知ってるはずなのに未知の気配がするたった五日の早起きなのに体じゅうの細胞が全…
不思議な雲だったけどその下の世界は相変わらずで信号待ちする車の列が連なっては消えるを繰り返している背後に感じた気配はランニングする人のものだった歩く僕をすり抜…
アラームを「夜明けのリンポポ川」という鳥たちのさえずりの音にしたリンポポ川って何?と調べてみればアフリカ大陸の南部に本当にある川だったアラームを止めて起きなけ…
早起きには何度も挑戦して何度も返り討ちに合っているいつもは6時30分に起きるけど少しずつ早くしていって今朝は5時に起きたこれをずっと続けたい何かを達成するより…
晩ご飯はオムライスだったケチャップは自分で描く一瞬迷ったあと一気に三重丸を描いた大きい円から描いたのを今でも後悔している自分で限界を決めれば後はしぼむだけの人…
粒あん派の僕だけど柏餅はこしあんの方がいい柏の葉の香りがそうさせるということにしておく端午の節句にはまだ早いけど甘い物には気の早い妻が目ざとく見つけて買って来…
草花の世話をしていると心にまとわり付いていた何かがほどけて宙に消えていくその時やっと何かの存在を知るけどすでにもう無いから正体は分からないし探さなくていい蟻は…
昼過ぎに帰るとリビングの中は蒸していた窓を開けていいかと言うと私はいいけどいいの?と言う花粉症の僕を気遣って窓を開けずにいてくれた確かに花粉はつらいけど空気の…
やっぱり虫の知らせというものは存在する様でしかしながら今の時代では虫だけに頼らず様々なアイテムが知らせてくれてる超寒がりの僕は足首ウォーマーをしているが片方が…
凄い南風だった自転車のペダルは重く気を抜けば自転車ごと吹き飛ばされそうだった家に帰ると洗濯物がひとつ吹き飛ばされていた玄関前の鉢植えの上でトレーナーは乾いてい…
ブルーベリーってこんな花が咲くんだしかも下を向いている初めて見る姿に驚きと感謝風に揺れる花を花が笑っていると言う人がいた笑わせているのは風だ気付かない人が多い…
色や密度の違う雲が交わる場所では空が揺れる気性の荒い人は当然ながらきめ細やかな気遣いが出来ず穏やかにすり抜けたい人は気持ちをそこに置いてはくれず何でも知りたが…
我が家の庭では今オキザリスとエリゲロンとポリゴナムとシンバラリアが陣地を広げようと争っているそこに割って入ろうとしているダールベルグデージーもうそろそろ咲きそ…
無造作に置かれたハンガーは肝心の所が折れて例え服を纏わせても吊るすことが出来なかった「こわれちゃった」妻のその言葉にはこのままならゴミ箱行きだけど直せるなら直…
海岸線の車道に出ると青と緑の海が綺麗で生まれ育った場所を思い出す帰り道はこんなに早いから行く道はみんなに追い越されるくらいにゆっくりがいいと今になって思うけど…
帰りに寄り道してこの写真を撮っていると蝶々が人差し指に止まった無言で無断で止まったけど蝶々はいつも無口だもうそろそろ人間の世界に戻ったらどうだい?と言ってるに…
僕の記憶が正しければこの石段を登ればもうあと少し去年くぐった木のアーチは朽ちて折れていたぐっと腰を屈める山頂の展望台に登るとピーヒョロロとトンビが出迎えてくれ…
あの山の展望台を目指してだけど昨日の雨で止めようと思っていた濡れた山道は危ないし明け方に足をつって止めるには充分な理由なのに歩き出したのは暖かい日差しに新芽が…
有給休暇この甘美な響きこれに勝る言葉は有給昼寝くらいしか思いつかないけど部活の朝練を休んだ次男は朝ごはんの途中で寝てしまったさぼり二度寝まだ起きて来ない長男の…
雲が華麗なステップを踏んでいるから春はもう来ているのだろう大統領が踏んだ軽いステップで世界じゅうが腰砕けしているこの世は昔から一寸先は見えなかったのにみんなが…
こんな所に植えた覚えがないのは当たり前タイルの隙間からエリゲロンが咲いているこぼれ種であちこちから顔を出して楽しませてくれるとても好きな花写真に撮ろうとしても…
ちょっとした不注意で落として割ってしまった幸いだったのは中が空っぽだった事いつもなら麦茶が2㍑程入っていた「ごめんなさい。割っちゃった」「あっそう。割れちゃっ…
いつもは息が詰まるようなバンドの練習場所が今日はなんだか草原のように思える草原は言い過ぎだろうちゃんと場末感はあるし休憩で外に出ると思わぬ雨が降っていた驚いた…
そうだ!二種類の豆をブレンドして淹れてみよういつもより丁寧にドリップする飲んでみると二種類の豆がお互いのいい所をいい所を消し合ってとてもまずいまるで出がらしを…
もしかしたら何かが足りないんじゃないのかもしくは何かが多過ぎるんじゃないのか時々そんな風に思うけどそんな時は決まって何かが多過ぎてその何かが多過ぎるのは別の何…
狭い考えの人と深い考えの人がやんわりと言い争っていた狭い考えの人は相手のことを考えが狭いと批判するそれは自分の方なのにまるで気付いていない深い考えの人は激しく…
何が悪かったかというと三日前の鍋だけど昨日のカレーも良くなかっただけど当然のことながら鍋にもカレーにも罪がある訳がなく本能のままに食べて食べて食べ過ぎた愚かな…
春休みの間は週に三回自分で弁当を作るけど卵焼きの仕上がりが毎回違う弁当の最後のひと口は卵焼きと決めているので卵焼きの仕上がりが午後からの仕事への意欲を左右する…
さてこの時間をどう使おうかと思った時にはもう何をするかは決めていたちょっと前はどう使おうかなんて思いもしなかっただからもう思っただけでもう1段上っていてそれが…
良かったずっと心配していたんだレウコフィルムを強剪定してあまりに枝を落とし過ぎて黙ってしまったレウコフィルム気の早い草花は芽吹き花を咲かせているものもだけどレ…
なんでこうなっちゃったかな頭の中ではちゃんと碁盤の目になってたのに現実は余りに遠かったブルーベリーの苗を貰って鉢植えにしようと思ったけど鉢底網がなかったでも銅…
南の窓を開けるとブワッと風が舞い込んだ「いい風だね」背中に声がかかる声の主は一年前にやって来た人僕らの仕事を根本からひっくり返して成果を上げた人だ皆が実力を認…
ふわっとしていてつかみどころがない面と向かって言われたから精一杯の好意的な意見だ陰で言うとしたら印象が薄くて何を考えているか分からないだろう人づてに聞くなら中…
自分の気持ちを横に置いといてとはいっても自分で横に置くのはかなり大変気のいいおせっかいな誰かに運んでもらうのがいいけどその為にはその誰かに傍にいてもらって心許…
リビングの窓を開けるとやわらかな空気が行ったり来たりしながら部屋の全てを衣替えしていく中にいる僕の心も前転して一歩進んだような気になる外に出れば春だった歩いて…
二十歳の頃の日記が出て来た今と同じことを書いていて笑ってしまうぶれていないと言えるし進歩がないとも言える詩もいっぱい書いてた変わっていないなと思うただ妻はまだ…
この頃の我が家のブームはサイコロ長男が部活の総会の余興でやったのを持ち帰ったみんながついゾロ目が出るまで何度も振ってしまう大抵は30回ほど振るとゾロ目が出るが…
ひと息ついた午後四時右と左のこめかみが少しずつ歩み寄ってなんだか眠りの予感のままソファに座っていた上体を傾けそのまま崩れるように横にそっと目を閉じれば幸せな眠…
ある人は何事にもこだわらないからあっちにふらふらこっちにふらふらだけどそれを幸せだと思って生きていると言いまたある人は何事においても度を越してやってしまい疲れ…
雲の隙間から太陽の光が漏れ出て僕に迫ってくる私を見ろじゃなくて私を見てじゃなくて私は通り過ぎるだけと言ってる友達は幸せをどう感じるかで今までが決まりこれからが…
人から聞いた話を聞いた人が自分が聞いた話のように何人にも話すうちについに一番最初に言った人に話してしまったしかも誇張され脚色され推測も交えて話したものだから一…
遠い昔バイト先で・・・とてもテンションの高い人と仕事するうちに僕も同じテンションになってしまってそれはそれで楽しかったけどなんだか自分の中が空っぽになった気が…
昼間はよく晴れて暖かかったこんな日は屋内の方が寒いディーラーのショールームは天井が高く窓まみれの壁で余計に冷たく感じる好きな席をどうぞと言われなんとなく座った…
こんな所にオリーブの新芽が植物の生命力に驚きと畏敬の念次男は妻の助言に少し反抗しながらもマカロンを作っている何の知識も経験もない男がどうやって作り上げたのか自…
アーモンドプードル?犬の種類か?なんと次男はホワイトデーにマカロンを手作りすると言いそれに使うらしいもう少し手軽なプリンやクッキーはどうかの問に返って来たのは…
物覚えが悪いですが一生懸命頑張りますよろしくお願いします53歳の新人男性が定型文みたいな台詞を大きな声で言った驚く事に本人が言ったまま本当に物覚えが悪くて本当…
珈琲を熱いうちに飲み干せることは珍しく随分と時間がたってその存在も忘れていたのにふとカップを覗き込んで残っている少しを見つけてそっとやさしく口に含んだ時熱かっ…
ある人が言う「私の魅力に気付いてないでしょ?」少しでも好意を抱いている人にそう言われなのなら全身の毛穴から気が抜け出てどうしようもない位にうろたえてしまっただ…
なんということだろう完璧な至福のはずだったのにソファでの身の置き方もクッションの位置もこれ以上ないくらいにフィットしていたのに知らない間に寝落ちして一時間半過…
鬼のように怖いと噂の上司に呼び止められ暫し話をしたはっきりと発言する切れ者で管理職としては優秀だと思うコソコソ仕事する人には鬼に見えるしダラダラ仕事する人には…
どういう訳か忙しい朝の中で20分も時間の余裕が生まれた20分あれば色んなことがやれそうだそういや工具を大きいサイズのプライヤを探していたんだ普通のサイズのはあ…
我が家で一番小さかった君はあっという間に大きくなって我が家で一番大きくなったそれでも年齢は一番小さくてこの先も変わりそうにないだから君の笑顔の記憶は僕らにとっ…
熱く燃え上がった頃なら言葉より態度が雄弁だったかも知れないだけど消し炭に種火をつけて息を吹きかける日々にはやっぱり言葉にしないと伝わらないものなのだろう※僕は…
クッションは幾つ重ねればいいのだろう例えばソファに横になってあわよくば寝てしまいたい時後頭部から首を受けて背中に存在感を感じ腰に心地よく当り尻を優しく包んでふ…
あの人は裏切り者だと目尻を吊り上げてる人はあの人が悪人だという話を幾つも作り上げて「ほら、あの人を見る目が変わったでしょう」と同意を求めるけどその顔は悪人その…
家にある電子ピアノは長男がまだ妻のお腹の中にいる頃に妻の気晴らしになればと買ったものだった結婚前後には僕のバンドのメンバーとしてピアノを弾いていたでも長男が生…
朝に点滅信号辺りで時々出会う小学五年くらいの男の子ちょっと重そうにランドセルを背負って道を蹴飛ばすように歩いてだけど見えない未来を探すような目をしている思わず…
日記を書き始めて三週間ついに妻が何書いてるの?と言ったとっさに出た嘘が量子力学を勉強してるだった日記だと言うとこっそり読まれるかもとどきどきするしときどき図書…
雲が震えてるのかと思ったそんなことはないよねじゃあ僕が震えているんだ就活中の長男は東京へ面接に行った電車や新幹線を乗り継いで和歌山から東京へ行った3年前なら心…
職場で同僚から「これあげる」と500mlペットボトルに入ったカフェ・オ・レを貰った家に持ち帰ってちょっと多いなと思い次男に「これ半分飲むかい?」と勧めると「そ…
思わぬ場所で聴いた古い歌懐かしさで涙ちぎれるあの頃物悲しくて胸が締め付けられたのはちぎれた涙の粒が時空を超えて若い瞳を濡らしたからかあの頃日々に追われ身動き取…
今になってやっと気付いたのは時間が足りないということ時間がいっぱいある時は無駄にだらだらと使うだけ上手く使おうと縄をかけた時から時間はギシギシ軋んで身動き取れ…
旅行から帰った長男がもみじ饅頭を買って来てくれたそういえば我が家の最初のシンボルツリーはアメリカモミジバフウだったモミジのような葉で紅葉もしたでもある時チャド…
炭を水で洗った耳を澄ませば赤く燃えた記憶を取り戻すように途切れ途切れに音が聞こえるパキパキなのかピキピキなのか聞く人が違えば口に出せる音も違うのは心の底にある…
雲が重しのように空を覆っている二の足を踏んでいる春は気配だけをポストに入れて雲に紛れて消えたパラパラと乾いた音を残したのは霰だったアスファルトの上ではすぐに消…
大阪のおばちゃんはいつもエプロンにアメちゃんを入れていて事あるごとに誰彼なく差し出すと昔に聞いた事がある最近の僕は隣の和歌山だしおっちゃんだけどポケットにの…
長男は旅行に行くとかで荷造りとファッションショーでリビングが乱雑極まりない次男はバレンタインにチョコをくれた子と付き合うことになった初めて出来た彼女に浮き足立…
なんともややこしい話だけどAさんが何かと本部から目をつけられ監視されていたBさんが誰にも言わないでと言いながらAさんの怠慢を告発したのは私だとCさんに言ったC…
夕陽が沈むのを待つけどあと少しの所で全く動かない待つと決めてからは時間は止まったままここは岬に立つ灯台長い坂を登ってやって来た歩いて来たのは僕だけで何組かのカ…
桜餅を食べるとふと閃いたオーディオの音を確かめるのに使う曲をエラ・フィッツジェラルドに替えたバックの演奏はシンプルで音数が少なく緊張感があり歌声は艷やかに躍動…
煮詰まった時は甘いものに限るふと見れば桜餅が手招きしている僕は桜餅の葉っぱは食べない派だだけど葉っぱを剝がす時なんだか切ない気持ちになるだから丁寧にゆっくりと…
オーディオの位置をリビングのメインの場所から隅っこに移した場所の制約があって配置も配線も変えたすると気に入った音にならずあれこれ調整しても全く良くならないかと…
「ブログリーダー」を活用して、ガミガモさんをフォローしませんか?
色も形も重さも質感も違うてんでバラバラな様々が床に散らばってまばらな所と重なった所散らばり具合いもバラバラが今の僕それをぼんやり眺めているのが今の僕それは無限…
十年ほど前だったと思う仕事から帰る僕を君はしょっちゅう大通りまで迎えに来てくれて僕は自転車を押しながら飛び跳ねながら歩く君と一緒に帰った僕は迎えに来てくれた嬉…
冬を越したポーチュラカ大好きなポーチュラカ大好きだった人が大好きだったポーチュラカあんなに元気だったのに元気すぎて生き急いであっという間に天国へ行ってそのまま…
あっこんなところにあったんだ長袖Tシャツが欲しいから買いに行こうと思っていたら半年前に買ってあったのがここに居ましたよと出てきた確か一度は着た記憶はあると思い…
交差点でバイバイした小学生の女の子黄色いランドセルカバーをつけているから一年生だ一人はこっちに向って来て何かを見つけたのだろう輝いた瞳で微笑んで走り出したでも…
水たまりに落ち葉はよく似合う水たまりの中の小さな空を落ち葉が泳ぐ小舟のように揺れて行く先知れずまるで僕が生きてきた世界と同じいそいそとやって来た蟻が眼の前の大…
五時に起きてひとりの時間を楽しんでいると六時に妻が起きてきたいつもより30分早い口を開けたばかりの1リットルの牛乳パックを床に落としたような気分風の音がうるさ…
みんなに飴玉を配って人気者になろうとしている人みんなは飴玉は受け取るけど決して距離を縮めないのは絡み付かれて息も出来ないほど密着されるのが分かっているからその…
見たことのない葉っぱが晩ご飯に出てきた肉を巻いて食べるらしい食べると青臭くて苦いその辺に生えている葉っぱをかじればきっとこんな味っていう感じの葉っぱだった「こ…
有給休暇だったのでアラームを切った朝9時間ぐっすり眠っていた昼過ぎまでパジャマで過ごし宅配もその姿で受け取ったそのあとネット配信の映画を観た意味の分からない台…
同僚の友達からの依頼でアクセサリーの修理こんな状態をこの銅線を使って雑な仕上がりだけどこれで許して貰おう拡大眼鏡を使っても小さかったもん完璧を目指さないと決め…
雨が降る前の白黒の世界は静かで朝も息を密めている風はなくシマトネリコの葉が全く動かないまるで時まで止まっていてこの世界に僕ひとり取り残されたよう紙を擦る鉛筆の…
日記はノートに鉛筆で書いていてテーブルの上に何処とはなしに置いている消しゴムがよく消えるきれいに字を消してくれるのじゃなくて消しゴムそのものが消える何かの拍子…
ミニ薔薇が咲いている鼻をくっつけて香りを吸い込む薔薇らしい香りに「薔薇だな」の言葉しか出ない終わった花を切ろうと手を伸ばすと棘が邪魔をするあまりにも薔薇らしく…
新緑を縫う風が穏やかに揺れる朝は珈琲を飲まない僕だけど五月の風に誘われて飲んでみると今日が開いていくのが分かるおはよう今日がいい一日だったのはこの時決まってい…
五月晴れの空に絵に描いたような雲ずっと見ていたいけど帰り道には幾つかの曲がり角と点滅信号がひとつ家に着くと職場で貰った大事な書類が上着のポケットから消えている…
大好きな初雪カズラの世話をしていると背中に聴こえる小鳥のさえずり聴くとは無しに聴いていると確かに鳴いているのに聴こうと思って耳を澄ますと声がぴたりと止んだ量子…
プリンがあった お腹がいっぱいでコーヒーを飲んでいたので体は全く欲してなかったけど少しなら食べられる気がした先ず半分食べて五分後に残りの半分のうちの半分を食べ…
外に出るとつがいのアゲハ蝶が驚いたように散らばって僕の視界を登って消えたお互いを確かめるにはここは騒がし過ぎるから他を探しに行ったに違いない残念だな忍者のよう…
日記を書き始めて三ヶ月経った思っていたのに言えなかったこと言ってしまって後悔したこと今思っていること今感じていること明日したいこと明日やって来ることそれらを毎…
男の人ってこういう時どう思ってるのかな?いきなりの恋愛話に僕の凪いだ心にさざ波が起きるもう何十年も前の記憶が波間に現れては消え白濁するこの浮遊感はなんだろう僕…
目を閉じて厚い雲の向こうの西日を感じると瞼の裏に映るのは赤オレンジ黄色ピンクそれらが色んな模様を作っては変化してずっと見ていられる屋上の隅に何かの小さな骨が落…
これを遠慮の塊というのだろうか誰かのお土産のお菓子はあまり美味しくなかったもらって三週間たってやっと個別包装で8個あったのが1個になっていて僕は最初の1個に手…
派遣で三ヶ月ほど働いて一ヶ月ほど何もせず過ごすのをずっと繰り返している人が僕が週に七日働いてると聞いて目を丸くして驚いたみんなそれぞれ事情があるけど心と身体が…
長い雨が上った朝まだ濡れている落ち葉はホウキで掃いてもちっとも動いてくれないしゃがんで指でつまんで一枚ずつ拾う何故か時間がぐにゃりと曲って心が空に吸い上げられ…
上半身ハダカの男が二人いる一人は風呂上りでソファでくつろぐハダカでソファの生地に密着することは禁止だけどそれを管理する妻は入浴中もう一人はランニングしてきて暑…
屋上でずっと風に吹かれていただからといって今日の予定をキャンセルした言い訳にならない行こうかどうしようか迷って自分で決められずポーチュラカが咲いたら行こうと決…
白竜と朱雀か太古の昔から空ではこんな生き物が現れては消え見惚れた人々が物語を紡ぐのはあまりにも自然なことどんなことにも結果を急いでしまう僕に空はまあそう急ぐな…
フローリングの床に寝転がって窓越しに空を見上げる間にあるのはレースのカーテンと風にゆれる木の葉床の堅さが僕の重心を押し下げて真っすぐにしてくれる葉の動きはそれ…
気温22℃で全くの曇り空風はほとんどないこれは絶好の園芸日和生い茂ったシマトネリコの枝を高枝切り鋏で切っていると突然現れたアゲハチョウいつものような楽しげなリ…
ある人が誰にも言わないで下さいよ僕の憶測なんですけどねそう言いながら噂話をみんなに伝えるうちに確証はないですけど絶対にそうだと思うんですと自分で勝手にほぼ本当…
僕は昼寝をしていた雨で夕方の予定が流れていたポツポツと聞き慣れた雨音大学生の長男はリモート授業をパソコンから垂れ流したままギターを弾いているポツリポツリと優し…
陽を浴びながら風にゆれる木の葉もしかしたら今時は止まっているんじゃないかとでもそこにあるアナログ時計の針はずっと動いているもしかしたら今僕だけが止まっているん…
ちょっと待ってというくらいに一週間が過ぎる仕事で週に一度しか会わない人が頁をめくるきっかけに風にゆれるカーテンを見てるともしかしたら時間もこんな風にゆらいでい…
午前0時半お腹空いたと言い放った君はすぐにキッチンに立ったバタンバタンガチャガチャ君は冷やしぶっかけうどんをあっと言う間に作ってそれよりも速く食べ終えたそして…
青くて青くてあおいそらに見とれた五月のよく晴れた日は昔も今もこれからもこんな青だったらいいけどきっとそうだろう年を取ると人生の秋とか人生の夕暮れとかって言う人…
冷蔵庫にはレタスとベビーリーフいつも使うトマトとキュウリを今日は使わないでおこうそして僕はスーパーへ赤いパプリカを買いに行ったこれで彩りがよくなるそろそろカレ…
隠し味は幾つかのスパイスをほんの少しよりもっと少なく誰にも気付かれないように夕方の風は少し冷たく少し強い人が早く家に帰るように大自然の中に仕組まれているのだろ…
挽き肉しかなかったのでキーマカレーにした玉ネギと人参をみじん切りにして炒めニンニクをひとかけ刻み入れ挽き肉を入れて煮込む米を研いで炊飯器にセットサラダ用に玉ネ…
それにしてもこの心地よさはなんだろう春の乾いた風がリビングに入ってはあちこちの軽いものをゆらして出ていく今は心配事もなくて僕の心は軽いんだろうゆらりゆらりとゆ…