当時のお仲間がご夫妻と集まると、福岡パッシブハウス完成までの様々な物語が鮮明に思い出されて話題には事足りません。何よりもこんなに大切に、新築当時とほぼ変わらない状態で暮らし楽しまれているご夫妻の笑顔に出逢うたびに、手がけて本当に良かったフ
いよいよ、2020年最後の1日となりました。不覚にも私は29日に少し怪我をして、養生を取って早々に寝正月のような状態に入りましたが(何、大したことはありません)、思えば怒涛のような一年でしたね。去年の今頃はまさかこんな世の中になるとは思い
やがてコロナにはじまり未だ終息が迎えられない2020年も終わろうとしています。例えば、突然この問題がワクチンや特効薬の開発で収束したとしても、今私たちを包み込む巨大な変化の流れが全て霧散するとも私には思えません。住まいづくりの分野において
毎日外に向けて、出ていく暮らしの中で、全て内側に向けて集うための設えだったこれまでの住まいは、ある意味社会全体の外の空間とバーターでバランスを取っていた空間だったと言うことが言えると思います。それが出かけなくなり、住まいの中で全ての時間が
リモートワークやオンライン授業と言う、これまで家以外の空間で行われてきたことが全て家の中に入り込み、明快に色分けされてきた時間がなんとなく滲むように混在している暮らしが当たり前になりつつあります。苦肉の策としてIT関連技術が急速に発展し、
思えば今年になって中国武漢に始まった新型コロナウィルスの感染は、横浜に寄港したクルーズ船に端を発し、世界中の感染拡大を独特の遅れ方で追随するように、この国の感染者も未だ増え続けている現状は、収束の糸口も掴めないまま、基調が定まらないゴタゴ
クリスマスも終わり、いよいよ激動の2020年という、人類の歴史に深く刻まれる一年が暮れようとしています。この一年、コロナ禍の中で私たちは皆、もがきました。そしてまだ出口の見えないトンネルの中で、その先を模索しながら日々を送っている状況です
一口に、断熱と言ってもイメージしにくいかも知れませんが、断熱材の中で働いてくれているもののほとんどは空気です。グラスウールという断熱材は皆さんご存知かもしれませんが、実はガラス自体の素材の特性はそれほど熱を伝えにくいものではありません。む
住まいの中で極端なら温度差があること。ヒートショックなどはその顕著な例ですが、これは「暖房」と言う概念に乏しく、住まいの中で居間ばかりで「採暖」をしてきたことが原因といえます。暖房が叶う空間では、全館がほとんど同じ温度をキープすることがで
つまりどんな装置を持ってきても、ある程度器を整えてからでないと、およそ暖房と言う体にならないというジレンマの中で、日本の住まいはずっと迷走してきた感があります。そもそも「夏を旨とすべし」で柱と屋根で構成された壁の少ない風通し優先の構造だっ
さて、「採暖」と「暖房」はそもそも違うというお話をしましたが、もう少し突っ込んで言えば、なぜこの国の住まいの冬のしつらえとして、暖房というものがあまり発展せずに、ここまで採暖ばかりで進んできたかというお話になりますが、要は暖房のしようがな
この季節になると、近くのホームセンターに行っても、「本格的な冬の季節の到来」とかなんとか、暖房シーズンの関連商品の特集コーナーをよく見かけます。石油ファンヒーター、灯油式の反射ストーブ、電気ストーブの類などが並んでいますね。炬燵もそうです
性能が足りない住まいで何が起きるかはもう、いわずもがなです。何らかの採暖、石油ファンヒーターやストーブなどで暖気を作っても隙間だらけの空間では暖められた空気は比重が軽くなり、屋根からどんどん抜けていきます。逃げていく暖気の代わりに入ってく
案外寒い福岡で、「暖かい」「そこまでいらない」という体感と遊離した言葉のおかげで、福岡は中途半端な性能の住まいが多すぎる。プロほど、勉強を少ししたお客様ほど「そこまでいらない」という言葉を使ってしまうわけです。こんな原稿を書いている数日前
さて、いつもは住まいの中のお話をしていますが、それは外でのお話でしょうと思った方もおられるかもしれません。そうです。今は外気温の感じ方のお話をしていました。ただ、この体感温度と、実際の気温との大きなズレが何を生んでいるかというお話をしなけ
寒暖計の数字や、天気予報の気温だけで、暖かい寒いを判断するとちょっと実際とはずれが生じているというお話をしました。体感温度は、そういう意味で数字を風速や湿度といった諸条件を加味して私たちの感覚に近い補正をして示してくれるので、先入観で話し
この二日ばかり、全国的に遅まきながら今年一番の寒波到来でこの福岡でも震え上がるような寒さを感じている方も少なくないと思います。「そうは言っても九州でしょ」「暖かいエリアだから」とは決して言えないほどの寒さを、どう表現したら良いのかなと思っ
パブリックからプライベートな場所に戻ってくるという単純な暮らしの構図が、このコロナ禍で雪崩のように崩れはじめています。24時間一緒にいれば、プライベートな家族間でも半パブリックのようなルールが必要になってくる。限られた空間のなかでも、少し
これまでは、カオスな社会に引っ張り出されて、終日を過ごしてヘトヘトなってに帰ってくるための住まいだったものが、今度はずっとそこにいて、何もかもを完結しなさいと言われているわけですから、自ずとしつらえは変わってきて当然なのですが、呑気にこれ
さて、話は敗戦国となった80年前からのお話になりますが、この国の住宅事情は家がないというところから始まりました。都心部が焼け野原になって、絶対数が足りなかったのです。とにかく仮設住宅を作らなければというところからプレファブメーカーが始まり
どうもこのコロナ禍で、自分の身を守らなければならないという感覚と、住まいの滞在時間の急激な拡大が相まって、より高性能に、より高耐久にという皆さんの意識は一気に変化した一年であったことは間違えないと思われます。私などはずっと同じ事を言い続け
2020年がまもなく終わろうとしています。今年はコロナ禍で全てのことが番狂わせで、何もできぬまま年の瀬に突入という方も多いのではないでしょうか。人と人同士のコミュニケーションを感染リスクという壁で寸断し、人の社会性という部分をズタズタにし
ステイ(stay)とは滞在、つまりそこに居ることです。確かにステイホームではありますが、私たちは住まいの中に、ただ居るだけではありません。かつての企業戦士たちは、家は「ただ寝に帰るだけの場所」などとよく言われていましたが、このコロナで住ま
そう言う意味では、ステイホームの感覚で、緊急避難的な発想を振り回すより、ライフ、日々これからずっと続く住まいの創造へと切り替えていきたいですね。ステイから、きっと「ライフ」なんです。もちろん、今取り沙汰されている性能に関しては、全てを住ま
感どころの良い方は、すぐに私が言わんとするところが理解できて、お話を進めていくとそれまで悩ましいお顔をされていた方が、晴れやかに合点がいったように表情が明るくなるのをこのところ何度も経験しました。要は性能値のための高性能になってしまい、「
英語のお得意などこかのケバい都知事さんとは違って、英語の本当に苦手な私には、どうにも違和感がある。「ステイホーム」ひっくり返して「ホームステイ」と言えば学生さんたちがご当地の地域文化に触れて学ぶために、現地の普通の家庭に間借りして、短期の
12月に入り、2020年もあとわずかとなってきました。考えてみれば、今年2020年はこの地球上の人類にとって大変な試練として記憶に残る一年で、この日本でもクルーズ船にはじまったコロナ感染の恐怖は、じわじわと私たちの暮らしに侵食し、迷走する
「暖房」について書いてきました。最近は、技術論ではなくて、概念として「そこまではいらない」とか「ここは九州だから」というような硬直化した概念が邪魔をして、住まいの性能が伸び悩んでいるきらいすら感じてしまいます。技術は確実に進歩を続けている
外皮性能が良いことで好転することは沢山あります。要するに熱が逃げない、夏は入ってこないということで、室内の温度がコントロールがしやすくなります。従って小さなエネルギーで熱の制御がしやすくなります。しかも、外皮で囲まれた内部空間と呼ばれる部
そういう意味で言えば、これまでの日本家屋は、せいぜい「採暖」が関の山で、それ以上の暖房を求めてもなかなか効かない熱性能ですから、暖房を語ろうにもそもそもベースの空間自体にその素養がなかったということになります。これまで多発してきたヒートシ
「採暖」という言葉を使いましたが、九州ではそもそもそこそこ暖かいという感覚から、住まいへの設えとすれば軽微なものしか採用されないことの方がほとんどで、いわゆる火鉢・炬燵の感覚で、暖かい点をつくり、人間の方がそちらに寄って暮らすという採暖が
ここ福岡もいわゆる日本海側特有の曇天候の日が増えてきて、いよいよ寒い冬の到来がはじまりました。先日、体感温度のお話をしましたが、福岡は気温が北国ほど低くないにもかかわらず、寒いエリアだと言いました。当地にお暮らしの方はそのことを十分ご承知
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当時のお仲間がご夫妻と集まると、福岡パッシブハウス完成までの様々な物語が鮮明に思い出されて話題には事足りません。何よりもこんなに大切に、新築当時とほぼ変わらない状態で暮らし楽しまれているご夫妻の笑顔に出逢うたびに、手がけて本当に良かったフ
築13年の中古物件と聞けば、連想される世界があると思いますが、福岡パッシブハウスの場合はそのイメージにはほぼ該当しないということができると思います。私も何度かお客様をお連れしていますが、「え、新築ですか?」と言われるほど、建築当初の状態を
13年前に、パッシブハウスジャパン(以下PHJと記載)の森代表理事と共同設計で取り組んだのが、福岡市内に立つ国内3棟目の認定パッシブハウス「福岡パッシブハウス」です。実は、この福岡パッシブハウスが現在売却に出ていて、この木曜日まで
人が、自分の住処に求めるものはなんだろうと考える時、やはりどこに居るよりも心身ともに安らぐ場所であるということが第一に思い浮かぶものではないかなと思います。「心身ともに」と書きましたが、まさに心と身体の両面からの安心というものが要でないか
これまでの私の仕事の主たるところは、まさにお客様の住宅の新築の分野でした。ただ、ここまで社会全体がコスト高になってくると、万人に向けてその方法のみで対応が可能とは言いにくくなってきました。そもそも、いわば、「高性能のための高性能(スペック
どれが正しく、どれが間違っているということではないにしても、バラバラに発信されている各々の得意分野の方達が、独自に多種多様に放っている情報は、無秩序に拾っていくと、いわば食べ合わせが悪いことが起きてしまうことがあります。お客様の中でもネッ
現在のスタイルが始まった頃は、おそらく30年くらい前ですがここ福岡で弊社は稀有な存在だと言えたかもしれません。九州で「断熱・気密」という言葉を多用しただけで、不思議がられる時代でした。むしろ知らないもの怖さであらぬ攻撃すら受けたほどでした
思案していく中で、現状の社会でも建てるべき住まいはあると私も認識しています。ただ、そのために質を落とすことや、法外な資金繰りで築後の暮らしを蔑ろに企画を進めていくわけにはいきません。日々詰将棋のように一手一手を打っていきますが、社会全体の
「建築YA髭のCOLUMN」はまさに、建築YAである私が、35年余り一貫して取り組んでた建築屋としての自らの表現方法のひとつです。一貫して言えることは、愛すべき住まい手たちであるクライアントの皆さんが、長き人生の大半を過ごす「住まい」の創
正直に吐露すれば、「書けなかった」という方が正確かもしれません、十数年の間、毎日来る日も来る日もコラムを続けてきたこの場で、語ることがなんとなくできなくなってきたのです。決定的なことが何かあったということではありませんが、この数年、さまざ
台風10号が過ぎて、少し厳しさが緩みましたが、近年の夏は、宅内の温度の過酷さが宅内熱中症を産み出しているこの国の住まい事情があります。奇しくも昨晩のNHKのクローズアップ現代では、この国の住宅性能によって起こってしまう夏の問題が取り上げら
何だか例年言っていますが、「今年は特に暑い」という言葉が日に日にまして飛び交っている感覚があります。私たちが教育で教え込まれた日本の気候は、「表情豊かで四季があり、湿潤で人間が暮らすには最適な温暖な気候...」というような人に優しい環境を
羨ましくも、沖縄はもう梅雨明け宣言だそうですが、ここ福岡はまだまだ湿り気とムッとする熱気の坩堝の中にあります。今年の夏予報でも、例年通り「酷暑」という言葉が踊りました。いよいよ、暑さが増して来ている感じは年々増して感じる感覚であって、こん
世の中のうねりに、立ち止まりじっとばかりもしていられないけれど、風の時代と言われるようになってきてから既存の価値観がガラガラと崩れ去って、あらゆる事柄がゆらゆらと蠢いている感覚が拭えません。真新しい新築の住宅を住まい手のために生み出すこと
いつの世も、庶民は強かに生きていくものですから、世の流れに従いそれなりのライフスタイルで生きていけば良いということなのかと思いますが、このところの社会状況を見ていると、明らかにもうこれからは、おいそれと新築住宅を建て続けて、いわゆるスクラ
随分、コラムをお休みしてしまいました。書きたいことがないわけではないのですが、激動の社会変化の中にあって、私たちの仕事も大きく様変わりし始めている潮流をなんとか掴みきれないかとも外しているうちに、時が経ってしまったというのが正直なところで
暗い話しばかりしてきましたが、現状把握としては、冷静に俯瞰すれば語ってきたような状況が大きく横たわっています。ただ、「自分の住まいを建てたい」という、人間としての当然の欲求に対して、私たちはこの状況下で冷静に判断し、なんとかニーズに見合う
まず、なんとなくローンが組める年齢のリミットだからとか、周りも建て始めたからという、これまでの社会体制が曲がりなりにも安定していた時代に住まいづくりを模索するケースは減ってくるのではないかと想います。「なんとなく」ではあまりにも大きな投資
高嶺の花と書きましたが、なるべくそうならないように、広く皆さんの衝動として住まいづくりは実現できるものとして今後もあれば良いなと思ったりします。ただ、これまでのおひとりひとりが、住まいを建てることができるという時代も、長い歴史
その上、最近は在宅勤務やオンライン授業などで、自宅滞在時間も大幅に伸びたからなのか、住まいの室内環境に関しての意識が高まるとともに、さらにはエネルギーコストの爆上がりも後押しして、住まいそのものの性能も大きく取り上げられるようになりました
羨ましくも、沖縄はもう梅雨明け宣言だそうですが、ここ福岡はまだまだ湿り気とムッとする熱気の坩堝の中にあります。今年の夏予報でも、例年通り「酷暑」という言葉が踊りました。いよいよ、暑さが増して来ている感じは年々増して感じる感覚であって、こん
世の中のうねりに、立ち止まりじっとばかりもしていられないけれど、風の時代と言われるようになってきてから既存の価値観がガラガラと崩れ去って、あらゆる事柄がゆらゆらと蠢いている感覚が拭えません。真新しい新築の住宅を住まい手のために生み出すこと
いつの世も、庶民は強かに生きていくものですから、世の流れに従いそれなりのライフスタイルで生きていけば良いということなのかと思いますが、このところの社会状況を見ていると、明らかにもうこれからは、おいそれと新築住宅を建て続けて、いわゆるスクラ
随分、コラムをお休みしてしまいました。書きたいことがないわけではないのですが、激動の社会変化の中にあって、私たちの仕事も大きく様変わりし始めている潮流をなんとか掴みきれないかとも外しているうちに、時が経ってしまったというのが正直なところで
暗い話しばかりしてきましたが、現状把握としては、冷静に俯瞰すれば語ってきたような状況が大きく横たわっています。ただ、「自分の住まいを建てたい」という、人間としての当然の欲求に対して、私たちはこの状況下で冷静に判断し、なんとかニーズに見合う
まず、なんとなくローンが組める年齢のリミットだからとか、周りも建て始めたからという、これまでの社会体制が曲がりなりにも安定していた時代に住まいづくりを模索するケースは減ってくるのではないかと想います。「なんとなく」ではあまりにも大きな投資