驕慢の懲罰(1861年版) シャルル・ボードレール/平岡公彦訳 神学が、最も豊かな樹液と精気に満ちみちて 花開いていた、あの驚嘆すべき時世において、 伝えでは、ある日、最たる偉大さの神学者が、 ――無関心な者たちの心すらもこじ開けては、 その黒き深みからも感動を呼び起こしたあと、 純粋な精霊たちだけは来られるかもしれぬも、 彼自身には未知のものだった特異な道までも、 天上の栄光に向け踏み越えていったあと―― 高く登りすぎてパニックに陥った男のごとく、 サタンのごとき驕慢を昂らせ、叫んだという。 「イエスよ、小さきイエスよ! 汝を高々と押し上げてやった! だが、もしも余が汝の甲冑の隙間を攻撃する…